上橋菜穂子のレビュー一覧
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守り人シリーズ第二弾です。
バルサが生まれ故郷のカンバルに戻るが、養父ジグロには汚名が着せられていた。
思わぬ形で巻き込まれたカンバルの暗い闇に立ち向かっていく…というもの。
うん。
私は、1作目よりもこちらの方が好きです。
バルサの過去が明らかになっていきます。
精霊の時もそうでしたが、今作も淡々と進んでいく感じで感情移入は出来ませんでした。
あまり心的描写がないのかなー。
第三者的な感じで書かれているからかも。
だけど、叔母のユーカがバルサのこれまでの生活の話を聞き、『……なんという、むごい。むごい日々を……。』と嘆いた時に涙が滲みました。
風景を文字から空想して立体化させるの -
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王獣の獣の本質がさらけ出され、エリンが最も恐れていた事態になってしまう7巻。
人の道具になってはいけない獣。リランと言葉を交わしてから一番恐れていた事態が起こってしまいました。獣である王獣が人の道具として力を行使すること。その状況が生む未来への恐怖もしっかり描かれ、この作品の大事なシーンでした。作画的な面では、王獣の獰猛さがむき出しになった闘蛇を狩るシーンは力が入っていてとても素晴らしかった。そして、その後のエリンが纏った後悔も訴えかけてくる画でした。曇りが似合う女ってのは見てて辛いですが、武本先生の絵も相まって美しさも感じてしまいます。
イアルとの邂逅。イアルとエリンはどこか通じ合 -
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女用心棒バルサが生まれ故郷のカンバル王国にもどった。その昔、地位も名誉も捨て自分を助けてくれた養父ジグロの汚名をそそぐために。日本児童文学者協会賞。路傍の石文学賞受賞。(「BOOK」データベースより)
久しぶりにバルサに会えました。
守り人シリーズは2冊目。
やっぱりおもしろい。
なのでぐいぐい読んでしまいます。
25年ぶりに故郷に帰ってきたバルサ。
それを快く思わないものたちもいるのを知りながらも、愛するもののため、自分のために帰ってきたのです。
自責ともいえる思いがいつも澱のように沈んでいたバルサの心が少しでも軽くなったならいいなあ。
この作品にはタンダがでてこなかったので、ちょっと寂し -
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・浮き籾
タンダとバルサの幼少期。タンダの才能の片鱗が見える。2人は幼い頃から仲がよい。バルサも戦闘能力も子供離れしている。どこかの民俗学の引用か、農業の説明はあまりぴんとこなかった。
・ラフラ
肝心のゲーム「ススット」のルールや概要がわからないので、そこに疑問が生じる。始めの説明ではサイコロを振って運任せ、のような説明があるのだが、中盤以降はススットの達人の戦術の見事さの描写が目立つ。これはどういうことなのか。「ラフラ」と呼ばれる達人クラスになるとサイコロの目を自由自在に出せるとのことなので、自分がしたい戦略を実現できるようなコマの動きが可能なさいの目を、自分の意志で出しているということな -
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完結である。
イーハン
ヒュウゴ
これしかないか…という結末に落ち着く。合理性としては充分。お疲れ様、チャグム。そして、ロタのイーハン王子。この人が一番大人なような感じがした。非常に好人物。
毎回、思うのだがこの作品はクライマックスがけっこう終盤にある。一冊の3分の2くらいあたりで「おっ、けっこう盛り上がるな、ここから。しかし、どうやってこの盛り上げを上手く処理して収束するのか」なんてシーンがあったりする。で、この作品はそのあたりをどうしているのかというと、淡泊に収束させる、そんな感じなのだ。その点がなんだか気になってしかたない。もったいないというか、もうちょっと詳細を書いてほしいというか。 -
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ロタ王国が本格的に登場。ロタにはロタなりの苦労があることがわかる。作品に登場する国にはそれぞれの事情があることが面白い。バルサとタンダである。アスラとチキサに都合良く出会ってしまう。チャグムのときと同様にいきなりの肩入れ。肩入れしすぎ。ロタの隠密であるカシャルの言うとおりにしていれば、こんなトラブルはなかった。もしくはここまで大きくはならなかったんじゃないか?などと思ってしまう。
マーサのところを旅立つところでこの巻は終わり。マーサはいいキャラクターだ。こんなやり手の女将キャラはいろんな作品で見うけられるが、マーサもいい描写をされている。正しい筋道を好むけど、それでいて融通も利き、適度なしたた -