上橋菜穂子のレビュー一覧

  • 守り人シリーズ電子版 3.夢の守り人

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    ネタバレ

    守り人シリーズ、3作目。
    これまでの2作と違い、そんなに血生臭い感じはしない。バルサの槍も今回はそんなに活躍しない。
    今回は、トロガイ師やタンダの生い立ちもわかってくる。
    これまでよりもっともっと異質な世界の幻想的なお話。
    正直なところ、私の想像力がついていかないところがあって、
    何度も頭の中に疑問符が浮かび、「えっと、で、この人は、何だっけ?どんな役目?」と、何度も立ち止まってしまっては、やはりよくわからず読み進め、そんなことを繰り返しているうちに読み終わってしまった感じ。

    夢に囚われて現実世界に魂が戻ってこない。そんな世界を描いているという捉え方は端的に言い過ぎだろうか。タンダは、夢の世

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    2022年06月13日
  • 明日は、いずこの空の下

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    文化人類学者で作家の上橋菜穂子氏のエッセー。十七歳の夏にイギリスに研修旅行に行ったのを皮切りに、世界の国々に出かけた経験のエッセー。語り口調が時に口語調になり、読んでいて楽しかった。

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    2022年06月03日
  • 守り人シリーズ電子版 1.精霊の守り人

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    ネタバレ

    ずっと気にはなっていたけれど、シリーズの多さに身構えてしまい、それとなく読むことを避けていた作品。でもついに、上橋さんの「鹿の王」と「狐笛・・・」を読んで、手を出すことになってしまった。私にとっても長い旅になりそう(笑)

     端的に言って、素晴らしいファンタジーだった。これまで読んだ2作品よりも、よりファンタジーだったと私は思った。すごい世界観。圧倒的な世界観。この世界観とストーリー展開の完成度は言わずもがなだと思うけれど、物語の端々で人間の機微が巧みに表現されていたり、人間世界の真理をつく表現があったり、はっとさせられることが多かった。この世のものでないものの卵を勝手に宿され、運命に翻弄され

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    2022年05月31日
  • 隣のアボリジニ――小さな町に暮らす先住民

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    上橋さんの描く物語の文化の繊細さや作り込みの奥深さは、こうした異文化との交流の経験とそれに基づいたリスペクトがあるからこそ、生まれているのだと感じた

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    2022年03月01日
  • 鹿の王 3

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    ネタバレ

    まだ病気を神の仕業だと信じている人たちのいる世界。
    キンマの犬を操る〈犬の王〉が登場したり、ヴァンとホッサルが同じ場所にいたり、登場人物たちが関わりを持ってくる。
    ツォル帝国に支配されて住む場所を無理やり変えられた移民族やそれを差別する土着の人びと。その悲哀が毒麦とキンマの犬を生んだことがわかる。
    黒狼病も民族によって罹り方が違ったり、キンマの犬→人間とダニ→人間で薬の効きが違ったり、描写が細かい。

    この巻は他にヴァンとサエの距離が縮まったのが面白かった。

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    2022年02月15日
  • バルサの食卓

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    2年位、ズート持ち歩いた一冊です。
    電車に乗るたびに開いては、ワープしてバルサの世界へ、パスポート?
    匂いまで嗅げるような本です。

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    2021年10月02日
  • 獣の奏者 全5冊合本版

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    獣の奏者

    子供の頃、アニメ版を見ていたのでいつか本も読んでみたいと思いながらなかなか読めずにいましたが、5冊合本版の電子書籍があると知り、即購入しました!
    子供の頃に理解出来なかった事が理解できたり、
    違う捉え方ができたりと、楽しく読ませていただきました。
    中々また読みたい!と思える本に出会ったことはありませんが、獣の奏者は定期的に読み返したいです

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    2021年08月18日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    お母様の晩年の過ごされ方とその支援をなさる上橋菜穂子さん、生物としてのヒトの生死にまつわる内容を語られる医師、おふたりの往復書簡。文章が美しく内容は興味深い。

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    2021年08月12日
  • 鹿の王【全4冊 合本版】

    ネタバレ 購入済み

    なんとなく読んでしまう小説です

    上橋菜穂子さんの作品に慣れている方であれば面白く感じると思います。
    主人公であるヴァンの虚無と悲哀から始まり、身内となりえる人たちとの交流。
    そしてヴァンが各地をさすらう根幹となる、黒狼熱という病魔がどうして生じたのか…
    誰も望んでいなかったのに、侵略と支配の歴史が人々に変革を求め、病魔が生まれてしまう偶然と必然。
    タイトルの鹿の王も、分かりやすいヒロイズムに対してのアンチテーゼを問いかけている印象です。
    物語の面白さという意味では、私は「精霊の守り人」や「獣の奏者」の方が好きです。
    なので、上橋さんの作品に慣れていない方には本小説はあまりお勧め出来ないです。
    ただ、その辺の表現

    #切ない #深い

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    2021年08月09日
  • 風と行く者

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    ジグロの生きてる今を読めるとは思いもよらずで!児童文学のカテゴリーから外れて生き生きと描写されるジグロ。なんだこれ最高。道中サリに話しかけられた時も用心棒としてまっすぐ前をみて会話を続けるジグロ。なんだこれ最高すぎる。

    上橋さん片っ端から読みたい熱

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    2021年08月07日
  • 風と行く者

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    ひさしぶりのバルサとの旅でした。追憶の中で、バルサとジグロの短槍が、手練れの襲撃者から仲間を守ります。切れのある戦闘シーンと、情緒豊かな風景、そして愛情に満ちた物語。懐かしい気持ちで楽しく読みました。

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    2021年06月26日
  • 守り人シリーズ電子版 7.蒼路の旅人

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    いよいよクライマックスに近づいてきた感じがしてワクワクする。
    バルサが登場してなくても、しっかりバルサの存在がある不思議。
    次は長編なので、一気読みだろうけど、終わっちゃう寂しさもあり、なかなか手を出せずにいる

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    2021年03月26日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    守り人シリーズの作者の飾らない語り口と 医師として向き合う津田氏の誠実さが、伝わる往復書簡

    もう一度 読み返して考えたい

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    2020年12月27日
  • 隣のアボリジニ――小さな町に暮らす先住民

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    現代社会では、アボリジニは隣で暮らしていて、それでいてカンガルーのしっぽを食べているかもしれない・・・ということを描いている。

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    2020年12月14日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    蓑虫の雌の生態は、悲劇なのだろうか・・・。女性である上橋さんはふと考える。昆虫が4億年かけて選択したかたちが、あの生態なのだと考えたら?上橋さんにそう語りかける津田先生は優しい。
    患者の看取りを重ねてきた津田先生と、向こう側とこちら側を考える上橋さん。なぜ人は死を恐れ、受け入れ難いのか。
    答えのない会話を、往復書簡という形で応酬する。
    それは対談よりも、もう少し考える時間がある。そして、相手の文章を何度も読み返して返事をかける。
    それでも話が噛み合わなかったり、お互いの興味に流れたりして一貫性がないことも多かった。
    それでも、ここには考える種が多く残っている。ラインをつけて、後からもう一度読ん

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    2020年12月10日
  • 明日は、いずこの空の下

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    上橋菜穂子さんの文章はほんとうに読みやすくて、スルスル読めちゃう。
    いったい何が?と考えてもはっきり言えないけど、情景や気持ちの描き方が分かり易くて、頭に思い浮かべやすい言葉だからだろうか。
    様々な土地を旅したお話のエッセイ集で、どれもとても楽しめました。

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    2020年11月01日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    死生観のみならず、二人の往復書簡の話題は多岐に富む。年長者で作家である上橋氏は勿論、津田医師が実に泰然自若とした雰囲気を感じさせる。

    掛かり付けの医師を持つならこういった方になって貰いたい。

    これからの読書の秋の夜長に味わいつつ読むのにオススメ。

    丸善京都本店にて購入。

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    2020年10月09日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    『守り人』シリーズや『鹿の王』の作者として知られる上橋菜穂子さんと、聖路加国際病院の医師である津田篤太郎さんとの往復書簡。上橋菜穂子ファンとしては、物語の背景となる作者の思想を知ることができる貴重な本です。

    タイトルに「生と死を巡る対話」とあるように、人間の生と死や身体について、文学、医学はもちろん、生物学、文化人類学、社会学といった多様な視点から、二人が自由に語っています。織りなされる二人の対話の中から、ふと心に残る文章やフレーズが出てきて、自分の死生観が改めて問い直されるのを感じました。

    特に、「人の心は生きたいと願う一方で、身体は時が来れば崩壊するよう促してくる。生まれた瞬間から、私

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    2020年09月14日
  • 守り人シリーズ電子版 2.闇の守り人

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    ネタバレ

    独特の世界観。アニメは登場人物を増やし、ジャグムらの成長を丁寧に描いている。日本にもこのようなファンタジー作家がいると感動。ちょっと突っ込んでみるかな。

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    2020年09月13日
  • ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

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    2015年1月、上橋菜穂子さんの母親の肺ガン罹病がわかります。その後の数ヶ月間は、娘はありとあらゆる手立てを尽くしてかけがえなのない生命を救おうとしますが、80代の身体とは思えないほど進行は速く、半年ほどして彼女は絶望の縁に立ちます。その時に出会った漢方医学の津田医師との、お互い看護と治療をしながら、母親の最期を看取りながらの往復書簡の内容です。

    テーマは必然「生と死を巡る対話」となりますが、お互いの教養の広さと深さを知った上での対話は、人類学から生物学を踏まえた哲学的思考、或いは古典音楽からAIの話題まで縦横に語られます。

    わたしも、父親の死を看取ることで、その時は少したいへんでしたがそ

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    2020年09月12日