上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 鹿の王 4

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    ネタバレ

     なんとも壮大な世界観で、しっかりと作り込まれた物語性の高くて深淵さをも感じる小説であった。
     本屋大賞をも受賞したというのも頷けるものである。
     さて最終巻であるが、まさに故郷を失った火馬の民オーファンらの、巧妙な計画で東乎瑠への復讐を、ヴァンが防ぐために、まさに彼が唱える「鹿の王」とも言える行動をとる。
     「飛鹿の群れの中には、群れが危機に陥ったとき、己の命を張って群れを逃がす鹿が現れる、群れを支配する者、という意味ではなく、本当の意味で群れの存続を支える尊むべき者」が、鹿の王とのことであれば、まさに、ヴァンはその行動をとることになるのであるが、ここでこの小説が医療にも根源を求めている小説

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    2026年01月17日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    ネタバレ

    音無し笛で縛られる王獣、堅き楯の誓いに縛られるイアル、王家の盲信に縛られるセィミヤ等から縛られる生き方の虚しさを感じると同時に、それでも戒律を必要とする人間の性の虚しさを感じた。

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    2026年01月16日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    ネタバレ

    旅の道中で読んでいたのもあって
    2日で読み終えてしまいました(笑)

    展開が早過ぎず、遅すぎず。
    読む手が止まらない。

    純粋にリランのことを想って関わっていただけなのに
    そのおかげで心を通わせることもできたのに
    王獣と人間のどうしてもわかり合えない部分が
    出てきてしまったり、
    国に利用されそうになったり。

    ここで話は終わりだったというあとがきを読んで
    思わず、嘘でしょ!?となりました(笑)
    だって続きが気になりすぎる!!
    やはり全巻揃えてから読み始めて正解でした(笑)
    続きが楽しみです!

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    2026年01月14日
  • 鹿の王 水底の橋

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    鹿の王にハマりすぎてスピンオフ?の水底の橋まで一気読み。1-4巻のサブ主人公であるオタワル医療の医術師 ホッサルが主人公の医療&政治ファンタジー。オタワル医療という現代の西洋医学に近い医療と、清心教という宗教的な死生観に基づいた医術の二つが対立するという面白すぎる世界観は前作までと同じだが、そのテーマにフィーチャーされた作品になっているのでより面白い。

    上橋先生が家族の介護を終えて書かれた作品ということで、命や医療とどう向き合うかという葛藤がファンタジーを通して色濃く描かれていると感じた。

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    2026年01月13日
  • 獣の奏者 III探求編

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    主人公エリンが愛する人と結ばれ、可愛い子供にも恵まれ、そのまま幸せな人生を歩みたいのに、周りの思惑に巻き込まれてしまい、思わぬ方向に進んでいく…。

    1巻、2巻で出てきた様々な謎が、この3巻で少しずつ解き明かされていき、大団円である4巻に向かっていくのですが、いろんな伏線も仕組まれていて、エリンだけでなく読者も激流に翻弄されていきます。

    この3巻も寝る間を惜しんで読んでしまいました。
    物語の合間に出てくるエリンの子供が、父親に

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    2026年01月12日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    ネタバレ

    野生との違いが見えてくるにつれて、闘蛇も王獣も人が飼わなければいいのにと思うが、そうできないのは政治的事情があるからだろう。エリン視点の物語と王族視点の物語の今後の交錯に注目したい。

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    2026年01月11日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    シリーズ第2巻。

    戦闘シーンが上橋氏ならではの迫力で、思わず手に汗を握ってしまいました。結局、2日で読み切ってしまいました。(寝不足)

    主人公エリンを通して描かれている、自分をよく見つめ、他者の思惑に翻弄されることなく、己の心に従って生きよ、という作者のメッセージが心に突き刺さります。

    最後は胸を打たれて思わず涙が零れてしまいました。ぜひ多くの方に、特にお若い方に読んでいただきたい作品です。

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    2026年01月07日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    上橋氏の作品は本当に期待を裏切らないですね!無我夢中で読んでしまいます。

    複雑な生い立ちをもつ少女エリンの成長物語。

    「自分も含め、生き物は、なぜ、このように在るのかを知りたい。」

    知りたい、知りたい、知りたい!という情熱で彼女は自分の未来を切り開いてきます。

    そんなエリンの姿は、すっかりオバサンになった元少女にも勇気を与えてくれました。

    早く続きを読みたいです。

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    2026年01月05日
  • 鹿の王 1

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    強大な帝国に侵略された架空の地方が舞台。奴隷のヴァンと赤子のユナは伝説の病「黒狼熱」にかかるも生き残り旅をする。ファンタジー&医療サスペンス。2015年本屋大賞。

    四巻まで一気読み。そして大好きな西加奈子さんが三巻の解説を書いていることに気づき歓喜。身体と国家、ミクロとマクロなようで共通の構造を持つという面白さが良い。登場人物も全員魅力的。いろんな思惑を持つ人物や組織がいて、謎解き的要素もあって、エンタメ的にも哲学的にも面白かった。

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    2026年01月04日
  • 狐笛のかなた

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    ネタバレ

    後半がとんとん拍子で進むのでよかったな
    簡単に言えば異類婚姻譚だが、それだけでは片付かないほどの美しい桜の風景がこの本の中にある。

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    2026年01月03日
  • 鹿の王 4

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    最終巻。半日で読み終えてしまった。

    国によって異なる医療の在り方があって、文化や暮らしがあって、その中で自分たちの暮らしを手放さざるを得なくなった人々。
    全ては思い通りにはいかないし、最善だと考えて行動していても、それが個人の死によって成り立っていては意味がないのでは、と思う。
    だけどその中でも人が人を想う気持ちがきらきら光って希望のように思える、そんなお話でした。
    素晴らしかった、超現実的なファンタジーだったなぁ。


    微生物によって支えられている身体は、国や土地そのもので、人と自然は繋がっていることを改めて感じました。
    血縁も、一緒に暮らすことでできる絆も、今隣にいてくれる愛猫の尊さも、

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    2025年12月31日
  • 鹿の王 3

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    年末年始のお休みに入り、遊びまくっていたので、2.3巻を読むのに日が空いてしまい、登場人物・集団を覚えていられなくなって難しかった。(完全に自分のせい)

    日本でも、大きな災害が起きてもその土地を離れたくないという人が多いのと同じように、物語の中の人々がその土地や文化を愛し存続させたいと願う姿が印象的だった。

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    2025年12月31日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    遂に完結してしまった...。
    リョザの戦争の歴史に巻き込まれていくエリンの不遇な人生譚。
    人々と獣たちの歴史の物語でありながら、過去から現代へ、そして未来へ滔々と紡がれていく学問の姿についての物語でもあったと思う。
    繰り返される諍いの中にあっても、ジョウンおじさんからエリンへ、エリンからジェシ、そしてその子供たちへ、知識という道標が渡り行くさまを希望と形容するのは軽薄か。
    上橋さんの創り出す繊細で壮大な世界にどっぷりと浸かることができて幸せな年末でした。

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    2025年12月26日
  • 鹿の王 2

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    1は、物語の導入の内容が濃かったが、2では「黒狼病の治療、感染の謎を突き止める」というホッサルたちの仕事の背景に、民族同士の対立などが明らかになりつつある。それはそれとして、ファンタジーなのだが、現代にも通じる価値観もあり、考えさせられる。「呪い」とか「魂」とか私が全く信用していない概念の描写もあるが、
    それを著者さんはどのように説明をつけていくのか?楽しみに読んでいる。単なるお伽話で終わることのないように願っている。

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    2025年12月25日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    卒論終えたご褒美に読み始めた。あまりにもおもしろかった。ご褒美にふさわしい読書でした。何度でも読みたい。

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    2025年12月23日
  • 鹿の王 1

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    超自然現象などこれっぽちも信じない私のような人間が、納得できるようなファンタジーでありますように。期待して「1」を読み終わりました。
    どなたかのレビューで「コロナみたい」と読んでしまったため、先入観が生まれ、黒狼病がどうしてもコロナとつながってしまい、ちょっと残念です。下手にレビューは読まない方がいいです・・・・
    とても面白かったです。

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    2025年12月23日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    オリエさま、幸せになって欲しい…とずっと思いながら読んでいたので本当によかった…。

    海外の蝗害のニュースを見たことがあったから、あっこれは…とうっすら思いながら読み進めていた。
    何のために存在するか分からない規則がより現実的な損得勘定の前に徐々に失われてしまうのも仕方のないことだと思うし、被害を直接目にしていない人をいくら説得したところで分かりました稲を焼きましょう、とはならないのも当然だよなとは思いつつ、災厄を予期していても、やがてそれが現実になっても対応が後手後手になってしまうのがとても歯痒かった。
    しかしああなる前にアイシャたちに他に何ができたか?と考えると、何もない…というか既にでき

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    2025年12月21日
  • 香君4 遥かな道

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    やっぱり王の物語って面白いよな~
    アイシャは香君として生きる星のもとに生まれてきて、そこにはやはり王の気質が備わっている必然性がある。食糧問題と政治、信仰心により生まれる人々の暮らしぶりと命のうねりみたいなものを感じられた。著者あとがきにもあったけど、この世界は知らないものがあまりにも多く、植物も昆虫も人も全てが命の連鎖の中に繋がっていること。それを無視しては生きていけないこと。今の時代だからこそ刺さるものがあった。ハガレンでも言ってた「一は全 全は一」を思い出す。

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    2025年12月21日
  • 香君1 西から来た少女

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    上橋菜穂子氏の新作長編ファンタジー。
    香りで万象を捉える「香君」が影響力をもつ国と勇敢な一人の少女の物語。

    国と文化と歴史が緻密な上橋ファンタジーの今回の題材は作物と蝗害。

    国の豊かさに直結する作物に関して深堀った本作は上橋ワールドの相性は抜群。

    魅力的だかどこか不気味なオアレ稲を巡って国内の政から周辺国との国交、さらには未開の地の未知の生物まで拡張されていき、次々と展開が進んでいく構造は見事、この没頭感が上橋作品の一つの大きな魅力に思えます。

    登場人物も言わずもがな魅力的、目的は明確かつ同じであるにも関わらず、それに対する手段や考え方は人や立場によって異なるという部分を、国の歴史や背

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    2025年12月20日
  • 鹿の王 1

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    ちょうど5年前の今ごろ、冬っぽい本がほしい!と買っていた鹿の王。積んだねー5年は。

    ハァ、それにしても読むの楽しすぎてため息がでる。こちらのお話には、鹿、飛ぶ鹿、なんか自我を持ってそうな黒い狼が出てきます。繊細でうつくしい自然描写がすてき。世界観にも、人間の身勝手さにも、気になる続きにも、ワクワクが止まらん。

    ファンタビに跪く麒麟が出てきた時の興奮、味わえるのは日本に生まれたから。日本の上質なファンタジーを楽しめる自分で生まれてきてくれてありがとう。
    自然も、物語も大切にして生きたい。


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    2025年12月17日