上橋菜穂子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
うーん、特殊な読み方をする造語が多くて混乱する!笑
国同士の関係や相関図など、新しい言葉や人物が出てくるたびに一旦頭の中で整理してからでないと、読み進めていくうちにこんがらがってくる。
でも、剣や魔法が出てくる西洋風の王道ファンタジーも好きですが、こういう国や人の名前が漢字だったりする世界観も違った魅力があって良い。
冒険ものではなく、「黒狼病」という謎の疫病の流行が題材となっていて、主人公のヴァン視点と医術師のホッサル視点が切り替わりながら進むので、いつ2人が出会うのか、出会ったら敵対するのか手を組むのか、緊迫感もありつつ楽しみです。
ファンタジーで主人公が40代というのもなんかいい。
他の作品だと10代、20代がメインなことが多いと思うので。
大人なだけあって落ち着いていて、ユナの面倒を見ているときのヴァンが本当にお父さんみたい。
全4巻のうちの1巻目。
まだまだ物語の導入部分だろうし、今後どんなふうに話が進むのか全く展開が読めないけれど、ヴァンもユナも幸せであってくれたらいいな。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い。
初めて本格的なファンタジーを手に取った。それも、ファンタジーは私たちが暮らす世界とは、無縁のような世界であり、文字を読み、想像するのが難しいのでは無いかと考えていたため、なかなか手を出せずにいた。しかし、それは大きな間違いであって、本書はスラスラと世界が頭の中で作られる。主人公であるエリンの心情や、彼女が観る世界の情景が私にも共有されて、普段ならば体感し得ない経験を積ませてくれる。
エリンの素性は複雑で、明かされることも多いがまだまだ秘められたことも多い。それは彼女も同じように感じているため、読者である私とエリンの情報の格差はなく、その点も彼女に心を預ける手助けをしている。
個人的には、ジョウンとの別れがあっさりであったことが悲しかった。ただ、その形にも二人らしさを感じる。エリンはエリンで、ジョウンに対しての気持ちは並大抵のそれより大きいが、上手く伝える術を知らずに、それらは終わった後の涙に変えられる。ジョウンは、エリンに対して娘のような(実際に娘だと思う! )気持ちを抱き、彼女の未来を思うがために、あっさりとした別れを選択したのだと思う。こういう別れだからこそ、再び顔を合わせてほしいけど、そう上手くいくかわからないところも、二人の関係の尊さを表している。
中盤の琴造りに夢中になる描写って必要になるのかなと思っていた矢先の、この終わり方であったため(後から思えば奏者なんだから必要に決まってる)、とにかくワクワクさせられ、早く続きを読みたい気持ちでいっぱい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ岩塩鉱で謎の病が発生し、ほとんどの人が亡くなる壊滅状態の中、生き残った奴隷のヴァンと孤児のユナ。怪我をしているところを助けられ、彼らを故郷オキに連れて行くトマと、オキにいる家族たち。一方で、岩塩鉱の病を調査し、逃げた奴隷ヴァンを追う医師ホッサルと従者マコウカン。全く架空の話ながら、世界のどこかにそんな場所がありそうな設定で、世界観が掴めてくると徐々に引き込まれた。ファンタジーは久々に読んだが、王国の統治の歴史にまつわる争いや、人々の貧富の差、また黒狼病の行方など、重めのテーマも扱っており、読み応えがありそうと感じた。タイトルの鹿は、おそらく飛鹿のことだと思うが、王とは鹿自身のことを指すのか、それとも元飛鹿乗りのヴァンが関係してくるのか、全貌がまだまだ見えないので、引き続き読み進めたい。
-
Posted by ブクログ
ネタバレトマの故郷で飛鹿の繁殖を手伝うようになったヴァンとユナ。一方、鷹狩りの最中に山犬が襲来し、噛まれて黒狼熱になった者たちを治療するホッサル。1巻の終わりに山犬の襲来があってから、一気に物語が動きはじめた感があり、すいすい読み進められた。黒狼熱が人為的に起こされたものではないか、という方向に話が進み、国同士の主従関係やわだかまりが絡んでくる様相を見せるなど、一筋縄で行かなそうなストーリーが面白い。また、かつての東洋医学と西洋医学を思わせるような国ごとの医療の考え方の違いなど、細かい設定ながらも考えさせる部分もあり、続きも早く読みたい。