上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ中学生か高校生の時に読んで、約10年ぶりに再読。あの時はこんなに深い物語だと理解できていなかったのではないかと思う。読み終わった後、放心状態になるくらい考えさせられた。
全てを隠すことで民を守ろうとした初代真王をはじめとした過去の人々と、全てを明らかにすることで人々を守ろうとしたエリンたち。
その対比が緻密に描かれており、何が正解で何が不正解か、その答えはないのだと思った。
まさに、人々は争い続けるものであり、エリンの夫イアルも、エリンの死後も闘蛇乗りであった。
エリンが全てを明らかにしてもなお、戦はやまないのだ。
読んでよかったと思える長編。
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Posted by ブクログ
香君1を読み終えて直ぐに香君2を
読みはじめました。
読み進めていく中で人物や地図での関係を
確認する事も少なくなり、物語の色彩を
感じながら深いところで読み進めていました。
主人公のアイシャが
香りで万象を知る それがどういう事か
と考えながらの時間でした。
全く同じような事が物語の中だけでなく
私達が暮らしている世界でもある事だし
細かく物事を色々な角度で見る事をしたら
生活の中でも沢山の犠牲や矛盾は
悲しいけどあるんだよなぁと
少し物語とはズレて考えてしまっりの
不思議な読後感でした。
この壮大な物語の香君2の最後の終わり方
気になりすぎる!ですが
大丈夫です、実はもう
香君3も手元 -
Posted by ブクログ
堪えていたものがグググっと込み上げてラストのシーンでは涙が溢れた。
獣と少女が必死に通わせた心の軌跡の物語でもあり、愚かさを繰り返す人間の物語でもあり。
戦争映画を見ているような気分にもなった。
後半になるに連れて目が離せなくなって行く。
主人公のエリンとリランを小さな頃から見守って来た読者にとっては、胸が痛いシーンの連続であったりもした。
どのシーンでも悔しさと怒りと虚しさが入り混じっていて苦しくなった時が多かった。
それがラストのシーンでは救われたような、だけど「人間は愚かでごめんなぁ!泣」と叫びたくなるような胸熱シーンに心奪われた。
これで完結と言っていた作者の気持ちもわかる。
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Posted by ブクログ
この外伝が読めて本当に良かった
本編では語られなかったエリンとイアルの馴れ初めも嬉しかったし、エサル師の若い頃もよかった
あの経験をしているからこそのエサル師の考え方があるんだなぁとしみじみ思う
1番嬉しかったのはソヨンとエリンの話
本編でのソヨンはエリンにだけじゃなくすべてのものに対して淡々としており、エリンに愛はあるんだけどどこか血が通っていないというか…冷めたイメージが拭えなかったのだけど、今回の短編を読んですごく嬉しくなった
私にとってこの話も外伝自体も〈余分な一滴〉ではなく、必要なものだった
この外伝を読んだからこそ本編での違和感や理解できなかった心情なんかもスッと胸に入ってきたので -
Posted by ブクログ
ネタバレ闘蛇編、王獣編が完璧すぎる世界観だったけどこれはさらに上を行くかもしれない
今回は前作から10年ほどすぎエリンはイアルと結婚し、息子のジェシが生まれている
国も真王と大公が結婚しており、様々な変化があった
王獣リランもその後さらに子を産んだようで平和な日々が続いているようだった
だけど闘蛇村の一つで牙が大量死する事件が起き調べるよう命がエリンに下ったところから物語は加速を増していく
ある事からエリンが闘蛇を操れる事がバレてしまう
いよいよ、想像していた最悪の状況となる…
イアルとエリン全て話さずとも何を考えているのか理解しているところは、強い絆で結ばれてるんだなぁと読む度に思う
王獣軍を作らな -
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Posted by ブクログ
小学生の自分が1番好きだった本。
追われるようにページをめくって、胸が高鳴った幼い日々を、今もよく覚えている。
10年以上ぶりに読み返すことには勇気を要したけれど、全くの杞憂だった。
なんなら、上橋菜穂子さんの描くファンタジーが、児童文学の域を保ちつつ、広がる世界の広さが想像力の限界を試しに来る、この心地の良さが今も自分の中にあることを再確認しただけ。それだけで、涙が出るくらい嬉しかった。
なんて優しくてあたたかくて、切ない気持ちに
させてくれるお話なのだろう。
ともすればややこしい領地争いや人間関係を、易しすぎる言葉も使わずにこれ程上手く伝えられるのは、もう本当に上橋先生ならではだと思う -
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Posted by ブクログ
ネタバレエリンの息子ジェシは、母が王獣の訓練をする姿を見たいがために立ち入りを禁止されていた森にこっそりと入って盗み見をしていた。エリンや護衛兵たちはそのことに気がついていたが、母と過ごす時間の少なかった幼いジェシを思うと、注意もしづらく、黙認していた。
ある日、その森の中からジェシの悲鳴が聞こえる。慌てて悲鳴の方へとエリンが走ると、大量の火蟻に身体中を噛まれ悶えるジェシの姿があった。一命を取り留めた息子を連れて、火蟻に襲われた森へとエリンは向かい、森の生き物たちの危険について、生態について、ジェシに話して聞かせる。
狂乱する闘蛇と王獣を止め、死ぬ、エリンの最期も心に残った。それでも、この物語の中で