上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 神の蝶、舞う果て

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    原作が26年前の連載だったと知り、その色褪せない瑞々しさと完成度に驚かされた。まるで上質なアニメーションを観ているかのような、ファンタジー作品だ。
    何より魅了されたのは、生命が満ち溢れるその圧倒的な世界観。生物たちが多様な形で、複雑かつ密接に繋がり合って生きている様が美しく描かれている。
    人は誰しも、一見バラバラに見える物事の中に「関係性」を求めてしまうし、何かが繋がっているのではないかと想像を巡らせたくなる生き物だ。本作は、そうした「繋がりを求める人間の本能や空想」の器として、これ以上ないほど見事な生態系とドラマを提示してくれる。自然の循環や世界の構造美に触れた時のような、深い心地よさと没入

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    2026年06月12日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    子供の頃にアニメを見た記憶があり、懐かしさを感じながら読み進めました。小説として触れると、過酷な運命の中でエリンが出会う人々の細やかな心情や、獣の生態と歴史背景など、世界を構成する一つ一つが驚くほど複雑かつ細かく作り込まれていることに圧倒されます。悲運に見舞われながらも決して生き物への純粋な好奇心を失わず、ひたむきに命と向き合おうとするエリンの姿に深く感動させられる素晴らしい一冊です。

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    2026年06月12日
  • 獣の奏者 III探求編

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    続いてくれてありがとう。
    新しい家族の中でもエリンは悩んでいる。
    この悩みから解放されることを期待して探求していく探究編。
    その後の世界観でも飽きずにどんどん読んでしまう。
    描かれていなかったことも追加されていく感が良い。

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    2026年06月12日
  • 神の蝶、舞う果て

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    ネタバレ

    『守り人シリーズ』と比べると概念的なファンタジー要素が強いので、想像がしにくいところがあり、頭で思い浮かべるものがぼんやりしてしまうのだが、嗅覚や触覚が刺激されて、神秘的な読書体験だった。
    装丁はとても美しいが、この物語の色はわたしの中ではもっと黒かったりドロっとした感じだったりする。

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    2026年06月08日
  • 神の蝶、舞う果て

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    「闇の大井戸」の底からやってくる「神の蝶」だけが人々の大切な食料であるラムラーを受粉させる。大切な「神の蝶」を守るために、男女で一組となった降魔士たちは、それを喰らう「蝶の影」を退治する。人が豊かになることによって自然が壊される、光があれば影がある、光だけを見て闇から目をそらしてしまうと真実を見失うことになるのではないだろうか。植物も虫も人もつながっている。自然に対する畏敬の念を人は忘れていないだろうか。真実に触れた少年ジェードとその相棒である少女ルクランの未来が明るいものとなるよう祈る気持ちになった。

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    2026年06月07日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    アイシャ、ほんとうによく頑張ったなあ…
    元から香君となるべき才のある人がそこに収まり、そして香君の在り方を変えていこうとするのはすごくよかった。。まだまだ成長の伸び代があるはずなので、アイシャがアイシャらしく成長していってくれたら嬉しい。ラーオさんとかも見ていてくれるのかな

    マシュウとオリエはきっとハッピーエンドだろうと思っていたけど、やっぱりそうなりそこもよかった。

    オアレ稲によって支えられ、そしてそこが弱点だった帝国という設定が面白かった。食べられる環境というのはやはり全ての基盤なのだな…

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    2026年06月06日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    ネタバレ

    非常に完成度の高い上質な物語で、とても楽しめました。少し長くなりますが、個人的に感じたことを書いてみたいと思います。

    エリンは「獣ノ医術師」となる道を歩むようになりますが、彼女はなぜその選択をしたのでしょうか。母が闘蛇衆であったからでしょうか、それとも幼少期に見た野生の王獣の雄大さ神々しさに心惹かれたからでしょうか。どちらも違います。エリンは「この世に生きるものが、なぜ、このように在るのかを、知りたい」から、「獣について学ぶことは、きっと、自分が知りたいと思っていることにつながっているはずである」から、カザルム学舎の門を叩くこととなるのです。もちろん、その願いの根底には母ソヨンの死の影響があ

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    2026年06月04日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    アニメ化した作品なのは知っていたけれど、その他の前知識はない状態で読んだ。
    この作者の描く世界は真新しくて全く既視感がなくて、読みながら手探りで知識を増やしていく感じがたまらなく面白い。
    早く続きを読みたい。

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    2026年05月31日
  • 鹿の王 4

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    ファンタジーだけど現実離れしていない物語。
    国、氏族の思惑、争いの話しと感染症について探っていく医療ミステリーのような…
    登場人物や地名国名がたくさんでついていくのも大変!
    人間の身体と国をリンクさせて物語りが進んでいく。
    命を繋ぐとは… 「鹿の王」とは…
    結末は…? 続きが気になる。

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    2026年05月27日
  • 香君3 遥かな道

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    ネタバレ

    通勤時に読むため文庫版に切り替え。格段に読みやすくすいすい読めた。

    バッタが出てきた瞬間の血の気の引く感じやばかった
    ゴールデンカムイで蝗害の恐ろしさを知ってたから…??マシュウの父が見つかったとき服にもついてたみたいな表現を見て、史実で服さえ食らってくるバッタの恐ろしさが思い出された。

    アイシャが自分の実行してることに対してなんでわかってくれないんだ、という考えから相手がわかってくれないってなんで思い込んでたんだろうと恥じ入るような気持ちになったシーン、すごく共感できるシーンだった。正しいことしてると信念を持って行動しているときほどこんな気持ちになるよね
    アイシャがえらかったのは、そこか

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    2026年05月22日
  • 鹿の王 2

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    面白くなってきて、読むスピードが上がった。
    ファンタジーだけど医療物のような、病原菌を探っていく… 治療法は?原因は?みんなどうなっちゃうの〜⁈

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    2026年05月12日
  • 鹿の王 1

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    作家買いした作品。求めていたものとは違ったが、流石の手腕で、安定した作り込みのファンタジーだった。同氏の「獣の奏者」や「守り人シリーズ」と比較すると、本作は医学の色が強い。これまでの作品では精霊や幻獣といったものと人間世界との相互の関係を描くものが多かった印象だが、本作は自然の脅威と人間の営みがテーマではないかと感じた。

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    2026年05月07日
  • 鹿の王 水底の橋

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    本編が個人的にちょっと消化不良な終わり方だったので、番外編どうかなーと不安を抱えながら読んだのですが、予想外に良かった…!
    オタワル医術と清心教医術、ホッサルとミラルの身分違いの恋、どちらも本編で続きが気になっていたので、今回の話の中心となっていて嬉しい!

    オタワル医術と清心教医術が完全に理解し合う日はまだまだ先、というかそんな日は訪れないのかもしれないけれど、ホッサルの言うように、無理に統合せず、お互いがお互いにとって思いがけなかった視点を持ち続けていたほうがいい、というのには同意。
    オタワル医術と清心教医術、ホッサルやミラルが架け橋となってくれたらいいな。

    ホッサルが意外とヘタレという

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    2026年05月03日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    現実をまざまざと見せつけられる2巻目だった
    強大な力を持ちすぎたあまり政治利用されるのは分かっていたとしても悲しくやるせない

    完全には理解し合えなくともお互いを探り続ける姿勢に希望はあるのかもしれない

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    2026年04月30日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    守り人シリーズの作者と知って読んだ。
    世界観の作り込みが細かくて、色んな単語が出てくるけど丁寧に説明されるから理解しやすい。
    女性は結婚して家に入るものという価値観に抗ってエリンがどうなるか続きが気になる。
    あとジョウンの息子はやなやつ。

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    2026年04月28日
  • 鹿の王 3

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    ヴァンとユナの久しぶりの再会、そしてついにホッサルとの邂逅!
    ユナが拐われてからけっこうすぐ再会できると思っていたら、思ってたより時間がかかってヤキモキしていたのでホッとした。
    久しぶりのユナ可愛い。
    ヴァンとホッサルがこれからどういう関係になるのか気になる!

    そして病の流行の理由も判明し、政治面のしがらみなども見えてきた。
    今まで氏族を追いやり土地や生活を奪っている侵略者だと思っていた東乎瑠が実は政治や経済面を整えている一面があることも知り、東乎瑠も、氏族も、アカファもそれぞれの正義の元に動いているために事態が複雑になっているんだなと。

    病の流行は止められるのか、薬は完成するのか、政治面

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    2026年04月24日
  • 鹿の王 2

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    1巻より本格的に物語が動き出し、病は自然発生なのか?人為的なものなのか?
    人為的なのだとしたら、一体誰がなんのために?と、謎が謎を呼ぶ展開に。
    ファンタジーと医療に加えて、ミステリー要素っぽいのも加わってきた。

    いまだに特殊な造語には慣れないのだけど、だんだん氏族同士の繋がりや力関係とか、地形などが把握できてきて、話に没頭できるようになってきた。
    ただ、黒狼だったり山犬(オッサム)だったり、黒狼と山犬を掛け合わせた半仔(ロチャイ)だったり、きっと重要なんだろうけど似たような動物が多いのと、読み方の難しさも相まって正直雰囲気でふわっと読んでしまってるところもあります…笑

    ヴァン&ユナ

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    2026年04月23日
  • 精霊の木

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    SL 2026.4.16-2026.4.19
    上橋菜穂子さんのデビュー作の新版。
    さすがにデビュー作らしい拙さはあるけれど、この作品にこめられた想いを今でも大切に書き継いでいるのがわかる物語だった。

    作者のあとがきから、
    「インディアン」のように事実とはちがう色合いに塗り込められた歴史をあばく物語。
    人間よりも自然のすべてを覆っている〈法〉のほうが大事。
    人間や先進国の人々に対する厳しい眼と、それでも優しさも信じたい想いが伝わってくる。

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    2026年04月20日
  • 鹿の王 3

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    ネタバレ

    スラスラ読めた◎
    ユナとヴァン、早く会って欲しい( .. )
    ユナもヴァンと同じで噛まれたことで制御できなくなるのか等いろいろと気になるところ。
    ザ戦い!という激しいものではなく、ジワジワと恐ろしいものに脅かされている雰囲気が漂っててゾワゾワする。
    ヴァンとホッスルらの対面も心待ちにしてたので4巻が楽しみ!

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    2026年04月18日
  • 鹿の王 1

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    うーん、特殊な読み方をする造語が多くて混乱する!笑
    国同士の関係や相関図など、新しい言葉や人物が出てくるたびに一旦頭の中で整理してからでないと、読み進めていくうちにこんがらがってくる。

    でも、剣や魔法が出てくる西洋風の王道ファンタジーも好きですが、こういう国や人の名前が漢字だったりする世界観も違った魅力があって良い。

    冒険ものではなく、「黒狼病」という謎の疫病の流行が題材となっていて、主人公のヴァン視点と医術師のホッサル視点が切り替わりながら進むので、いつ2人が出会うのか、出会ったら敵対するのか手を組むのか、緊迫感もありつつ楽しみです。

    ファンタジーで主人公が40代というのもなんかいい。

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    2026年04月19日