上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 鹿の王 3

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    いろいろな思惑が複雑に絡み始め、物語が大きく動き始めた第3巻。
    「きたきたー!これが上橋文学の醍醐味!」と盛り上がってしまいました。

    これまで少しずつしか描かれなかったヴァンの家族を思う気持ちが胸に迫ります。

    これはネタバレかもしれないけれど、フッタ、貴様だけは許さん!
    とだけ書き置いて、第4巻読んで参ります。

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    2026年04月11日
  • 鹿の王 4

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    ネタバレ

     自分の命が終わった後も巡っていく命について考えさせられる。
     ヴァンの虚しさや悲痛な思いが痛いほど伝わってくる心理描写だった。
    ユナが最後まで明るかったのが救い。その先を描かず、広がりを見せようとするところで終わらせるのは、「獣の奏者」通じる技だった。

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    2026年04月10日
  • 鹿の王 2

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    ヴァンとユナの体に起こった変化はそういうことだったの!? え、そこでサエが出てくる? あぁぁぁぁぁ、あの人の安否はどうなったの???
    というところで、第3巻へ続く。

    感染症の正体が少しずつ明らかになり、そこに政治も絡んできて、話はいよいよ佳境に入っていきます。

    もう、これ以上、余計なことは語るまい。今日も朝日が眩しいぜ。

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    2026年04月08日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    人は同じ過ちを繰り返す。多くの命が失われてもなお、無くなることはない戦争。その愚かさを心に刻みながらも、その概念が人の記憶から消されることは無い。しかし、結果が同じ過ちであったとしても、その後が同じであるとは限らない。一度目の過ちは、過ちであるかもわからぬままに犯してしまう。しかし、二度目は過ちであると知りながら犯したのだ。己の信じる未来のために、希望と共に暮らすことができる世界のために。エリンはその選択をしてみせた。かつて災いを起こし、二度と同じことを起こさぬようにしてきたジェの意思は、既にあった小さな綻びを突いてみせたエリンの手によって崩された。しかし、そのエリンによって、かつて起きた災いの全てを人々の耳に届かせ、真に同じ過ちを繰り返さぬ世界が作られた。新たな世界は、一つの綻びさえ許されず、精巧でいて、堅牢であった。
    人と獣。同じ世界で暮らしながらも、決して交わることのない、二種の生き物。互いの尊厳を、生活を、未来を守るために生きてきたエリン。それは苦しく、辛い道のりであった。そんな中で彼女は一際輝く幸せを胸に、これほどのことを成し遂げた。自らを産み、育ててくれた母。命を救われ、身体も心も恩人であるジョウン。知識を求める彼女を受け入れてくれた恩師と、そばで支えてくれた友人。そして、彼女が何よりも大切に思い、長く短い時を共に過ごしてきた夫と息子。多くの点が一本の線として繋がり、この物語は幕を閉じた。しかし彼女が繋いだ確かな線はまだまだ先へと伸びていく。それはジェシの手によって。さらに向こうの知られざる誰かの手によって。

    この物語を最後まで見届けることができて良かった。もしかすると、遠い未来にも同じ過ちを繰り返してしまうかもしれない。しかしながらそんな未来は来ないと心から信じられる。それほどまでにエリンが残し、繋げたものは大きいものであり、人々の胸に深く刻まれた。

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    2026年04月06日
  • 鹿の王 4

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    死に至る謎のウイルスに対峙する時、人は不安や恐れを抱き、結果、自分と家族だけは助かる道を選ぶのでしょうか。
    そうではない事を、この本の主人公達が表してくれていました。
    コロナ禍では、国、人種を超えて、世界中の医療、科学、政府、様々な人達が未知のウイルスに向き合い、終息に向かう事が出来ました。
    この本が出版された後の現実の話ですが、どこか予言書を見ているような気持ちで読み進めていました。

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    2026年04月05日
  • 鹿の王 1

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    またもや眠れぬ日々を始めてしまいました。ページをめくる手が止まらない!

    動物から感染する病気をモチーフに、様々な民族の葛藤が描かれています。
    感染の描写がリアルで、これって本当にコロナ前に書かれた本なの?と何度も奥付を確認したほど。

    これを読んでいたらトナカイに乗りたくなりました。本当は飛鹿(ピュイカ)に乗りたいけど空想の動物だからね。

    独角のヴァンと、天才医術師ホッサルの行く末はどうなるのか?幼子ユナはどんな風に成長していくのか?
    ・・ひきつづき、眠れぬ夜を過ごす予定です。

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    2026年04月05日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    苦しい。
    思えばエリンの周りには敵が多かった。祖父から始まり、闘蛇衆や、霧の民、そして王獣規範など。全ての事の始まりは、彼女の芯から溢れ出る知識欲とそれに伴う行動力だった。「私も母のようになりたい」「蜂の生態について知りたい」「野生の王獣のように、リランを育てたい」その結果彼女はかつてない偉業を成し遂げてみせた。しかし、その術は禁忌であり、歴史上に留めておかねばならなかった。
    人は武力を求め続ける。地位のため、名誉のため、誇りのため。自らとはかけ離れた生態を持つ王獣。その力を我がものとするために、獣としての本能をも縛ってみせた。エリンはそれが許せなかっただけ。人は知識を探求するものを淘汰し、今に変化をもたらさない。これまでも歴史をなぞり、ただ安寧を求める。
    同じようなことは高山羽根子著「首里の馬」でも描かれた。自らのため、または他者のために知識を蓄えようとするものを、嘲笑い、非難する。その結果、求める者が追放され、目の届かぬ位置への移動を余儀なくされる。本作品が現代の日本と全く違う世界であることを念頭に置いた上で、どの世界でも人は同じことを繰り返す。私はエリンに対して何もしてあげられない。無力である。それでも彼女の選択を尊重し、彼女の人生を見守ることはできる。そうしたいと思わせるモノを彼女は多く持っている。

    苦しいことが多い本巻ではあるが、心温まる描写も少なくない。ユーヤンとの間で育まれる友情は心温まるし、リランの初飛翔の場面には驚き共に溢れる成長の喜びや、世界の美しさに感動した。

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    2026年04月04日
  • 狐笛のかなた

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    ネタバレ

    上橋さんの作品は登場人物が駆け抜けていくのを追いかけるような感覚があるけれども、野火と小夜がまっすぐに駆け抜けていってくれた。
    何度か読んだことがあるけれども梅や桜の描写が目の前に浮かぶようで、なんとなくこの時期に読みたくなったのはそれかな。

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    2026年04月01日
  • 香君4 遥かな道

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    1冊目を読んでからトントンと読み進めてしまった。
    この続きがこんなに読みたい、いったいどうなるんだろう、とお手本のような好奇心が湧いて出てくる作品だった。

    農作物、人、民、国、信仰、政治という切っても切り離せない視点を多角的に描写していてファンタジーだけではない現実味にも惹きつけられた

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    2026年03月31日
  • 香君4 遥かな道

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    面白かった。もう、一気に読んでしまった。
    未来のために今飢えろと言われても、人はそれを飲み込めない。多数のために切り捨てられる側にされたら耐えられない。そういう政治のもどかしさみたいなものがすごく丁寧に描かれている。

    大きな脅威や災害に対して人ができることはあまりにも小さいということを思い知らされる。
    それでも象徴として在ろうするオリエが本当に素敵だった。頑張るアイシャのひたむきさもよき。
    あとがきで「アレロパシー」から構想を得た的なことが書かれていたけど、本当に植物も興味深いな。

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    2026年03月26日
  • 守り人シリーズ電子版 1.精霊の守り人

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    昔、アニメ版は見ていた。原作を手に取るのは初めてで、上橋菜穂子さんの本は『獣の奏者』以来。

    面白かったぁぁぁぁぁ
    チャグムかわいいぃぃぃぃあと賢いし強いし絶対いい王になるわ(੭ु´͈ ᐜ `͈)੭ु⁾⁾

    5日で読んじゃった。とても面白かった。

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    2026年03月21日
  • 月の森に、カミよ眠れ

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    ファンタジーではあるけれど、古代の日本の辺境の地で、あたかも本当にこんなことがおこっていたのかなと思わせるリアリティもあり、素晴らしい。もののけ姫とも通ずる趣き。

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    2026年03月18日
  • 香君2 西から来た少女

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    2巻になって世界の輪郭が見えてきたなーという感じ。めちゃくちゃ面白い。

    いつの時代も、どこの世界でも、国を治めるというのは大変だなと思う。尊敬と恐怖を同じだけ集めて束ねなければならない。そしてそのためには象徴が必要で、この世界ではそれはオアレ稲。

    言い伝えがいつか風化してしまう恐ろしさを考える。何かを正しく伝え続けるのは難しい。

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    2026年03月18日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

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    ネタバレ

    「綿毛」が読みたくて。外伝は読んだことあったのですが、改めて文庫版を買って読みました。ソヨンのことを知れてよかった。本編に書いてある生い立ちの情報だけでは、「なんて不幸な人なんだろう」という感想で終わってしまっていました。せっかく一族を離れてまで共に生きたいと思えた人と一緒になれたのに、先立たれてひとりエリンを育てる人生はつらかっただろうなと。その答えが書かれていて、たくましさに胸が熱くなりました。

    「秘め事」がやっぱりこの本の肝なのかなあと思います。ユアンのことがずっとよくわからなくて、頭に残っていたのですが、読み返すと「物言わぬ王獣のよう」な彼の姿がつかみ取れる気がします。何一つ不自由ない、用意された伴侶と添い遂げる飼育された王獣のような一生。焼けつくような破滅願望を、ずっと抱えていたのでしょうか。それでも、エサルと過ごした山小屋での研究の日々は、彼にとっても宝物だったんじゃないかと思わずにはいられません。どんなにそれが身勝手な行いだったとしても。なんて静かで、悲しい抵抗なんだろうかと。

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    2026年03月15日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    第五章 運命の曲がり角
    1 竪琴の響き
    2 運命の曲がり角
    3 教導師たちの決定
    4 最期の便り
    5 傷
    第六章 飛翔
    1 不安の胎動
    2 飛翔
    3 霧の民(アーリョ)の大罪
    4 野生の雄
    5 二頭の飛翔
    第七章 襲擊
    1 真王(ヨジエ)の行幸
    2 ダミヤの誘惑
    3 襲擊
    4 治療
    5 闘蛇の印
    6 決意
    第八章 風雲
    1 求婚
    2 獣の血
    3 ダミヤの命令
    4 魔がさした子(アクン・メ・チヤイ)
    5 露見
    6 逃亡者
    7 風の夜
    8 王祖の来し方
    9 虚しさの天地
    終章 獣の奏者
    1 払暁
    2 弦の調べ


    6章の終わりに教導師になったエリン
    教えることについて。
    学ぶということの、ふるえるような興奮を感じとってほしい、というエリンの言葉。

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    2026年03月13日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    ネタバレ

    上橋菜穂子ファンタジーの、最高傑作だと思う。
    読みやすさ、扱うテーマ、展開と構成、どれをとっても一級品。
    人と獣というテーマを扱いながら、振り返ると一瞬でしかない人生を、こんな風に大事に生きたいと思わせてくるような物語だった。こうなるしかないという結末と、それに至るまでの歩み、その全てを、一読者である自分でさえ振り返って愛おしく、尊く思えるほど、感情を移入させられる。

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    2026年03月12日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    リランと心を通わせていく数々の場面が本当に瑞々しく美しく描かれている。そしてエリンにとって初めての父親であり自身の身体も心も救ってくれたジョウンとの呆気ない突然の別れ。そしてイアルとの出会い。

    リランと心を通わせたことでこの国の将来を左右する濁流に巻き込まれていくエリンとリラン。

    とにかく美しい結末は著者がここでこの物語が完結したとしていたことも納得の出来栄え。



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    2026年03月11日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    なによりリランの飼育に奮闘するエリンの情熱に感動。
    真王襲撃からは色々絡みあった目まぐるしい展開。
    こんな歪な国家が長年崩壊しないとは信仰の力は恐ろしい。

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    2026年03月09日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    ネタバレ

    読み直し。
    あとがきを読んで、本当はここで物語が1幕を下ろす予定であったことを初めて知った。

    全ての生き物に共通するものは"恐怖"でありながら、最後の最後で愛を感じられるのが良い。

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    2026年03月02日
  • 鹿の王 3

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    ヴァンにあるのは、敵国でなく病に対する怒りであり、同じ病でも生き延びる人と死んでしまう人がいることへの無力感。多分、ヴァンは犬の王の力(進撃の巨人でいうところの座標)を手にしたが、どのように制御するのか。

    3巻にして交差していたものが綺麗に繋がってきた。鹿の王はすごい名作。

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    2026年03月01日