作品一覧 2023/02/24更新 Web新小説 試し読み フォロー 皇軍兵士の日常生活 試し読み フォロー 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡 試し読み フォロー 戦場に舞ったビラ 伝単で読み直す太平洋戦争 試し読み フォロー 東條英機 「独裁者」を演じた男 試し読み フォロー 特攻隊員の現実 試し読み フォロー 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る 試し読み フォロー 飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道 試し読み フォロー 故郷はなぜ兵士を殺したか 試し読み フォロー 米軍が恐れた「卑怯な日本軍」 帝国陸軍戦法マニュアルのすべて 試し読み フォロー 明治・大正・昭和 軍隊マニュアル~人はなぜ戦場へ行ったのか~ 試し読み フォロー 1~11件目 / 11件<<<1・・・・・・・・・>>> 一ノ瀬俊也の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る 一ノ瀬俊也 米軍の対日心理戦研究 ご先祖様たちのご苦労を知り、米軍報告書の研究の指摘はそのまま今の日本人や私自身にもあまりにも当てはまるので受け止めなくてはいけないと思います。 「日本人の特徴」「日本人の人種的起源」について 「彼らが信じている人種的純血性とは異なり、実際は少なくとも4つの基本的人種の混血で...続きを読むある。マレーから来たマレー系、華北から来たモンゴル系、朝鮮から来た満州朝鮮系、そしてアイヌのような日本固有の部族」と述べている。 戦士としての日本兵 規律はおおむね良好であり、特に戦友が周囲にいたり地の利を得ている時には大胆かつ勇敢である。確かに勝っている時は勇敢だが、予想していないことに直面したり、追い込まれるとパニックに陥る。 日本軍と互角にぶつかった場合、特に頑強な相手とは見ていなかった。追い詰められ、苦境に立つといつもパニックに陥り、恐怖を示した。 日本軍はすぐ混乱に陥る。手榴弾を投げるふりをしただけでバラバラになって逃げ去ってしまい小銃の良い的となる。 個人射撃は下手だが、集団射撃、すなわち上官の命令による一斉射撃は良好 集団戦法が得意 格闘戦では我々の敵ではない。1対1の格闘に弱い。 英軍も日本兵は精神的に弱いという評価 日本軍の虚を衝くと奴らは全然戦う準備などしていない。奇襲するとパニックに陥り、叫び逃げる。射撃して可能な限り速やかに 一掃すべきである。しかし日本兵がひとたび立ち止まると臆病ではなくむしろ勇気ある戦士となる。 将校を倒すと部下は自分では考えられなくなるようでちりぢりになって逃げてしまう。 日本の銃剣率は単純な突きばかり 銃剣戦でも直突、突きばかりを用い、殴るなどの技を知らなかったりで、弱い。 日本兵でも都会と田舎では相当かの文化的格差があり、都会の日本兵は映画の影響などで相当 親米であった。 靖国に関しても同じであったが、一方で皆降伏したり捕虜になったら、祖国には戻れないと信じている。 個人的には、日本兵は頭脳と自分で考える力を考慮に入れる限り、3流の兵隊だと思う。 日本軍兵士は敵アメリカと戦うための明確な大義を自分で考え、敵を激しく憎むことができなかったことになる。 また、次の日本兵たちの態度に奇異な印象を示していた。 日本兵は互いに愛情を持たない。例えばあるトラック中隊は上級将校の命令がない限りよその中隊を手伝おうとしない。トラックの仕事がないとのらくろ している。 捕虜たちは捕まったら、生まれ故郷の人々に対して終生の恥であると思っていた。 逆に言うと生まれ故郷以外なら元捕虜の汚名を背負っても何とか生きていけるだろうという打算をを働かせる者もいたのである。 日本兵捕虜たちは厚遇するとすぐ協力的になった。 日本軍の司令官が出した膨大な命令は、彼ら自身が、大部分を占める単純な田舎者の兵隊は、連合軍の尋問がうまく乗せれば、喜んで何でも喋ってしまうことを十分認識していることの証である。 と分析されています。 日本陸軍が宗教精神とはほぼ無縁の軍隊だったことが米国人の眼には奇異に映ったのだろう。日本人はあまり意識しないことだが、日本軍ほど宗教性の薄い軍隊は世界的に見ると実は異質な存在なのかもしれない。 死ぬまで戦えという軍の教えを自ら実行した人には実に丁重だが、生きて苦しんでいる傷病者への待遇を劣悪で撤退時には敵の捕虜にならないよう自決を強要している。もはや戦果よりも戦死それ自体が目的化しているかのようである。日本兵にとって戦友の命は軽いものだと米軍は判断した。 日本兵たちの生と死をめぐる心性を「天皇や大義のために死を誓っていた」などと容易かつ単純に理解することはできない。米軍の監察によれば 中には親米の者、待遇に不満を抱き、戦争に倦んでいる者もいたからである。その多くは幸福を許されず最後まで戦ったが、捕虜となったものは米軍に「貸し借り」にこだわる心性を見抜かれて、あるいは自分がいかに役に立つかを示そうとして、己の知る 軍事情報を洗いざらい喋ってしまった。 日本兵は病気になってもろくな待遇を受けられず内心不満や病への不安を抱えていた。戦死した者のみを大切に扱うという日本軍の精神的風土が背景にあり、捕虜たちの証言はそれへの怨恨に満ちていた。これで戦争に勝つのは難しいことだろう。にもかかわらず兵士たちが宗教や麻薬に救いを求めることはないか、あっても少なかった。それがなぜなのかは 今後の課題とせざるを得ない。 日本陸軍は機械に支えられた人間の軍隊であり、 我々は戦闘機械を用いる軍隊である。このことが 両者の明確な違いであり、軍事に関する日本のあらゆる言説がこれを実証している。 「機械力」「火力」で叩きのめされて士気は著しく低下した。日米では「戦争」に対する理解が根本的に違っていた。次元の違う米軍の「物的戦力に臆して」いたのである。 戦争後半のアジア太平洋戦線は悲惨な全滅、玉砕戦の印象が強く、それは決して間違っていない。 日本陸軍の戦法は米軍の阻止という目的に限って言えば合理的と言えなくもない。将校不足という現実に対処するため、兵を切り込みに投入したり、精神論を振りかざすのも、勝つ、あるいは負けないために、他に取るべき手段がないのなら合理的ではないだろうか。 洞窟戦法など、様々な日本軍の戦法を「非合理的」「ファナティック」とはなから決めつけるのは正しい歴史の理解だろうか、当時の日本軍にとってはかなり「合理的」な7戦略」だったのだとも言える。 むろん、日本陸軍の非合理性を否定することとそれを正当化、賛美することとは全く別の話である。戦争指導者たちが狭い意味での合理性を追求してこの戦争は必勝だと自分で自分に言い聞かせるために普通の日本兵たちの人命が惜しげもなく犠牲に供された事実は改めて強調しておかねばならない。 米軍により 「日本軍将校にとっては体面と志操の維持が最も重要であり、それへ空想的な英雄気取りとなりがちである」との指摘がある。 Posted by ブクログ 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡 一ノ瀬俊也 戦艦大和と武蔵。姉妹艦それぞれの劇的な最期。対象的な戦後の描かれ方。珍しく二番艦の立場にスポットを照らし戦後ニッポンの戦争感を描く。 戦艦武蔵は大和に比べ、出番も少なければどうしようもなく悲劇的な描かれ方が多い。 単に時代遅れの大艦巨砲主義という見方だけでなく、開発の経緯、戦後ニッポンへの技術貢...続きを読む献なと多角的な視点から検証している。 戦後多く出版された書物のスタンスの比較は圧巻。 また証言における作為、歴史の事実についての難しさを感じる。 Posted by ブクログ 東條英機 「独裁者」を演じた男 一ノ瀬俊也 2020/12/13東條英機 1.戦略なきオペレーション 東條英機に大局から構想する器はなかった。 それは本来は永田軍務局長がその役割を担う 暗殺されて全てが狂ってしまった。 戦略なきオペレーション屋のみの悲劇 2.反知性 東條英機はインテリ層に受けないので大衆層の受けを狙った。 その点では反知性と...続きを読む言える現代の安倍・菅総理に似ている。 3.政治家不信 (1)近衛文麿公は軽挙妄動、面倒になると逃げる 蒋介石問題、大政翼賛会、三国同盟、南部仏印進駐 近衛内閣総辞職は敵前逃亡! (2)蒋介石を相手にせず 日中戦争が間違いとしても今さら後戻りはできない 中国撤兵はありえない 9月6日御前会議を無効ー責任を辞職 4.43年資源の制約 軍事か、生産か? 米国の戦意は低いと言う根拠なき願望 すべからくこの調子である 科学的根拠のなさ知性の無視は確実にレベルを引き下げる 政治家は反対意見をも包摂して大きな結論にまとめる これが器と言うもの 東條英機にはそれが全くない 東條の戦争は、最高の政治ではなく、官吏の事務 結局は国民の不幸 Posted by ブクログ 東條英機 「独裁者」を演じた男 一ノ瀬俊也 A級戦犯か股肱の臣か。知られざる東條英機の実像を探る大作。 独裁者として欧米にも悪名を残す東條英機。東京裁判出A級戦犯として死刑判決を受けた開戦時の首相兼陸軍大臣。 その生涯を非常に多くの文献からイデオロギーを排除した東條英機像を提示する。 特に永田鉄山から引き継いだ総力戦思想の指導者としての...続きを読む役割が多く浮かび上がる。竹槍や戦陣訓など精神論的なイメージがあったが、航空戦力の充実など合理的な一面もあったようだ。 戦争に至る道については多くの書籍があるが、本書ではサイパン島陥落後の東條更迭の動きについてが新鮮であった。 一方的に悪役のイメージの東條英機。実像について探る本書の試みはおおむね成功したように思える。 新しい東條英機像を掲示した読み応えのある一冊でした。 Posted by ブクログ 特攻隊員の現実 一ノ瀬俊也 特攻隊員といっても、やさぐれた人もいれば、「おとぎの国へ行きます」というメルヘンな人もいた。国民の方も、特攻隊員にモテモテだった15歳少女「なぜみんなこんなお転婆(死語)な私に夢中になるのかしら。どうせ死ぬなら撃沈させてね。大破なんてイヤ」みたいな子がいた。それはそれとして、志賀直哉の「特攻隊員は死...続きを読むぬための変態的な教育を受けているから再教育しないとダメ。」というのはいかがなものかと…かといって、坂口安吾の「特攻はいい!戦争も最初から特攻を中心とした体制にしていれば…」というのも贔屓の引き倒して引きずりまくっているような気が。 Posted by ブクログ 一ノ瀬俊也のレビューをもっと見る