上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小学生の自分が1番好きだった本。
追われるようにページをめくって、胸が高鳴った幼い日々を、今もよく覚えている。
10年以上ぶりに読み返すことには勇気を要したけれど、全くの杞憂だった。
なんなら、上橋菜穂子さんの描くファンタジーが、児童文学の域を保ちつつ、広がる世界の広さが想像力の限界を試しに来る、この心地の良さが今も自分の中にあることを再確認しただけ。それだけで、涙が出るくらい嬉しかった。
なんて優しくてあたたかくて、切ない気持ちに
させてくれるお話なのだろう。
ともすればややこしい領地争いや人間関係を、易しすぎる言葉も使わずにこれ程上手く伝えられるのは、もう本当に上橋先生ならではだと思う -
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Posted by ブクログ
ネタバレエリンの息子ジェシは、母が王獣の訓練をする姿を見たいがために立ち入りを禁止されていた森にこっそりと入って盗み見をしていた。エリンや護衛兵たちはそのことに気がついていたが、母と過ごす時間の少なかった幼いジェシを思うと、注意もしづらく、黙認していた。
ある日、その森の中からジェシの悲鳴が聞こえる。慌てて悲鳴の方へとエリンが走ると、大量の火蟻に身体中を噛まれ悶えるジェシの姿があった。一命を取り留めた息子を連れて、火蟻に襲われた森へとエリンは向かい、森の生き物たちの危険について、生態について、ジェシに話して聞かせる。
狂乱する闘蛇と王獣を止め、死ぬ、エリンの最期も心に残った。それでも、この物語の中で -
Posted by ブクログ
ネタバレ鹿の王が良かったので、購入後しばらくとっておいたのだが、鹿の王のシリーズの続編は読みたいような(キャラクターが死ぬのではないかとハラハラするので)読みたくないような微妙な気分になる。
前作のヴァンらは登場せずホッサル視点の物語だが、本作も命の物語なので、序盤から「死の迎え方」の描写があり重い。
リウマチや血友病の病名を変えたものが出てきたり、還元論(オタワル医術)と全体論(清心教医術)の比較のように我々の世界とつながる部分も多い。
オタワルは(ローマ時代と中世ヨーロッパの関係のように)科学技術が進んで合理的、近代的な考え方で思想面ではツオル帝国を優越しているように見えるが、ホッサルとミラルの -
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Posted by ブクログ
ネタバレあぁそうだ、この問題が残ってたよね!という一冊。
鹿の王1〜4巻で切なさと希望を残すまとまりがある、ヴァンの話だったけど、
その時に取り残された問題があったわ!
「宗教」というのは、煩雑なものだなあ。
と、この本を読み始めて & 今の世界情勢を考えて思った。
信じるものを優先するというのは、人・民族・国のアイデンティティであり、対立するものや相反するものを受け入れるというのが、根幹を揺るがすことであるというのも理解ができる。
しかしながら、
信じるものを優先せるよりも、人命を第一に考えるのであれば、そこに宗教や方法を選んでいる場合ではない、と思うのだけど。
そうはいかないのが