上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレオゴダ藩の海上の島へ攫われたアイシャとオラムはあり得ない光景を目にする
その間も、はるか昔に絶えたはずのオオヨマは数を増やしオアレ稲を食い尽くす勢いで、オゴダの藩王母と帝国はオラムの提案に乗り危機を乗り越えたかに見えたが、アイシャの耳にはずっとオアレ稲の呼び声が聴こえていた
呼び声に惹かれてやってきた、新たな脅威の出現に脅かされる3巻です
初代の香君たちがオアレ稲を手にした時も、餓死者を減らしたい 民を救いたいという気持ちだったでしょうに、オアレ稲は人には扱いきれない正に「喜びと悲嘆の稲」らしい展開になりました
必死に足掻くアイシャを始めとした香使たちと、この世界の理を超えたオアレ稲がどう決着するのか、足下から世界が崩れ落ちるような緊迫感の中で、4巻が楽しみです
255ページ -
Posted by ブクログ
ネタバレ山荘でタクおじさん達との暮らしに馴染んだアイシャは、オリエとマシュウから過去に起こった事の真実を探している事、2人やその考えを共にする人達が取り組んできた事を知らされ、協力を請われる
三年後、恐れていた事態が発生し、アイシャ達は密かに行動を起こしていたが、危険に晒されてしまう2巻です
オリエとマシュウの長い話から明かされたオアレ稲の秘密と、神話にも似た初代の始祖と香君の行動を解き明かそうとした人の存在
「香君」達の使命の重さと切なさ
帝国の為政者達の面子と、庶民が被る命の被害、オゴダ藩の怪しい動き
神隠しのような伝承と現実世界が重なって、益々面白くなってきました
210ページ -
Posted by ブクログ
ネタバレ祖父が元藩王だったアイシャは幼い弟と逃げていたが、現藩王に囚われ殺される事を悟る
アイシャには不思議な力があった事で秘密裡に命を救われて、帝国で活神と言われる「香君」の元へ送られたが、その力ゆえに更に別の地へ送られオリエと知り合う
一方で初代香君が伝えたという特別なオアレ稲には共に伝わる規定集があるが時代の移り変わりと共に改変され…という始まりを告げる1巻です
弟を支えて逃げる冒頭からすでに緊迫感が漂っていて、すぐに引き込まれてしまいました
民達の怨みを買った元藩王の祖父に対して初めは良いイメージが無いのに、祖父の真意が分かったらゾワリとする危うさに気がつく怖さ
アイシャが巻き込まれるであろう、この先の苦難の予兆、帝国の為政者達が隠してきた歴史とオアレ稲の真実、完結まで一気読みしたくて待った甲斐がありそうです
246ページ -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み始めたときにエリンが結婚して子供もいるという描写にイアルの存在を感じられなくてちょっとショックだったの。
個人的にイアルが大好きで、エリンとイアルがくっつけばいいなぁ。と思っていたのに、エリンの相手について序盤は明かされてないですよね??
わたしの読み落としかなぁ…。
エリンの相手がイアルじゃないと勝手に思い込んでただけ?
でも、何故かエリンの相手はイアルじゃない。って思いながら読み進めていたら
イアルじゃーーーーん!!!!!
となりました後半です(笑)
スタンディングオベーションです。
え、マジ?ほんと?ありがとう…と天を仰ぎたかった(不審者になるのでやめたけど。)
闘蛇や王獣に関する謎が明らかになることと
新たな問題、課題が浮上していくことと
話の展開がすさまじいのに
着いていけないとか、置いてけぼりみたいなのがなくて
ずっとドキドキ、ワクワク!
続きをありがとうございます。
外伝あるけど、本編は次で最後かぁ…。
読みたいけど、読んだら終わっちゃうのよね。
と思うと、読み始めるのを躊躇してしまう(笑)
でも読みたいので近々読み始めます(笑)
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
名著『鹿の王』に続くシリーズ第二作。黒狼熱(ミッツァル)に端を発する動乱が終息した後、オタワル深学院の天才・ホッサルは、清心教祭事医・真那(まな)の誘いを受け、清心教医術発祥の地である安房那(あわな)に赴く。領主の娘が患う奇病の治療法を求め、花部山地へと足を踏み入れたホッサルは、清心教医術の起源に触れる。かかるなか、次期皇帝の選定に纏わる陰謀が、彼とその伴侶であるミラルの関係にも変化を齎すことになりーー。
【短評】
前作『鹿の王』の記憶が色褪せないうちに次作に挑戦である。私が前作を読んで気になっていたのは「ヴァンとユナのその後」と「オタワル医術と清心教医術の和合」であったため、後者を主たるテーマに据えた本作は非常に興味深く読ませて貰った。
体だけを救えば良いのか。魂だけを救えば良いのか。本作で呈示される問いは、現代医学にも通ずるところがあり、私個人の見解として、その答えは未だ呈示されていない。詰まることろ、医療とは何のために存在しているのか、である。
前作では、劣後した概念といった印象の強かった清心教医術の在り方が示されていて良かった。「安らかな死」を希求することは悪いことなのだろうか。私はそれもまた重要な要素だと思うのだ。ホッサルを応援しつつも、考えてしまう自分が常に居た。
遠い異世界のお話ではあるのだが、非常に身近な問いとして受け取ることが出来た。
恋愛物としても良く出来ていると思う。ホッサルとミラルの身分違いの恋が遠からず破綻を来すことは、前作でも予見されていたが、本作では一旦脇に置いていた「現実」が否応無く突き付けられる。何かお似合いっぽい人たちが双方の前に現れたりして、どうなってしまうのだろうとヤキモキさせられた。
甘味を好む私としては、ここで訳知り顔で簡単に身を引くような展開は望まなかったが、なかなか良い感じで着地してくれて良かった。希望があるって良いね。
専門用語や人名の難解さだったり、とっつきにくい所もあるのだが、気がつくとのめり込んで読み進めている。それをして、多分「面白い」というのだろう。瑕疵無く、満点評価とさせて頂いた。
【気に入った点】
●前作でも感じたが、本シリーズはテーマが非常に明瞭。科学としての医術の体現者であるホッサルが、倫理としての医学である清心教医術に対峙する構造が良かった。どちらが正しいという回答の無い問いに対し、妙に変節したり、納得したりすることなく、己が道を信じるホッサルの強さが爽快だった。時に意固地になりそうなところに、そっと寄り添うミラルという構図も良いではないか。
●今作でも彩り豊かに様々な風土を描いている。緑に溢れ、鳥の鳴き声が響く美しい安房那の景色も、原始的牧歌的な花部の景色も活き活きとしていて、存分に旅をした気分にさせてくれる。作者の頭のなかに、一つの世界がきちんと成立している凄味を感じさせる。
【気になった点】
●特に無し。全編通じてすっと頭に入ってきた。
やっぱり続きが読みたい。ヴァンとユナはどうなったのか、気になるのである。
上橋先生には是非とも続きを描いて頂きたい。五体投地して待っております。