上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 獣の奏者 外伝 刹那

    Posted by ブクログ

    獣の奏者外伝。エリンとイアルの馴れ初めやエサル師の若い頃の話などを含む4篇が収録された短編集。エリンがどのような気持ちでジェシを産むこと決めたのか、そんな葛藤が心に響きました。またエサルの少女時代の恋愛が切なく、彼女の決意に感動した。ストーリーは前巻で完結済みだが、キャラクターの人物像の深掘りによって、より獣の奏者が好きになれます。

    0
    2025年11月10日
  • 香君1 西から来た少女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本を初めて手に取ったのは、まだ単行本で出版されたばかりの頃だった。
    けれど、そのとき私は買わなかった。
    当時の私は「本を買う」という行為に満足してしまっていて、
    その先にある「読む喜び」を見失っていたからだ。
    だからこそ、上橋菜穂子さんの本をそんな自分の手で扱うことが、
    どこか申し訳なく思えたのだと思う。

    あれから数年がたち、
    もう一度「物語」に触れたいという想いが静かに胸に芽生えた。
    そのとき自然と思い出したのが、この『香君』だった。

    ――物語の幕開けは、追われる少女の姿から始まる。
    アイシャ。旧藩王の血筋を理由に命を狙われ、捕らえられた少女。
    彼女を救ったのは、利用価値を見出した男マシュウだった。
    マシュウの親族を名乗り、庭園に身を寄せたアイシャは、
    そこで現香君・オリエと出会う。
    やがて心を許し、庭園での苦しみを打ち明け、
    オリエと共に山荘で日々を過ごすことになる。

    一方で、オアレ稲の問題が動き出す。
    初代香君の思想を探るカシュガ家の姿が描かれ、
    物語は少しずつ、香君という名の重さを浮かび上がらせていく。

    その中で、心に深く残った言葉がある。
    草木の植え替えをしたアイシャに向けて、オリエが言う。
    「ここで暮らすことは、草木にとってだけでなく、あなたにも残酷なことね。」

    その一言に、私は胸を打たれた。
    「感じる力があるということは、苦しさとも共に生きること」――
    そう思っていたアイシャに、
    オリエはそっと「生きやすい場所を選んでもいい」と伝える。
    その言葉の中に、柔らかな優しさと、生き方の自由が感じられた。

    けれど同時に、私は思う。
    その優しさは、オリエ自身が“香君”という重い立場から逃れ、
    穏やかな時間を与えられていることと無縁ではないのではないか、と。
    オリエはアイシャが本当の香君であると知っていたのか。
    それとも、マシュウの面影を重ねていたのか。
    時間が彼女たちの想いを引き継いでいるのかもしれない。

    今の私は、オリエの優しさをただの「優しさ」として受け取れない。
    どこかで疑い、ためらう自分がいる。
    それはきっと、私自身が人の心を疑うことを覚えてしまったからだろう。
    それでも、オリエの言葉が純粋な慈しみであることを信じたい。

    その思いを胸に、
    私は次の巻へと静かにページをめくっていこうと思う。

    0
    2025年11月08日
  • 獣の奏者 II王獣編

    Posted by ブクログ

    王獣を人に慣れさせてはいけないという決まり。
    純粋にリランのことを愛して育てていたのに、政治的な利用をされそうになったり、王獣の本能に恐怖を抱いたり、エリンの思うままにはできない理不尽さ。
    政治が絡んだり、過去のことが絡んできたりで世界観がすごくてより面白くなってきた。
    最初の闘蛇の謎の死とか、王獣規範のこととか、解き明かされていくのが楽しみ

    0
    2025年11月06日
  • 狐笛のかなた

    Posted by ブクログ

    兄にとってのベストオブ・ファンタジーが「2分間の冒険」なら私にとってのベストはこの本「狐笛のかなた」
    繰り返し読んできたお気に入りの一冊だ。

    世界観の描写が自然の細部まで繊細に表現され、呪いと憎しみが渦巻く物語なのに、出てくる風景はどこか柔らかく、美しい。

    命を救われた時小夜の温かさを胸に、一途に小夜を見守り続けてきた野火と、その想いに触れ、野火を守りたい小夜。
    見返りも求めずに、ただ小夜を守りたいと命をかける野火の姿に本当に切なくなる。
    そして覚悟を決め、迷いが消えたの野火の端々に出てくる、小夜と居る時だけの年齢相応の表情や所作にキュンとくる。

    誰しもにとって完璧なハッピーエンドではないが、「共に生きる」二人だけの道を見つけた野火と小夜が長く幸せに生きていければいいと思う。

    愛し、慈しむことの美しさと切なさに溢れる、この本が大好きだ。

    0
    2025年11月03日
  • 鹿の王 2

    Posted by ブクログ

    リーダビリティの高いこと。
    ヴァンとホッサルを中心に展開する中で、どちらも気になるところで切り替わる。また、医学を扱うと専門知識を求められるのは当然だが、決して負担にはならない。
    素晴らしいシリーズだ。

    0
    2025年10月28日
  • 狐笛のかなた

    Posted by ブクログ

    和製ファンタジー 今作は日本っぽさが強くて、すごく好き
    上橋菜穂子作品にしては短いけれど、それでもかなり、作品の世界に引き込まれる
    児童文学なので、誰にでも読みやすいと思う
    子どもたちみんなに読んでもらいたいな

    0
    2025年10月24日
  • 獣の奏者 IV完結編

    Posted by ブクログ

    は〜面白かった。最後の最後まで、もうどうしようもないんじゃないかという状況の中、ハラハラドキドキしながら読みすすすめて、ラストは涙がじわり。
    歴史や事実をひた隠したご先祖様も、それらを明るみにしようとしたエリンやセイミヤ達も、国や子孫を想ってのことで、そこはファンタジーというか、物語たる美しさだけれど、だからこそその美しい世界観に浸れたし、清々しい気持ちで読み終えられて大満足だった。

    0
    2025年10月22日
  • 獣の奏者 III探求編

    Posted by ブクログ

    母となったエリン。大切な家族との幸せ、王獣への想い、国の平和、それぞれを叶える手段が綺麗には重ならない葛藤の中、何を信念として歩めば良いのか窮地に立たされる。けれど、答えが分からない中でも、希望を捨てずに自分がやれることを手探りしながら進んでいくエリンに胸を打たれる。少女の頃のように情熱だけでは守りたいものを守れないことを知り、迷いながらも決断していくエリンの成長と共に、リョザ神王国に迫る危機へと立ち向かう。なんとか、明るい未来へ突破して欲しい!

    0
    2025年10月19日
  • 獣の奏者 II王獣編

    Posted by ブクログ

    神話と歴史、政治劇が複雑に絡み合い、その渦の中で揺れ動くエリンと王獣リランの心の通いに、読みながら一緒に気持ちが揺さぶられ、とても切ない。登場人物それぞれがもつ背景には様々なしがらみがあり、その中で懸命に生きる姿も胸を打つ。何が善で何が悪か、立場によって見方が変わり、それはファンタジーだけれどとても現実的で、没入してページをめくった。

    0
    2025年10月11日
  • 獣の奏者 III探求編

    Posted by ブクログ

    そうなんだよ、なんで全滅した?独り勝ちのはずやん?と思っていた。
    尋ねに行ければよかったけれど、それは、自ら確かめなければならないことに…
    過酷だなぁ。
    ハッピーエンドを期待したいのだが。

    0
    2025年09月26日
  • 隣のアボリジニ――小さな町に暮らす先住民

    Posted by ブクログ

    全く違うルーツや文化をもつ隣人と共存するということの複雑さや奥行きを平らかに伝えてくれた本。
    ここまでまっすぐに相手と向き合って研究することは簡単なことではないと思う。
    移民政策というものが重要になってきた今の日本にも決して無関係ではないテーマだと思うし、この本に出会えて良かった。

    0
    2025年09月23日
  • 獣の奏者 II王獣編

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    後半は一気読み。ページをめくる手がとまらんかった。
    『香君』にも通じる自然との共生の在り方…考えさせられる。
    作者のあとがきを読んで、当初はここで終わりだったと知る。作者のねらいを描き切ったからだそうだ。
    そうと知れば、「なるほど」と思うのだが、知らなかったら、絶対、「いやいやいや、その後どうなったん?!」と思うよね。

    0
    2025年09月26日
  • 獣の奏者 IV完結編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人と王獣。本来結ばれないはずだった絆をエリンが結んでしまったことでこんな哀しい展開を迎えるなんて…
    獣のことを、リランのことを、知りたくて知りたくて走り続けて、いつか野に解き放ってあげたくて試行錯誤してきたはずなのに、その結果戦の武器にせざるを得なくなるなんて、本当に人間はなんて醜く愚かで哀れなんだろうかと心底思う…
    でもエリンが言っていたように「人は殺し合いをすることで均衡を保とうとする獣」であるなら、それが人を人たらしめる所以なんだろうなとも思う。
    戦争は良くないと言いつつも、時が経てばまた争いの火種が生まれて同じことを繰り返す。
    自分たち人間が醜く愚かな生き物だってわかってるから、そうじゃない動物たちを愛でたり慈しんだりする心が生まれるのかな…

    エリンの、そしてリランとその子供たちの最期はとても辛くて悲しくてショックだったけど、その後の王獣たちは野に解き放たれて人間の戦の道具にされることがなくなったのは良かった…

    素晴らしい物語でした✨
    子供の頃にぜひとも読みたかった…!(T-T)

    0
    2025年09月18日
  • 守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人

    Posted by ブクログ

    めっちゃおもしろかった。
    サラサラサラ〜っと読めた。
    気づいたらもう残りわずかで。
    『精霊の守り人』もおもしろかったけど、その数倍おもしろかった。
    死んだジグロ(ヒョウル)と冒頭から槍で舞うシーンが好き。
    ヒョウルの正体はその冒頭から分かってはいたけど、『山の王』や『最後の扉』が気になり過ぎて最後まで飽きなかった!
    ヒョウルの存在意義がすごいよくできてる。
    国を守るため、また世代交代というか、きちんと弔われることもいい。
    『オコジョを駆る狩人』、や『牧童』という不思議な存在にもわくわくしたし、洞窟の中の深い川や儀式などの神秘的なところも印象的。

    0
    2025年09月14日
  • 香君3 遥かな道

    Posted by ブクログ

    おもしろすぎて本を閉じられなかった。丸一日、夢中で読んでしまった。蔓延していく災厄を絶望とともにアイシャと追いながら、どうにかして食い止められないか必死に考える巻。植物と虫は密接に関わり合っているのだと、深く感じられた展開だった。虫害ノ省の人たちが大好き。好きを極めた学者さんが、社会のために知識を使ってくれる展開、胸が熱くなる。

    0
    2025年09月13日
  • 風と行く者

    Posted by ブクログ

    上橋菜穂子の守り人シリーズは とても好きな話しです。
    随分と久しぶりに 読みました。
    若い時のバルサとジグロ
    若い時の私には わからなかったジグロの愛情
    無骨な武人だったジグロ 若い娘に 優しい言葉なんかかけられなかったんでしょうね。
    サリの娘 エオナは ジグロの娘かもしれません。
    もし そうだったら ジグロにも娘がいたんだ!
    よかったなあ!
    そして物語の最後には バルサにも 帰るところ
    タンダの家が あります。
    自分をわかってくれる人が待っていてくれる
    というのは 幸せですね。
    戦い 怪我 策略のシーンが続く中 穏やかな終わり方が あったかい気持ちになります。
    上橋さんの書く食べ物も 美味しそうです。
    女の子たちが 必死で 一生懸命 力をつくして生きていく話しです。

    0
    2025年09月02日
  • 獣の奏者 III探求編

    Posted by ブクログ

    国のために、自分たちの穏やかな暮らしのために、そして獣のためにどうするべきか。
    いよいよ話がどんどん大きくなっていく。
    これがどう終着するのか次巻も楽しみ。

    (リランの出番がほとんどなくて寂しい…)

    0
    2025年08月30日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

    Posted by ブクログ

    命が息づいている文章。妊娠中に読んだこともあり、生きる喜びに溢れた物語に触れることができて元気付けられた。

    0
    2025年08月28日
  • 香君1 西から来た少女

    Posted by ブクログ

    読みやすい。馴染みのない名前を覚えるのがちょっと大変だけど、主要人物一覧も概略地図もある親切設計なので問題ない。次巻も楽しみ。

    0
    2025年08月25日
  • 鹿の王 3

    Posted by ブクログ

    やっと全員集合
    性根の悪い人だけが死ぬ病気があればどんなにいいか
    運命の不平等さを知って、虚無になるヴァンの気持ちに共感。

    0
    2025年08月22日