上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
久しぶりにファンタジーでも読むかと思い、上巻を購入したのが15年くらい前。そのまま本棚に突っ込んでいたのを、急に読もうかという気になって引っ張り出して来ましたが、この年でいまさらファンタジーというのもあれかなと思いましたが、面白かったです。
まず章立てがちょうどいい長さにまとめられていて、入浴中に読むとちょうどアニメ1話分くらいの読後感で、読みやすかったです。またファンタジーとはいえ、いろんな要素が現実世界のリアリティラインから外さず、その辺も読みやすさの一因なのかなと思いました。
闘蛇と王獣、真王と大公の関係が、ちょうど日本とアメリカ、または国内の天皇制、核の問題などが読み取れて、その辺はち -
Posted by ブクログ
「鹿の王」のスピンオフで、主人公はオタワル医術師のホッサルと彼の恋人で助手でもあるミラウ。
医術の2つの流派をめぐる政争や、治療の是非、生きるとは何かということが書かれていて、いつもながらいろいろ考えさせられながら読みました。
この作品は上橋氏には珍しく恋愛部分の比重が大きくて、こんなのも書くんだと驚かされました。最後は氏の粋な計らいがあって思わずニンマリ。
私は上橋氏の自然描写が好きで、特に好きな一節がこちら。
「屋敷の中は静かで、ただ屋根を打つ小雨の音だけが聞こえている。」
これを読んだとき、屋根を打つ雨音だけでなく、雨と草の匂い、部屋の暗さなどが急に私の周りを取り囲み、一瞬にして別世 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ好きだった言葉は、「人にどう思われるか気にしていると、発想も縮こまるんだな。」と、「この世に生きる、たくさんの生き物たちの営みの不思議さを感じてほしい。学ぶということの、ふるえるような興奮を感じとってほしい。」の2つである。1つ目は、普段私は周りの目を気にして生きているからドキッとさせられた。知らないうちに発想が縮こまって損してたかもと思うと、今後はあまり周りの目を気にせず自分らしく生きていきたいと思った。2つ目は、成功する人は学ぶときにふるえるような興奮を感じ取っているよねと思った。何かで成功した人の話を聞くときよく感じるのは、この人はこれが本当に大好きで取り組んでいるんだなってことだ。私は
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Posted by ブクログ
人は同じ過ちを繰り返す。多くの命が失われてもなお、無くなることはない戦争。その愚かさを心に刻みながらも、その概念が人の記憶から消されることは無い。しかし、結果が同じ過ちであったとしても、その後が同じであるとは限らない。一度目の過ちは、過ちであるかもわからぬままに犯してしまう。しかし、二度目は過ちであると知りながら犯したのだ。己の信じる未来のために、希望と共に暮らすことができる世界のために。エリンはその選択をしてみせた。かつて災いを起こし、二度と同じことを起こさぬようにしてきたジェの意思は、既にあった小さな綻びを突いてみせたエリンの手によって崩された。しかし、そのエリンによって、かつて起きた災い