上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 香君1 西から来た少女

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    最初の数ページでグイッと物語に引き込まれた。
    そしてそのまま勢いで最後まで読んでしまった。
    ド派手な演出はないけれど、どんどん伏線が張られていく感じがたまらない。
    最近わくわくしてない人にオススメしたいファンタジー。
    2巻は既に買ってある。

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    2025年11月26日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    一度は静まったはずの天炉のバッタ。
    けれど物語は、まるで風が巻き戻るように、
    再び羽音が空を覆うところから始まりました。
    この巻があるということは、きっとまだ世界には揺らぎが残っている――
    そんな予感を胸の奥で鳴らしながら、私はページを開きました。

    バッタたちは、生き抜くために、より大きく、より強く変わっていた。
    その変化を知ったアイシャは、御前会議で
    「国中のオアレ稲を焼くべきだ」と進言します。
    それを実行できるのは、皇帝か香君の言葉だけ。
    オリエとマシュウは策をめぐらせ、
    香君としての言葉が民に届く場を用意しようとします。

    しかしその思いを察したイール・カシュガは、
    オリエに毒を盛ると

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    2025年11月24日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    たぶん読むのは人生で3回目くらいだが、上橋菜穂子作品の中でやはりダントツに面白い。精霊の守り人シリーズも傑作だが、主人公と舞台が移り変わる複雑さがないぶん読みやすい。結末を知っているとどこが悲劇の分岐だったのだろうと、想いを馳せながら読めるのも良い。

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    2025年11月17日
  • 香君3 遥かな道

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    ネタバレ

    「なにか呼んでいる、遥か遠いものを」
    その帯を目にした瞬間、胸の奥で小さな気配が動きました。
    ――呼ばれてはならないものが、呼び出されてしまうのだ、と。

    ミリアに攫われたアイシャたちが見た、
    海辺で風に揺れるオアレ稲。
    本来そこにあるはずのない生命の姿。
    そして、〈絶対の下限〉を越えて育てられた稲が放つ、
    「来て」と囁くような気配。
    応じる生き物のいないその声は、
    ひどく静かで、どこか不吉でした。

    やがて見えてきた“救いの稲”という名。
    政治のために掲げられた旗のようなその言葉の下、
    遠い異郷からマシュウの父が戻る知らせが届きます。
    そこで出会ったのは、マシュウに似た男と、
    空気をざわめか

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    2025年11月14日
  • 鹿の王 1

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     その壮大にして芳醇な世界観に、まさにこれが小説と評すべき一冊であろう。
     例えば「東乎瑠(ツオル)」「飛鹿(ピユイカ)」などなど、この呼び方からして何処からその発想を得たのか、これほどの世界観を創り出せることに驚嘆の一言である。
     著者の上橋菜穂子さんは文化人類学専攻で、アボリジニーの研究者とのことなので、そういった民族的な言語を活かし物語に深みを出しているのかなど、勝手な想像をしてしまう。
     岩塩鉱で奴隷となっていた主人公ヴァンに対して、まるで意思があり、動物の如く襲来した「黒狼熱(ミツツアル)」という感染病に次々と人々が死にゆく姿は、まるで少し下火とはなったものの、今でも脅威でもあるコロ

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    2025年11月12日
  • 香君2 西から来た少女

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    ネタバレ

    「香君は、③と④は違うサブタイトルなのに、どうして①と②はどちらも『西から来た少女』なのだろう。」
    そんな小さな疑問を胸に、私は本を手に取った。
    読めばきっとわかるのだろうと、想いを馳せながらページをめくる。

    物語は、オリエが本当の香君ではないことをアイシャが知る場面から始まる。
    マシュウの計画、オアレ稲の秘密、香りを感じる力――
    その一つひとつが、アイシャの出自の謎へと繋がっていく。
    やがて彼女は、初代香君もまた西から来たのだと知り、
    その血の流れと、自らの歩む道とが交差していることを悟る。

    マシュウたちとともに、人々を飢えから救うために動き出したアイシャは、
    祈願の鳩の占い師として、山

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    2025年11月10日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

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    獣の奏者外伝。エリンとイアルの馴れ初めやエサル師の若い頃の話などを含む4篇が収録された短編集。エリンがどのような気持ちでジェシを産むこと決めたのか、そんな葛藤が心に響きました。またエサルの少女時代の恋愛が切なく、彼女の決意に感動した。ストーリーは前巻で完結済みだが、キャラクターの人物像の深掘りによって、より獣の奏者が好きになれます。

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    2025年11月10日
  • 香君1 西から来た少女

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    ネタバレ

    この本を初めて手に取ったのは、まだ単行本で出版されたばかりの頃だった。
    けれど、そのとき私は買わなかった。
    当時の私は「本を買う」という行為に満足してしまっていて、
    その先にある「読む喜び」を見失っていたからだ。
    だからこそ、上橋菜穂子さんの本をそんな自分の手で扱うことが、
    どこか申し訳なく思えたのだと思う。

    あれから数年がたち、
    もう一度「物語」に触れたいという想いが静かに胸に芽生えた。
    そのとき自然と思い出したのが、この『香君』だった。

    ――物語の幕開けは、追われる少女の姿から始まる。
    アイシャ。旧藩王の血筋を理由に命を狙われ、捕らえられた少女。
    彼女を救ったのは、利用価値を見出した男

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    2025年11月08日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    王獣を人に慣れさせてはいけないという決まり。
    純粋にリランのことを愛して育てていたのに、政治的な利用をされそうになったり、王獣の本能に恐怖を抱いたり、エリンの思うままにはできない理不尽さ。
    政治が絡んだり、過去のことが絡んできたりで世界観がすごくてより面白くなってきた。
    最初の闘蛇の謎の死とか、王獣規範のこととか、解き明かされていくのが楽しみ

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    2025年11月06日
  • 狐笛のかなた

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    兄にとってのベストオブ・ファンタジーが「2分間の冒険」なら私にとってのベストはこの本「狐笛のかなた」
    繰り返し読んできたお気に入りの一冊だ。

    世界観の描写が自然の細部まで繊細に表現され、呪いと憎しみが渦巻く物語なのに、出てくる風景はどこか柔らかく、美しい。

    命を救われた時小夜の温かさを胸に、一途に小夜を見守り続けてきた野火と、その想いに触れ、野火を守りたい小夜。
    見返りも求めずに、ただ小夜を守りたいと命をかける野火の姿に本当に切なくなる。
    そして覚悟を決め、迷いが消えたの野火の端々に出てくる、小夜と居る時だけの年齢相応の表情や所作にキュンとくる。

    誰しもにとって完璧なハッピーエンドではな

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    2025年11月03日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    星5じゃたりない。
    大好きな友達が勧めてくれた本、とっっっっても素敵で大好きな本になりました。記憶なくして何度でも読みたい。
    上橋さんの造る文章の全てが綺麗で素敵!

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    2025年10月31日
  • 鹿の王 2

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    リーダビリティの高いこと。
    ヴァンとホッサルを中心に展開する中で、どちらも気になるところで切り替わる。また、医学を扱うと専門知識を求められるのは当然だが、決して負担にはならない。
    素晴らしいシリーズだ。

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    2025年10月28日
  • 狐笛のかなた

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    和製ファンタジー 今作は日本っぽさが強くて、すごく好き
    上橋菜穂子作品にしては短いけれど、それでもかなり、作品の世界に引き込まれる
    児童文学なので、誰にでも読みやすいと思う
    子どもたちみんなに読んでもらいたいな

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    2025年10月24日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    は〜面白かった。最後の最後まで、もうどうしようもないんじゃないかという状況の中、ハラハラドキドキしながら読みすすすめて、ラストは涙がじわり。
    歴史や事実をひた隠したご先祖様も、それらを明るみにしようとしたエリンやセイミヤ達も、国や子孫を想ってのことで、そこはファンタジーというか、物語たる美しさだけれど、だからこそその美しい世界観に浸れたし、清々しい気持ちで読み終えられて大満足だった。

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    2025年10月22日
  • 鹿の王 4

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    圧倒的に上質なファンタジーを読んだ、読ませていただきました。最高...。
    生きること、生かすこと、病の不条理、生命の神秘を、ときに国と国、民族と民族の対立や共生として壮大に、ときに細胞一つひとつの働きとして緻密に描いた物語。

    4巻目の解説にもあるが、本書の1番の魅力は、ファンタジーといっても根本的解決の手段を魔法や超常現象に頼らない点。人々や動物が懸命に生きようともがく姿が、または上橋さんが丁寧に描き出す湿った草木の匂いや、部屋に差し込む光の淡い色などの風景が、何か現実世界の延長のような感覚で自身を異世界に投影してくれる。

    生きることだけでなく、死ぬこともまた、生き物の身体には、その生のは

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    2025年10月22日
  • 獣の奏者 III探求編

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    母となったエリン。大切な家族との幸せ、王獣への想い、国の平和、それぞれを叶える手段が綺麗には重ならない葛藤の中、何を信念として歩めば良いのか窮地に立たされる。けれど、答えが分からない中でも、希望を捨てずに自分がやれることを手探りしながら進んでいくエリンに胸を打たれる。少女の頃のように情熱だけでは守りたいものを守れないことを知り、迷いながらも決断していくエリンの成長と共に、リョザ神王国に迫る危機へと立ち向かう。なんとか、明るい未来へ突破して欲しい!

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    2025年10月19日
  • 鹿の王 1

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    『獣の奏者』と比較しても、抜群に面白い! ファンタジーでありながら、この世界が実在するのではないかと思わせられる。そして、謎要素によりグイグイ読ませられる。

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    2025年10月18日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    あ〜おもしろ〜試しに1冊目だけ買ってみたのが悔やまれる。まとめて買えばよかった。早く続き読みたい。

    エリンの可愛さと聡明さが同居するあの感じが、春の暖かさと時折吹く冬の名残の風のようでここちいい。
    これからエリンはどうなっていくの〜!その内に秘めたるパワーで全部いい感じになっちゃうのかな???

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    2025年10月12日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    神話と歴史、政治劇が複雑に絡み合い、その渦の中で揺れ動くエリンと王獣リランの心の通いに、読みながら一緒に気持ちが揺さぶられ、とても切ない。登場人物それぞれがもつ背景には様々なしがらみがあり、その中で懸命に生きる姿も胸を打つ。何が善で何が悪か、立場によって見方が変わり、それはファンタジーだけれどとても現実的で、没入してページをめくった。

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    2025年10月11日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    ずっと気になっていたけどやっと読み始めた。
    何冊にも渡ってるやつ同時進行で読み始めてしまったけど、、
    ファンタジーだけど、世界観に入り込みやすくて、読みやすくて続きが気になる!
    エリンがどう考えるのか、どう成長していくのか、早く次も読みたい

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    2025年10月09日