あらすじ
児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞! 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、母親として、いかに生きていたのか。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。単行本未収録の書き下ろし短編「綿毛」も収録。
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Posted by ブクログ
獣の奏者の力強くもあり穏やかな世界観に久々に浸ることができとても良かった✨
本編では語られなかったイアルとエリンの馴れ初めやエサル師の若かりし日々について綴られており、あの空白はこんな感じだったのかと感慨に耽る。
エサル師の物語が良かった。
私もお一人様人生だからエサル師みたいに地に足つけて凛と格好良く生きたいものだけど、師みたいに人生捧げて熱中できるほどのものがない……ほどほどに生きよう…(*´-`)
Posted by ブクログ
「綿毛」が読みたくて。外伝は読んだことあったのですが、改めて文庫版を買って読みました。ソヨンのことを知れてよかった。本編に書いてある生い立ちの情報だけでは、「なんて不幸な人なんだろう」という感想で終わってしまっていました。せっかく一族を離れてまで共に生きたいと思えた人と一緒になれたのに、先立たれてひとりエリンを育てる人生はつらかっただろうなと。その答えが書かれていて、たくましさに胸が熱くなりました。
「秘め事」がやっぱりこの本の肝なのかなあと思います。ユアンのことがずっとよくわからなくて、頭に残っていたのですが、読み返すと「物言わぬ王獣のよう」な彼の姿がつかみ取れる気がします。何一つ不自由ない、用意された伴侶と添い遂げる飼育された王獣のような一生。焼けつくような破滅願望を、ずっと抱えていたのでしょうか。それでも、エサルと過ごした山小屋での研究の日々は、彼にとっても宝物だったんじゃないかと思わずにはいられません。どんなにそれが身勝手な行いだったとしても。なんて静かで、悲しい抵抗なんだろうかと。
ようやく納得
本編では明かされなかったエリンたちの馴れ初めが見れて良かった。いきなり結婚してて、どうしてそうなったかもわからなかったので過程が知れて納得です。それぞれの人生が刹那という題名通りだと思います。
Posted by ブクログ
この外伝は、児童向けの皮を被った、超絶大人向けの小説だと読んでいて感じた。なんというか、じっっっっっっっ…とりとした大人の面倒臭い感情が絡み合った末に結ばれるという過程が描写されており、そこに性表現が挟まれ、リアルさを演出しているように見えた。
闘蛇編、王獣編、探求編、完結編を通してあったテーマは、『秘匿された情報の探究、そして獣と人間の在り方』だったのだが、この外伝ではそのテーマが無くなり、ヒューマンドラマ一筋になっている。
正直、上記の四作のようなテーマを期待して読むと肩透かし感があると感じるだろうが、それでも上橋先生の超絶技巧による世界観構築のおかげで、キャラに思い入れさえあれば大丈夫だと感じる。(私はぶっちゃけエサル先生にそんなに思い入れがないので、読むのが遅れたが…)