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Posted by ブクログ
古代文化においてこの極東にある島国に
大陸から多くの帰化人が押し寄せ
彼らが持ち込んだ全体観を見失う物質至上主義の台頭に翻弄され
大自然との絆でつながる長い縄文人の自律文化に
依存という武力を背景とする搾取と支配の天皇制による政治がはびこり
利己的部分観にとらわれていく新たな不安と恐怖
その過渡期の変動に巻き込まれてあえぐ人々をモティーフにした物語
文化人類学者として沖縄からアボリジニへと関わり
その後創作活動へと進展した上橋さんの二作目です
お互いの個を尊重することでつながる
対等観による信頼関係の現場を踏まえた
中身の濃い意識と心を今に伝えてくれる客観性の中に
主観的な思いを織り込んだ壮大なストーリです
Posted by ブクログ
小学生の時に読んで以来の再読。
舞台は古代日本……多分平安? で、隼人のある村を舞台にしたファンタジー。
あとがきによると、この物語は中学生でもわかるように意識して書かれているらしい。漢字にはいちいちふりがなが振ってあるし、そんなに長い小説でもない。だからといって大人が楽しめない児童書というわけではない。
実際、初めて読んだ時と今回読み直した時の感想はけっこう違っているけれど、今は今で歴史や宗教、文化の予備知識がついたおかげで新しい観点から楽しめた。当時の私はキシメとタヤタ、ナガタチの恋愛物語にばかり気をとられてどきどきしていた。今も勿論その辺りの話は大好きだが、古代の人とカミの在り方と変容について考えさせられたり、朝廷の出現が他の地域にどんな影響を及ぼしたか、古代日本は都と地域の発展度合いにかなりの差があったこと(小学生当時の話はこれを縄文時代が舞台の話だと思っていたくらい)など歴史の教科書を読む分では素通りしてしまう部分に目を向けることができた。
ただし、あとがきで著者も言っているようにこれはあくまでファンタジー。溢れる想像力に裏打ちされた、とてもリアルなファンタジーだ。
ただちょっと気になったところは、頻繁に視点移動が起こること。そのせいでどの登場人物の言動、気持ちなのか混乱する箇所が多々あった。
それにしても、上橋菜穂子さんが書く恋愛はいいですね。私は歯の浮くような台詞とシチュエーションを前面に出す恋愛ゲームや少女漫画にはのめりこめないが、この小説や同著者の『狐笛のかなた』にはかなり魅了された。静かな愛の形、触れ合い。
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小説・文芸
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