上橋菜穂子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ上橋さんの小説以外の本が出版されるようになり、創作のバックボーンや、細やかな感性をうかがい知ることができて、とても興味深く読みました。
簡潔な文章なのに、的を得た表現。すばらしいエピソードの繋げ方。
たとえば暗闇について書かれた「月の光に照らされて」は、リンドバークのことばからはじまります。こどもの頃体験した実家のある野尻湖の暗闇、「分かる」はなぜ分の字をつかうのか、たそがれのこと、そして、さいごにオーストラリアで見た圧倒的な日没。これだけのエピソードがたった8ページのなかで、なめらかに繋がっていくのです。
体験と、思いと、確かな知識が表現された、極上のエッセイだと思いました。
ご一緒に旅した -
Posted by ブクログ
ネタバレ上橋さんはほとんどぜんぶ読んでいるけれど、上橋さん個人のことは、対談などでうかがい知るほかは何も知りませんでした。こどもにも読めるように平易に書いてあるのに、大人が読んでも面白い。上橋さんの描く物語には、これだけ重厚なバックボーンがあったのだと、驚きの連続でした。世界観や地球環境、現代の社会問題なども、人類学者としての目線でさらりと語られていましたが、ことばを選ぶのは難しいはずです。
上橋さんが古武術によって身体の動きを知っていたので、バルサの殺陣も息を呑む緊張が生まれていたのだと、あらためて知りました。
物語を聞かせ続けてくれたおばあさま、好きでたまらなかった本。必死になって身体を動かし続け -
Posted by ブクログ
上橋菜穂子さんが作家になるまでの生い立ちを、インタビューして本にしたものです。
だから、上橋さんが書いた本ではなく、まさに上橋さんの本!ってことになりますね。
小説を書く時に、嘘をつきたくないという言葉がとても印象に残りました。
ファンタジーを書いてるから、嘘の部分もあるんだけど、根っこの部分では嘘をつきたくないんだそうです。
上橋さんが書くものは全て実体験に基づいているから、こんなにも心を揺さぶる小説が書けるのか!上橋菜穂子さんの謎がひとつ解けました。
この本は、インタビューだからなのか、本当に上橋さんが話してくれていて、それを聞いている感覚になります。
人柄もよく伝わってきました。
そ -
ネタバレ 購入済み
子供に勧められて夢中になりまし
とても面白く、感情移入できる、考えさせられる作品です。
王獣の絵はありませんが、どうしてもその容姿がずんぐりむっくりの大きくてまん丸の巨大なペンギンの様な姿しかイメージ出来なくて(^^;;
最後は家族全員と王獣達が平和に暮らせる事を願いつつ読んでいたのですが…
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレこれは、私たちの物語。
舞台が古代日本でも、隼人にフォーカスがあてられていても、だからこそ、わたしたちに連綿と続く歴史の物語。
主人公のナカダチは、カミ殺しを依頼される。
ナカダチの母は山の神にみいられ、子であるナカダチを生んだが、不幸になった。
ナカダチが母を背負って旅をして、それが遺体になっていたことに気づくくだりは、彼のさみしさを際立たせる。
彼の異能の力を役立たせるため、カミ殺しを依頼されて訪れた先にはカミンマという一人の少女がいる。カミンマ、神と人の境界の存在のこと。
月のものが訪れた女性にしかなりえない、神の声をきくもの。あわいに立つもの。
キシメはなぜ自分たちがカミ殺しを考え -
Posted by ブクログ
物語を書いてみたいと、作家になりたいと読書が好きな子供なら一度位は思ったことがあるのではないだろうか。
それでも読む側のままの人と、物語を生み出す人の違いってなんだろうと思ってた答えが、この本からおぼろげに見えてきた気がする。
自分の好きなこと、興味があることを突き詰めて行く強さ、一歩を踏み出す勇気。上橋さんは家でぬくぬくミルクティーを飲んでいたいタイプといいながら、毎回悩みながらも自分で自分を鼓舞して、温かい場所から抜け出し、自分を新たな場所へ運んでいる。
「経験は大切です。でも、べつに、人と違うことをたくさんしなければいけないということではなくて、むしろ、人と同じことをしていながらわ -
Posted by ブクログ
(2015年1月25日 再読)
シリーズ通して、この話がいちばん好きかも!やっぱり!
チャグムがとても聡明で勇敢で清廉で、なのに弱くて危うくて青い。
その強かさとナイーブさがたまらないです。
実写ドラマ化という話を聞いてから、チャグムは神木隆之介くんのイメージしかないんだけど、どうにか実現しないかな。
精霊の守り人からは無理としても、この蒼路の旅人は15歳...なんとかいけんじゃない?
最初からチャグムが好きなので、むしろ旅人シリーズが好きなので、彼のこの成長と活躍はすごい痺れます。
今回出番は少ないけど、シュガも好き!
天と地の守り人も一気に読むぞー! -
購入済み
リディオで読めるようになった!
大人も子どもも読んでおきたい作品。ストーリーそのものが完成度が高いし、さらに、実際の歴史を読み解く視点を養う良い作品だと思う。合本版はとても嬉しい。
以下は、以前のコメント。
普段はリディオで読むが、たまたまスマホから購入したら、合冊のものは、リディオで読めないことが判明。
合冊は、電子書籍ならではの利点だと思うのに、何でリディオで読めないのか。