一ノ瀬俊也のレビュー一覧

  • 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る
    米軍の対日心理戦研究

    ご先祖様たちのご苦労を知り、米軍報告書の研究の指摘はそのまま今の日本人や私自身にもあまりにも当てはまるので受け止めなくてはいけないと思います。

    「日本人の特徴」「日本人の人種的起源」について
    「彼らが信じている人種的純血性とは異なり、実際は少なくとも4つの基本的人種の混血で...続きを読む
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    戦艦大和と武蔵。姉妹艦それぞれの劇的な最期。対象的な戦後の描かれ方。珍しく二番艦の立場にスポットを照らし戦後ニッポンの戦争感を描く。

    戦艦武蔵は大和に比べ、出番も少なければどうしようもなく悲劇的な描かれ方が多い。

    単に時代遅れの大艦巨砲主義という見方だけでなく、開発の経緯、戦後ニッポンへの技術貢...続きを読む
  • 東條英機 「独裁者」を演じた男
    2020/12/13東條英機
    1.戦略なきオペレーション
    東條英機に大局から構想する器はなかった。
    それは本来は永田軍務局長がその役割を担う
    暗殺されて全てが狂ってしまった。
    戦略なきオペレーション屋のみの悲劇
    2.反知性
    東條英機はインテリ層に受けないので大衆層の受けを狙った。
    その点では反知性と...続きを読む
  • 東條英機 「独裁者」を演じた男
    A級戦犯か股肱の臣か。知られざる東條英機の実像を探る大作。

    独裁者として欧米にも悪名を残す東條英機。東京裁判出A級戦犯として死刑判決を受けた開戦時の首相兼陸軍大臣。

    その生涯を非常に多くの文献からイデオロギーを排除した東條英機像を提示する。

    特に永田鉄山から引き継いだ総力戦思想の指導者としての...続きを読む
  • 特攻隊員の現実
    特攻隊員といっても、やさぐれた人もいれば、「おとぎの国へ行きます」というメルヘンな人もいた。国民の方も、特攻隊員にモテモテだった15歳少女「なぜみんなこんなお転婆(死語)な私に夢中になるのかしら。どうせ死ぬなら撃沈させてね。大破なんてイヤ」みたいな子がいた。それはそれとして、志賀直哉の「特攻隊員は死...続きを読む
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    「戦艦大和」とは異なり民間企業の製品である「戦艦武蔵」を深い理解するための決定版ともいうべき内容。

    同型艦の大和と異なり、武蔵の映画などのメディアに取り上げられない、何故か?という疑問へ1つの回答をくれる。
    大量の資料に裏付けられた大和との比較。
    ドラマじみた戦場における感動シーンの戦記物に「あり...続きを読む
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    戦艦武蔵の語られ方について論じた一冊。
    武蔵の艦歴や技術的特徴などには深く突っ込まず、むしろ武蔵に関する様々な言説から、武蔵の語られ方を読みときつつ、戦争や戦艦の様々な「ファンタジー性」に言及するなど、内容は多岐にわたる。
    戦争を知らない我々が戦争や兵器をファンタジー的に捉えるのは当然として、当時の...続きを読む
  • 飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道
    ”日本軍=大艦巨砲主義=時代遅れで敗北”
    分かり易いからなあ~・・・^^;

    おわりに「人とその学問的思考はしょせん同時代の空気と
    無縁ではありえないことを理解したうえで、
    継承すべきは継承し、改めるべきは改めるのが
    後の世代の務め~・・・」
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    1944年に完成、46センチの巨砲を備え、日本海軍の切札として期待された戦艦武蔵。しかし、資源不足の日本で武蔵はその巨体を持て余し、活躍することなく沈没。

    武蔵の存在は悲劇なのか、喜劇なのか。本書では武蔵の不幸な運命の原因を探る。

    よく比較されるのが戦艦大和。戦果をあげず沈没した点では共通してい...続きを読む
  • 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る
    米軍から見た日本軍。敵からの視点ではあるものの、今までの帝国陸軍とは違う、特別でないという一面を垣間見ることができました。
  • 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る
    合理的な選択とは、誰にとっての合理的な選択だったのか。

    日本軍という存在を知るのに、身内の資料だけでなく「戦った相手側からの分析された情報」をも資料にする。

    戦後この研究に一般人(私)が触れるまでに、時間かかりすぎたのではないか。
    ようやく歴史になりつつあるあの時代を知るのに良い書籍です。

    ...続きを読む
  • 故郷はなぜ兵士を殺したか
    本書は、慰問文や行政文書、手紙等をふんだんに扱い、郷土をフィルターとして戦争を考察しています。

    民衆社会・郷土が担っていた仕組みがうっすら見え、『戦死やあわれ』の「ふるさとの風」の意味が理解出来た。

    「絶大なる愛情のひびきを聞」かせてこなかった故郷、今に至るも聞かせられなかったの何故か?

    歴史...続きを読む
  • 明治・大正・昭和 軍隊マニュアル~人はなぜ戦場へ行ったのか~
    出征時の挨拶、出征先からの手紙、軍隊生活の送り方など、兵士向けに書かれた「マニュアル」本を史料として通史的に読み解いていく、という内容。「マニュアル」本であるだけに史料の内容は陳腐だが、その陳腐な言葉を個々の兵士がいかに「自己のもの」として消化していったか、という視点から読み解かれています。「強圧的...続きを読む
  • 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る
    日本軍は精神論ばかりで玉砕してばかりという一般的なイメージに対して、アメリカ側の分析を通して実際の日本軍に迫るという建付けの本である。
    結論としては日本軍は自軍の環境下においては合理的であるというのが本書の結論だ。戦車無い状態で相手に勝つにはそら爆弾持って突撃するしかないだろう。
    しかし、やっぱり読...続きを読む
  • 東條英機 「独裁者」を演じた男
    A級戦犯だということで、好戦的で残虐な人だと勝手に想像してしまっていたけれど、印象が変わった。
    総理大臣になるくらいなので、勉強熱心で人の話を聞く姿勢ももっていることにおどろいた。
    太平洋戦争に至った経緯に関しても、陸軍と海軍の両軍が本音で話ができないせいであり、決して東条英機が好んで進んだわけでは...続きを読む
  • 東條英機 「独裁者」を演じた男
    既存の研究や同時代の人々の回想手記だけでなく、最新の研究にまで当たっている。これまで一面的に見られがちであった「東條英機」を前述の資料を活用して再考察している。内容的には至極穏当なものとなっているが、一人の人間としての「東條英機」の限界という面を再確認出来る。人物評伝としてはバランスの取れた良書だと...続きを読む
  • 東條英機 「独裁者」を演じた男
    「人情宰相」という日本的な「総帥」像の演出に腐心した「総力戦指導者」としての東條英機の評伝。
    東條を軸に太平洋戦争開戦の過程を瞥見し、組織の利益追求や責任のなすりつけあいに終始していたことを再認識した。また、やはり東條は、指導者として「小人」の評価は免れないと感じた。
  • 日本軍と日本兵 米軍報告書は語る
    日本軍といえば玉砕の軍隊、精神論を振りかざし意味の無い攻撃ばかり繰り返した軍隊という印象が強く刷り込まれているが、それだけではない日本軍の姿、しかも日本軍側からではない米軍側から見た姿が分かる。しかし、メインに扱われている資料は戦中に米軍が兵士の向けに作っていた(言ってしまえばプロパガンダ)雑誌をま...続きを読む
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    いつものように良いテーマ。

    しかし、何故かこの著者のレビューには必ず、テーマと中身が云々だの疑問に答えきれていないだの最後まで語られていないだの(意訳)といった謎のレビューを見かける。

    そういう人は答えを与えてもらおうとするだけで自分で考える頭が無いのだろうか?
  • 特攻隊員の現実
    太平洋戦争の特攻隊については何冊も本がでているが、こちらは司令部や隊員だけでなく、市中の声も拾っているところが目新しいところか。初期の宣伝にわきたつも、いくら戦時体制に協力しても戦況の悪化は隠しきれない。徐々に庶民もそれに気づいてきて、本当に特攻隊員は志願しているのか、いった疑問も湧いてくる。それで...続きを読む