上橋菜穂子のレビュー一覧
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ネタバレあぁそうだ、この問題が残ってたよね!という一冊。
鹿の王1〜4巻で切なさと希望を残すまとまりがある、ヴァンの話だったけど、
その時に取り残された問題があったわ!
「宗教」というのは、煩雑なものだなあ。
と、この本を読み始めて & 今の世界情勢を考えて思った。
信じるものを優先するというのは、人・民族・国のアイデンティティであり、対立するものや相反するものを受け入れるというのが、根幹を揺るがすことであるというのも理解ができる。
しかしながら、
信じるものを優先せるよりも、人命を第一に考えるのであれば、そこに宗教や方法を選んでいる場合ではない、と思うのだけど。
そうはいかないのが -
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ネタバレ再読。
ついに犬たちの正体。
犬たちを遣わした人々。
2巻でホッサルたちが辿り着こうとしているところが明確になりました。
追い詰められた人の狂気。
初めは被害者であっても、意思を持って仇をなそうとすれば加害者になってしまうこと。
科学の時代ではない(科学の思考のない)人の、宗教観・思想の偏り。
なんだか最近聞いたような構図で浮かび上がってくる怖さ。
この怖さをヴァンは「妄執」と呼びました。
そう思っていても、その妄執を正義だと妄信している者の気持ちに浸かってしまえば、同調もできてしまう。
それぞれの立場があって、いろんな国、戦、そこに生きる人、支配者、そういうものの中で、登場人物達の位 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大混乱の中はじまる2巻目。
黒狼熱についてを研究し、薬を作ろうと、ヴァンを探すホッサルたちの前に、嘲笑うかのように元凶の黒い犬たちがやってくる。
ホッサルたちの前に犬が来て、噛まれた人がいることで、ホッサルが現在取り組んでいる黒狼熱に対する薬の研究3種類が明確になります。
ちょうどコロナ禍を経験した私たちにとって、コロナで考えやすいことですが、、、
山犬に噛まれた妻と息子を持つ与多瑠は、弱毒薬を妻と息子に打つことを望みます。
これはコロナに対するワクチンを打つことのようなものですが、与多瑠をはじめとする東乎瑠帝国の人たちにとっては、身が穢れるとして恐れ避けていたことを受け入れなければならない -
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知りたいと思い追い求める事は恐ろしい側面を伴う…それでもひたすら自分の道を信じその先を知ろうとするエリン…凄いなぁ…どうしたらこんなに面白い話が書けるんだろう
リランがエリンを守った姿が頭に浮かんで感動した
リランにもエリンを慕う気持ちがあるんじゃないかなと今作で感じた
今までエリンがリランに対して抑えていた愛情が溢れ出していた場面良かったなぁ
「知りたくて、知りたくて…おまえの思いを知りたくて」ってところ泣きそうになった。知りたいけれど王獣の気持ちを人が完全に理解することは難しい…
お母さんが子どもの気持ちを理解したくてもどうすれば理解してあげられるか苦悩している様だった
小5の頃、上橋先生 -
Posted by ブクログ
上橋菜穂子さんの世界は初めてです
野間児童文芸賞受賞作品
これは児童対象だけでは終わらない、大人でも充分過ぎる程楽しめる和製ファンタジー、そして純愛物語だと思います
古き日本が舞台の郷愁を誘う世界観
豊かな自然と美しい風景描写
狐や天狗の和テイストが不思議な世界へ、そして何処か子供の頃へタイムスリップしたような懐かしい感覚を取り戻してくれました
<聞き耳>の才をもった12歳の少女・小夜
怪我をした一匹の霊狐・野火を助けたことからこの物語が始まります
やがて、隣合うニ国の争いに巻き込まれていきます
小夜を一途に想い、命懸けで守る野火
野火を信じる真っ直ぐな小夜
二人の孤独で健気な燃え上がる -
Posted by ブクログ
もう10年以上前、小学生か中学生の時にお小遣いで買った大好きな作品を再読。
上橋菜穂子さんの作品に出てくる食べ物ってすごく美味しそうで魅力的。独特の甘辛い香辛料で煮付けた魚、タレがしみたご飯、読んでるだけで口の中に唾がたくさんわいてくる。
これは全10巻のシリーズの第1巻目。新ヨゴ王国第二皇子のチャグムが、目には見えないもう一つの世界の水の精霊の卵を身に生み付けられていて、ひょんなことから女主人公の用心棒・バルサがチャグムを守ることになる話。当時2巻目の『闇の守り人』から読み始めた私的に、シリーズものだけど1話完結的な楽しみ方もできると思う。
呪術師のおばあさんトロガイ、その弟子タンダ、宮に仕