上橋菜穂子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんてこと!
最後のブックリストをみていて、萩原規子さんとごっちゃにしていたことにようやく気付いた。
私、この人の本、読んだことないんじゃあ。
話題の上橋さんの「夢見る夢子ちゃん」になった背景と作家までの驚きの道のりが語られる。
おばあちゃんの語ってくれる昔話。
歴史、考古学への興味と文化人類学のフィールドワーク。
「その道を究めたら、どんな答えが待っているかもわからないまま、ただ、目の前の問いと一心に向き合い、学ぼうとする人間がいる。」こんな人に惹かれるというけれど、すでにあなたもですから!
子どもにもわかりやすく書かれているので、ぜひウチのチビちゃんにも読んでほしい。
「経験は大切です。でも、べつに、人とちがうことをたくさんしなければいけないということではなくて、むしろ、人と同じことをしていながら、そこに人とはちがうものを感じることのほうがたいせつだと思います。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズの途中なので評価が難しい。
面白かった。それは間違いない。
何が正しいのか、何を求めているのか、アスラが自分自身に問いかけた時、本当を言うと、自分なら、自分だけでは戻れないのではないかな、と思った。ことに、激情に絡めとられてしまったら。
「悪に堕ちる」という意味では、スターウォーズのダースベイダーが、なぜ、暗黒面に堕ちてしまったのか、実は、まだ腑に落ちていない。それほどの強い理由(暗黒面に堕ちなければ、本当にパドメは救えなかっただろうか?)は、どこにあったのだろうかと。
アスラの場合は、その逆で、あれほど貶められ、蔑まれて育ってきながら、どうして帰還することができたのだろう?
何か見落としがあるのかもしれない。双方とも、もう一度、時間をおいて読み直し・見直してみたい。 -
Posted by ブクログ
設定が近未来的なせいか、デビュー作だからか、なんとなく薄っぺらい印象。
児童文学なためかひらがな表記が多く、読み進めるのに難儀しました。
環境破壊が進み、住むことの適わなくなった地球から離れた人類が辿り着いたナイラ星が舞台。
彼らは先住民を「野蛮」と蔑んで迫害し、資源を独占する。そして自分たちのユートピアを築きあげたのだった。もちろんそんな歴史は、政府の思惑により何重にも包まれたオブラートで美化されている。
環境破壊、強奪、実力支配、黒歴史には蓋を。
ファンタジーでありながら、現代社会の歪を写しとっている筆致はさすが上橋さんと言える。
ぜひ大人向けに、漢字を増やして文庫化してほしいものです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ神話を元に歴史考証などもきちんとした上で
それでもフィクションのファンタジーとして仕上げられた作品。
大和 朝廷が律令制で日本をまとめあげようとしている頃。
遂にその手が九州地方まで到達する。
時の流れに違和感や反発を覚えても、従うしかなく
その中で捨てなければならないものに戸惑い、正しいものがなんなのか迷う。
同じように神話、古い時代の日本を元にしたもののけ姫でもやはり
似たようなテーマが取り上げられていたが、
より実際にもとづいてリアルに穢れや伝統などについても描写されている。
カミなのか、オニなのか。
確かに殺した後で祀ればカミになるという都合の良いシステムも存在する。
飽く迄も人間から見て、都合が良いか悪いか。
益獣と害獣の判断と同じだ。
だがそれでも、アツシロたちが間違っていると簡単に部外者が言えるものでもない。
他の大きな村が勝てなかった朝廷相手に、小さな村が勝てるわけもなく
働き手を何年も朝廷に取られて村が立ち行くわけもなく
かと言って米を作ったからと言って搾取されるばかりで暮らしが楽になるわけでもない。
それでも、このままでは今すぐ村が潰されてしまう。
アツシロたちも、カミンマも、タヤタも、守ろうとしているのは同じなのだ。
何を守ろうとするのか、なんのために守るのか、それが違うだけだ。
それがこんなにも悲しい結末を迎え、
殺されるとわかっていて尚キシメを愛し、死ぬとわかっていてもそれでも
キシメを愛しいというタヤタがあまりにも切ない。
掟は人の命より大事。
本当にそうなのか、と、現代に生きる自分は思ってしまう。
大事なのはわかる。だがそれでも、他に方法はなかったのだろうか。
掟もカミも失われた村で、それでも人は生きていくしかない。
あとがきで、日本は単一民族国家ではないとすっと言い切っているところが
先生らしいなと思い惚れ直した。