上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 鹿の王 4

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    ファンタジーだと思って読み始めたら、「病」と「死」について深く考えさせられた。
    菌の存在すら一部の人間しか認知していない世界でのウィルスや薬についての解説が、自分の現実での病への理解を具体的なものにした。
    そこにある死は理由があるのか。その解明はミステリーのような面白さがあった。
    また、作者のあとがきにおける作者の母君の病についてのエピソードが、自分の母と重なり涙が出た。
    綿密な世界観から、もう一度読めば一読目では気づかなかった発見があることが感じられ、何度読んでも面白い本だと思われる。

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    2026年03月18日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    エリンが想いジェシに語っていた通りどのような人であってもその人の人生の短い時間の中でありとあらゆることを解き明かすこと、変えていくことはできない。エリンとリランというこの物語の「現在」にとって特別な存在であったこのふたりであってもそれはやはり同じなのだということを教えてくれるような結末だった。

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    2026年03月18日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    ネタバレ

    この方の作品は謎解きやストーリー展開は面白いが、人々の内面的な話がくどくなりがち。

    エリンによって、色々な謎が解明し王獣や闘蛇など人間が制御できないものは、使用するなという教訓を得たが、一時的なことで禁忌を犯す者や新しい武器の開発により争いは続くし、生態系や環境も破壊し続けるのは変わらない。
    それゆえ、短い期間だが家族や王獣と一緒に過ごせた平和な時が素晴らしい。


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    2026年03月17日
  • 鹿の王 2

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    夏川先生の解説読みたさにあっという間に読んでしまった。夏川先生がこの作品の死生観に共感されるのが、ただのいちファンである私にもよく分かった。また、恥ずかしながら夏川先生のデビュー作「神様のカルテ」の文庫解説が上橋さんであることにも初めて気がついた。そりゃあ、夏川先生ファンの私には上橋さんの作品は刺さるわけだ。こんなにもっと早く読めばよかったと思う作品もない。続きも楽しみだ。

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    2026年03月16日
  • 鹿の王 1

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    ネタバレ

    岩塩鉱で謎の病が発生し、ほとんどの人が亡くなる壊滅状態の中、生き残った奴隷のヴァンと孤児のユナ。怪我をしているところを助けられ、彼らを故郷オキに連れて行くトマと、オキにいる家族たち。一方で、岩塩鉱の病を調査し、逃げた奴隷ヴァンを追う医師ホッサルと従者マコウカン。全く架空の話ながら、世界のどこかにそんな場所がありそうな設定で、世界観が掴めてくると徐々に引き込まれた。ファンタジーは久々に読んだが、王国の統治の歴史にまつわる争いや、人々の貧富の差、また黒狼病の行方など、重めのテーマも扱っており、読み応えがありそうと感じた。タイトルの鹿は、おそらく飛鹿のことだと思うが、王とは鹿自身のことを指すのか、そ

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    2026年03月15日
  • 鹿の王 2

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    ネタバレ

    トマの故郷で飛鹿の繁殖を手伝うようになったヴァンとユナ。一方、鷹狩りの最中に山犬が襲来し、噛まれて黒狼熱になった者たちを治療するホッサル。1巻の終わりに山犬の襲来があってから、一気に物語が動きはじめた感があり、すいすい読み進められた。黒狼熱が人為的に起こされたものではないか、という方向に話が進み、国同士の主従関係やわだかまりが絡んでくる様相を見せるなど、一筋縄で行かなそうなストーリーが面白い。また、かつての東洋医学と西洋医学を思わせるような国ごとの医療の考え方の違いなど、細かい設定ながらも考えさせる部分もあり、続きも早く読みたい。

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    2026年03月15日
  • 鹿の王 3

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    ネタバレ

    何者かに攫われたユナを追うヴァン。ヴァンを追って辺境の地を訪れるも捕らえられたホッサルとマコウカン。黒狼熱の菌を体に宿したキンマの犬と、それを操る火馬の民。

    故郷を追われた者たちの憎しみは、病を神の思し召しと解釈させ、それを使って復讐を図ろうとする。それぞれの立場で正義とするものが異なり、一概に誰が悪と言い切れないのがもどかしい。その中で、身体の変化に戸惑いながらもユナを守ろうとするヴァン、医師としてやるべきことにまっすぐ向かうホッサルの姿が際立った。

    ヴァンとユナ、黒狼熱の行く末は。そして「鹿の王」とは何なのか。いよいよクライマックスとなるので、次巻も楽しみたい。

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    2026年03月15日
  • 鹿の王 4

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    ネタバレ

    ホッサルとヴァンがついに相見え、キンマの犬を使ったシカンたちの計画が明らかになるにつれ、物語が加速していった。群れを守るために自らを犠牲にする鹿を敬意を持って「鹿の王」と呼ぶが、それを単に美化するだけでなく、それによって犠牲になる命について考えさせる描写もあったのが印象的だった。

    絶望の中に生きていたヴァンが大切なものを守るために決断を下し、また残された者も悲嘆に暮れているわけではなく、ヴァンを追うという前向きな終わり方だったのが良かった。後日談?かわからないが、もう一冊あるようなので、読みたいと思う。

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    2026年03月15日
  • 鹿の王 4

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    3巻から少し時間が空いたけど、やっぱり面白い。特に前半のヴァンとホッサルの対話や、まだ火馬の民の企みが終わってないと分かる物語の展開点は面白かった。
    最後は完結ぽくないというか、まだシリーズが続きそうな感じのまま終わったな。
    ホッサルのお祖父様リムエルの企みも性急だった気がする。遺伝病である若年性認知症とかがもっと伏線として効いてくるかと思ったけどそんなことなかった。

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    2026年03月13日
  • 獣の奏者 III探求編

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    イアルとの間にジェシが生まれ、ジェシには何にも縛られることなく自由に生きてほしいと願い奮闘するエリンとイアルだったが、アマスル伯領から始まり遥か東にあるラーザの影がより濃く大きくなるなか、
    リランとエクの間に生まれた子供たちを始め王獣達の数も増え前作以上に、より広大なスケールで物語が展開していく。

    この作品は本当に登場人物が魅力的ですね。
    今作から登場したヨハルは男なら誰しもこうありたいと思う強かさと深い慈悲を持った老武人かつ由緒あるアマスル伯領の領主でその子供達であるロランやサリ、その夫のムハンも素敵です!

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    2026年03月11日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    母との突然の別れからジョウンと出会いカザルム学者へとやってきてリランと出会うまでの物語。

    唯一心からの肉親と思える母を失いながらもジョウンとエサルという育ての父、母と言えるこの素晴らしい2人との出会いによってエリンは救われ、成長することができたのはもちろんだが、ユーヤンや先輩であるトムラはもちろん、名前が登場することのない同級生たちもエリンがアーリヨであることを気にせず仲間として受け入れる心を持っていたからでもある。

    人を真に癒すのは人であり、また人を成長させるのは周りを取り巻く人たちの人間性なのだと改めて思わされた。

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    2026年03月11日
  • 鹿の王 水底の橋

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    人名や地名がなかなか頭にはいらなくて、読むのに苦労しました。
    最後は畳み掛ける展開で面白かったです。
    医術を残そうと様々な人の駆け引きがあって、読み応えがありました。

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    2026年03月08日
  • 香君1 西から来た少女

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    久々の上橋さん作品。やはりおもしろい。とりあえず1巻だけ買って読み終わったけど、すぐさま4巻まで買いに走った。
    いつものことだけど、登場人物と場所がなかなか覚えられず、巻頭に記載してくれているのが大変ありがたい。

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    2026年03月08日
  • 鹿の王 1

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    すごい、のひと言。
    ファンタジーというジャンルで初めて本屋大賞を取ったのも頷ける。
    なぜもっと早く読まなかったのかという気持ちと、ファンタジーをいくつか読んで耐性が付いてきた今でよかったという気持ちがどちらもある。

    続きが本当に楽しみ。

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    2026年03月08日
  • 鹿の王 水底の橋

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    俺は何を読んでいるのか、これは鹿の王のスピンオフ作品でドンパチなし。前半は長々と医療に全振りしており、失敗したかかなと思ったが、諸侯ノ詮議は圧巻。まさに告発合戦に合わせた安房那侯の長詠歌。
    オウロの台詞にあった「安房那侯の詩は、なにしろ構成が見事なのだ。・・聴き終えたときは、身に、侯の思いが沁み渡る」が伏線だった。

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    2026年03月07日
  • 香君2 西から来た少女

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    物の匂いから全てを感じとることのできる主人公アイシャが経験するさまざまな人との出会い。
    他の植物を席巻するオアレ稲とこれを利用し、藩王国を統べる帝国の野望。
    ここに発生した虫オオヨマの大発生。
    植物のバランスを乱し、これを統治の手段にしようとする人間に、オオヨマは、乱れたバランスを戻そうとする神が送った使者なのか?
    上橋菜穂子さんの新たに始まった壮大な小説を読める喜びを感じながら、次巻を待ちたい。

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    2026年03月05日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

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    久しぶりの獣の奏者。
    外伝があったとは知らなかった。
    それにしても物語が上手い。
    特にエサルの物語がすごくいいです。
    ファンタジーの天才なのには、普通の恋愛ものも相当イケる人なんですね。

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    2026年03月04日
  • 鹿の王 4

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    3巻まで完璧だったのだが、
    最大最悪の群れ(国)の危機を捨て身で救ってこそ鹿の王なのに、オーファンもシカンも小物すぎ。本当の敵は病いで生死感を問う部分が強すぎた印象。

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    2026年03月02日
  • 香君1 西から来た少女

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    子供のときぶりの上橋菜穂子さん。
    児童書だけど、複雑な政治設定が今読んでも魅力的です。まだまだ序章で、アイシャという存在がこの時代をどのように救うのか続きが楽しみです。

    234ページのオリエのセリフが印象的でした。
    「ここに来るたびに、思うの。多くの他者が互いに手を差し伸べあっていることの意味を。弱い者を見放さず、手を差し伸べることが、何を守るのかを」

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    2026年02月23日
  • 鹿の王 水底の橋

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    深淵で広大なファンタジーでした。
    (この作家さんの本は初めてで、今まで知らなかったのが不思議でした。今回読めて良かった!)
    主人公の、二人が人間味溢れて魅力的で、感情移入します。
    物語も最後の最後まで、2点3点するので、終始飽きさせないです。
    実際に起こっている戦争や人種差別、領土の新略の歴史などが盛り込まれており、ウクライナやロシアの歴史を考えながら読み終えました。
    高校の子供がいたら読んで欲しい一冊です。

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    2026年02月13日