上橋菜穂子のレビュー一覧
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ネタバレ守り人シリーズ、そして旅人シリーズの集大成となる最後の物語。今までの話が統合されて出てくる感じで、一気読みしてきた身としては感慨深いものがある。何年もかけて読んでいたら登場人物を忘れてそう(笑)
チャグムの足跡を追いかけて、いつもぎりぎりのところまでたどり着くのになかなか会えずにもどかしく感じたが、最後にああなってこうなって、うーん序章にぴったりだという展開とオチ。
しかし世界観が広がりすぎたせいもあるかと思うが、タルシュ帝国がロタ王国に感づかれてほしくなかったことをチャグムはイーハンに教えたかどうか、というところが省略されていたり、チャグムの追手がそれだけしかいなかったの!?と疑問に思ったり -
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最強に見える人でも、当然こども時代はあったし、最強になる前の時代があったわけだし、最強に見えても決してそんなことはない、ということを示していて面白い。トロガイの話なわけだが、そんな弱いところを見せたシーンで弟子が活躍する、というのも王道で良いね!
ただ、サグとナユグという2世界で理解していた中で、ナユグとも違う、数年間に一度の邂逅というような異世界感を理解するのに少し時間がかかった。それと、花が結局何がしたかったのかよく分からないまま終わってしまった感はある。
自分の人生が、立場や現実によってなかなか思い通りに行かないというのは本当にそのとおり。そういう中で迷いはあれど、もがいていくということ -
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これまでのシリーズ史上もっとももどかしく、だからこそ人間味があるというか、共感する内容となっている。というのも、バルサもトロガイも出てこないため、「ここでうまくやっつけてくれる!」という人がいない。そのため、チャグムやシュガが自らの能力を限界まで発揮しつつも、勧善懲悪とはならない感じ。だがそれがよい(笑)
そしてサンガル家のしたたかな女性たち!純粋な心だけでは政治の世界は生きられないのよと言わんばかりに手練手管を披露していく。これは果たして子供向けの本なのだろうかと思ってしまう。
自分が南海の生まれ(でも船に酔う)ということもあり、非常に楽しく読めました。 -
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本書は守人シリーズ、獣の奏者シリーズ、狐笛のかなたに登場する料理を南極料理人で有名な西村さんを含むチーム北海道で再現したもの。
上橋さんの作品は獣の奏者と狐笛のかなたを読んでいるがいつも食べ物の描写がとても美味しそうで強く印象に残る。
個人的には獣の奏者でエリンのお母さんが作る猪肉の葉包み焼きと狐笛のかなたで小夜が小春丸と食べていたくるみ餅のシーンが大好きなのだがそれらも勿論収録されている。流石です…。
登場する作品が国内外問わず食べたものを元にされており、それぞれにエピソードがある。それがにおいや味の想像を掻き立てられる描写に繋がっているのかなと思った。
見た中で汁かけ飯が食べたくなった。あ -
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ネタバレ文化人類学の本は、どの土地のものであれ、読んでいて辛い気持ちになることが多い。大体「文化人類学」という学問分野で「調べる側」に立つのは西欧をはじめとした先進国側が圧倒的に多いわけで、「調べられる側」に立つのはアフリカや中南米、アジア、太平洋島嶼国といった、調べる側にとって「遅れた国」。結果、白人から見て相手の文化がどれほど劣っているか、異なっているかという視点が絶対に入り得る。それは、調べる側が「後から入ってきた先進国」、つまりアメリカや日本、オーストラリアなどになっても、大して変わるものではない。
そんな中、この本は著者が9年近くをアボリジニとともに暮らして感じたり調べたりしたことを元に書 -
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つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭を守って、ロタへと旅立つバルサ。草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。
守り人シリーズは随分久しぶりなんですが、読み始めたら一気にあの世界の -
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通勤電車の中で立ったままでも読み進めたくなる本でした。あまりののめり込みすぎに、座って読んでいた時は乗り越しそうにもなりました。
バルサが少女だった頃を思い返しながら辿る護衛の旅。あの時のジグロの想いに気付きながらのこの旅はまた、守る者と守られる者の心のありようを、大人になって幾多の経験を積んだバルサだからこそ気づけたこと、と綴られています。
上橋菜穂子さんご自身も齢を重ね、経験を積んだからこそ紡ぎ出すこと川出来る物語のように思います。
人生経験を積んだ中高年が楽しめる物語だと、思いました。今の子どもたちがこの物語を読めることに嫉妬します。でも、この作品の味わいは時を経てまた読み直すこと -
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オーストラリアの先住民であるアボリジニと、入植者である白人(イギリス人)との間に、様々な格差や文化的な違いがあるということは何となく知っていたが、アボリジニ同士においても、対立に似たような感情があることを初めて知った。
アボリジニの世間においても、「白人的」な部分と「アボリジニ的」な部分があり、均質ではないということ。
都会に出て行ったアボリジニと、地方のアボリジニでは生活スタイルが違うし、考え方にも隔たりが起きている。
それらは、自然の成り行きなのだろうけれど、元をただせば入植者の白人によってもたらされたものである。
アボリジニに対する白人による救済措置である、生活保護だって結局は、彼らを怠 -
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上橋菜穂子 「 隣のアボリジニ 」文化人類学の本。民族=文化であることがよくわかる。
感想
*自分の文化を語れなくなった民族は 民族とは言えない
*異文化差別の中では、文化より 自分を守るべき
*多文化の共生は難しい→文化人類学の使命は 文化と民族を守ることなのか とも思った
アボリジニ
*アボリジニの考え方は 全て 精霊に関わっている
*死者の名を口にしてはいけない慣習
*アボリジニは 生への執着が薄い→死期を悟ると諦める
文化人類学
*研究者自ら 異文化で暮らし カルチャーショックを研究→文化の現地調査
*研究者が 現地に入った瞬間 観察対象に変化を起こす