上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 守り人シリーズ電子版 9.天と地の守り人 第二部

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    ネタバレ

    刺客に狙われるチャグムを守りつつ、カンバルを目指す二人。
    カンバル王に会い、ロタ王国との同盟を頼む。
    一方、ナユグでは大いなる春の季節を迎えてきた。その影響の恐ろしさに気づいたバルサとチャグムは、別々な旅路に出る。。

    チャグムの「捨て荷」。
    バルサとチャグムのなにげない会話がよかった。
    親子でも恋人でもないが、太い信頼関係で結ばれているようすがわかる。仲良し。

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    2016年03月03日
  • 守り人シリーズ電子版 10.天と地の守り人 第三部

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    ネタバレ

    壮大なストーリーでした。
    細かな伏線も含めて、丁寧に書かれていて、満足。
    チャグムが自分で選び取った道を自分の足で歩いていくことを目指したこと、父親の皇帝を殺さずに、ある意味、赦すことができたことを、読者として讃えたい。
    チャグムの物語だったな〜、と思う。バルサではなく。圧倒的にチャグムの成長が著しいために、どうしてもそう思えてしまう。

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    2016年03月02日
  • 獣の奏者 全5冊合本版

    ネタバレ 購入済み

    女性目線の生きるとは何か。

    生きるとは何か
    一見の児童文学のようだか、中身は深い。
    自分らしく生きるにはどうしたらいいか。
    自分の思いを世の中と折り合いをつけるために何を選ぶか
    主人公の行動と悩み抜く姿に、自分にはない感情が見れて
    考えさせられた。
    また想像上の動物をリアルに描き、さらにそれを研究していく様は見事だった。
    「生」とななにか終始考えさせられる内容。

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    2016年03月01日
  • 守り人シリーズ電子版 8.天と地の守り人 第一部

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    ネタバレ

    新ヨゴ皇国を救うため、一人海を泳ぎきり、幽閉されたりしながらも奮闘するチャグム。
    葬儀も終えて死んだと思っていたチャグムが生きていることを知り、護衛も依頼されたバルサ。
    バルサに迷惑をかけたくないチャグムが、秘かに旅立ったりもするが、ふたりはやっと出会える。

    国と国との争い。打算。再会時のバルサがよかった。

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    2016年02月26日
  • 守り人シリーズ電子版 7.蒼路の旅人

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    ネタバレ

    皇太子チャグムは、父との不和の末、罠と知りながら、隣国サンガルの救援に向かう。
    罠に捕らえられたチャグムは、大国タルシュの捕虜となり、敵国の第二王子と対面し、タルシュの傘下に下るようにと言われる。しかし、そのとき父王は暗殺されることとなってしまう。
    清廉すぎるチャグムは清濁併せ呑むことができず、自分なりの道を進むことにする。たとえそこに道はなくとも。

    国交や、その国の歴史や民草などの描写が本当にすごい。
    たくさんの民族が、それぞれの文化や伝統をもって大切にしていることなどが、フィクションとは思えないほどリアルによくわかる。

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    2016年02月17日
  • 月の森に、カミよ眠れ

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    初期の作品 受ける感じは守り人やエリンと遜色ない
    Nスペで長野の御柱祭を取り上げてた。稲作文化が重なる感じがした。

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    2016年07月03日
  • 守り人シリーズ電子版 炎路を行く者

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    本人視点の旨味を活かした戦闘/喧嘩シーンがいい。人を殴る、切ることがどう自分に返ってくるかを描く話は少ない。
    児童書は特に、本当は大事なそういうことを甘く描きがちだけれど、さすが上橋菜穂子、スイスアーミーナイフを持ち歩く現実主義者である。

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    2015年09月19日
  • 明日は、いずこの空の下

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    ネタバレ

    文化人類学者と二足のわらじをはく上橋さんの
    海外旅行のエッセイ。
    小説や色々なエピソードのつなげ方が素晴らしいと思いました。
    アクティヴなお母さまも素敵です。


    実は上橋さんの小説を読んだことがないのです。
    ファンタジーとか、あまり読まなくて…

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    2015年09月08日
  • 守り人シリーズ電子版 11.守り人短編集 流れ行く者

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    当たり前のことですが
    その人には
    幼児期があり
    児童期があり
    青年期があり
    そして
    成人になっていく

    かくてこそあれ
    と思ってしまう
    「守り人」シリーズの
    登場人物たち

    ますます
    彼らたちに
    愛着を持ってしまう
    そんな
    短編集です

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    2015年09月01日
  • 守り人シリーズ電子版 6.神の守り人  下  帰還編

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    物語としてはむろん
    哲学書としても読めたり
    武道術の本としても読めたり
    人生指南の書としても読めたり
    歴史書としても読めたり
    現代の社会問題を読み解く書としても
    読めたり

    百人の人が
    百通りの読み方を
    することができる
    そんな「守り人」シリーズ
    ですね

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    2015年08月18日
  • 守り人シリーズ電子版 4.虚空の旅人

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    呪術師は…〈はずれた者〉だった。死に深くかかわるもっとも穢れた者でありながら死の淵から魂をとりもどす力をもつ者。もっとも穢れた者だが、大いなる力をもつ者として、身分の外に身をおいていた。人に呪いをかけて金をもらう穢れた者と怖れ、きらわれながら、一方では、医術師にも見放された者が、最後にすがるのは、呪術師だった。

    きちんと
    呪術師への悲哀も含めて
    その存在の意味が書き込まれている

    呪術師に限らず
    物語に登場する
    どんなに些細な者へも
    きちんと愛情が注がれている
    単純に 悪 とか 善 とか
    言い切れない
    その細やかさが
    素敵です

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    2015年07月30日
  • 守り人シリーズ電子版 3.夢の守り人

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    自動車も飛行機も
    冷蔵庫もエアコンも
    電気もガスも
    ない
    江戸の時代を背景に
    時代小説が

    親子の愛情、恋愛感情
    人が生きること
    人が悩み続けること

    よりクリアーに
    描ける
    描いているように

    ファンタジー小説だからこそ
    描ける
    人間だからこそ持ってしまう「情」
    人はなぜ生きるのかの「哲学の命題」
    が あるのだなぁ


    「守り人」三作目で
    より思うようになりました

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    2015年07月29日
  • 月の森に、カミよ眠れ

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    古代の風景が見えるような描写。とくに山や川になった感覚が伝わってきました。
    カミとともにありたかった…けれど人は変わっていく。
    仕方ないことなのか、それともそれを拒否して自然とともにありつづけることができるのか。
    自分がその時代にいたのなら、どんな道を選ぶのだろうと考えてしまいました。

    変えてはいけないものがあるけれど、変わってしまうのが人の世の常。
    だけど、有り方は変わってしまってもずっと忘れずに大切にしていきたいものがある。
    そんなことを思い出させてくれる作品でした。

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    2015年07月28日
  • 物語ること、生きること

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    著者の自伝的なお話。子供の頃から今に至るまでを物語る。勇気が出た。もっと自由に考えて、一歩踏み出してもいいんじゃないかと思えた。まだ遅くないかな。どうすれば開けるのかわからないけど、できることを考える。できないできないと諦めて、勝手に落ち込んで、周りに八つ当たりするのをやめたい。自分の環境を再確認して、悩むのではなくもう一度考え直す。読書は学ぶためと言いつつ、でもやっぱり基本楽しむものだ。私にとって。自分の一歩を考えよ。

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    2015年05月01日
  • 月の森に、カミよ眠れ

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    ふわふわと掴みどころがなく、蛇や鬼が出てきて禍々しく感じてしまう日本の伝説は苦手で。淡々と出来事が綴られていることも原因だったのかも。
    この物語は、人間側から見たカミに対する畏怖や邪魔だと思っている様子も描かれていて、立体的に感じることができた。
    とても悲しい物語ではあるけれど、カミと人間の関係を感じることができ、読んで良かった。

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    2015年04月21日
  • 明日は、いずこの空の下

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    ネタバレ

    上橋先生のエッセイ。
    期待以上に面白かった。

    自分も十代の頃『指輪物語』を読んでどっぷりはまったクチだ。
    辛い旅の中でレンバスや時々誰かの家で食べるご馳走、
    そしてサムが作る料理がとても印象的なのだ。
    頑固に鍋を持ち歩き、危険を顧みず火を熾して料理をしてきたサムが
    遂に鍋を捨てる。彼の料理のことを、フロドが覚えていないという、それほど消耗している。
    食べることが大好きなホビットが。
    映画ではカットされているけれど、本当にこれは重要なシーンなのである。

    上橋先生も、物語の中に出てくる食べ物を大事に丁寧に描かれている方だ。
    羽海野チカ先生の漫画にも、食べ物はたくさん出てくるなと思い返した。

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    2015年05月02日
  • 物語ること、生きること

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    2015年2月22日
    私も物語を書いてみたい。
    そして書き始めている。
    岡田淳さん曰く低空飛行でも飛び続けること。離陸はパワーがいるから。
    上橋菜穂子さんのようななフィールドワークも古武術もしてない私は物語に遠いかなぁ。
    でも今書いている物語を終わりまで書き続けてみようかな。この本に後押しされたから。

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    2015年02月22日
  • 月の森に、カミよ眠れ

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    上橋菜穂子作品としては、スケールの大きさはないが、神秘的な描写、メッセージ性はさすが。人を選んではいけない、という言葉にハッとした。

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    2015年01月19日
  • 物語ること、生きること

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    上橋菜穂子さんが作家になるまでの歩みをまとめた1冊。
    「おばあちゃんとわたし」という子供の頃の上橋さん(めっさ可愛い)が登場するお話から始まるこの本は、上橋さんがとてもたくさんのものへの憧れを持っている人であること、臆病な自分を何とか奮い立たせて世界を広げてきたことを教えてくれる。
    どのエピソードもキラキラと輝いていた。
    上橋さんは「靴ふきマットの上でもそもそしているな!」と自分自身に活を入れるそうなのだけど、実際に靴ふきマットの外に飛び出すのにどれほどの勇気が必要なのか。
    やはり臆病者の私には勇者にしか見えないのだった。
    だからこの本を上橋菜穂子さんという1人の勇者の物語として私は読んでしま

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    2015年01月18日
  • 守り人シリーズ電子版 6.神の守り人  下  帰還編

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    (2015年1月12日 再読)

    「ホビット」の完結作を見に行かねばと思って、1,2作目を見直しているのだけど、なんだかちょっと「ホビット」や「ロード・オブ・ザ・リング」と重なるところのあるお話だよね。

    恐ろしい神力を得た少女アスラめぐって、様々な追手から逃れ、罠にかけられ、それでもタルハマヤに魅入り蝕まれていくアスラを救おうとするバルサ。
    ずっと息苦しくて、心が重く沈むようなお話ですが、きっとアスラはマーサの下で一生懸命生きていってくれると思います。

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    2017年11月18日