上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 鹿の王 3

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    連れ去られたユナを追いかけて、〈火馬の民〉の集落に辿り着いたヴァン。〈火馬の民〉は東乎瑠帝国の侵攻により故郷を奪われて、強い怒りと復讐心を抱えていた。ヴァンは族長のオーファンから岩塩鉱を襲った犬、体に起こっいる異変の真相を知る。一方で、医術師ホッサルは黒狼熱の治療法を探すために岩塩鉱で生き残った男を追いかけていた。黒狼熱は本当に神がもたらした裁きなのか。

    思想の違いにより大国と小国がぶつかり合うことで翻弄されてしまう市民。ようやく主人公たちが出会い、物語は最終局面へと向かっていきます。

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    2024年03月24日
  • 鹿の王 2

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    病により全滅した岩塩鉱を訪れた天才医術師ホッサルは、症状から伝説の疫病「黒狼熱」であることに気づく。この病は征服国である東乎瑠帝国の民に致命的であるにも関わらず、先住民であるアカファの民には罹らない。この事実により、黒狼熱は次第に神による東乎瑠帝国への天罰だという噂が流れ始める。黒狼熱に対する治療法を探し求めるホッサルは、黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人の存在を知り、調査を始める。

    疫病、信仰、国家を交えた壮大なファンタジー小説。 251P「病には情はない。善悪も関係ない。だからこそ恐ろしいのだ。」

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    2024年03月17日
  • 鹿の王 3

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    連れ去られたユナを追う途中で、矢に射られ意識を失ったヴァンが復活。
    火馬の民とまみえ、ヴァンを塩鉱で噛んだ犬たちがどういう生き物なのかを知ることになる。

    一方、ホッサルたちは黒狼病の治療法を求め、沼地の民の居住エリアへと来ていた。

    土地を奪われ、自分たちの大切な物を失くさんと蜂起する火馬の民。
    かくや、現状維持でことを荒立てたくないアカファ王。
    侵略してくるムコニア帝国。

    この国は、あちこちに火種があり、不満があり、憂いがある。
    人には人の数だけ考えや正義があり、それを貫くがために戦い疲弊していく。
    現実もそうだ。
    天啓だと信じたい物を信じ、突き進む先には、大概碌なことがないもんだ…

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    2024年02月14日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

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    著者の小説「獣の奏者」の番外編です。本編では語られなかったサイドストーリーが語られています。それだけの魅力的なキャラクターがたくさん登場する物語であったからこその一冊となっていると思います。ぜひ本編を読んでから楽しんでいただければと。本編で主人公エリンの幼少期から母親になるまでの経験を胸に、そのときの周囲や本人のさらなる気持ちの複雑さや想いを感じ取ることができました。名残を楽しむように、惜しむように読ませていただきました。

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    2024年02月04日
  • 鹿の王 2

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    鷹狩りの席に黒狼たちが乱入。
    次々と噛まれたり引っ掻かれたりとしたものが、その後、病を発症し死んでいく。
    その中で、アカファ人だけは病への抵抗をみせる。
    その差が一体なんなのか、黒狼病とはなんなのか、ホッサルは立ち向かっていく。

    一方、ヴァンはユナと名付けた女の子と一緒に、途中で助けたトマの家で暮らしていた。
    飛鹿の面倒や指南をしながらも、黒狼病の噂を耳にし、また自分自身が変容している感覚にも襲われた時、
    谺主からの使者がやってきて、ユナと二人で会いにいくことになった。

    コロナ禍を過ごした日々を彷彿とさせる描写の数々。
    なんだこれは、コロナじゃないか、となんど思ったことか。
    もちろん、人か

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    2024年02月03日
  • 狐笛のかなた

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    和製ファンタジー。随所に日本らしさを感じる世界観で、守り人シリーズと同様にクオリティの高い作品であることに間違いはない。特に人と動物を峻別して考えないという感性には、ノスタルジーを感じて良かった。ただ、やはり好みで言うと、洋物のファンタジーの方が自分は魅力を感じる。理由はまだわからないが、おそらく日本文化と独特のある種の閉鎖的な世界観にワクワクしないのかもしれない。自分はもっとダイナミックで開放的な世界観が、少し抽象的ではあるが、好みである気がする。

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    2024年01月27日
  • 物語ること、生きること

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    上橋さんの作品から滲み出る上橋さんの人柄が伝わってくる本でした。
    自分を大事に育んでいる、コツコツと育てられて、同じことを作品にもしている、そんな印象でした。

    2023.12.29
    204

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    2023年12月30日
  • 狐笛のかなた

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    共感、思いやり、勇気、命を感じる。大人も純な気持ちで楽しめるのが優れた児童向けファンタジーなのだろう。2023.10.9

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    2023年10月09日
  • 獣の奏者 外伝 刹那

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    次の世代へ繋ぐ気持ち。
    受け取られる想い。
    そうやって続いていく事が、私にも出来ると良い…そういう気持ちで読みました。

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    2023年10月09日
  • 狐笛のかなた

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    私の中ではバルサとエリンの2つのお話だけでもう確固たるものがある、この作者さん。
    その初期の作品であるこの本は、先日のフォローしている方のレビューを読んで手に取った。

    亡き母から人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を受け継いでいる小夜、この世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火、森陰の屋敷に幽閉されている少年・小春丸、ある夜、この3人が偶然出会ったところから始まる物語。
    彼らは隣り合う2つの国の争いに巻き込まれていくが、過去の因縁の渦に巻き込まれながらも懸命に生きようとする小夜に、使い魔として生きながら彼女に寄り添おうとする野火、彼に毒づきながらも理解を示す玉緒の変化など、それぞれの健気な心情と行

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    2023年09月26日
  • 鹿の王 水底の橋

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    今回はホッサルとミラルの話。これまでの話より少し先の話だから、ヴァンたちのことも少しわかると思ったけどわからず、、もちろん、ホッサルとミラルの話も良かったけどね。ただ、今回も最後の最後は描ききらず、、こういう余韻のある終わり方をするタイプなのね。これもエピローグが読みたい(笑)

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    2023年09月08日
  • 獣の奏者 III探求編

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    前2巻で一旦完了した物語。少女から大人への成長の物語として。王獣と呼ばれる強大な生き物を操る能力を開発しながらも、政治的に利用される恐れとの狭間で悩みゆく物語として。ひとつの国の中で重要なキーパーソンとなっていく中で、正解の無さに悩む物語として。心ならずの面もありながら、前巻では流れを大きく変える重要な行動を起こし、多くの人を助けた主人公。その10年後から物語は動き出します。
    この巻では、平穏に留まっていた主人公の世界が、その国をめぐる周囲の状況によって、否応なしに渦に巻き込まれようとしていくように物語が動いていきます。禁忌を犯さずに現在を止めておくことが正解なのか、止めようのない大きな流れに

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    2023年08月28日
  • 鹿の王 2

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    これ、なんかコロナ禍を予見したみたい、、と思ったけど、SARSとか新型インフルエンザから着想を得たのかな。

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    2023年08月22日
  • 明日は、いずこの空の下

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    フィールドワークの先々でご飯を頂く先生の人に好かれるお人柄や、オーストラリアでカンガルーのシッポを食べたお話が面白かった

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    2023年08月08日
  • 鹿の王 水底の橋

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    鹿の王の医術師ホッサル達の続編。恋人のミラルとの関係に、医術の行く末、読み進める度どんどん気になり世界にのめり込む。鹿の王も当然面白かったけど、今作も面白くて私は好き。次期皇帝争いがほんまに他人事じゃなくて我が事のように気になった。

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    2023年07月13日
  • 鹿の王 3

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    なかなか内容が非現実的で、登場人物が多くて難しいが、面白くなって来た。
    敦煌ともののけ姫のあいのこのような感じがした。明日4巻を買いに行きます。

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    2023年07月08日
  • 獣の奏者(5)

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    最初の母と闘蛇とのくだり以外、全く忘却の彼方だったけど、おかげで(?)、普通に楽しめた。このあたりから、原作の2巻には突入しているぽいので、改めて原作にあたりたいと思います。

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    2023年06月09日
  • 獣の奏者(2)

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    原作を、久しぶりに読み進めようと考えているのだけれど、内容を殆ど覚えておらず、いったん漫画でおさらいしてからと思い、手にしたもの。しかし漫画の2巻では、まだ原作1巻分にも到達しないのであった。がーん。もう少し漫画版を読み進めてみるしか無し…。

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    2023年06月06日
  • 明日は、いずこの空の下

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    色んな国に行かれたようだが、やはりオーストラリア、アボリジニの話が印象的だった。尻尾って食べられるんやな…。普段は家で引きこもっているのが好きな著者がエイヤ!と飛び出した異国での経験やあれやこれが後の創作の糧になっていると思うと日本という狭いコミュニティだけに止まっていてはいけないなと思う。

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    2023年05月16日
  • 獣の奏者 III探求編

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    ダメだと言われながらも、興味津々で蜜蜂の巣箱を覗いて叱られていたあの可愛らしいエリンが子を持つ強い女性になっていた。 この編の途中から、物語はエリンが神々の山脈の「残された人々の谷」へ行って、人や獣が死に絶えるような恐ろしい過去の災禍が起きた元や王獣の隠された秘密を探り出し、新たな国々の共存を真王らと模索する展開になるものだと思ってた。いよいよ完結編だけど、エリンや彼女が造る王獣部隊はどうなっていくんだろう。結末が楽しみ・・・。(o^^o)v

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    2023年04月29日