上橋菜穂子のレビュー一覧
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旅を綴ったエッセイ集。
なのですが、紀行文としてさほど異国情緒あふれるわけでもなく
旅エッセイと聞いてイメージするほど、面白おかしいハプニングがあるわけでもありません。
旅に出て、ふと広い空を眺めて、風に吹かれて雲の流れを見たり、違う言葉や匂いの中でぼんやりしたりするような空気感です。
懐かしくでも色鮮やかな思い出のひとつひとつを取り出してきたような。
エッセイとして面白いかと問われると、どうかな?と思いますが
文化人類学の教授であり稀代の児童文学ファンタジーの担い手である上橋菜穂子さんが、
こういう経験からバルサやエリンを生み出し、物語の世界を広げていったんだなぁという片鱗を感じられまし -
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夫がおそろしい大蛇だとわかった後も愛し続け、子を産んで育てたという、九州祖母山に伝わる「あかぎれ多弥太伝説」がモチーフになっている。
大和朝廷の時代。班田収取の法がだされ、多くのムラやサトがクニへと組み込まれていった時代。
月の森のカミとホウズキノヒメの子、タヤタ。
山のカミと人の子、ナガタチ。
ムラの長の巫女、〈カミンマ〉となった少女、キシメ。
獣とまじり、木々とまじって暮らしていた太古の昔、人々は手をつけてはならぬところとつけてよいところをカミと同じようにこころえていた。
しかし、世が変わるにつれて忘れ去られていき、カミと心をつなぐことができるのは、〈絆〉と呼ばれるほんの少しの人々に -
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「守り人」シリーズ、「狐笛のかなた」「獣の奏者」に出てくる料理の数々を再現したレシピ集。
もちろん実在しない食材が多々ありますが、現在日本で手に入るものを使い、上橋さんの思ったような料理を作り上げました。
「チーム北海道」の中心になっているのが、面白南極料理人の西村淳さん。そして札幌のお隣江別市でカフェをやっているイデ妙子さん。
焼きたてのパンにバターと蜂蜜。
甘いおかゆ。
大きな葉で包んで蒸し焼きにした肉。
里芋のコロッケ。
絶対作ってみたいのが、チャアム。(魚のたたき)
魚と果物の和え物
山菜鍋
菜飯
鶏のから揚げを作るとき、「チーム北海道」の面々が「上品なザンギだな」としきりと口 -
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※1~6巻までの感想をまとめてこちらに。
本作品はアニメを時々見る程度だったのですが(終盤は結構マジメに見てたけど)、やっぱり最初からちゃんと知りたくなって読み始めました(^_^)ゝ
エリンは礼儀正しい子で、お母さんが大好きで‥だけど母の生き方には納得できてない部分があって…てな感じでしょうかね、現時点では。
まあ、その立場になってみないと見えてこないものってあるでしょうからね、色々と(´ω`)
イアル×エリン好きさんが多いみたいだけど、私はシュナン×セィミヤさまのが好きかもですv
セィミヤさまはアニメや小説のレビューなんかで、わりと批判されることが多い人ですけど…いやいや、守られてきた -
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守り人シリーズ8作目です。
このシリーズを読み始めてから、ずっと違和感というか、変な感覚を感じていました。
それを、私は“感情面をあまり深く描いていないから”だと思っていたのですが、今作の井辻朱美さんの解説を読んで、『あぁ、こういうことだ!』と納得しました。
この作品は“一つの場面の中で、語りの視点が外部のカメラになったり、つぎつぎに複数の人物の内面のつぶやきになっていったりするだけでなく、視線の行った先がふいにズームアップされたり、ものを見つめる視界が急収縮したりするように思えるのだ。”
そう。まさにこれ。
この作品を読んでて感情移入をすることがあまりないので、正直、チャグムとバルサが -
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あっという間に読めた。夜、寝たくなくなるほど面白かった。
バルサ、チャグム、タンダ、シュガ、ヒュウゴ、それぞれがそれぞれの背景があり、各人が思い通りにならない世界を背負って、生きている。
でも一生懸命、自分の信念に従って行動していく。
ナユグの世界(異世界)はたまに出てくるけど、それほど出てこない。
サグの世界(現実の世界)は、今、国取り合戦中。
ナユグの世界は、天変地異が起きている模様で、暖かい川が北の方までながれてきて、今まで海ではなかった箇所が海になっていたりする。
ナユグが見えるアスラ、タンダに助けられたコチャが、異変に察知して警笛を鳴らしている
ナグルに暖か -
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遥かな未来
地球に住めなくなった人間が移民船で宇宙を旅し
新たに人の住める星々を見つけた
しかし、移住出来そうな環境の星にはどこにも
人と同じように進化を遂げた文明があり
その先住民との共生を余儀なくされる
主人公たちの住む星も、そういった先住民の住まう星だったが
地球人が移住して環境の変化した星に
何故か適応できず、やがて先住民は滅亡してしまう
…そう、人々は知らされていた———
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あとがきにもあったけれど
これだけで三冊くらいは別ジャンルの本を書けそうな
濃厚な作品だった
SF、ファンタジー、そして歴史モノ
主人公の従妹が不思議な能力に目覚めることで物語は始まるのだが
そ -
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カンバルである。カンバルではへたれな王と世間知らずな「王の槍」がタルシュがしかけた情報戦にひっかかりピンチ。だが、バルサとチャグムの必死の説得で翻意。カンバル王はロタ王国との同盟を結ぶ。
エンディングでは、チャグムをカンバル騎馬軍を連れてロタ王国へ向かう。バルサは新ヨゴに危機を知らせに行く。ナユグが北の大地で春を迎えたため新ヨゴとカンバルでは気温が高くなり、雪解けによる水害の恐れがあるという。それでチャグムが行くと目立つのでバルサが行くということになった。
カンバル編は「王の槍」の中の裏切り者(タルシュとの内通者)があの人物だった!? という意外さと、カンバル王の予想以上のへたれっぷりが際だっ -
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ネタバレ上橋菜穂子のデビュー作。なんの前情報もなく手にとり、他の作品同様ファンタジーだろうと思っていたら、SFだったので驚いた。とはいえ、雰囲気はかなりファンタジーっぽいけれど。
純粋に面白いか面白くないかでいうと、詰め込みすぎて読み疲れる感じがあったのだけど、歴史を改ざんする政府や、滅ぼされた先住民・ロシュナールに対する視線に、この作者らしい鋭さを感じた。先住異星人を技術レベルでABCに分けて、勝てそうだったら滅ぼしちゃえ! みたいな方策をとるほど、地球人が愚かで傲慢だとは思いたくないけど。
あと、上橋さんは親と子について書かせたらホントぐっとくることを書いてくれるよなあ。(引用参照)闇の守り