上橋菜穂子のレビュー一覧
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獣の奏者シリーズの上橋菜穂子さんのエッセイ集。アルスラーン戦記も、ロードス島戦記も食い入るように読み、ファンタジーの世界にどっぷりと浸かった記憶。小学校から中学校にかけて、本当にこんな小説がかけたらと、ノートに自分で小説を描き始めた。そんな記憶を改めて目覚めさせてくれたのが、獣の奏者シリーズだ。優しい文体、心地よいリズムと愛の物語。このファンタジーを生んだのは、異国の地で育んだ出会いと感性だったんだとわかる。作家というのは楽しい経験も悲しい経験も、作品を育てるための糧になる。だからこそ、海外を転々として、そこでの匂いや食事やありとあらゆる生活に目を向けているような気がする。
上橋さんの幼少 -
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私の好きな、上橋菜穂子作品の「らしさ」が織り込まれている世界観。他の作品と比べれば確かにやや読みづらいところもあるが、初期作品ということで、納得できる。
実際、民俗学などをより理解できていれば、さらにこの作品を読み解くヒントになり得るのかもしれないが、そう言った知識がなくとも、まるで実際に語りかけられているように読み進めることができた。
この話自体はある程度もととなる話はありつつも、資料の少なさなどから、フィクションで肉付けられた部分が多いとのことだが、「この話、柳田国男あたりが伝承として書いてなかったっけ」なんて思ってしまうようなリアルさがある。
それは、(その数少ない資料を読み込んだ -
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先の精霊の守り人で登場した大呪術師トロガイの秘密がこの巻で明かされます。52年前のトロガイの娘時代に遡り、何故呪術師となったのかが語られるのですが…
バルサがユグノという素晴らしく声の良い歌い手と出会った頃、トロガイの弟子であるタンダの姪、カヤが突然眠りから覚めなくなります。カヤの眠り続ける原因を探るタンダは、花番の罠に引っ掛かり、恐ろしい化け者の体にされてしまいます。バルサはタンダを救うべく花守りと死闘を繰り広げます。
夢の世界は誰でも心地よく、覚めないで欲しいと思うけれど、いつまでもその世界にいるわけにはいかない。人生の先を見てしまい空しさに囚われてしまうと魂は、時に抜け出して異世界を彷徨 -
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作家で文化人類学者の上橋菜穂子氏と、獣医師で釧路湿原野生生物保護センターの猛禽類研究所で、絶滅危惧種の猛禽類と向き合いながら環境保全活動もしている齊藤慶輔氏がNHKの番組で対談したものと、お互いに聞かれたことの答えを文章にしたもので構成されている。番組の対談は、第1章の前に上橋氏が釧路を訪ねたもの。第4章の後に、齊藤氏が上橋氏の書斎を訪ねたものになり、1章は、どうやって物語を書いていくのか?2章は、なぜ治したいのか?3章は、鳥の目線で描く事、4章は、二つの世界の境界線で。となっている。
どんなに困難でも逃げるという道はとれず、今いる目の前の者に精一杯答える事しか選択できない。今、溢れている水を -
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◆王の奸計により父を殺された少女バルサと、暗殺者の魔の手から親友の娘バルサを救ったがゆえに反逆者の汚名を着ることになったジグロ。ふたりは故国を捨て、酒場や隊商の用心棒をしながら執拗な追っ手をかわし流れ歩く。その時々に出会った人々もまた、それぞれの過去を抱えて流れ行く者たちであった。
地に足のついた里の暮らしと、そこからはみだしてしまった者の悲しみを描く「浮き籾」
バルサがラフラ〈賭事師〉の老女と出会い、その生き様を目にする「ラフラ〈賭事師〉」
護衛士暮らしの中でバルサが初めて命のやりとりをする「流れ行く者」
幼いタンダの思いに心温まる「寒のふるまい」
の四編を収録。
バルサが、そし -
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なんてこと!
最後のブックリストをみていて、萩原規子さんとごっちゃにしていたことにようやく気付いた。
私、この人の本、読んだことないんじゃあ。
話題の上橋さんの「夢見る夢子ちゃん」になった背景と作家までの驚きの道のりが語られる。
おばあちゃんの語ってくれる昔話。
歴史、考古学への興味と文化人類学のフィールドワーク。
「その道を究めたら、どんな答えが待っているかもわからないまま、ただ、目の前の問いと一心に向き合い、学ぼうとする人間がいる。」こんな人に惹かれるというけれど、すでにあなたもですから!
子どもにもわかりやすく書かれているので、ぜひウチのチビちゃんにも読んでほしい。
「経験は大切で