上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 守り人シリーズ電子版 1.精霊の守り人

    Posted by ブクログ

    「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ。
    不幸がいくら、幸福がいくらあった。
    金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。」(246 ページ)

    自分で望んだわけではない運命。
    それでも、自分をいやおうなしに動かしてしまう、
    その大きななにか怒りを感じる小さな主人公。

    自分をとりまく世界が目まぐるしく変わる中、
    後悔や幸せを噛みしめながら、
    大人も子供も必死に、たくましく、
    もがいて生きぬいていく物語り。

    0
    2019年02月19日
  • 明日は、いずこの空の下

    Posted by ブクログ

     獣の奏者シリーズの上橋菜穂子さんのエッセイ集。アルスラーン戦記も、ロードス島戦記も食い入るように読み、ファンタジーの世界にどっぷりと浸かった記憶。小学校から中学校にかけて、本当にこんな小説がかけたらと、ノートに自分で小説を描き始めた。そんな記憶を改めて目覚めさせてくれたのが、獣の奏者シリーズだ。優しい文体、心地よいリズムと愛の物語。このファンタジーを生んだのは、異国の地で育んだ出会いと感性だったんだとわかる。作家というのは楽しい経験も悲しい経験も、作品を育てるための糧になる。だからこそ、海外を転々として、そこでの匂いや食事やありとあらゆる生活に目を向けているような気がする。
     上橋さんの幼少

    0
    2018年11月11日
  • 守り人シリーズ電子版 11.守り人短編集 流れ行く者

    Posted by ブクログ

    浮き籾とラフラはちょっとモヤッと感が残った。
    流れ行く者は切なくなった。
    最後の寒のふるまいでホッコリした。

    0
    2018年10月28日
  • バルサの食卓

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    バルサが、エリンが、小夜が食べた料理を再現!

    「守り人」シリーズと、「獣の奏者」シリーズは、中央アジアのイメージかと。料理もなんとなく。『狐笛のかなた』は日本ですから、なんとなくイメージできる味。物語に出てくる料理の再現には、夢がある。〈タンダの山菜鍋〉が一番食べてみたいです。

    0
    2018年08月19日
  • 月の森に、カミよ眠れ

    Posted by ブクログ

    私の好きな、上橋菜穂子作品の「らしさ」が織り込まれている世界観。他の作品と比べれば確かにやや読みづらいところもあるが、初期作品ということで、納得できる。

    実際、民俗学などをより理解できていれば、さらにこの作品を読み解くヒントになり得るのかもしれないが、そう言った知識がなくとも、まるで実際に語りかけられているように読み進めることができた。

    この話自体はある程度もととなる話はありつつも、資料の少なさなどから、フィクションで肉付けられた部分が多いとのことだが、「この話、柳田国男あたりが伝承として書いてなかったっけ」なんて思ってしまうようなリアルさがある。

    それは、(その数少ない資料を読み込んだ

    0
    2018年06月11日
  • 精霊の木

    Posted by ブクログ

    守人シリーズでもおなじみの筆者のデビュー作。未来の宇宙開発の中で滅ぼされた民族。その子孫に超能力が目覚めたことで民族の過去が明らかになる。筆者が着想を得たという、老人と少女の会話のシーンは、物語の中核となるたけでなく、その後の作品の世界観や設定にも繋がったかと思うと何度も読んでしまう

    0
    2018年05月20日
  • バルサの食卓

    Posted by ブクログ

    どれもこれも、とっても美味しそう!
    会社からの帰りの電車で、空腹状態で読んだものだから、お腹がぐうぐう鳴りそうになった(^_^;)

    どれも素材の味を生かして、シンプルな味付けなので、健康にも良さそう。

    0
    2018年03月13日
  • 物語ること、生きること

    Posted by ブクログ

    「精霊の守り人」シリーズなどで有名な上橋菜穂子さんの、自伝的なエッセイ集。インタビューをベースにまとめたこともあり、とても読みやすく、そしてとても生き生きと女史が語っている姿を感じられる構成になっているので、とても好感を持てた。
    作家になる、という事を超えて、夢を持ちつつも踏み出すのを躊躇してしまう思春期の子たちに読んで欲しい一冊。

    0
    2018年01月29日
  • 明日は、いずこの空の下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上橋さんのエッセイなので、読みやすくて面白いです。
    お母様との海外旅行の思い出が素敵です。ここまでの親孝行ができる娘さんってなかなかいないと思います。見習わねば!
    表紙はお父様の絵で飾られ、家族の絆を感じられる一冊です。

    0
    2017年09月17日
  • 物語ること、生きること

    Posted by ブクログ

    小中学生児童が読むべきですね。振り返って伝えたい言葉。伝わらない言葉。この歳だから激しく共鳴出来るんだけどね。。児童の1人でも刺激になれば。。

    0
    2017年08月30日
  • 守り人シリーズ電子版 3.夢の守り人

    Posted by ブクログ

    先の精霊の守り人で登場した大呪術師トロガイの秘密がこの巻で明かされます。52年前のトロガイの娘時代に遡り、何故呪術師となったのかが語られるのですが…
    バルサがユグノという素晴らしく声の良い歌い手と出会った頃、トロガイの弟子であるタンダの姪、カヤが突然眠りから覚めなくなります。カヤの眠り続ける原因を探るタンダは、花番の罠に引っ掛かり、恐ろしい化け者の体にされてしまいます。バルサはタンダを救うべく花守りと死闘を繰り広げます。
    夢の世界は誰でも心地よく、覚めないで欲しいと思うけれど、いつまでもその世界にいるわけにはいかない。人生の先を見てしまい空しさに囚われてしまうと魂は、時に抜け出して異世界を彷徨

    0
    2017年07月08日
  • 青い鳥文庫版 (総ルビ)獣の奏者(5)

    Posted by ブクログ

    エリン30歳。
    前作から11年が経ち、新たな物語が始まった感じ。
    しかし、エリンはよく生き延びてるなぁ。

    0
    2017年06月25日
  • 守り人シリーズ電子版 炎路を行く者

    Posted by ブクログ

    ヒュウゴが何故、祖国を滅ぼした敵国の軍に入ったのか。
    そして同じく15くらいの頃のバルサがどうだったのか。
    切ないけれど、考えさせられるし力づけられるし、微笑ましいところもあるし、素敵な話でした。

    0
    2017年06月09日
  • 月の森に、カミよ眠れ

    Posted by ブクログ

    人間と自然と神と。密接な関係があった頃の話。
    言いたいことは分かるけど、なんかすりガラス越しに見てるようで、いろいろイライラした。
    ラストのおばあちゃん2人は良かった、ような。

    0
    2017年04月23日
  • 守り人シリーズ電子版 4.虚空の旅人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     この本は最初、守り人シリーズの外伝という形でしたので、旅人という題名になっています。
     そして、主人公もチャグムという事でしたが、とっても面白かったです。
     新ヨゴ王国での皇太子という立場で、様々な物事に対応していくチャグムと、その内面にある本心のチャグムが如実に描かれていて、すごく共感を覚えました。
     確かに舞台は作り物の王国であり、ありえない世界ですが、人間模様はどこにでもある現実で、それが大人も楽しめる由来になっていると思います。
     どんどん精神的にも強く成長していくチャグムの今後がとっても楽しみです。

    0
    2017年03月28日
  • 命の意味 命のしるし

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    対談。動物。野生。NHK。
    野生の動物を診る獣医師・齊藤慶輔さんと、作家の上橋菜穂子さんの対談。
    共感する力が強い人は、自分から自分を切り離して見れる人なのかもな。あと、個人的にこの文言を今このタイミングで目にすることになるのか、っていうところがあって、読む時期が違えばまったく目に入ってこなかったろうにと不思議な思い。

    0
    2017年03月17日
  • 命の意味 命のしるし

    Posted by ブクログ

    作家で文化人類学者の上橋菜穂子氏と、獣医師で釧路湿原野生生物保護センターの猛禽類研究所で、絶滅危惧種の猛禽類と向き合いながら環境保全活動もしている齊藤慶輔氏がNHKの番組で対談したものと、お互いに聞かれたことの答えを文章にしたもので構成されている。番組の対談は、第1章の前に上橋氏が釧路を訪ねたもの。第4章の後に、齊藤氏が上橋氏の書斎を訪ねたものになり、1章は、どうやって物語を書いていくのか?2章は、なぜ治したいのか?3章は、鳥の目線で描く事、4章は、二つの世界の境界線で。となっている。
    どんなに困難でも逃げるという道はとれず、今いる目の前の者に精一杯答える事しか選択できない。今、溢れている水を

    0
    2017年02月19日
  • 守り人シリーズ電子版 11.守り人短編集 流れ行く者

    Posted by ブクログ

    ◆王の奸計により父を殺された少女バルサと、暗殺者の魔の手から親友の娘バルサを救ったがゆえに反逆者の汚名を着ることになったジグロ。ふたりは故国を捨て、酒場や隊商の用心棒をしながら執拗な追っ手をかわし流れ歩く。その時々に出会った人々もまた、それぞれの過去を抱えて流れ行く者たちであった。
     地に足のついた里の暮らしと、そこからはみだしてしまった者の悲しみを描く「浮き籾」
     バルサがラフラ〈賭事師〉の老女と出会い、その生き様を目にする「ラフラ〈賭事師〉」
     護衛士暮らしの中でバルサが初めて命のやりとりをする「流れ行く者」
     幼いタンダの思いに心温まる「寒のふるまい」
    の四編を収録。

     バルサが、そし

    0
    2016年12月13日
  • バルサの食卓

    Posted by ブクログ

    ◆バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。


    (^^)<Comment

    0
    2016年12月13日
  • 青い鳥文庫版 物語ること、生きること

    Posted by ブクログ

    なんてこと!
    最後のブックリストをみていて、萩原規子さんとごっちゃにしていたことにようやく気付いた。
    私、この人の本、読んだことないんじゃあ。

    話題の上橋さんの「夢見る夢子ちゃん」になった背景と作家までの驚きの道のりが語られる。
    おばあちゃんの語ってくれる昔話。
    歴史、考古学への興味と文化人類学のフィールドワーク。
    「その道を究めたら、どんな答えが待っているかもわからないまま、ただ、目の前の問いと一心に向き合い、学ぼうとする人間がいる。」こんな人に惹かれるというけれど、すでにあなたもですから!

    子どもにもわかりやすく書かれているので、ぜひウチのチビちゃんにも読んでほしい。

    「経験は大切で

    0
    2016年10月24日