上橋菜穂子のレビュー一覧
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『鹿の王』は 2014 年に刊行された作品だが、コロナ禍を経験した現在の読者には、当時よりもさらに強いリアリティをもって読める作品になっているように感じた。未知の感染症への恐怖、情報や知識をめぐる混乱、そして医療と政治の関係などは、まさに私たちが近年経験したことと重なる部分が多い。
上橋菜穂子さんは人類学を研究していたこともあり、本作はファンタジーでありながら、単なる空想世界ではなく、どこか昔話や神話を読んでいるような感覚があった。民族や文化、信仰や伝承が自然に織り込まれており、人間社会の成り立ちそのものを見つめているようにも感じる。
読んでいてまず印象に残ったのは、多様な動物が登場する世 -
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巨大な穴「闇の大井戸」から生まれる神の蝶を守る役目を持つジェードとルクラン。不思議な振る舞いをするルクランが導くのは、「闇の大井戸」の本当の姿。
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上橋さんの新作ということで楽しみに読んだのですが、ちょっと話のテンポに乗れずに楽しみきれないなあ、と思っていました。あとがきを読むとその理由が何となく分かったのですが、やはりもう少しエピソードの抑揚が欲しかったかな、と感じました(いつも上橋ワールドは世界観が豊かなので長くひたっていたい)。
しかし上橋さんの「生命とその営み」に対する真摯な視点は本当に一貫しているな、と感じました。例えば植物が菌類を介して栄養や情報をやり -
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上橋菜穂子さんの新作…と思いきや、30年近く前の連載作品を加筆したものとのこと。
話としては、蝶と花、信仰と民族のルーツやしがらみが絡み合ったファンタジー。
これだけ書くとなんのこっちゃな感じ。
これ、一応児童文学らしい。
小中学生が読むにはちょっと難しいような気もするけど、そうでもないのかな?
モンシロチョウとか、紫外線の中ではメスの羽が光って見えると博物館で見たことあるけど、それを彷彿とさせられた。
美しいながらも不穏な雰囲気で、ちょっとドキドキしながら読み進めた…けど、ラストがちょっと尻すぼみに感じてしまった。
そこで終わるのか…という感じだったな。 -
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西の大国ムコニア王国の緩衝地帯にアカファ人とオタワル人が暮らしていた。その地域一体を東の大国、東乎瑠帝国が蹂躙し支配下においている。以前はアカファ人がこの土地を治めるてはいたが、元々オタワル人が住む土地で、彼らが疫病の蔓延に苦しめられたタイミングでアカファ人はこの緩衝地帯に国を建てたのだった...時を経て、疫病の再来でこの地に不穏な空気が流れ始める。病気は自然に発生したものなのか、人為的に起こされたものなのか。3巻へつづく。
大国の支配の仕方を説明すると、皇帝が他国を征服し、国境が広がるたびに、民はあらたの辺境となった地域へと移住させられ、その土地を東乎瑠風に変えていくように命じられる... -
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テーマも壮大だし、世界観も奥行きがあったし、すごく読み応えがあった。
でもなんだろう、物語の壮大さに対して話が淡々と進んでいくのと、なんせ国や氏族同士のしがらみが複雑なので登場人物に感情移入することが難しく、読み終えた後、心を震わせるほどの感動はなかった。
未知の病の流行というテーマがファンタジーとしては斬新で心惹かれるものがあったのですが、途中から氏族の思惑が絡まり最終的には氏族と国、人と人の話に行き着いて、なんとなく私が求めていたファンタジーからは逸れてしまった。
個人的な好みではなかった、というだけの話なのだけど。
きっとユナたちはヴァンと無事に再会してオキに帰るんだろうなと自分の想