伯林蝋人形館

伯林蝋人形館

764円 (税込)

3pt

あらゆる文化ジャンルが爛熟を極めたドイツ〈黄金の1920年代〉を背景に、6人の男女の人生模様が交錯する!

第1次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化は爛熟を深めてゆく。映画界では「カリガリ博士」に続きフリッツ・ラングやフリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウらの〈光と影の芸術〉が花開き、表現主義建築が人々を驚かせ、演劇界ではブレヒトが独自の理論を引っさげて彗星のごとく登場する。

元プロイセン貴族の士官で戦後はベルリンでジゴロとして無為に生きるアルトゥール――彼を巡って紡がれた、視点の異なる6つの物語の中に、ナチス台頭直前の1920年代のドイツの幻影と現実が描かれる壮大な歴史絵巻。

解説・瀬川裕司

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伯林蝋人形館 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年11月19日

    感想を書き忘れていたことに気が付いて驚いている。本書は現在わたしが皆川作品の中で最も愛読しているものであり、幻想に踏み出すわたしの危なっかしい一歩を、整然とした理論の上に支える一冊である。熟慮と練達の上に描かれる風景は生々しく、すべてが明かされるラストには思わずあっと言わされる。すべてが偽りである可...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年11月06日

    複数の登場人物の視点による短編から成る一つの物語。
    解説の方が作ってくれた年表が、とても役立ちました。
    舞台は、第一次大戦後のドイツ。
    そんな混沌の時代に生きる、6人の男女。
    それぞれの思惑は当然違うから、読んでいて混乱する。
    久々に頭を使いました。
    皆川博子は、やっぱり凄い。

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    Posted by ブクログ 2011年11月04日

    再読。

    錯綜する時間と、人の心。
    一章、二章と読み進めるうちに、得体の知れない沼の中に入り込んでしまう感覚。
    どれが現実で、どれが夢なのか分からなくなるのだ。
    それでいて、第一次世界大戦前後の生々しくも凄惨な戦争や、庶民の日々の暮らしの描写は的確。
    読者は当時のベルリンの倦みを孕んだ熱気に身を浸し...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年03月09日

    二大大戦の狭間の時代。

    あまりに甘美で退廃的。
    六人の語り手が織り成す物語は、最後にひとつの物語として完成します。

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    Posted by ブクログ 2010年01月18日

    果たしてこれはまったい幻想小説なのか、それとも小説の内なる史実を忠実に描写しているのか…?
    特に読み始めの頃は、その構造の複雑さに多くの読者は戸惑うことだろうと思う。
    別々のものにしか見えなかった物語たちがページを追うごとに徐々に繋がり、絡み合っていき、あたかも、観察者にいくつもの異なる顔を見せ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年11月07日

    おどろおどろしく、細部までつまったストーリーにひきこまれました。
    皆川博子ファンになったキッカケの1冊。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    単行本も持っていますが、文庫も買いました。
    解説に年表が載っていて、とても詳しいです。
    皆川先生大好き。

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    Posted by ブクログ 2010年08月03日

    6つの視点から描かれる1つの物語。

    さまざまな視点から描かれているので最初は手探り状態。なのでなかなか読み進めづらかった。でも他の視点と重なっている部分が出てくると、物語の輪郭が見えてくる。

    退廃的でほの暗く、それでいて激動的なストーリーが魅力的。
    すべてを知ったあとで、もう一度読みたくなる作品...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年06月07日

     大きい本を既に読んでたけど文庫購入。
     幻想的な短編小説と、意味ありげな解説の繰り返しを、初めは手探りで読んでいくことになるんですが、お話の終盤、次第に全体像が見えだしてからのスピード感というか盛り上がりというか(読んでる自分の)

     「これってこことつながって?」「ああっ!この人は」「このシーン...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年05月09日

    1920年代のドイツ、ベルリンが舞台。混沌とした時代を生きる男女6人。それぞれの目線からなる幻想的な短編と、付随する作者略歴で構成されている。幻想と現実を行ったり来たりしながら徐々に全体像が見えてくるのが絶妙。内容は少し複雑だったが相変わらずの美しい文章と世界観だった。

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