【感想・ネタバレ】守り人シリーズ電子版 炎路を行く者のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月29日

あのヒュウゴの少年時代の物語。タルシュ国密偵アラユタン・ヒュウゴ。やたらと気になる存在だったあのヒュウゴ。
バルサやチャグムにとって、敵対する関係のはずなのに、完全な敵ではない。
ラウルを説き伏せた能力の持ち主。

なぜ、あんなにもヒュウゴという人物が心に残ったのか、本作の上橋さんのあとがきで納得。...続きを読むヒュウゴのこの少年時代の物語は、ヒュウゴが登場した時点で出来上がっていたとのこと。だから、ヒュウゴがあんなにも、登場人物の中でも際立つ存在となっていたのだ。

本作は守り人シリーズのスピンオフみたいな位置づけなのだろうけど、もはやひとつの物語として完璧に出来上がっている気がする。
ヒュウゴが家族全員を奪われるという辛く厳しい体験から、どのようにしてタルシュの密偵になっていくのか。ヒュウゴの心の変化がありありと伝わってきて、その心情描写に舌を巻く。
リュアンとヨアルとの交流は本当に胸熱で、なんなら守り人シリーズで一番というほど涙が込み上げてくるし、ならず者として生活を送らざるを得ないヒュウゴの状況も痛いほどよくわかった。
上橋さんは人間の醜い面、守り人シリーズでいえば、暴力に酔って快感を得てしまう人間の残虐な一面も隠すことなく、フラットに描く。そこに特別な感情はなく、「人間ってこういうところがあるんだよ」と諭されているようで、どんなに「暴力はダメ」と言われるより、心に響くものがある気がする。

国が滅ぼされるって何なんだろう。生き残った者は侵略者に頭を垂れてはずかしくないのか。いや、見えていないのだ。なぜ、どこかに生き残っているはずの帝は侵略者により苦しめられている民を救わないのか。そう、自分には、見えていないのだ。色々なものが・・・・

と顔をあげ、前に進むヒュウゴがまぶしかった。

あと、バルサの15歳の頃のお話も収録されていたけれど、ヒュウゴの話の感想で力尽きたので、こっちの感想は割愛・・・(笑)

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Posted by ブクログ 2021年01月29日

タルシュ帝国のヒュウゴの物語。
王の楯の長男として育ったヒュウゴが、タルシュ帝国にすべてを奪われ、底辺を生きながら、様々な出会いから自分の生きていく道を選ぶまでの物語。

バルサが用心棒として成長していく姿が、悲しいけど、その強い生き方が素敵だ。

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Posted by ブクログ 2018年02月20日

ヒューゴの生き様がよくわかる。それにしても作者はこのような設定と世界観をどうやって作り出すのか?神の才能としか思えない

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Posted by ブクログ 2016年12月13日

◆タルシュ国の密偵アラユタン・ヒュウゴの少年時代を描く「炎路の旅人」と、女用心棒バルサの少女時代を描いた「十五の我には」の中編2編を収録。

『蒼路の旅人』『天と地の守り人』で暗躍した謎多きタルシュの密偵、アラユタン・ヒュウゴ。ヒュウゴはなぜ家族を殺した国の王子に仕えることになったのか。女用心棒バ...続きを読むルサは、養父ジグロとの放浪の旅の中で、どうやって成長していったのか。やがて、新ヨゴ国の皇子チャグムを助けるふたりの10代の頃の物語。


(^^)<Comment

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Posted by ブクログ 2016年07月12日

「天と地の守り人」を読んでいるときに、登場人物のヒュウゴが魅力的だと思った。アニメにするならどんなビジュアルでどの声をあてるのがいいんだろう、などと考えながら読んでいた。

魅力のある人物だと思ったヒュウゴの物語。「天と地〜」で重要な位置にいた彼。ヨゴ人である彼が、どんな人生を歩んであそこにいたのか...続きを読む、それがわかる話。

もう一度「天と地〜」を読み返したくなった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年04月05日

番外編!チャグムを影から救うことになる、敵国の猛者。
実は国を奪われた元ヨザ皇国の青年の少年期からのスピンオフ。個々のキャラクターにも力あるこの作家さんの力を感じる一冊。

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Posted by ブクログ 2017年01月16日

ヒュウゴとチャグムはよく似ている。民を想う心、先を見通す力、現状に甘んじない強さ。
蒼路の旅人をまた読み返したくなった。

後書きを読んで納得、炎路の旅人は蒼路の旅人の前に書かれたものだった。

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Posted by ブクログ 2016年08月13日

シリーズの途中から重要な役割で出てくるヒョウゴという男の過去と成り立ちを語った炎路の旅人は面白く読んだ。蒼路の旅人のすぐ後に読めたら、もっと楽しめたような気がする。少し残念。
十五の我にはバルサの若き日の回想の物語。ジグロとの関係性や当時の境遇をうかがい知ることができる物語。

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Posted by ブクログ 2015年09月19日

本人視点の旨味を活かした戦闘/喧嘩シーンがいい。人を殴る、切ることがどう自分に返ってくるかを描く話は少ない。
児童書は特に、本当は大事なそういうことを甘く描きがちだけれど、さすが上橋菜穂子、スイスアーミーナイフを持ち歩く現実主義者である。

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Posted by ブクログ 2017年06月09日

ヒュウゴが何故、祖国を滅ぼした敵国の軍に入ったのか。
そして同じく15くらいの頃のバルサがどうだったのか。
切ないけれど、考えさせられるし力づけられるし、微笑ましいところもあるし、素敵な話でした。

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