あらすじ
はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、騎馬の民ラーザとの戦いは激しさを増していく。エリンは、息子ジェシと過ごす時間を大切に思いながらも、 王獣たちの訓練を続けるのだった。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、<災い>がついにその正体を現すとき、物語はおおいなる結末をむかえる。大長編ファンタジーシリーズ堂々の完結巻!
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Posted by ブクログ
壮絶なエリンの人生が描かれた話でした。
人間の身勝手な意志によって他の生き物が命を落としたり、本来の野生の姿を失ってしまうことは実際の世界にも通じるものがあるのではと考えさせられました。
また、1人では多くの人々を劇的に変えることはできなくても、エリンの意思が息子や様々な人に受け継がれ、少しずつ世界が変わるきっかけになったことがとてもかっこよく、またエリンがしたことが着実に世界に影響を与えているということに感動しました。
人と獣の繋がりから世界のありようにまでつながるとても素晴らしい話でした。
Posted by ブクログ
次へ次へと気になって一気に読んでしまいました。
壮絶なエリンの物語。
ファンタジーでありながらも、命について、世界について、様々なことを考えさせられる本です。
人間の事情で、人間の事情など何も知らない別の生物が巻き込まれてしまう、現実の世界に共通することがファンタジーでありながらもたくさんありました。
世界の流れは、ただ一人では止めることは変えることはできないけれど、どうにかしようともがくエリンがとてもかっこよかったです。
獣医を志しているものですが、学生のうちにこの本に出会えてよかったと思いました。
Posted by ブクログ
最終巻。
凄いスケールの物語、なによりも、壮絶なエリンの人生。
アニメ化もされたそうですが、どんな形であれ、この作品は全ての人に知ってほしい。
Posted by ブクログ
壮絶な物語だった。
読み終わって、感覚として、しばらくあちらの世界に居続けることができるファンタジーは多いが、この物語は読後、私たちを現実と向き合うようにさせる。頬をはたかれて、夢の世界から現実へと目覚めさせられたようだ。
最後の章は胸がおおきなものでかきむしられた。悲しみとも言えない。喜びとも言えない。おおきなものとしかいいようがない。
あとがきで書かれているように、この物語には歴史の生き生きとした連続性がある。誠実に生きた人の足跡が感じられる連続性をもった希有な物語だった。
Posted by ブクログ
エリン…。
続きを書かなければ死ななかったよね…。
切ない。。
深く心にしみこむ名作。
「助けて…」って珍しく弱音をもらすエリンを、
リランが舌でなめてあげたところで、涙が出た…。
王獣編の最後の、加えられて飛んだ時の様な気持ち。
心を通わせ、恐怖ではなく愛情を与える獣…。
最後は、最上のハッピーエンドではないけど、
この8巻はとても良かった。
上橋さんも書いているように、エリンは自分の人生を生ききったよね。
最後まで自分が信じてやってきたことを後悔しなかったよね。
エリンの生き方から、上橋さんの想いが伝わってきた。
青い鳥文庫は、全巻において最後のあとがきやメッセージがとても良かったです。
Posted by ブクログ
やっと本屋さんに行くことが出来たので、購入。あっという間の読破でしたが、衝撃的で身動きできず・・・。
アニメ版がタハイアゼで終了しているのは正解ですね。
外伝も読んでみようかなぁ。
Posted by ブクログ
リュザの東、隊商都市群の領有権をめぐって、騎馬の民ラーザとの戦は避けられないものとなってくる。
エリンは王獣たちを訓練し、イアルは闘蛇のりとして、闘蛇部隊で、人の手によって闘うために改良され闘蛇の現状を知る。
しかしラーザは、もとより闘蛇の戒めなどなく、すでに人間の手で戦闘用に繁殖した闘蛇部隊をつくりあげていた。
エリンが希望をつないだ、残された人々たちの隠された歴史が明らかになった時、すでに戦いははじまり、エリンは王獣リランの背に乗っていた。
明らかになった、王獣と闘蛇たちの戦い。規制し、秘密にすることによって、ふたたび惨劇を招いてしまったが、エリンは、知識も歴史も明らかにして、そうでない未来を夢みた。感動のラスト。
Posted by ブクログ
獣の奏者、完結巻。
エリンという、一人の女性が歩んできた、過酷すぎる人生。
争いの惨さ。
児童書という枠には収まりきらないスケールだけれど
やはり、この哀しさは、
子供の心にこそ、しっかりと根付いてほしいと思う。