蛇を踏む

蛇を踏む

468円 (税込)

2pt

藪の中で踏んでしまった蛇が女になり、わたしの部屋に棲みついた。夜うちに帰ると「あなたのお母さんよ」と料理を作り、ビールを冷やして待っている──「蛇を踏む」。うちの家族はよく消えるが、上の兄が縁組した家族はよく縮む──「消える」。背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった──「惜夜記(あたらよき)」。神話の骨太な想像力とおとぎ話のあどけない官能性を持った川上弘美の魅力を、初期作ならではの濃さで堪能できる、極上の「うそばなし」3篇。

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蛇を踏む のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月18日

    数珠屋に勤める女性の、店主たちとの何気ない日々が描かれている。だが、私たちの世界とはちょっとだけ違う。この物語の世界では、蛇が人になるのだ。そして、そのことを誰も不思議がらない。読んでいて、とても不思議な気持ちになった。

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    Posted by ブクログ 2022年04月15日

    蛇になっていきそうになる様がまさにそうなんだろうなあと思った。あり得ないことをあり得るように書くのがやはり川上弘美は上手。ため息と百合の枯れる匂いがするような「うそばなし」にどっぷり引き込まれていきました。川上弘美は他の作品もものすごくいいので、これが読みづらかった方には「古道具中野商店」なんかが読...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年10月10日

    通常のあやかしものには主人公と異類をつなぐ何かがある たとえば大祖父は天狗だった みたいな。
    だけど川上さんのにはそれはない。蛇を踏んだのが始まりとはいえ、扉を開けるほどのきっかけでない
    きりがない感じ、がたとえ物語が終わろうともゆるく続いていく

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    Posted by ブクログ 2019年10月20日

    気持ちが悪いけど、気持ちがいい。
    うそだけど、ほんとうでもある。

    みて見ぬふりをする、ぬるさに居心地の悪さも良さも感じてしまう、どこか他人事ではいられない。意志なんてものは脆弱である。もっともっとと甘い蜜が欲しくなるのと同じで。

    物語に引き込まれてしまいそうで怖いのに、文章と溶け合って漂う感覚が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月19日

    全く異世界のお話しのようでもあり、現実世界のお話しでもあるような、これが川上弘美ワールドなのか?
    最初に「竜宮」を読んだので、同じ世界観として読んだ。
    文章はとても読みやすい。想像するのが楽しい。
    この感じだと「センセイの鞄」はどんな雰囲気になるのか。

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    Posted by ブクログ 2023年09月25日

    捉えどころが分からない世界観なのですが、読んでて自分でどう解釈するのか、考えさせられた作品でした。著者のあとがきに描いてあった「うそばなし」。自分の書く小説のことひそかにそう呼んでいることも少しユニークで、とても、著者の
    明るさが伝わってきました。「蛇を踏む」は、主人公が公園で蛇を踏んでしまい、家に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月05日

    大学の授業で指示されて購入し、読みました。川上弘美さんの小説を読むのは初めてでしたが、始まりの一文から惹きつけられた特別な1冊。「蛇を踏む」の小説内に出てくるごはんのシーンがたまらなく好き。等身大に生活感があって、出てくる料理は派手でもおしゃれでもないんだけど、実家のような安心感があってたまらない。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年06月16日

    三作の短編。
    「蛇を踏んでしまった。」
    「最近よく消える。」
    「夜が少しばかり食い込んでいるのだった。」
    冒頭から『⁉️』と鷲掴みにされる。
    そして淡々と不可思議なことを語られ、粛々と物語が進んでいく。
    ファンタジーというには謎展開すぎて、お伽話のような感覚。

    話の中に教示や諫言を見つけられなかっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月12日

    愛してやまない川上弘美の世界。
    このかたが生み出す世界は現実や意味(理性)の世界と自由に結びついたり解けたり、誰も知らない結び付き方を表したり、あらゆる境界をぼかしながら私たちを驚かせる。それは日本古来の妖怪譚のような、幻想文学のような、不条理文学のような趣きを持ちつつ現代に現れた作者独自の世界であ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月14日

    【2022年56冊目】
    作者いわく「うそばなし」が詰まった三篇。タイトルの「蛇を踏む」は終始さっぱり意味がわからなくて、最後まで狐につままれたような心情で読み切りました。

    「消える」も不思議な話ではありましたが、雰囲気的にはこちらの方が好みでした。

    「惜夜記」はさらに短いうそばなしが細切れに詰ま...続きを読む

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