上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ家族や民族、故郷、愛する人への気持ちが美しい文章で綴られていて、じんわりと胸があたたかくなりました。
病と向き合うこととは…ということを考えさせられ、国家、民族間の複雑な駆け引きやミステリー描写も面白かったですが…
私は、登場人物が親しい人を思う心、あたたかな感情が感じ取れるシーンがとても好きでした。
サエさんとヴァン、ユナちゃんのその後が読みたい…と思いましたが、きっと3人は私が心配するまでもなく日々それぞれの日常を懸命に生きているのでしょう。それを想像させれくれる終わり方も私はよかったと思います。
個人的に、ヴァンとホッサルが最初に出会ったとき、ヴァンの言葉にホッサルが胸を打たれたことや、何事にも冷静沈着なホッサルが、ヴァンの雰囲気に圧倒され、若造らしくなる(?)シーンが好きでした。この2人がやっと出会ったところは、ページを捲る手が止まりませんでした。
それと、ヴァンが季耶たちと再開したとき、この人たちはもう身内だ、と独角として生きてきたヴァンが震えるシーンは、込み上げるものがありました。
続編があるみたいなので、そちらも近々読んでみようかと。
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Posted by ブクログ
ネタバレいい大人ですが、最後は声を出して泣きました。
上橋さんの作品は理不尽に辛いことは無いと思っていたのですが、やはりリランとエリンとの別れは辛かった。
でも、納得できる。
ファンタジーだけど、道理は通っているんだもん。
皆幸せハッピーにはならないよね。
でも未来に希望はある。
一番、納得の出来る場所に落ち着いていると思います。
ジェシの働きと、一つ一つの小さな気持ちと動きが、少しでも長く平和な時間を伸ばせます様に。
でもきっと、いつか闘蛇も王獣も人間が操る時代が来ると思う。
その時間が少しでもあるということでも、やはり大事なことだと思うのです -
Posted by ブクログ
ネタバレ物語の最後まで、本当に面白かった。
特に印象に残ったのは、オアレ稲という一つの存在に国全体が左右される構造。その依存関係が物語の土台になっていて、「もしそれが崩れたらどうなるのか」という恐ろしさに最後まで引き込まれた。こういう世界の作り方が本当にうまいと思う。
アイシャの皇帝への進言の場面では、感情ではなく、事実を積み重ねて相手を動かそうとする姿勢も良かった。抜かりのない調査があってこその言葉だからこそ、説得力があった。
一番心に残ったのは、「風に知る万象」という考え方。人間にとって都合のいいものだけで世界は成り立っているわけではなく、利益にならないものも含めて均衡が保たれている。その均衡を人間の都合だけで歪めれば、巡り巡って人間にも返ってくる。この発想のスケールには驚かされた。
また、香君という存在は人々がすがりたくなる”神”になり得た。それでもオリエやアイシャが人々を導くだけで終わらせず、自ら考え、困難に立ち向かうことを願った結末がとても好きだった。
最後まで神郷オアレマヅラの正体は明かされなかったけれど、すべてを説明せず、不思議さを残して終わる余韻も心地よかった。
10段階評価:9.5点 -
Posted by ブクログ
前半は、ギラム島をめぐる政治的な動きが面白かった。
国の利益のために人はどう動くのか。それぞれの立場や思惑が絡み合い、単純な善悪では割り切れないところに引き込まれた。
特に印象に残ったのは、「当たり前」を疑うことの難しさ。常識として信じてきた前提が崩れたとき、人は何を信じ、どう判断するのか。その描き方が興味深かった。
オアレ稲の不思議な生態も魅力的だった。人々の暮らしを支える存在でありながら、まだ理解しきれていない底知れない恐ろしさを感じる。
後半は、虫害による絶望感に圧倒された。どうにもならない自然の脅威を前に、手に汗握る展開が続く。
また、「人の命を守る」と一言で言っても、その方法や優先順位に唯一の正解はないという考え方も印象に残った。つらいかどうかではなく、何を為すべきか。その選択の重さが、この作品の面白さだと思う。
10段階評価:9.5点 -
Posted by ブクログ
久しぶりに上橋菜穂子の世界に触れたけど、やっぱり独自の民族や文化を作り上げる力がすごい。
特に、「香り」という目に見えない感覚から、風景や生き物、人々の暮らし、農業、さらには国家がどう成り立っているのかまで広がっていくのが本当に面白かった。単に珍しい設定が並んでいるだけではなくて、全部がきちんとつながっていて、この世界が本当にどこかに存在しているように感じられる。
独自の農業や生き物もすごく面白いし、そこで生きている人たちの描き方にも生命力がある。みんなが考え、働き、食べて、生きようとしている。その人間らしさがあるからこそ、世界観にも説得力が生まれているんだと思う。
読んでいる途中で、「この仕組みなら、ここはどうなるんだろう?」と疑問に思うことが何度もあった。でも、その少し先で、まさに自分が気になっていたことがきちんと描かれる。まるで読者の考えを読まれているようで、世界の仕組みが少しずつ明らかになっていく感覚が気持ちよかった。
香り、生態、農業、民族、国家。これだけ違う要素を一つにつなげて、しかも物語としてこんなに面白く読ませるのは本当にすごい。
世界観がとにかくユニークで、美しくて、説得力がある。
10段階評価:9.5点 -
Posted by ブクログ
「鹿の王」を読んだのが1ヶ月前。
その後守り人シリーズを読み出したら止まらなくなり、一気に読んでしまいました。
ファンタジーではあるものの、それぞれの国の生活、宗教が本当にリアル。
単に悪と正義が戦うという物語ではなく、どの国の人が何故その行動に出るのかがいちいち腑に落ちる。
そして、やっぱり人って食べて寝ることの大切さを何度も感じた。
当たり前の事をしっかりと描いている。
その中で、魅力的な人々の行く末が気になって気になって。。
あんなに怖かった帝も、何か最後カッコいいし。
よくもこんな落としどころを見つけて下さったものです。
ホントに楽しい数週間を過ごしました。
寂しいっ
これから外伝読みにいきます