上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 獣の奏者 IV完結編

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    ネタバレ

    兵器として歪められた獣たちと悲惨な戦争の果てにエリンが後世へ真実を託す物語であり;人間のエゴで変化させられた動物の悲劇や、知識の火を次世代のジェシへ繋ぐ絶望の中の希望が見どころとなっていて;本来の在り方を奪う戦争の残酷さに深く胸を痛めつつも、真実を手渡したエリンの過酷で尊い人生を最期まで見届けられて本当によかったと心から思えた。

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    2026年06月28日
  • 獣の奏者 III探求編

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    ネタバレ

    闘蛇の大量死の調査から母の死の真相や霧の民の禁忌の謎へと迫る物語であり;母の遺品を辿るミステリー要素や、真王からの王獣部隊設立命令によるエリンの激しい葛藤、そして過酷な旅路で描かれるイアルやジェシとの家族の絆が見どころとなっていて;獣の生態に加えて国の歴史や政治が絡む複雑で登場人物の多い群像劇でありながら、何故かスッと物語に入り込める圧倒的な没入感があり、エリンの探求心と過酷な運命に夢中になれる作品でした。

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    2026年06月25日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    ネタバレ

    前作から少しずつ丁寧に積み上げてきたリランとの信頼関係が、一瞬でヒビが入って失われる展開は、ショックでした。ただ純粋に生き物を知りたいというエリンの思いが、国の事情に巻き込まれ、知ること自体が危険な行為に変わっていく過程は切なすぎる。でも、その残酷さがあるからこそ「人と獣の在り方」や、自分の意思を持って相手と向き合うことの難しさを深く考えさせられました。

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    2026年06月24日
  • 獣の奏者 III探求編

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    ずっと謎だった牙の死因が分かったけど、そんな誰も悪くない事のせいでお母さんが死んだと知って、よりしんどくなった…。
    本当にこの家族どうなってしまうの…。完結編でどうか幸せになってね…。

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    2026年06月24日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    子供の頃にアニメを見た記憶があり、懐かしさを感じながら読み進めました。小説として触れると、過酷な運命の中でエリンが出会う人々の細やかな心情や、獣の生態と歴史背景など、世界を構成する一つ一つが驚くほど複雑かつ細かく作り込まれていることに圧倒されます。悲運に見舞われながらも決して生き物への純粋な好奇心を失わず、ひたむきに命と向き合おうとするエリンの姿に深く感動させられる素晴らしい一冊です。

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    2026年06月12日
  • 獣の奏者 III探求編

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    続いてくれてありがとう。
    新しい家族の中でもエリンは悩んでいる。
    この悩みから解放されることを期待して探求していく探究編。
    その後の世界観でも飽きずにどんどん読んでしまう。
    描かれていなかったことも追加されていく感が良い。

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    2026年06月12日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    アイシャ、ほんとうによく頑張ったなあ…
    元から香君となるべき才のある人がそこに収まり、そして香君の在り方を変えていこうとするのはすごくよかった。。まだまだ成長の伸び代があるはずなので、アイシャがアイシャらしく成長していってくれたら嬉しい。ラーオさんとかも見ていてくれるのかな

    マシュウとオリエはきっとハッピーエンドだろうと思っていたけど、やっぱりそうなりそこもよかった。

    オアレ稲によって支えられ、そしてそこが弱点だった帝国という設定が面白かった。食べられる環境というのはやはり全ての基盤なのだな…

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    2026年06月06日
  • 獣の奏者 IV完結編

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    ネタバレ

    非常に完成度の高い上質な物語で、とても楽しめました。少し長くなりますが、個人的に感じたことを書いてみたいと思います。

    エリンは「獣ノ医術師」となる道を歩むようになりますが、彼女はなぜその選択をしたのでしょうか。母が闘蛇衆であったからでしょうか、それとも幼少期に見た野生の王獣の雄大さ神々しさに心惹かれたからでしょうか。どちらも違います。エリンは「この世に生きるものが、なぜ、このように在るのかを、知りたい」から、「獣について学ぶことは、きっと、自分が知りたいと思っていることにつながっているはずである」から、カザルム学舎の門を叩くこととなるのです。もちろん、その願いの根底には母ソヨンの死の影響があるのは言わずもがなです。

    また、本作のボーイミーツガールとして、王獣リランとの出会いがあるのも忘れてはなりません。身体を負傷し、心にまで傷を負ったリランと向き合い、持ち前の知的好奇心によりその生態の解明をする中で、やがてエリンの願いは「野にうまれたものは、野に在るように」というものに変容していきます。それは物語の紆余曲折を経て、多くの柵に囚われることとなったエリン自身とその家族、夫であるイアルや息子のジェシが、自由にあるがまま生きることができない現実と重なっているのです。

    そのような願いを持ったエリンですが、最終的に災いの扉を開き、多くの獣や兵士を死へと導いてしまった彼女を批判することは簡単です。ただ、個人的には、これまで秘されていた知識を明らかにし、「松明の火を、手渡していける人に」エリンがなれたことをこそ、評価したいと思います。知識の断絶を克服したこと、そして彼女の息子であるジェシこそが、「すべての平民が学べる高等学舎の設立」を企図したことは、大変に重要なことと思いました。それは「戦というものが、ひとりの英明な人の英雄的な行為で止められるものではない」からこそ、個々人が学び、考え、実践していかねばならないことだからです。これは全く同じことが、我々の現代社会にも言えるでしょう。知識や歴史は秘匿されるべきではないのです。

    なにが言いたいのかよくわからなくなってきましたが、本作がただの児童向けの作品ではないとこは明らかです。もちろん、単にエンタメとして面白いことは間違いありません!

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    2026年06月04日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    アニメ化した作品なのは知っていたけれど、その他の前知識はない状態で読んだ。
    この作者の描く世界は真新しくて全く既視感がなくて、読みながら手探りで知識を増やしていく感じがたまらなく面白い。
    早く続きを読みたい。

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    2026年05月31日
  • 鹿の王 4

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    ファンタジーだけど現実離れしていない物語。
    国、氏族の思惑、争いの話しと感染症について探っていく医療ミステリーのような…
    登場人物や地名国名がたくさんでついていくのも大変!
    人間の身体と国をリンクさせて物語りが進んでいく。
    命を繋ぐとは… 「鹿の王」とは…
    結末は…? 続きが気になる。

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    2026年05月27日
  • 香君3 遥かな道

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    ネタバレ

    通勤時に読むため文庫版に切り替え。格段に読みやすくすいすい読めた。

    バッタが出てきた瞬間の血の気の引く感じやばかった
    ゴールデンカムイで蝗害の恐ろしさを知ってたから…??マシュウの父が見つかったとき服にもついてたみたいな表現を見て、史実で服さえ食らってくるバッタの恐ろしさが思い出された。

    アイシャが自分の実行してることに対してなんでわかってくれないんだ、という考えから相手がわかってくれないってなんで思い込んでたんだろうと恥じ入るような気持ちになったシーン、すごく共感できるシーンだった。正しいことしてると信念を持って行動しているときほどこんな気持ちになるよね
    アイシャがえらかったのは、そこからちゃんと相手とも対話しようとしたところ。相手のおじさんも大人だったね
    「交渉するべきはまずは藩王だったんだ」と気づくシーンとか、新社会人のときの思い出にも通ずるところがある

    政治的な動きもよく描写されてるなと感心しながら読んだ。そこまで複雑なことは書いてないんだけど、それでも現実社会にもありうる地政学や権力者のパワーバランス、帝国のリスクが落とし込まれてるなと思った。作者の方が世の中をどのように見ているのか気になった。

    すごくいいところで終わったので続きが気になる
    アイシャが困難を乗り越えてみんなと幸せを掴むことができる香君になれますように……

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    2026年05月22日
  • 鹿の王 2

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    面白くなってきて、読むスピードが上がった。
    ファンタジーだけど医療物のような、病原菌を探っていく… 治療法は?原因は?みんなどうなっちゃうの〜⁈

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    2026年05月12日
  • 鹿の王 1

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    作家買いした作品。求めていたものとは違ったが、流石の手腕で、安定した作り込みのファンタジーだった。同氏の「獣の奏者」や「守り人シリーズ」と比較すると、本作は医学の色が強い。これまでの作品では精霊や幻獣といったものと人間世界との相互の関係を描くものが多かった印象だが、本作は自然の脅威と人間の営みがテーマではないかと感じた。

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    2026年05月07日
  • 鹿の王 水底の橋

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    本編が個人的にちょっと消化不良な終わり方だったので、番外編どうかなーと不安を抱えながら読んだのですが、予想外に良かった…!
    オタワル医術と清心教医術、ホッサルとミラルの身分違いの恋、どちらも本編で続きが気になっていたので、今回の話の中心となっていて嬉しい!

    オタワル医術と清心教医術が完全に理解し合う日はまだまだ先、というかそんな日は訪れないのかもしれないけれど、ホッサルの言うように、無理に統合せず、お互いがお互いにとって思いがけなかった視点を持ち続けていたほうがいい、というのには同意。
    オタワル医術と清心教医術、ホッサルやミラルが架け橋となってくれたらいいな。

    ホッサルが意外とヘタレというか意気地なしで、同じ女性としてミラルに同情してしまうところはあったけれど、そんなホッサルのことも受け入れて上手くやっていけそうなくらい強くて懐が深くて、ミラルのかっこよさに痺れる。
    こちらも明るい未来が見える終わり方で安心。

    引き続き似たような名前の人物が多くて、あれ?この人はどんな人でどの立場の人だっけ?とちょこちょこ読み返したりもしましたが、本編より特殊な単語や国名が少なかったのでわりとすんなり読めました。

    本編の主人公ヴァンについてや、あの疫病騒動についてなどは一切触れられていないので、ちょっと寂しい。

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    2026年05月03日
  • 獣の奏者 II王獣編

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    現実をまざまざと見せつけられる2巻目だった
    強大な力を持ちすぎたあまり政治利用されるのは分かっていたとしても悲しくやるせない

    完全には理解し合えなくともお互いを探り続ける姿勢に希望はあるのかもしれない

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    2026年04月30日
  • 獣の奏者 I闘蛇編

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    守り人シリーズの作者と知って読んだ。
    世界観の作り込みが細かくて、色んな単語が出てくるけど丁寧に説明されるから理解しやすい。
    女性は結婚して家に入るものという価値観に抗ってエリンがどうなるか続きが気になる。
    あとジョウンの息子はやなやつ。

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    2026年04月28日
  • 鹿の王 3

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    ヴァンとユナの久しぶりの再会、そしてついにホッサルとの邂逅!
    ユナが拐われてからけっこうすぐ再会できると思っていたら、思ってたより時間がかかってヤキモキしていたのでホッとした。
    久しぶりのユナ可愛い。
    ヴァンとホッサルがこれからどういう関係になるのか気になる!

    そして病の流行の理由も判明し、政治面のしがらみなども見えてきた。
    今まで氏族を追いやり土地や生活を奪っている侵略者だと思っていた東乎瑠が実は政治や経済面を整えている一面があることも知り、東乎瑠も、氏族も、アカファもそれぞれの正義の元に動いているために事態が複雑になっているんだなと。

    病の流行は止められるのか、薬は完成するのか、政治面のしがらみはどうなるのか、気になることがいっぱいです。
    最終巻でどういう終わり方をするのか、すごく楽しみ!

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    2026年04月24日
  • 鹿の王 2

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    1巻より本格的に物語が動き出し、病は自然発生なのか?人為的なものなのか?
    人為的なのだとしたら、一体誰がなんのために?と、謎が謎を呼ぶ展開に。
    ファンタジーと医療に加えて、ミステリー要素っぽいのも加わってきた。

    いまだに特殊な造語には慣れないのだけど、だんだん氏族同士の繋がりや力関係とか、地形などが把握できてきて、話に没頭できるようになってきた。
    ただ、黒狼だったり山犬(オッサム)だったり、黒狼と山犬を掛け合わせた半仔(ロチャイ)だったり、きっと重要なんだろうけど似たような動物が多いのと、読み方の難しさも相まって正直雰囲気でふわっと読んでしまってるところもあります…笑

    ヴァン&ユナも、ホッサル&マコウカンも、どうなっちゃうの?!というところで終わるので、引き続き3巻も読み進めます!

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    2026年04月23日
  • 精霊の木

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    SL 2026.4.16-2026.4.19
    上橋菜穂子さんのデビュー作の新版。
    さすがにデビュー作らしい拙さはあるけれど、この作品にこめられた想いを今でも大切に書き継いでいるのがわかる物語だった。

    作者のあとがきから、
    「インディアン」のように事実とはちがう色合いに塗り込められた歴史をあばく物語。
    人間よりも自然のすべてを覆っている〈法〉のほうが大事。
    人間や先進国の人々に対する厳しい眼と、それでも優しさも信じたい想いが伝わってくる。

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    2026年04月20日
  • 鹿の王 3

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    ネタバレ

    スラスラ読めた◎
    ユナとヴァン、早く会って欲しい( .. )
    ユナもヴァンと同じで噛まれたことで制御できなくなるのか等いろいろと気になるところ。
    ザ戦い!という激しいものではなく、ジワジワと恐ろしいものに脅かされている雰囲気が漂っててゾワゾワする。
    ヴァンとホッスルらの対面も心待ちにしてたので4巻が楽しみ!

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    2026年04月18日