上橋菜穂子のレビュー一覧
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通勤電車の中で立ったままでも読み進めたくなる本でした。あまりののめり込みすぎに、座って読んでいた時は乗り越しそうにもなりました。
バルサが少女だった頃を思い返しながら辿る護衛の旅。あの時のジグロの想いに気付きながらのこの旅はまた、守る者と守られる者の心のありようを、大人になって幾多の経験を積んだバルサだからこそ気づけたこと、と綴られています。
上橋菜穂子さんご自身も齢を重ね、経験を積んだからこそ紡ぎ出すこと川出来る物語のように思います。
人生経験を積んだ中高年が楽しめる物語だと、思いました。今の子どもたちがこの物語を読めることに嫉妬します。でも、この作品の味わいは時を経てまた読み直すこと -
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オーストラリアの先住民であるアボリジニと、入植者である白人(イギリス人)との間に、様々な格差や文化的な違いがあるということは何となく知っていたが、アボリジニ同士においても、対立に似たような感情があることを初めて知った。
アボリジニの世間においても、「白人的」な部分と「アボリジニ的」な部分があり、均質ではないということ。
都会に出て行ったアボリジニと、地方のアボリジニでは生活スタイルが違うし、考え方にも隔たりが起きている。
それらは、自然の成り行きなのだろうけれど、元をただせば入植者の白人によってもたらされたものである。
アボリジニに対する白人による救済措置である、生活保護だって結局は、彼らを怠 -
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上橋菜穂子 「 隣のアボリジニ 」文化人類学の本。民族=文化であることがよくわかる。
感想
*自分の文化を語れなくなった民族は 民族とは言えない
*異文化差別の中では、文化より 自分を守るべき
*多文化の共生は難しい→文化人類学の使命は 文化と民族を守ることなのか とも思った
アボリジニ
*アボリジニの考え方は 全て 精霊に関わっている
*死者の名を口にしてはいけない慣習
*アボリジニは 生への執着が薄い→死期を悟ると諦める
文化人類学
*研究者自ら 異文化で暮らし カルチャーショックを研究→文化の現地調査
*研究者が 現地に入った瞬間 観察対象に変化を起こす
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Posted by ブクログ
ネタバレ原作とアニメを理解しての漫画化。
狩穴で冬を過ごす・・・バルサの半生が語られる。
生活に順応し、心身共に成長するチャグム。そして卵も!
季節は廻り、卵が導く地へと向かう・・・が、
帝の追っ手・・・そして姿が見えない卵喰いが襲う!
石板の解読、夏至祭に秘められた卵喰い退治・・・果たして
間に合うか!
クライマックスへの緊迫感はなかなかの迫力でした。
そして、その後の静寂・・・チャグムも、バルサも、
新しい一歩を踏み出す。
トリビュート作品があるための人物設定ですが、
原作ファンとしては、シュガとトロガイの出会いの方が
良かったなぁ(^^; -
Posted by ブクログ
上橋作品に登場する食べ物を、北海道のフードコーディネーターたちが、手に入る食材で再現した。
そのレシピと写真に、上橋さん自身が短文をつけた本。
そうだろうとは思っていたけれど、作中の食べ物には上橋さん自身の体験が影響している。
文化人類学者なだけに、本当に好奇心旺盛な人だ。
私自身はまったく食べなれないものに意気地がないので、うらやましくなってしまう。
タンダの山菜鍋は、イメージとはちょっと違った。
あっさりしたものかと思っていたが、上橋さんはこってりしたもの、という。
そこで再現レシピには豚のスペアリブが使われていた。
コチュジャンとピーナッツパターを隠し味にした味噌スープ、ちょっと食べ -