【感想・ネタバレ】守り人シリーズ電子版 6.神の守り人 下 帰還編のレビュー

あらすじ

舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ── 。

ロタ王家に使える隠密シハナの罠にはまったバルサ。一方、アスラはみずからのふるう〈力〉を恐れつつも、心は残酷な神へと近づいていく。待ち受ける運命から、バルサはアスラを救えるのか。シリーズ第6作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「ーでも、他人をあっさり見捨てるやつは、自分も他人からあっさり見捨てられるからね。」

名言でた!しかもこんな端的な名言。いや、今までもたくさんいいセリフ、あったんだけど、メモをするのももどかしく、先へ先へ進んでいた。でも、なぜかこのセリフは今の私にささった!野獣のような闘争心を持つバルサが、結局、誰よりも人間的に温かいのは、こういう考えを持っているからなんだ、とすっと心にささった。

シハナ、なかなかの戦略家。シハナとアスラは昔から関係があったとは・・・。
シハナの罠にはまるバルサ。この戦いもすざまじい。上巻からサルが気になっていたので、おぉ、やっと出てきたか、と。傷を負ったバルサの元にタンダが駆けつけてくれてどんなにほっとしたか。

シハナのロタ王国を思う気持ちは熱く、一見筋が通っているように感じる。が、やはり極端な考えはどこか危うい。王弟イーハンが賢明な判断をしたのに、そこを仕者であるシハナが覆してはいけないなぁ。シハナの考えに一瞬こちらまで説得させられそうになってしまった。そうか、そうか、シハナもいいやつだったんだな、と。単純。

この上下巻にわたる「神の守り人」では、ロタ王国に、偶然にしては大きすぎるたくさんの波が押し寄せる。スファルの思惑とシハナの思惑が違うことに加え、南部の大領主たちの思惑、北部の氏族の思惑、そして王家の思惑。さらにさらに異界ノユークからの神の再来・・・。それぞれの立場の者が、どのように自分の信念にそって立ち回るのか。とても興味深く読めた。中でも、アスラは最後、自分の意思で行動したことが素晴らしかった。

アスラが目覚めること。そして、「絶対的な神の力」に頼るのではなく、「対話」を通して国を治めていく、というロタ王国が平和に繁栄していくこと。これらを願うような気持ちで読み終えた。

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2022年07月04日

Posted by ブクログ

シリーズはじめての上下巻、の下巻。思わず一気読みしてしまった。
最後まではらはらどきどき。虚空の旅人が、必ずしも完全に解決して終わったわけではないので、今回も必ずしもハッピーエンドではないだろうという予感が働き、どっちに転ぶのだろうかと思っていたが、やはりという面も、そうはいってもという面もあった(笑)
しかし異世界の干渉力、はんぱないな!各国の神話・伝説は国によって異なるのは当然だとしても、それぞれ異世界からの干渉が強すぎる。まぁもちろんそういう世界観であり、だからこそのハイファンタジーなのだけれども、これだけの突出した力があれば、世界を制覇してしまいそうだ。
うーん、この壮大な世界観をどうまとめていくのだろうか。そんな期待でまた次の巻を手にとってしまうのだろう。

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2019年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タンダはバルサを助けようと隠密と手を組むが、バルサは罠にかかる。アスラを狙う隠密の一味が分裂したのだ。
アスラは「神」としてあがめられ、その力を利用されることとなる。

神、言い伝え、民族、人種。フィクションだけれども、現実世界にも十分に通用する話なので重みがあった。
無理にハッピーエンドにもちこんでないところが自然でいい。
小さな針の穴が広がるのか、また閉じてしまうのか。

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2016年02月05日

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逃走、隠し子、神との闘い

神の守り人 完結編
神様を抱えたアスラちゃんはどんな結末を迎えるのか?
異世界ファンタジーなのに、違和感なく物語りに入っていけます。
こういうファンタジーは珍しい。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

はー…

シハナのことを、そんなに嫌いではないな。
不満を漏らすばかりの男たちにとは違い
自分から行動に出たわけだし。
守り人シリーズの女は、強い。

人を殺すのはいけないことだと口に出すのは簡単だけど
アスラの決断は、なかなかできるものではない。
正しいってなんなのか、分からない。

タンダとバルサは早く付き合っちゃえばいいと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

前回のお話の続きで。アスラという少女が危険に追い込まれるとき、どこからともなく風がふいて神が降りてきて人を殺してしまう。下巻は離れ離れにされていた兄チキサにやっと会えるが、そこはロタ王国で、シハナのわなにまんまと嵌められてしまう。その罠とはタルの民は隠れるように暮らしていかなければならない!それに納得できないシハナとイアヌは命をかけての大勝負に出る、アスラにカミサマが宿るように・・・アスラはまんまとその罠に嵌ってしまい最後は意識はあるものの目覚めなくなってしまった。この話はこれで7巻まできているけれど本当に面白い。児童書とは思えないほどの内容となっているのが凄くよい!!

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2009年12月12日

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子供向けの本ながら、大変よくできている。深い世界観は作者が文化人類学を学んできたせいだろうなと思いました。押しつけがましくない母性を感じさせる点もよいかな。

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2009年10月07日

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バルサとタンダにはまだまだイライラ!?させられます(笑)

でも、話が進みだしたらとまらない!!

次へ次へとページをめくってしまいます。

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2009年10月04日

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自分の幼い頃を思い出しアスラとチキラの二人を守るバルサ。上下巻になり、ボリュームも増えた分物語の見所も多いです。

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2009年10月04日

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物語としてはむろん
哲学書としても読めたり
武道術の本としても読めたり
人生指南の書としても読めたり
歴史書としても読めたり
現代の社会問題を読み解く書としても
読めたり

百人の人が
百通りの読み方を
することができる
そんな「守り人」シリーズ
ですね

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2015年08月18日

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(2015年1月12日 再読)

「ホビット」の完結作を見に行かねばと思って、1,2作目を見直しているのだけど、なんだかちょっと「ホビット」や「ロード・オブ・ザ・リング」と重なるところのあるお話だよね。

恐ろしい神力を得た少女アスラめぐって、様々な追手から逃れ、罠にかけられ、それでもタルハマヤに魅入り蝕まれていくアスラを救おうとするバルサ。
ずっと息苦しくて、心が重く沈むようなお話ですが、きっとアスラはマーサの下で一生懸命生きていってくれると思います。

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2017年11月18日

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11月-6。4.0点。
ロタへ戻るアスラ。シハナの恐ろしい計画。
神は舞い降りるのか。
非常に面白い。バルサ、タンダ大活躍。
幼い兄妹の絆も、感動。

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2014年11月12日

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ロタ王国の王弟イーハンである。この人物がなかなかの人物であることが非常に好感をもてる。アスラとの関わりも実は深い。
最後「アスラはこれで大丈夫なのか?」という終わりで気になるのだが、大団円を迎えたといっていいと思う。
カシャルが暴動しすぎ。勝手に行動しすぎ。テロリズムである。これにはイーハンも困るんじゃないかと。しかし、シハナという女、有能すぎる。チェスで相手を追い詰めるように作戦をひとつひとつ実行していく、という説明はテンプレート的でいささかうーむと思ってしまうが、有能で行動力にあふれていれ面白い人物だと思った。

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2018年10月15日

Posted by ブクログ

タンダによく似た男の子を知っている。
このシリーズを読んでいると、
いつも彼を思い出します。
タンダが活躍すると、
彼が活躍しているような気持ちになってね。
なんだか嬉しいんです。  
これからも彼の活躍を楽しみにしてる。

それだけじゃなくて… 
この「神の守り人」は勇気の物語だった。
アスラの勇気がとくに、
私にも勇気をあたえてくれました。

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2012年04月28日

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物語の世界が広くなったので、話に深みがでてとても面白くなってきた。いろんな国を舞台にしたいろんなお話を読みたい。バルサやチャグムが主人公でなくてもいいので。

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2011年11月04日

Posted by ブクログ

一気に読み終わってしまいました。
無邪気の邪気、とでも言うのか。
いろいろと、身につまされる…

バルサとタンダの関係は、私の理想。
深い愛情ほど、穏やかで信頼に満ちたものはない。

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2011年05月30日

Posted by ブクログ

悪役が悪役っぽくない。国の為を思ってということろが感慨深いわ。色々な視点で考える人がいるってことですよね。

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2010年07月31日

Posted by ブクログ

神の守り人の下巻です。
物語はなんだか、ちょっと不完全燃焼かな、という感じ。
あんまりめでたしめでたし、ではないですね。
確かにタルハマヤに関する出来事は、一応の解決を迎えているわけですが、ロタ内部のごたごたはこれからもっと悪化する気がします。王の手腕が試されますね。
うっかりすると内乱になるんじゃないかな、という感じ。
シハナもどこかに行方眩ませてますしね。今までの巻は、続きが出なくてもまぁおかしくは無い感じはしていたのですが、今回は続きを出すぞ、というのが見えますね。

ちょっと後味の悪い終わり方だったなぁ、というのが感想です。
読みやすいんですけどね。

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2009年11月07日

Posted by ブクログ

じっくり読もうと思いつつも、いつも一気読みしてしまう。
大きな力を持った時、どう考えどう振る舞うか。

児童書にしておくのは勿体無い。
もっと大人の目にも触れ手に取りやすい棚に置いておいて欲しい。

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2016年07月03日

Posted by ブクログ

今までで1番、絶望感があるというか、どうしようもない感じがして、少し苦しかった。無垢なアスラに巣食うものが強大過ぎて。ラストもちょっと悲しい。今までのような、読後感すっきり!がなくて、それはそれでいいんだろうけど、この物語はすっきり終わって欲しかったなぁ。

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2013年05月06日

Posted by ブクログ

上下巻の下巻です。
相変わらず深いです。児童書と呼んで良いのだろうか?
本作を読んだ子供たちがどういう風に感じるのか
一度、聞いてみたいような気もします。

守り人シリーズを読んでて毎回思うのだけど、
食べ物が超おいしそうに感じる。
何か匂ってくる感じ。

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2012年08月31日

Posted by ブクログ

「だけど,まあ,あんたが,この娘を見殺しにできなかった気持ちは,わからないでもない。あんたも,孤児だったわけだしさ。似たような境遇の子を,ほっておけなかったわけだろう?あまいよねぇ,あんた。一見こわもてだけど,そういうところはさ……。」
 アスラは,その言葉を聞いて,はっとした。ジグロという養い親がいたことは聞いていたから,そうではないかと思っていたけれど,やはりバルサも孤児だったのだ。
 あまいといわれて,バルサは肩をすくめた、
「たしかにね。――でも,他人をあっさり見捨てるやつは,自分も他人からあっさり見捨てられるからね」
 カイナがにやっとわらった。
「名言だね。」
(本文p102-103)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

守り人シリーズ4作目下巻。このシリーズが持つ力と深さに、本当に感服しました。単にハッピーエンドではなくて、でもすごい。アスラのこの後も気になります。児童書と一言で言ってしまうのはもったいなさ過ぎる!

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2009年10月04日

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