あらすじ
児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞! 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、母親として、いかに生きていたのか。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。単行本未収録の書き下ろし短編「綿毛」も収録。
...続きを読む感情タグBEST3
まさに外伝
外伝というのにふさわしい作品です。
主要な登場人物の「愛」にまつわる短編を収録しています、やはり本編とは別物だと感じます。ちょっと大人な雰囲気だし。
それでいて、あの人のあの頃はどうだったんだろう?という読者の妄想に答えてくれるんだから、作者から贅沢なプレゼントをもらったような気分です。
Posted by ブクログ
獣の奏者外伝。エリンとイアルの馴れ初めやエサル師の若い頃の話などを含む4篇が収録された短編集。エリンがどのような気持ちでジェシを産むこと決めたのか、そんな葛藤が心に響きました。またエサルの少女時代の恋愛が切なく、彼女の決意に感動した。ストーリーは前巻で完結済みだが、キャラクターの人物像の深掘りによって、より獣の奏者が好きになれます。
Posted by ブクログ
大好きな短編集ですが、文庫版だけ1話増えていることは知らなかったです!
何度も読んだ作品ですが、なんだか最初の1話は見覚えがない気がして、手に取りました。上橋菜穂子さんの物語はいつも風景が鮮やかに思い浮かぶのですが、最初の1話だけはやはり知らない風景でした。
10年振りくらいに読み返したから忘れてたかなぁと思いながらも、続きを読み進め、惹きつけられて一気に後書きまで読み切ったとき、はじめて文庫版だけ1話追加されていたことを知りました。
幸せな驚きでした!私のようにハードカバーしか読んでいないファンもいるのではないでしょうか。文庫版も読み返してみることを強くオススメします。
Posted by ブクログ
獣の奏者本編では語られる事のなかった部分が、詳細に描かれている。特にエリン以外の人の感情や心情は本編では想像するしかなかったから、イアルはこんな風に家族を思ってたんだな、とかエサル師なかなかやるなとか、この情報踏まえてまた本編再読したら楽しいだろうなと思った。
Posted by ブクログ
比較的短い文章の中に葛藤や喜怒哀楽が詰まっていて、読んでいて苦しいくらいだった。
恋愛の話が多かったけどそこも良かったし、何よりジェシの話が良かった。
Posted by ブクログ
文句無しの星5つです。
外伝で、ほんとにストーリーのつじつまが合うところと、そうだったんだ!って、わかるところとあって、ほんとに、細かい所まで物語が作られてるなと思いました。
5冊読んでほんとに、皆さんにお勧めしたいです
Posted by ブクログ
エリンとイアンの馴れ初めも読め、エサルの恋模様も見ることが出来、すぐ読み終えてしまった…
獣の奏者、本編含め全て読んだが外伝もかなりおもしろかった。
ジェシの出産を機に、
過去の行動を後悔しても意味がない
今の幸せは過去の後悔も含め全て繋がっている
この言葉が個人的に心に響きました。
過去はもう後悔しません!
Posted by ブクログ
こちらの外伝は主人公エリンに関わってきた人達の過去のお話。
イアルとエリンの出会い。そして出産。
かっこいいエサルの切ない恋心。
漫画もですが、主人公以外の過去って何故かワクワクしますよね。
そして自分はファンタジーが苦手だと思い込んでいましたが、『獣の奏者』で考えが変わりました。
大人や子ども関係なく幅広い世代に読んで貰いたい作品です。
Posted by ブクログ
30代になり、再読してみた。
上橋さんが後書きで仰っていた人生の半ばを過ぎた、時間の経過を早く感じ始めた今読み返してみて、前回読んだ時よりもくっきりと胸に染み込んでくる感覚があった。
雌雄が交わって実を結び、次代を育む花もあれば、自身が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるのだ。
この言葉はまだ結婚せず焦ってしまっている自分に対して、そっと語りかけてくれる優しい言葉だった。
Posted by ブクログ
この外伝が読めて本当に良かった
本編では語られなかったエリンとイアルの馴れ初めも嬉しかったし、エサル師の若い頃もよかった
あの経験をしているからこそのエサル師の考え方があるんだなぁとしみじみ思う
1番嬉しかったのはソヨンとエリンの話
本編でのソヨンはエリンにだけじゃなくすべてのものに対して淡々としており、エリンに愛はあるんだけどどこか血が通っていないというか…冷めたイメージが拭えなかったのだけど、今回の短編を読んですごく嬉しくなった
私にとってこの話も外伝自体も〈余分な一滴〉ではなく、必要なものだった
この外伝を読んだからこそ本編での違和感や理解できなかった心情なんかもスッと胸に入ってきたのでとても良かった
Posted by ブクログ
登場人物達の人生が詳しく温かく描かれていた
国の命運を背負う運命を負ったエリンと、夫のイアル、師のエサル…
皆激動の人生を歩んできて、辛いことも多かっただろうけど、それでも自分の人生を良かったと思い、刹那であってもその瞬間の幸せを大切にしている人達だと感じた
人の群れの中で生きていくことは苦労が多く簡単ではないけれど、彼らのように小さな幸せの欠片を拾い集め、周りの人や生きとし生けるもの全てに愛を注いで生きていきたいと思った
Posted by ブクログ
パズルのピースのように、空白の11年を埋める役割を持ったサイドストーリー❗
上橋 菜穂子さんのあとがきにあるように、人生の半ばを過ぎた人が読むと、非常に感慨深い作品となっています♫
個人的には、エリンの同棲・結婚生活を描いた『刹那』よりも、若かりしエサルの切ない恋模様を描いた『秘め事』の方が、興味深く読むことができました❗男性キャラクターは、ユアンよりもジョウンの方が好きです♫
カバーデザインも非常に綺麗で、とても満足出来たシリーズ作品でした❗
Posted by ブクログ
「獣の奏者」を読んだのは何年も前のことになります。
前作を再読してからにしようかとも思いましたが、
audibleで聴き始めると
あっという間にエリンたちの世界に舞い降りたような気分になりました。
懐かしかった。
エリンを取り巻く人たちの
柔らかなひと時に触れられて本当によかった。
Posted by ブクログ
エリンとイアルの馴れ初め
エサル氏の恋の話
などなど、外伝ならではの話が楽しい。
エサル氏の話の結びが好き。
色んなものを胸に抱いて、何事もなかったかのような顔をして過ごす。うーん、みんなきっとそうなのだよなぁ。
本当に魅力的で心に残る大長編でした。
Posted by ブクログ
上橋菜穂子先生、ここまでの物語をこの世に生み出してくれて、ありがとうございます(感涙)
エリンの亡き母、ソヨンの想いが初めて文章として表された「綿毛」から始まるこの外伝は、全てが今までの物語の核となる部分ではない。
けれどこの「獣の奏者」の世界で生きる人々にとって当たり前にそこにある思い出達を、
上橋菜穂子先生が特別に覗かせて下さったような嬉しさを初めに感じた。
今までの世界を読み進め、エリンと共に冒険をした読者に頂けたご褒美として、これ以上にいいものはないと思える。
特に、「刹那」と「秘め事」で新たなエリンとエサル師の一面を知り、今まで感じることのなかった対極をなす2人の立場と生き方に、この2人の出会いは必然であったのだと強く確信した。
改めて、獣の奏者の世界に生きる人々の〝生〟を感じる事ができる一冊だった。
Posted by ブクログ
シリーズ4作品の後の、番外編。
後日談ではなく、本編に書かれていなかった四つの時間が描かれている。
・エリンの赤ん坊時代
・イアルとエリンの恋と出産
・エサルの秘めた恋
・ジェシの幼少時代
どのような生き方を選ぼうと、瞬間を切り取れば確かに幸福な時間がそこには存在していたのだ、ということがどの物語からも強く伝わってきた。
このシリーズ、大のお気に入りになりました。おすすめ!
Posted by ブクログ
3巻で「あの10年があって本当に良かった」って言ってたから、とても気になっていた。信じられないほど大きな重責を背負った二人の恋愛は必ずしも幸せだとは言い難いが、それでもお互いが大切で仕方がないのが良く伝わってきた。どんな恋愛小説よりも素敵。
ようやく納得
本編では明かされなかったエリンたちの馴れ初めが見れて良かった。いきなり結婚してて、どうしてそうなったかもわからなかったので過程が知れて納得です。それぞれの人生が刹那という題名通りだと思います。
Posted by ブクログ
この外伝は、児童向けの皮を被った、超絶大人向けの小説だと読んでいて感じた。なんというか、じっっっっっっっ…とりとした大人の面倒臭い感情が絡み合った末に結ばれるという過程が描写されており、そこに性表現が挟まれ、リアルさを演出しているように見えた。
闘蛇編、王獣編、探求編、完結編を通してあったテーマは、『秘匿された情報の探究、そして獣と人間の在り方』だったのだが、この外伝ではそのテーマが無くなり、ヒューマンドラマ一筋になっている。
正直、上記の四作のようなテーマを期待して読むと肩透かし感があると感じるだろうが、それでも上橋先生の超絶技巧による世界観構築のおかげで、キャラに思い入れさえあれば大丈夫だと感じる。(私はぶっちゃけエサル先生にそんなに思い入れがないので、読むのが遅れたが…)
Posted by ブクログ
イアルとエリンの馴れ初めは読ませていただいてありがたい、という気持ちだけれど、正直、本編までで最高に綺麗に収まっていたんだな、という気持ち。
やっぱり描かないからこその余韻ってある。
あと外伝だけはどう考えても児童向きでは無いなあ…
Posted by ブクログ
完結編を読み終えた、エリンが死に、イアルが死ぬまで、家族で過ごした時間を語るジェシを読み終えたとき、どうにも外伝を読む気になれなかった。エリンとその周囲の人たちのその後の結末を知っているがために、生きていたころのエリンやイアル、エサルの物語を改めて読み直す気持ちになれなかった。意を決して外伝を読みはじめてもなお、やっぱり生きているエリンたちの物語を読んでいることの違和感はずっとあったように思う。そうした意味で、タイトルの「刹那」という言葉が、物語によく合って見えた。どの物語も登場人物たちの人生の中で見れば一瞬のような幸せな時間が描かれる。
一番印象に残ったのは、エサルのセリフだった。
たとえ病を癒しても、パミは礼を言わない。ーそれが獣ノ医術のいいところだ。自分がなんのために病を癒しているか、見誤らずにすむ。
病を癒すのは、獣に頼まれたからではない。自分がそうしたいから、やっているのだ。
病が癒え、痛みが消えたその姿を見たいから、やっているのだ。(p335)
『獣の奏者』に出てくる登場人物たち全員に共通した考え方だったように思う。獣ノ医術師にせよ、セ・ザンにせよ、ジェシが生まれてきたことにせよ、自分がなんのためにそれをするのか、登場人物たちが、それを見誤らない、あるいは、それを見つける物語だったのだと、この外伝を読んで、本編に対するイメージが変わった。
面白い。けど、本編を読んでから、時間を置いて読みたい本だった。
Posted by ブクログ
エリンの幼少期
エリンとイアルの恋の始まり
ふたりが家族・親になる姿
エサル師の幼少期・切なく苦い恋
それぞれの時代のみんなの感情を知り、あの時彼ら彼女達はこんなことを想っていたのか…と、更に物語が深まる。
エサル師の学生時代はとても意外で、生々しくもあり、面白かった。
Posted by ブクログ
ただのサイドストーリーかと思いきや、本の中の登場人物に更に血を通わせ人間味を表すような内容で、このシリーズにより深みを与えていると感じました。
Posted by ブクログ
獣の奏者の番外編。
本編がとてもよかったので、こちらも期待して読みました。続編ではなく全て本編の途中もしくは過去のお話。
本編では突然エリンとイアルが夫婦になっていたので、馴れ初めがわかって嬉しい。本編を読んでいる時に、少しでもいいから馴れ初めがあってもいいのに、と思いましたが、あとがきに「恋愛要素は本編の邪魔になる。」というようなことが書かれていて、それもそうかなぁと納得。外伝を書く前、本編を書いている時から著者の頭の中にはそれぞれの登場人物の細かいエピソードも浮かんでいたそうで、それもすごいなぁと思いました。
獣の奏者全巻読み終わってしまい寂しい。
Posted by ブクログ
メインストーリーで描かれなかった裏側。それがこの巻では描かれています。なぜメインストーリーとして描かれなかったのかは、上橋さんのあとがきに書かれています。それを読んで、深いなー、と思いました。
物語を読むと、それぞれのキャラの個性がより際立つ印象でした。良かったです。
Posted by ブクログ
「獣の奏者」のストーリーは「獣」をめぐってストーリー展開がなされていく。
そこには、いろんな人たちの思いがあるのだが、「獣」とは関係ない部分はあえて書かれていない。
それを書くとボケてしまうからとか。
が、この「外伝」は主人公以外のストーリーが書かれている。
エリンの夫や、エリンの指導者の物語など。
「獣の奏者」を読んだ方には、ここまで読むことをお勧めする。
切ない話が多いけどね。
あー、面白かった。
Posted by ブクログ
エリンとイアンの馴れ初めや、エリンの母ソヨンの若い頃の話など、本編で語られなかったエピソードが収められた1冊。
ファンには興味深い内容だが、ストーリーとしては特に驚きも感動もなかった。
Posted by ブクログ
著者の小説「獣の奏者」の番外編です。本編では語られなかったサイドストーリーが語られています。それだけの魅力的なキャラクターがたくさん登場する物語であったからこその一冊となっていると思います。ぜひ本編を読んでから楽しんでいただければと。本編で主人公エリンの幼少期から母親になるまでの経験を胸に、そのときの周囲や本人のさらなる気持ちの複雑さや想いを感じ取ることができました。名残を楽しむように、惜しむように読ませていただきました。