上橋菜穂子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
3でよくわからなかった事情が4で整理された。
ファンタジーのジャンルだが、魔法の力で問題は解決しない。架空の世界で起きている出来事というだけで、内容は現実的である。
↓
以下ネタバレです
森へ入ってしまったヴァンを、ユナたちが探しに行くことが、唯一の希望。
ただ、意識障害(裏返る)が起こった直後にサエと出会うが「触れたら犬に戻れない(?)」とヴァンが感じたことが心配。だからユナ達に会えても、一緒に帰ることを拒否しそう。森の中でユナたちがヴァンを見つけても、もうそれはあのヴァンではなくなっているのではないか?黒狼病ウィルスによって引き起こされた意識障害と、まだ治っていない怪我のせいでヴァンの命が危ない。ヴァンは不思議な力で犬を導いているのではなく、ヴァンはただ「犬に好かれる人」「動物の心に寄り添えるのが上手な人」。
作中に出てくる抽象的な表現を言葉そのまま受け取って読んだらそれはそれで面白いファンタジーになるとは思う。しかし私は違う。
1から4まで読んで、作品の中に「神」だの「呪い」だの宗教的な言葉が出てきて
それで解決されたらただのおとぎ話じゃんか、と思っていた。しかしそれぞれに説明がついた。著者さんは文章の中でそのヒントをくれている。それに気づいた私はラッキーだ。そしてその事がこの作品のいいところだと思う。私は今まで宗教的な表現を受け入れるのが難しかった。でもそれだと面白みのない人間と思われやしないか?と思っていて最近の葛藤だった。しかしこの本を読んで、これからは他者や物語の中で宗教的な表現を使っても自分なりにそれらを現実の言葉で消化できるようになったと思う。それが今回の1番の学び。