上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
四分冊の三冊目。
前巻、オラムとともに捕らわれたアイシャが見た、窓の外に広がる光景とは――、というところで終わっていたが、そこで見たものとは、なんと…ということで、ここから物語は急展開。
ギラム島での生活を経て、新たに見つかった〈救いの稲〉、オオマヨを喰らうバッタの飛来、オオマヨが駆逐されてひと息ついたかと思えば、そのバッタの群れがまた難儀…。
一難去ってまた一難の矢継ぎ早の展開に頁を繰る手を止めさせないのはさすがだが、〈絶対の下限〉を無視して作られたオアレ稲に対する怖れやらそれでもその稲を育てるしかない無力感やら、やっぱり多少小難しくて、物語としてのワクワク感にいまいち欠けた。
ようやく難儀なバッタの飛行限界が知れたところで、アイシャから届いた手紙にマシュウとラーオ師が見た文面とは――。って、今巻も気を持たせたところで最終巻に続く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自然の営みの中で、人間がやってしまったことの大きさと、できることの小ささを感じた…
まさに起承転結の転の話で、相変わらず読みやすいけど、今回は蝗害のことが物語の多くを占めていた。登場人物の掘り下げがあまりなかったが、次巻が完結編なので、そこで様々なことが明かされるだろうなあという感じなので、楽しみ。
印象的だったのは、次の栽培地へ飛んでいく若虫がふっと落ちて死ぬシーンで、アイシャがその虫にとっての「生きること」に思いを馳せる。
蝗害と捉えると、得体の知れない恐ろしい災害に思えるけど、虫一匹にも短い生の中で子孫を残すために必死で飛んでいる…という考え方は、とても親しみがあった。
虫は苦手だけど、たまにそういうことを考えるので…
あと、蝗害とか橋頭堡とか知らない言葉が出てきて勉強になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレすご〜く読みやすい。
ファンタジーだけどファンタジーの一言で終わっていいものじゃない気がする。
帝国はオアレ稲で諸国を支配しているという構造が、改めて面白いなと感じた。
古くからの規定を変えることで、その支配に綻びが生じていく。
その綻びが国の危機に繋がっている。それを防ぐためには、帝国の支配の構造を根本から変えていかねばならないという……
このようなことは決して遠い出来事ではなくて、会社で古くからあるルールをしっかり検証もせず変えてしまって、それによってさらに歪なルールが生まれたり…といった、組織運営で必ず直面する出来事を描いているなあと感じた。
最後にアイシャがオゴダの人に捕まってしまうけど、アイシャはいろんな人たちに会って、いろんな視点でこの国の構造改革に向き合っていくことになるんだろうな〜と思った。