あらすじ
舞台となるのは、異界と人の世界が交錯する世界 ── 。
バルサが人買いから助けた美少女アスラは、ロタ王国をゆるがす、ある特別な〈力〉を秘めていた。その〈力〉をもとめ、王家の隠密たちが動きだす…。せまりくる追っ手から、アスラを連れバルサは逃げる。シリーズ第5作。
感情タグBEST3
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ロタ王国での物語。
人買いからチキサとアスラの兄妹を救ったバルサとタンダ。
妹のアスラは、ロタ王国の伝説に登場する恐ろしき神にまつわる少女で、ロタ王国内に渦巻く民族争いに巻き込まれていく。
バルサの死闘が、凄みを増していく。
でも、かっこいい~
邪悪な神から心守ったアスラに、安らかな日々が訪れるといいなあ。
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やめられないとまらない守り人シリーズ。
しかし、巻を追うごとに、これは本当に児童文学なのだろうかと思う。この「神の守り人」なぞは、あのトロッコ問題のような話であり、正解がない道を歩いていく感じ。
精霊の守り人と同じように、思わぬ運命を背負ってしまったこどもをバルサが守っていく話なのに、精霊の守り人が「最初は敵だったものたちと味方になって強大な敵から庇護者を守り抜く」的なわかりやすい話だったのに比べて、この話は最初から庇護者を守ることが果たして正解なのか分からない状態で進んでいく。敵対する側も、単に敵になったり味方になったりするのではなく、それぞれの正義で動いていく。
虚空の旅人のときもそうだったが、本当に考えさせられるストーリーになっている。だんだんと深まっていく話に、こちらも深みにはまっていき、だからやめられない止まらない(笑)
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軽装版軽くていい〜*\(^o^)/* 王様だからって無条件に国動かせないのね。なんかちゃんとやろうとすると、足引っ張られるような気がする(−_−;)
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用心棒バルサは人買いから兄妹を助ける。
妹アスラは美少女だが、恐ろしい力を宿していた。その力は国家をもゆるがす。
アスラは命を狙われながらも、自分の身のうちに宿る恐るべき力に魅せられていく。
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守り人シリーズ第五弾。
軽装版ですネ。
今回は初の上下巻。同時発売しております。
文庫版もきっと上下巻同時発売だと思いますが、私は文庫版出るなんて知らなかったので、聖霊の守り人を軽装版で購入。そのままの流れで、購入してます。
こちらの方が出るの早いですしね。
さてまぁ、元々のハードカバー版は随分と昔に出ておりますので、ネタばれどうしようかなぁ、と悩むところではありますが、一応文庫版の方が(うちの店では)売れているので、ちょっと注意しつつ。
バルサは何だかんだ言っても、やはり子供には甘いですし、タンダにも甘いw
タンダもバルサに甘いですしね。
シハナがあんまり好きじゃないなぁ。あのタイプは、一度完膚なきまでに敗北して、ぽっきり折れてしまえばいいのに…。
引き続き帰還編を読もうかと思いますw
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人買い、兄妹、神様
異世界の物語。
主人公はバルサ(女性)という短槍使い。
バルサさんはかっこいいね。惚れちゃうよ(^^*
このシリーズも大好き。
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新潮文庫が出てないから手を出してしまった…
これで新潮文庫で出たらそれも買っちゃうのかな。
どうかなー。なんにしてもいい客だよまったく。
だってだって面白いんだ…
バルサはしたたかだし、タンダは穏やかな中に強い意志を持ってるし、
マーサはお茶目なおばさんだし、アスラは優しいけれど危うげな感じで、
チキサはいいお兄ちゃんだけど妹と罪の間で悩んでいる。
無条件に人を助ける、命を何よりも尊いものとして扱う。
身分や運命。
テーマと世界がかちっと合わさってる。
ほんっとすごすぎる。
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上橋さんの頭の中はいったいどうなっているのか。
新ヨゴ皇国、サンガル王国、カンバル王国と出てきて、今度はロタ王国という国がでてきた。
どの国にも独自の王家の歴史と伝統、そして伝説や伝承があり、同じ(かどうかも定かではないけれど)異界を、「ナユグ」、「ナユーグル」、「ノユーク」とそれぞれの言葉で表わす、などという、見事にリアルな世界観で物語が成り立っている。一体どうしてひとりの人が、こんな壮大な世界を考え出せるのだろう。
冒頭のシンタダン牢獄の惨劇や、スファルが鷹に魂を乗せて空からバルサを追うシーンなどからは、「鹿の王」を少し思い起こした。
本作でバルサが守ることになる、アスラ、チキサ達「タルの民」がロタの人たちから疎まれ、ひっそりと暮らしてきた過去・・・
ロタ王に使える呪術師スファルが語る伝説と「タルの民」チキサが語る伝説の相違・・・
現実世界でも、色々な国、民族においても似たり寄ったりのことが史実としてありそうで、どんどん物語の中に引き込まれていく。
これからアスラ、チキサに待ち受ける未来は辛そうで、読み進みるほどに胸が痛くなるけれど、この上巻最後のマーサの言葉が温かく、安堵した。マーサのように、物事を先入観や偏見からではなく、フラットに見ることができて、仕事ができて、情に厚く、困った人には恩着せがましくなく手を差し伸べることができる人って、本当に尊敬する。あ、私、マーサがすごく好きかも(笑)
しかし、シハナよ。やっぱり大人しくスファルの言う通りに動くとは思っていなかった。やはり、お前か、シハナ・・・という感じで、下巻(帰還編)へ続く。
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どこの国にも独自の伝説と文化と宗教体系がある。それは現実世界でも同じ。守人シリーズのすばらしいところは設定に無理がなく、ファンタジーといえでも限りなく現実世界の生々しさを感じさせてくれるところ。
アスラの持つ特殊な力と、アスラを救おうとするバルサの感情がたんたんと伝わってくる。後半が早く読みたくなる。
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長編なので、かなり読みごたえがある。しかも、話もなかなか大がかり。まだ黒幕がいそうだけど、ここまで出てきた敵はどの人も憎めなくって…何とも言えない複雑な気持ち。これからどうなるか楽しみ。
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ロタ王国が本格的に登場。ロタにはロタなりの苦労があることがわかる。作品に登場する国にはそれぞれの事情があることが面白い。バルサとタンダである。アスラとチキサに都合良く出会ってしまう。チャグムのときと同様にいきなりの肩入れ。肩入れしすぎ。ロタの隠密であるカシャルの言うとおりにしていれば、こんなトラブルはなかった。もしくはここまで大きくはならなかったんじゃないか?などと思ってしまう。
マーサのところを旅立つところでこの巻は終わり。マーサはいいキャラクターだ。こんなやり手の女将キャラはいろんな作品で見うけられるが、マーサもいい描写をされている。正しい筋道を好むけど、それでいて融通も利き、適度なしたたかさも兼ね備えている。
アスラは恵体なので、この作品だけでなくこれかも出てきてほしい。
しかし、このシリーズとか全般で思うのは、女性の描写に対する簡素さ。アスラは美人美人と言われるが「女性の美」に対して作者自身が無頓着ということでそのあたりが少し残念。
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アスラとバルサが一緒に逃げるところが、
心あたたまってすきでした。
シハナは、怖い。
イメージとしては、
髪が短くてちょっとぽっちゃりしてて、
目が細くてきっとしてて…みたいなかんじ。
はー
どう収集つけるんだろうか
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守り人シリーズの1番初めに比べるとテンポは劣るが面白かった
自分の意識がない状態でする殺人に責任感をもつことは幼い少女のアスラには難しいだろうな
差別する人、差別される人の間を行き来しながら策略を巡らせる賢い女性、シハナがこわくもあり憧れもある
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シリーズの途中なので評価が難しい。
面白かった。それは間違いない。
何が正しいのか、何を求めているのか、アスラが自分自身に問いかけた時、本当を言うと、自分なら、自分だけでは戻れないのではないかな、と思った。ことに、激情に絡めとられてしまったら。
「悪に堕ちる」という意味では、スターウォーズのダースベイダーが、なぜ、暗黒面に堕ちてしまったのか、実は、まだ腑に落ちていない。それほどの強い理由(暗黒面に堕ちなければ、本当にパドメは救えなかっただろうか?)は、どこにあったのだろうかと。
アスラの場合は、その逆で、あれほど貶められ、蔑まれて育ってきながら、どうして帰還することができたのだろう?
何か見落としがあるのかもしれない。双方とも、もう一度、時間をおいて読み直し・見直してみたい。
Posted by ブクログ
(――お兄ちゃんは,どうしているだろう)
胸の底がぎゅっと痛んで,鼻の奥が熱くなった。……いますぐ会いたい。
カミサマにお願いすれば助けられるはずなのに,チキサを助けにいかない自分を,アスラは,心の中で責めつづけていた。
でも,チキサの傷を見てしまった瞬間から,アスラはカミサマがこわくなっていた。たとえ自分たちが生きるためでも,カミサマにすがって人を殺すのは……いやだった。
それに,人を殺すことを願ってしまったら,カミサマを信じる清らかな思いが,穢れてしまうような気がした。
けれど,カミサマを招く力を使わなければ,アスラは,ただの十二歳の少女にすぎない。なにもできずに,運命が自分たちを転がしていくのをみているしかない,ちっぽけな子どもだ。
(人を殺さずに,誰も傷つけずに,生きていける道はないのかしら。)
(本文p247-248)