【感想・ネタバレ】精霊の木のレビュー

あらすじ

地球の環境悪化でナイラ星に移住した人類。その子孫が、滅びたとされている先住民の謎に迫る。上橋菜穂子のデビュー作。精霊の守り人や鹿の王、獣の奏者などで知られる日本ハイファンタジーの第一人者、上橋菜穂子の記念すべきデビュー作。

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Posted by ブクログ

上橋菜穂子さんのデビュー作。読むのは3回目くらいです。やっぱり面白い!リンガラー・ホウ〈精霊の木〉とか、アガー・トゥー・ナール〈過去を夢見る者〉とか、言い方が好き!!ロシュナールの〈母たち〉が、957年の月日を経て、リンガラー・ホウの種を求めて〈精霊の道〉をやってくる。「アガー・トゥー・ナール、夢見ておくれ、この夕方を。そして、であっておくれ、リンガラー・ホウに」まだ見ぬ子孫に未来への希望を託すドン。また次に〈精霊の道〉が開くとき、誰かがロシュナールの思いを継いで、リンガラー・ホウを守っていますように。

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2015年01月18日

Posted by ブクログ

素晴らしい作家さんに出会えたことに感謝。
『ゲド戦記』に通じるものを感じる。
作者がアボリジニや沖縄の古老との出会いの中で感じたもの。
人間は地球に生かされているもののひとつであることを感じることができればゆったりと呼吸ができるかもしれない。
現代文明が間違った方向に行かないように精霊が語りかけてくる。

清潔で快適、できれば楽して生きたいのも本音だし、悪くないと思う。
さて、それでは私にとって楽な生き方とはどんな生き方なの?
それは隣の人とわかりあい、分かち合えるやり方なの?この作品で子どもたちが経験したことは私が日々考えていくことに通じている。

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2014年04月11日

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著者上橋菜穂子さんの処女作だったんですね…。専門の文化人類学の視点を隠れたテーマとした大人も楽しめる少年小説でした。エリン…。

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2012年01月22日

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本当に、本当にたくさんの人に読んで欲しい。思い出すと涙が出ます。
この本を読んで、もっと上橋さんの本を読んで見ようと思いました。

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2010年11月28日

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「精霊の守り人」の作者とは思えない拙い文章…SFで近未来を書きたいのか知らないけど、主人公達の説明口調がひどい。「あら料理してくれたの?」「クッカーが作ってくれたものを並べただけさ」じゃなくて、クッカー(自動料理機)でよくないか?、逃げている途中なのに敵に向かって説明しすぎではないか?などひっかかる部分はあり半ばまでは我慢しながら読んでいた。
でも、後半はグングン惹きつけられたし最後にはどうしようもなく胸を打たれてジワーッと泣いてしまった。(でも文で今何がどうなってるのか分かりにくい部分はあった…!!)
デビュー作だったのか…!
うーーん!!!!!読みにくいのにおもしろかった…!!うーーーーん…。今の文章力で書き直して欲しい気持ちと、このまま置いておいて欲しい気持ちがある。
物語の根底のテーマもすごくいいのに本当に読みにくい。勿体無い

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

守り人シリーズ、獣の奏者から上橋菜穂子さんに魅了されこちらを読みました。
知らない、見たこともない世界なのに目の前にあるような壮大な景色に圧倒されました。
とてもおもしろかったです。

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2024年10月22日

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久々、死について考える時の、何処かに吸い込まれそうな感覚を思い出した。
頭の中で考えるより、とにかく俺も生きていることが好きだっ。

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2013年01月29日

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精霊の木 080327 上橋菜穂子

「自由だとか平等などは始めからあるものでなく人が創るもの」
「何事もなく平安に死ぬか責任とわずかな希望を持って生きるか?」
「精霊(精神)といる限り天と地の間のすべてと非土地であると感じていられる」
精霊は神ではなく魂の片割れで生まれた後に出会うものだという

歪みだらけの現実世界をつくりだしている人間が自分自身を傷付けることで
その対極と出会うというパラドックスな相対世界を浮き彫りにしている
を描いた物語
精神は湖の矛盾によってのみ磨くことができることを描こうとしているのだろう
現在地球上で起こっている見るに堪えないあからさまな憎悪と差別
我欲恐怖政治アメと鞭による支配と服従
すべては視野の狭さからくる恐れによって吹き出す
暫定的ハッピーエンドで幕を閉じているけれども
人類が同じ過ちを繰り返している学びの薄さと
その命が肉体と魂と神なる部分からなる相対世界にあることを伝えている

20170101
改めて読んで

上橋さんは精霊の守り人で脚光を浴びましたが
院生で沖縄のフィーウドワークをしていた当時に
この処女作を書き上げたのだそうです
当時は売れなかったようですが
今になってファンの要望に押される形で
15年前のものをリメークすることになったのがこの本だといいます
確かに学者としての思想が滲み出していますし
強い者勝の商業主義の中で全体観や信頼関係がそこなわれ
組織的強欲のウソと秘密によって見事に政府を乗っ取られ
社会の舞台裏で押し潰されていく純真な人々の存在を明らかにするために
社会に一石を投じたいということが目的の大きなファクターだったのでしょう

それだけに劇的にプロ化されたエンターテイメントとしてではない
深みのある生活感の中での表現になっているのだと思います

宇宙空間に舞台を移しただけで
正に歪んだグローバリズムや新世界秩序という今の時代を
生き写しにしたようなおぞましい内容です

最も私は一人ひとりの人間が次元の違う意識状態に成長しない限り
宇宙空間に飛び出せないと考えていますので
今のような依存意識の状態のままで
宇宙を手玉に取ることはできないと思っています

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2017年01月08日

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小学生の時に読んだのを再読。
児童書のコーナーに入るのはすこし勇気がいりました;笑

やはり上橋さんの小説は素晴らしいですね。
ファンタジー好きにはたまらない。
そして、この作品は上橋さんの小説の中でも特に考えさせられる要素があります。守人シリーズはもちろん大好きだけど、メッセージ性はこちらの方が上だし、わかりやすい。
上橋さんが民俗学の先生であるからこそ書ける小説だと思います。

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2011年08月01日

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ネタバレ

上橋さんのデビュー作。意外なことにSFでした。ちょっとスターウォーズの世界に似ているな~と思って読んでいました(内容は全く違いますが)。今この時期に読むと、色々と考えさせられます。

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2011年06月11日

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上橋菜穂子のデビュー作は驚きのSFでした。でも根源にあるのは後続の作品に通じますね。
精霊とともに生きる先住民の血を引く主人公達が、真実を隠そうとする移民局の大きな力に対抗し祖先の想いを継いで行く。移民族と先住民の軋轢や迫害をSFを舞台に展開されてます。民族の歴史を一身に担った少女と、それを守ろうとする少年。大きな力に必死に抗える姿がいいです。

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2011年04月30日

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読んでいる間ずっとワクワクできる。


冒険要素あり、謎解き要素あり、文化的要素あり。


そして人の血の絆のようなものを感じる。


歌に込めて必死に子孫に真実を伝えようとした、あのくだりは鳥肌がたつ思いがした。

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2010年12月15日

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精霊の木(リンガラー・ホウ)や、ロシュナール、そして、時の夢見師(アガー・トウ・ナール)。
今まで、宇宙の移民のお話をいろいろ読んできたけれど、原住民の文化にこんなにも感情移入したことはなかったように思う。

滅びゆくなかで、絶望しながらも、一族のするべきことを、命をかけて守るお話。

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2010年11月14日

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Nice read. She did a great job for her first novel.

Though it's typically a fantasy genre, it's set in a science fiction type of futuristic world which is completely different from the settings that she has in her other novels. It was quite refreshing actually.

I am determined to read all of her books. Next on my list is the 守り人 series.

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2010年10月18日

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少し切ないところも残るファンタジーでした
ストーリーもおもしろく、上橋さんの原点という感じがしました

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2010年01月26日

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上橋菜穂子さんのデビュー作だそうです。

このところ年度末から初めにかけて新入職員を迎える準備のため、読み終えるのに2週間もかかってしまった…。

そのためか物語に没入できず、頭の中で整理できないまま読み終えました。「守り人シリーズ」や「獣の奏者シリーズ」のような読み応えがなかったのはデビュー作だったこともあるかと。

この作品から後の名作に繋がったと思うと、感慨深いものがありました。

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2025年04月13日

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守人シリーズでもおなじみの筆者のデビュー作。未来の宇宙開発の中で滅ぼされた民族。その子孫に超能力が目覚めたことで民族の過去が明らかになる。筆者が着想を得たという、老人と少女の会話のシーンは、物語の中核となるたけでなく、その後の作品の世界観や設定にも繋がったかと思うと何度も読んでしまう

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2018年05月20日

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ネタバレ

児童文学作家としてのデビュー作。舞台は近未来。
架空のナイル星に住む15歳の少年・シンと、従妹のリシアが、「ロシュナール」という迫害を受け続けた先住民の謎に迫るファンタジー大作。ヒットラーじゃないけど、人間の卑劣さ、醜さを描いた課題作でもあるように思えた。なので、児童文学とは言え、問題意識のある作品だと思う。

それにしても、上橋さんがこのような、横文字を使った作品を書いていたとは新鮮である。
個人的には、やっぱ「守り人シリーズ」のような大自然が目の前に広がるような世界観が上橋作品の中では好きかな。

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2016年01月18日

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設定が近未来的なせいか、デビュー作だからか、なんとなく薄っぺらい印象。
児童文学なためかひらがな表記が多く、読み進めるのに難儀しました。

環境破壊が進み、住むことの適わなくなった地球から離れた人類が辿り着いたナイラ星が舞台。
彼らは先住民を「野蛮」と蔑んで迫害し、資源を独占する。そして自分たちのユートピアを築きあげたのだった。もちろんそんな歴史は、政府の思惑により何重にも包まれたオブラートで美化されている。
環境破壊、強奪、実力支配、黒歴史には蓋を。
ファンタジーでありながら、現代社会の歪を写しとっている筆致はさすが上橋さんと言える。

ぜひ大人向けに、漢字を増やして文庫化してほしいものです。

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2015年12月11日

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遥かな未来
地球に住めなくなった人間が移民船で宇宙を旅し
新たに人の住める星々を見つけた
しかし、移住出来そうな環境の星にはどこにも
人と同じように進化を遂げた文明があり
その先住民との共生を余儀なくされる

主人公たちの住む星も、そういった先住民の住まう星だったが
地球人が移住して環境の変化した星
何故か適応できず、やがて先住民は滅亡してしまう

…そう、人々は知らされていた———





あとがきにもあったけれど
これだけで三冊くらいは別ジャンルの本を書けそうな
濃厚な作品だった

SF、ファンタジー、そして歴史モノ

主人公の従妹が不思議な能力に目覚めることで物語は始まるのだが
その能力によって明かされた星や人間の歴史は
決して面白いものではなく
支配や排除や、残酷なまでの蹂躙の仕方に
たびたび閉口せざるをえなくなった

「自分がされて嫌なことは人にはしない」
どこの民族の言葉だったか覚えていないけれど
どんな科学や文明の発展した世界よりも
これが真実だと思う

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2013年01月24日

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上橋菜穂子のデビュー作品アイデア詰め込み過ぎな気もしたけど、面白い世界が描かれていて、メッセージ性もしっかり。

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2012年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 上橋菜穂子のデビュー作。なんの前情報もなく手にとり、他の作品同様ファンタジーだろうと思っていたら、SFだったので驚いた。とはいえ、雰囲気はかなりファンタジーっぽいけれど。
 純粋に面白いか面白くないかでいうと、詰め込みすぎて読み疲れる感じがあったのだけど、歴史を改ざんする政府や、滅ぼされた先住民・ロシュナールに対する視線に、この作者らしい鋭さを感じた。先住異星人を技術レベルでABCに分けて、勝てそうだったら滅ぼしちゃえ! みたいな方策をとるほど、地球人が愚かで傲慢だとは思いたくないけど。
 あと、上橋さんは親と子について書かせたらホントぐっとくることを書いてくれるよなあ。(引用参照)闇の守り人もすごくよかったけど、この本もよかった。文庫サイズで出てくれたら買えるのになあ!

 シンはいいやつだな。序盤のリシアが猪突猛進すぎて、なんだかあまり好きになれなかったけど、読んでるうちに理解できるようになってきたというか、慣れてきた。コウンズやカザルスら悪役にもうちょっと厚みがほしかったところ。

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2012年11月25日

Posted by ブクログ

この頃『守り人』シリーズで大分色々なところで見かける方のデビュー作だそうです。
ファンタジーだろうと思って読み始めたら違うのでちょっとびっくりしました。

細かいSF的観点からの突っ込みは色々したいところですがこの作品の語りたい部分はきっとそんなところではないだろうと思うので。地球外知的生命体との接触はもう少し慎重になされるだろう、と思うのですがそれも又置いておいて。確かに自分もこの頃かじった程度ですがアフリカ史を読み、いかに歴史と言うものが征服者の立場によって語られているかと言うことを実感したのでこの作者の懸念には共感します。アメリカ先住民だってそうですよね。まあ今では野蛮人、劣等民像と言うような評価は下されていないと思いますが。

お話は面白かったです。アイディアが色々と斬新で面白い。一度手に取ると最後まで読ませる勢いがあると思います。

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2011年07月22日

Posted by ブクログ

守り人の原点~環境破壊で地球に住めなくなった人類は,さまざまな星へ移住した。少年ヤマノシンの住むナイラ星も人類が移り住んでから二百年を迎えようとしていた。ところが,シンの従妹リシアが突然,滅びたと伝えられるナイラ星の民「ロシュナール」の<時の夢見師>の力にめざめてしまう。彼らには滅び去った精霊と共に生きる「ロシュナール」に血が入っていたのだ。ロシュナールは意図的に人類によって滅ぼされたのだが,時を超える術を持っていたのだ~血の系統を遡る。西部劇で駅馬車を襲うインディアンが悪者で,ガンマンが正義の味方であった時代は過ぎた。アボリジニーに対する仕打ちも冷静に公正な立場で振り返らねばならない

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2011年04月19日

Posted by ブクログ

上橋さんの「デビュー作」
SFですよ! でも、やっぱりテイストはファンタジーでした。
面白かったです。
でも、今の作品に比べるとやっぱりいろんな意味で稚拙かな~
世界観は面白い。
でも、もうひとつ、ロシュナール人と精霊との関係がわかりづらく、
そもそも「精霊」がどういうものかさっぱりわやだった^^;

しかし、上橋ファンなら一読の価値はありかな。

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2010年09月02日

Posted by ブクログ

上橋さんの1番最初の作品。

これが原点なんだなーと思う作品でした。

SF要素もあり面白かったです。

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2010年06月23日

Posted by ブクログ

デビュー作です。
なので文章が拙いです。もうほんとーに拙いのです(笑)。
言葉の選び方もですし、文章のまとめ方とか、話の運びとか、ああ~若いな~て感じ(^_^;。
でも「このテーマが書きたい」という意思は感じます。ちょっとてんこ盛り過ぎるけど。
後書きに、この原稿を持ち込んで読んでもらった編集の人に「プロならこのネタで何作か書くよ」といわれたそうですが、まさにその通り。上手いこというなこの人!と見知らぬ編集者に感心してみたり。

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2010年04月25日

Posted by ブクログ

守り人シリーズの基になった作品。
長かったけど、まあまあよかったかな。
「死が悲しいのは、みんなと別れるからだ。そのとき、おれが大好きなこの世の全てと別れて、二度と会えなくなるからだ。空しいからじゃない。・・・」

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2009年12月14日

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上橋さんのデビュー作との事です。
文体やセリフがやはり現在と比べると、稚拙な感は否めませんが、根底に流れる、上橋さんの原点は伝わってきます。

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2009年11月29日

Posted by ブクログ

短い物語の中にいろんなものが詰め込まれた物語でした。
物語の展開や文章は勢いのまま書かれた感じでしたが、物語の設定は面白く、
この設定だけでもっと長編のものができそうな感じでした。
満足度は★★★☆☆。
作者の原石がいっぱい詰まった物語でした。

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2009年11月22日

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