上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 守り人シリーズ電子版 7.蒼路の旅人

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    チャグムの成長と決意に涙が止まらん…。
    最初の頃は何もわからない幼子だったのに、周りの人はもちろん敵対する相手にすら魅力的と思われるような皇子になったのね…感無量。
    全然出てこないけれど、しっかりとバルサとタンダの存在を感じられる旅だったのも素晴らしい。
    それにしても帝なぁ…境遇考えると仕方ないんだろうけども。。
    血の繋がった相手と(血が繋がってるからこそ)敵対しあわなきゃいけないって悲しいね…。

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    2025年01月31日
  • 香君4 遥かな道

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    面白くて一気読みした。神ではないのに人々から純粋で切実な祈りを捧げられ、そんな民をいわば欺きながら生きる香君のあり方を、オリエは変えようとする。神の前に人は皆平等である、ということを強みに変えて、そうした場を作って世界の危機を救おうとする、そんな発想ができる権力者は真の神といってよいのではないか。そんなオリエとなりゆきでバトンタッチで香君になったアイシャは、民と共に泥まみれになりながらオアレ稲の研究をしていくことで、香君は神ではなく人なのだと人々の認識を変えていこうとする。神に頼り、帝国に頼る無力な子どもとして、守ってもらおうとするばかりでは、民は危機から自分を救うことができない。楽をせずに自

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    2025年01月29日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    久しぶりに上橋さんの本を読んだ。
    さすがの世界観。
    政治的な駆け引きも、極悪人がいなかったので、案外あっさり収まった印象。
    オアレ稲が本来呼んでいた天敵が「もういない」という事が一番怖かった。

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    2025年01月28日
  • 香君3 遥かな道

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    ネタバレ

    オオヨマに食われず、海辺でも栽培できる上に収量も増える救いの稲。しかし異郷との通い路が開き、救いの稲やオオヨマを食べて増えるバッタが大量発生する。帝国から下賜されるオアレ稲に頼って生活する故に、その稲が打撃を受けると餓死の危機に瀕する藩王国のあり方と、食料自給率が低く、輸入品に頼らないと人口を賄えない現代日本が重なって恐ろしくなる。

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    2025年01月26日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

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    30代になり、再読してみた。
    上橋さんが後書きで仰っていた人生の半ばを過ぎた、時間の経過を早く感じ始めた今読み返してみて、前回読んだ時よりもくっきりと胸に染み込んでくる感覚があった。

    雌雄が交わって実を結び、次代を育む花もあれば、自身が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるのだ。

    この言葉はまだ結婚せず焦ってしまっている自分に対して、そっと語りかけてくれる優しい言葉だった。

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    2025年01月26日
  • 香君1 西から来た少女

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    映像を見てるかのような細かい描写だった
    設定に慣れてきてこれから物語が動く!ってところで終わったので早く2巻を買わないと…
    これからの方はまとめ買いしてから読み始めるのをおすすめしたいです…!

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    2025年01月26日
  • 香君4 遥かな道

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    社会を政治を生態系や経済を…ファンタジーは御伽噺だけではなく無限の可能性があるのだと…
    それにしても、この世界観を構築したのか、作者の想像力に驚くばかり
    誰も不幸にならないエンディングに大満足でした

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    2025年01月22日
  • 香君1 西から来た少女

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    ネタバレ

    どこでもよく育ちよく実るが、実った種籾からは育たないオアレ稲を政治的に利用して、国の覇権を確立しているウマール帝国。そのオアレ稲に虫害をもたらすオオヨマの卵が発見された。自然界の香りを読み取って農業の指示を与える活神の香君も、初代以外は皆政治的に仕立て上げられたもので、先代の死の13年後に生まれ変わるとされ、その年に13歳になる少女の中から、帝国が恩を売りたい国の適当な者を選んで生まれ変わった香君だとし、一切の恋愛を禁じて政治の道具として使う。上橋菜穂子らしい、世界史の一ページのような細かい設定で楽しいし、実際にそういう国がどこかにありそう。ネパールの生き神クマリとか今でもあるし。
    そんな中本

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    2025年01月21日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    アイシャの物語がこれで完結しました。
    本当に壮大で、私の貧祖な想像力ではなかなか追い付かないファンタジーでした。

    「救いの稲」やその他の植物までもを食い尽くす「天炉のバッタ」の被害が東西カルタンで急速に広まっている中、完全にその害虫被害を撲滅するためにアイシャは帝国を含む全土のオアレ稲の焼却が最善だと考えます。しかし、当然ながらまだ被害の及んでいない藩国では、その必要性を疑い、焼却後の困難を予想して、当然反対の声を上げます。
    ウマール帝国の陛下を説得しようと試みるアイシャやマシュウですが、それぞれの立場や地位の本音や建前が渦巻いて、(私の中で)議論は混とんとしてきます。何が正解なのかなんて、

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    2025年01月20日
  • 鹿の王 水底の橋

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    ネタバレ

    要約
    天才医術士のホッサルはすでに滅んだオタワル王国の末裔で東乎瑠帝国の清心教医術を脅かす存在として敵視されオタワル医術の存続は危ういものとなっていた。宗教と結びついた清心教医術は穢れを嫌い、分をわきまえることにより天ノ苑に昇れるという信念を大切にしている為、救える命も救えないことがあったが実はオタワル医術が現れる以前は人の命を第一に考える医術であった。ホッサルは清心教祭司の安房那候の親族を診るために所領に招かれるが遂には次期皇帝争いに巻き込まれていく。次期皇帝候補の比羅宇は清心教宮廷祭司の次期トップである津雅那が推しておりもう一人の由使候はオタワル医術を擁護していた。安房那候は比羅宇候こそが

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    2025年01月14日
  • 香君1 西から来た少女

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    本屋で平積みされていて気になり購入。
    初めての上橋菜穂子の作品のため読みきれるか不安でしたが読み始めてすぐにそんな不安は吹き飛びました。
    続きが気になり毎日少しずつですが読み続けました。読みだしたら止まらない!続きが気になってしまいます。

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    2025年01月13日
  • 香君1 西から来た少女

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    バタフライ教室のオオブチさんからの本。

    久々の上橋菜穂子。
    ダメだ。
    もう、速攻で上橋菜穂子ワールドに突入して出られなくなる。
    どうしてこう、ありえない世界なのに、
    あぁ、あそこね。
    わかる、あの山は、、、
    って思うくらい身近に感じるのか。
    初めて読む世界なのに、ほんの数行で

    あぁ、あそこの国ってそうだよね。

    って思うくらいに想像できて、しかも、当たり前かのように話が進むことに違和感を覚えないほどにどっぷりと上橋菜穂子の世界に浸ってしまうのか。
    いつのまにか、上橋菜穂子の頭に住んでる私。

    そして、目が離せないのよ。
    先が気になって。
    4冊セットでもらったんだけど、、、
    これは読み終わる

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    2025年01月13日
  • 鹿の王 水底の橋

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    ホッサル激推しの私がこれを買わないわけがないじゃないですか!バンバンバン!!!!机を叩く音。ホッサルが衝撃の行動をします。しかも女のことで!!!たかが女、じゃないんです。彼にとってはどれほど大切な人であったか!!!!ミラルはいい女ですからね。最初、差別されてた彼女が自分の実力と優しさで皆に自分を認めさせるところが、本当に良かった。彼女は自分を蔑む者にもやさしくできる稀有な人です。そりゃホッサルも惚れるよ。おーけー!我が命に変えてもぉbyぎんた、、になるよ! ホッサル好きの人には絶対読んでほしい。できればヴァンの後日談も知りたかったけど、それはあえて書かないのかな。

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    2025年01月14日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    途中、エリンとリランの関係性に不穏な空気が流れて、ページをめくる手が重かったですが、ラストには、読者が待ち望んでたシーンが描かていてただただ感動でした。次巻も楽しみです✨️

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    2025年01月12日
  • 香君3 遥かな道

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    ついにずっとしこりのように残っていた不安が現実になることを目の当たりにする。
    利を追求し、また楽な道を選び続けていれば、いつかはツケを払わなければならなくなることを教えてくれた。
    また盛者必衰とはこのことだと思った。欲は人を盲目にする。

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    2025年01月12日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    一生の中で、自分にできることは限られている。
    でも、多くの人の手に松明を手渡し、ひろげていくことでひか、変えられないことがある。

    上橋さんや、この本の制作に携わった方達が手渡してくれたこの松明が、自分の中の何かを変えてくれてると思う。

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    2025年01月09日
  • 獣の奏者 III探求編

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    エリンがひたすらに陰謀渦巻く政に巻き込まれる話。
    王獣と闘蛇に生き物らしく生きて欲しい、でも、やはり、それを育ててしまった自分の責任は果たさなければならない。いや、果たすしかない。そんな立場に立たされているエリンがひたすらに不憫だなぁと思った。
    本作の根幹は闘蛇の生態を探ることなのだが、それの設定がとにかく練られていることに私は驚いた。設定資料集を読みやすいように噛み砕き、それを頭にひたすらに流し込まれる快感は想像を絶する。

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    2025年01月12日
  • 狐笛のかなた

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    上橋菜穂子ファンとしては、面白くて読み応えがある作品でした。子供たちに読んでほしい物語。日本の懐かしい風景を感じとり、物語の世界を楽しむことができた。

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    2025年01月07日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    王獣を武器に使うのは…でも、みんなを救うには…
    こんな感じで悩み続けたエリンの人生の命題に、燦然と輝くような答え…のようなものを提示しきった本作は、単純に完成度が高すぎる。満足感の奔流に流されるような、華々しい読後感はひとしお。
    ここで完結編にしても文句を言う人はほぼいないと個人的に思うような完成度なのだが、探究編、完結編とまだ二冊本は残っている。いやはや、上橋菜穂子、恐るべし……

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    2025年01月05日
  • 香君2 西から来た少女

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    良すぎる。あっっという間に読み終わってしまった。。

    香使という荘園があった時代の行政制度に似た仕組みや、天皇のように香君を立てていることなど、国の運営におけるシンボルの重要性とストーリーの大切さなど政治の観点を他作品同様に織り混ぜながら、この世界独特のしがらみの中で、大事が起きることを予想して秘密裏に動くマシュウは、江戸幕末の薩長に思えてしまった。
    このように、一見オリジナルの別世界の話だと思えるが、日本人の頭にすっと入るように日本史の要素を骨組みに入れていることがとにかく素晴らしい。

    これらが本作品の読みやすさとSFファンタジーとしての世界観の構成を手助けしているのではないだろうか。

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    2025年01月05日