上橋菜穂子のレビュー一覧
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謀略に巻き込まれていくエリン。目を瞑っていれば傷つくこともない彼女が選択する未来。しかし、その未来は儚くとても脆いものでした。
歪んだ構造の狭間。音を立てて崩れていく国を何とか守ろうとするエリンとイアル。しかし、そんな2人の思いを踏みにじるように深刻化していく事態がなんとも歯がゆいです。最後の一線を超えてしまったエリンが言っていた通り、この先自分の力だけで事態の収束はできないことがある。だからこそ、自分の命を賭して掟を守った母のように決意をその深い瞳に宿して真王に諫言するエリンにはとても勇気づけられた。エリンの子供時代から見守ってるだけに、どんどん時代の潮流に巻き込まれる様は心苦しいです。
愛をもって接してきたリランに傷つけられたエリン。もう後戻りできない傷を負ってしまったことを暗喩しているようで不安になります。この国が、人が、どのような未来を迎えるのか。もうそろそろクライマックスなのですかね。 -
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守り人シリーズ第二弾です。
バルサが生まれ故郷のカンバルに戻るが、養父ジグロには汚名が着せられていた。
思わぬ形で巻き込まれたカンバルの暗い闇に立ち向かっていく…というもの。
うん。
私は、1作目よりもこちらの方が好きです。
バルサの過去が明らかになっていきます。
精霊の時もそうでしたが、今作も淡々と進んでいく感じで感情移入は出来ませんでした。
あまり心的描写がないのかなー。
第三者的な感じで書かれているからかも。
だけど、叔母のユーカがバルサのこれまでの生活の話を聞き、『……なんという、むごい。むごい日々を……。』と嘆いた時に涙が滲みました。
風景を文字から空想して立体化させるのに時間がかかりますが、だいぶこの世界観に慣れてきたので3作目はもうちょっとスムーズに読めるかな。 -
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王獣の獣の本質がさらけ出され、エリンが最も恐れていた事態になってしまう7巻。
人の道具になってはいけない獣。リランと言葉を交わしてから一番恐れていた事態が起こってしまいました。獣である王獣が人の道具として力を行使すること。その状況が生む未来への恐怖もしっかり描かれ、この作品の大事なシーンでした。作画的な面では、王獣の獰猛さがむき出しになった闘蛇を狩るシーンは力が入っていてとても素晴らしかった。そして、その後のエリンが纏った後悔も訴えかけてくる画でした。曇りが似合う女ってのは見てて辛いですが、武本先生の絵も相まって美しさも感じてしまいます。
イアルとの邂逅。イアルとエリンはどこか通じ合うものがあるのか、並ぶとなんだか似た雰囲気を感じ取れますね。どちらもどこか達観しているようで哀しみが見て取れる眼をしているのが大変印象深かったです。毎回言ってますが、武本先生の絵は眼から表情が素直に伝わってくるので見ている身としては有難いです。互いの理解者としてこの先機能するのかな。組めば
真王を助けてしまったエリンがこの先どういった扱いを受けるのか。ここまできたら原作読まないでマンガを一番最初にしたいのですが、先が気になってしょうがないです。次巻も出てほしいけど武本先生の体調も心配なのでどうか元気で作品描けますように。 -
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女用心棒バルサが生まれ故郷のカンバル王国にもどった。その昔、地位も名誉も捨て自分を助けてくれた養父ジグロの汚名をそそぐために。日本児童文学者協会賞。路傍の石文学賞受賞。(「BOOK」データベースより)
久しぶりにバルサに会えました。
守り人シリーズは2冊目。
やっぱりおもしろい。
なのでぐいぐい読んでしまいます。
25年ぶりに故郷に帰ってきたバルサ。
それを快く思わないものたちもいるのを知りながらも、愛するもののため、自分のために帰ってきたのです。
自責ともいえる思いがいつも澱のように沈んでいたバルサの心が少しでも軽くなったならいいなあ。
この作品にはタンダがでてこなかったので、ちょっと寂しかった。
物語の最後で、バルサもタンダが恋しくなっていたので、早く会いに行きなよ~と背中を押したくなりました。
このシリーズに出会えてよかったなあと思います。
次の作品を読むのが楽しみです。