上橋菜穂子のレビュー一覧
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ネタバレユグロの口のうまさが本当にすごい。そして、自分のことしか考えてない人の方が迷ったりせずハッキリと物事を言えるし進めるので周りの人は流されるんだろうなぁと思った。断定する人に人は騙されやすい。気をつけよう…。
そして、最後のお別れ。驚いたのは、「辛かった。それでもバルサを育てて幸せだった」みたいなことを告げずに、バルサを守るために友を殺さなければいけないことへの憎しみが伝わって怒りながら育ての親を刺した後、バルサが哀しみと共に寒い中自分を包んで守ってくれたことを思い出し、ジグロが消えてゆくという…。いい意味で予定調和ではなく、ただひたすら、「憎んでいた、それでも守り抜いた」というジグロの現実を置 -
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とうとう長い旅が終わってしまいました。いや、これからも続いていくのでしょう。
私としては寂しい終わりでしたが、ヴァンにとってはやっとゴール?役割?を見つけたということなのでしょうか。
物語を通して、「人は自分の身体の内側で何が起きているのか知ることができない」「人の身体は、細菌やウィルスやらが、日々共生したり葛藤したりしている場でもある」ということを改めて意識しました。
しかもそれを人の社会とも似ているという視点に目から鱗です!
確かに!と思いました。
身体の内部も、人の社会もお互いが影響し合って動いていますもんねー
それにしても、そこからこのファンタジーを生み出すっていう発想がすごいです -
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『獣の奏者 Ⅳ 完結編』上橋菜穂子著 - 深遠なテーマを内包する完結編
上橋菜穂子著『獣の奏者 Ⅳ 完結編』は、長らく多くの読者に愛され続けたファンタジーシリーズの最終巻であり、物語の集大成として極めて重厚な内容を誇ります。本書は、主人公エリンを通じて、「命」「自然」「戦争」、そして「人間としての選択の重要性」を深く掘り下げた作品です。シリーズ全体を貫くテーマが完結編で見事に結実し、深い余韻を残します。
世界観と設定の深化
『獣の奏者』シリーズの魅力の一つは、その美しくも壮大な世界観です。上橋菜穂子氏は、独自のファンタジー世界を精緻に描写し、物語が展開される国々や文化、獣との関わりを緻密に構 -
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ネタバレもしかして、エリンとイアルとリランは──
いやいや、そんなことにはならないはず……と祈りながら、家事を放棄し読みふけりました。
やがて迎えた結末は読まなきゃよかったとすら思うショッキングなラスト。
悲しくてしばらく言葉がでませんでした。
エリンがもっと家族の時間を過ごせて、王獣たちはみな寿命を全うするという別ルートの結末をください…
しかし、この物語は、ひとつの国の歴史であり現実であると考えると、この結末でなければ未来への希望は見えなかったかもしれません。
臭い物に蓋をするようなことはせず、受け止め、考え行動し、松明の火をつないでいかなければ。
読み終えて2日が経ちますが、この結末が徐々に受 -
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上橋菜穂子さんがどのように育ち、何に触れて何を感じたかを知ることが出来てとても興味深かったです。
特に目からウロコだったのが、物語を読むことで色んな体験や知識を手に入れることができるが自分自身ではなんのリスクも負わずに受け取れるのはずるいという考え方です。私は、読書をすることで登場人物が体験したことや、感じたこと、様々な知識を得ることができることに有難みを感じていましたがそのような考え方を今まで感じずに与えられていたんだと思いました。だからこそ、物語の中で体験してきたことの大切な部分を、生身の自分で体験してみようという、上橋さんの考えが素敵だと感じました。ぜひ、私も臆病な自分がいたら「靴ふきマ -
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