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Posted by ブクログ
隣のアボリジニ 上橋菜穂子 筑摩書房
小説家で有名な文化人類学者によるフィールドワークのお話
先住民は遠くに在りて思うもの
という意味から上橋さんは学者の調査研究としてではなく
海外派遣の教師という立場でオーストラリアに潜入して
アボリジニの生徒がいる小学校を選びました
日々の暮らしの中でできるだけ対等な関係のお付き合いから
彼らの伝統文化と現状の中での生き方を吸収しようと考えたようです
この本の全体を通して
客観性を保ちながらも心の機微に注目している様子がうかがえます
歴史を戻す訳にはいきませんし現状を受け入れた上で
過去も精算しつつ今から迎える未来を個人の単位でいかに棲み分けて
お互いを補い合いながら信頼感を育て自由自在性を確保できるかという
壮大で視野の広い意識を目指して
個々の存在と全体の調和を模索し続けることなのだと思う
Posted by ブクログ
「異文化交流」「異文化共存」。 あまりにも手垢にまみれた感のあるこの言葉。 それぞれの言葉が持つスローガンは高尚なものだと思うし、決してそれらを否定するものではないけれど、その実現となると絶望的なまでに多くの問題を孕むものなんだなぁ・・・・ということを改めて再認識しました。 極論すれば異文化が共存するために必要なことは「侵略なしの相互不干渉」しかないのではないか・・・・と。 だいたいにおいて「農耕民族」と「狩猟採集民族」が同じ道義で生きているはずはないし、「土地を所有する」という考え方がある民族と「土地はみんなのもので個人に属すものではない」という考え方がある民族が同じフィールドに立てば摩擦が起こるのは必至なわけで・・・・・。
(中略)
はっきりしていることは、文化が違う者同士が接触する際に、決してそこには誰もが納得する「絶対的な優劣」は存在しないということを自覚するべきであるということだけなんだと思うんですよ。 例えば文化的な生活を営む私たち先進国の人間は、とかく原始的な生活を送っている人たちを「歴史の発展から取り残された可愛そうな人たち」とか「ある種のノスタルジーを感じさせる貴重な(稀有な)人たち」と考えがちだけど、それは自分の物差しだけで物事を見ているちっちゃな考え方だし、彼らからすれば余計なお世話なんだということをきちんと自覚すべきなんだと思います。
でも悲しいことに人類はその歴史の中でこのことに関して無自覚な行動を繰り返してきたし、その結果として今も尚世界のあちらこちらに「民族問題」「人種問題」を抱え続けています。 そしてそれを何とか解決しようとする善意の活動であってさえもその多くは「上から目線」で解決策を模索しようとしているような気がしないでもありません。
(全文はブログにて)
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