あらすじ
舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ── 。
数十年ぶりに生まれ故郷のカンバル王国にもどったバルサは、幼い自分を救い、育てた義父のジグロが、卑劣な反逆者にされていたことを知る。ジグロの汚名をすすごうとする中で、バルサは己の過去と向き合うことになる。
守り人シリーズ第二弾。
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めっちゃおもしろかった。
サラサラサラ〜っと読めた。
気づいたらもう残りわずかで。
『精霊の守り人』もおもしろかったけど、その数倍おもしろかった。
死んだジグロ(ヒョウル)と冒頭から槍で舞うシーンが好き。
ヒョウルの正体はその冒頭から分かってはいたけど、『山の王』や『最後の扉』が気になり過ぎて最後まで飽きなかった!
ヒョウルの存在意義がすごいよくできてる。
国を守るため、また世代交代というか、きちんと弔われることもいい。
『オコジョを駆る狩人』、や『牧童』という不思議な存在にもわくわくしたし、洞窟の中の深い川や儀式などの神秘的なところも印象的。
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ユグロの口のうまさが本当にすごい。そして、自分のことしか考えてない人の方が迷ったりせずハッキリと物事を言えるし進めるので周りの人は流されるんだろうなぁと思った。断定する人に人は騙されやすい。気をつけよう…。
そして、最後のお別れ。驚いたのは、「辛かった。それでもバルサを育てて幸せだった」みたいなことを告げずに、バルサを守るために友を殺さなければいけないことへの憎しみが伝わって怒りながら育ての親を刺した後、バルサが哀しみと共に寒い中自分を包んで守ってくれたことを思い出し、ジグロが消えてゆくという…。いい意味で予定調和ではなく、ただひたすら、「憎んでいた、それでも守り抜いた」というジグロの現実を置いて終わったこと。「幸せだった」「愛していた」という甘いコーティングをしなかったこと。凄まじい作品。
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(小6女子)『闇の守り人』は、守り人シリーズの二巻目だ。一巻目である『精霊の守り人』では分からなかった主人公の過去が明らかになる。『闇の守り人』を読む前に『精霊の守り人』も読んでみてほしい。私は以前、自分の本当の気持ちを外に出すのが苦手だった。私と同じように、主人公と育ての親も、怒りや憎しみなどを隠し続けてきた。しかし、この本の最後でついに、今まで言えなかった感情をお互いにぶつけあう。だから私は、この場面が一番好きだ。誰にでもいつか、本当の気持ちを言える日がくることを私はこの本から学んだ。私は特に、自分の気持ちを外に出せていない人にこの本を読んでもらいたい。
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守人シリーズ2作目。心の傷と過去にしっかり向き合うため、バルサは故郷カンバル王国へと戻る。捻じ曲げられた過去、ルイシャ〈青光石〉贈りの儀式の秘密、ヒョウル〈闇の守人〉とは何者なのか?
息をつかせない展開で最後まで一気読必至。バルサとジグロの槍舞いのシーンはもう涙なしには読めない、、
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タンダやチャグムなど、大切な人のいる新ヨゴ王国を離れ、故郷カンバル王国へ向かったバルサ。読者はバルサの過去をもっと深く知ることになり、バルサはずっと抱いていた祖国への怒りに向き合うことになる。
ジグロが殺した友がなぜ8人だったのかなど、本書で明らかになっていくにつれ、ログサム王の本当の、そして恐ろしい陰謀がわかってくる。ジグロの弟、ユグロみたいな人間には、私もコロッと騙されそうだと思うと、小さな怒りのようなものが自分の中にも灯った気がした。
牧童の存在がとても良かった。一見、カーストの最下級のものとみなされている者たちが山の王の民であり、誇りをもって暮らしていることになんだかとても心地よさを感じた。
そして、ヒョウルとの<槍の舞>で、ジグロは本当の意味で弔われて、バルサは怒りの向こうへ突き抜けることができたのかも、と思ったときの安堵感といったら・・・
上橋さんのあとがきに、この「闇の・・・」は大人に人気で、前作の「精霊の・・・」は子供に人気との記述があった。なんだかすごくよくわかるな、と思った。
ただ・・・・、寒く貧しい北国、カンバル王国が、山の王からの、いつとは知らされずもたらされるルイシャに頼るしか民を飢えさせない方法はない、という現実は厳しいな~。国のために、民のために、と画策したユグロの気持ちもわからないでもない。ただ、あまりにも自分を信じすぎ、周りを軽んじてしまったユグロ。彼の今後が描かれることはあるのだろうか、と気にしつつ、シリーズ次の作品へ。
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バルサの過去、葛藤…
何度読んでも心に迫るものがある。
気づけばバルサと同じ年齢になり、
子供のころ読んでいたものとは
また別な思いが駆け巡っていた。
次の物語も、楽しみだなぁ。
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バルサのシリーズ。
バルサとジグロの運命を狂わせた闇の出来事を、丹念にたどって、更なる闇へと・・・
バルサと養い親のジグロの魂が交差して、浄化したのか・・・
ジグロの心の闇が、心に刺さる。
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守り人シリーズ二作目。
こどものころ、読んだかなぁ、いまいち覚えてないな。
それでも面白いものは面白い!!
今作は、一作目と異なりこどもよりも大人のバルサにスポットがあたり、過去の自分と向き合うストーリーなのでより大人向き。
修羅の道を突き詰めたその先に救いがある。自分はまだまだ甘いなと思う1冊です。ちょっと残念なのは、思わせぶりで活躍場面があまりなかったシシームとダーグ!いつか出てくるのを楽しみにしてる。
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再読。
ホビットの冒険のようなものが疾走するパートも印象強いが…。
痛みを持たない、今で言うならサイコパス。自分なりの理由を独白しても身勝手な、
という登場人物は、やはりグロい。
陰があって、陽の愛しさが増す。ということなのだろう。
カとユが逆ならダジャレを書きたいところです。
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大人には一番人気の本らしい。バルサの過去と向き合いと決別が素晴らしい。おそらく大人に人気の理由は過去との向き合いへの対面が身近に感じるからではないか。そりゃ子供にはわからないかもしれないね。
誰しも自分の過去、親、少年時代に向き合って何かを変えよううとし、何かを受け入れようとすることはある。そんな感じ方を思い出させるのかもしれない。
それにしてもバルサのかっこよさは尋常ではない。
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【2015年交換会】
木花さんからさやかJにいただきました。
守り人シリーズの2作目です。
精霊の守り人の舞台から場所を移して主人公は故郷に帰ります。
悲しい記憶のある場所で主人公が繰り広げる弔いの闘いに胸を突かれます。
ファンタジーの世界ならではの不思議な出来事の数々に目を見張る一冊。
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何が「善」で
何が「悪」なのか
誰が「強者」で
誰が「弱者」なのか
読んでいるときも
じっくり考えさせてもらい
読み終えたあとも
じっくり考えさせてもらえる
読みながら
自分の これまでの 人生を
振り返させてもらったり
読むこと
想像すること
納得すること
共感すること
思い入れること
実に
贅沢で 素敵な
時間を持たせてもらいました
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守り人シリーズ第二弾。バルサの故郷カンバル国での話。ジグロの汚名をはらす。面白い。ルイシャはジグロの思いました。だったとおもう弔えるのはバルサしかいない。。
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独特の世界観。アニメは登場人物を増やし、ジャグムらの成長を丁寧に描いている。日本にもこのようなファンタジー作家がいると感動。ちょっと突っ込んでみるかな。
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シリーズの中で一番大人に人気らしい一冊。
そして内容は、過去の自分に向き合うという納得の物語展開。
人は父母祖先によって生かされているという普遍の事実を確認しつつ、
バルサの育ての親ジグロの生き様が格好良い。
ジグロがバルサを憎んだ事があった…と認める辺りが深いなぁと思う。
愛憎は表裏一体。
ジグロの『人生は、何をして得をした、何をして損をしたみたいに金勘定するものじゃない。今幸せかどうかだ』(要約)みたいな台詞がジーンと心残っている。
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10月-13。4.5点。
バルサの父の死と、師匠の過去を知るため、ふるさとへ。
大いなる陰謀と、謎がバルサを襲う。
面白い。解説に「大人向け」とあったが、その通り。
次作も楽しみ。
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(2014年10月15日 再読)
そうそうこんな話だったーと読んでいると、シリーズの最後を思い出して、バルサの長い長い旅路になんとも言えない気持ちになりました。
上橋さんが、1作目の「精霊の守り人」だけでなく「守り人」シリーズを一つの作品として映像化という話だったからNHKで実写化することに...というようなお話をされていましたが、本当にねーこれからだからね、と色々噛みしめてしまいました。
「闇の守り人」は、バルサの生まれ故郷カンバルのお話。
養父ジグロとの過去に向き合い、弔いをします。
ほんと2回目なのにすっごいおもしろいんだけど。
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守り人シリーズ二作目。ファンタジーだし、子供向けと思って読むと、とんでもない!世界観も人物もしっかりしていて、とても子供が読む本じゃなし。主人公が30代の独身の用心棒だよ、深い闇を抱えた。大人が読んでこそ、共感できる!
今回は貧しい国の権力闘争が絡んだ、主人公バルサの過去との決別の話。
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闇の世界を突き抜けた先にバルサが行けてよかった。
槍舞いの場面には胸が詰まりました。
物語はやはりたんたんと進むようでしたがちっとも読みやすくはなくて、何度も同じ文章を繰り返してじっくり読みました。精霊の守り人よりも人物の感情に寄り添いやすかったです。
カンバルの様子も、物語世界のイメージが出来上がってきたようで、想像するのが楽しかった!
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守り人シリーズ第二弾です。
バルサが生まれ故郷のカンバルに戻るが、養父ジグロには汚名が着せられていた。
思わぬ形で巻き込まれたカンバルの暗い闇に立ち向かっていく…というもの。
うん。
私は、1作目よりもこちらの方が好きです。
バルサの過去が明らかになっていきます。
精霊の時もそうでしたが、今作も淡々と進んでいく感じで感情移入は出来ませんでした。
あまり心的描写がないのかなー。
第三者的な感じで書かれているからかも。
だけど、叔母のユーカがバルサのこれまでの生活の話を聞き、『……なんという、むごい。むごい日々を……。』と嘆いた時に涙が滲みました。
風景を文字から空想して立体化させるのに時間がかかりますが、だいぶこの世界観に慣れてきたので3作目はもうちょっとスムーズに読めるかな。
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女用心棒バルサが生まれ故郷のカンバル王国にもどった。その昔、地位も名誉も捨て自分を助けてくれた養父ジグロの汚名をそそぐために。日本児童文学者協会賞。路傍の石文学賞受賞。(「BOOK」データベースより)
久しぶりにバルサに会えました。
守り人シリーズは2冊目。
やっぱりおもしろい。
なのでぐいぐい読んでしまいます。
25年ぶりに故郷に帰ってきたバルサ。
それを快く思わないものたちもいるのを知りながらも、愛するもののため、自分のために帰ってきたのです。
自責ともいえる思いがいつも澱のように沈んでいたバルサの心が少しでも軽くなったならいいなあ。
この作品にはタンダがでてこなかったので、ちょっと寂しかった。
物語の最後で、バルサもタンダが恋しくなっていたので、早く会いに行きなよ~と背中を押したくなりました。
このシリーズに出会えてよかったなあと思います。
次の作品を読むのが楽しみです。
Posted by ブクログ
前作よりかなり好きです。バルサが過去と向き合って乗り越えていく様子が、ファンタジーの少しふわっとした感じの中でピリっとしてる気がする。闇の守り人とバルサが対峙するところは心が震えたし、一皮むけたバルサがすがすがしかった!「十二国記」第1巻の陽子を思い出した。
Posted by ブクログ
「闇の守り人」と青光石の正体が素敵だと思いました。
主要人物たちの心の葛藤やカッサの成長、牧童の秘密など、登場人物がそれぞれ生き生きと描かれていて、ヒール役も好印象。話の筋書きも「これぞファンタジー!」と言いたくなるようなまっすぐさです。
「精霊の守り人」は読んでいないのですが、これを期に読んでみようかな。
「その、くだらないーーーけれど、どうにもならない自分の気持ちに、とことんつきあってみよう。」
Posted by ブクログ
バルサの過去を浄化する物語。
あとがきによれば、この物語がいちばん大人層に受けているとのこと。ちなみに子供は一番始めの「精霊の守り人」が好みだそうだ。
たしかにこの物語は大人に受ける要素をもっている。