一ノ瀬俊也のレビュー一覧
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第二次世界大戦下において、日本軍および日本軍人(主として陸軍)が、どのような戦略で、どのような武器を使用し、どのように戦ったかということについて、米国の公開史料から客観的に分析している。
下となった資料は、米陸軍軍事情報部が1942年~46年まで毎月出していた資料。作戦地域にいる、もしくは行く予定の下級将校、下士官兵用に作られたA5版の月刊誌で、主に敵の戦術や兵器についての分析を行っている。
第二次世界大戦中に、相手国の軍隊についての分析を行い、しかもそれを下士官兵クラスにまで配布したという事実。
鉄の規律で、上官の命令下果敢に戦う日本兵に対し、現場、個人の自主性、自己責任で闘う米国軍とい -
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「日本兵たちの多くは「ファナティック」な「超人」などではなく、…ごく平凡な人々である。」
「上下一緒に酒を飲み、行き詰まると全員で「ヤルゾー」と絶叫することで一体感を保っていた。」(本書P245)
その場しのぎの作戦で逃げ場のないところでの苦闘を強い(もちろん、補給も増援もない)、負傷者を“役立たず”と見捨て、生き残った者には玉砕を強要する。
なんだ、この国は何も変わっちゃいないじゃないか。なにも、わざわざ“取り戻す”までもない。
靖国神社に執着する人たちがいる理由もよくわかった。
彼らは平凡な人々を犬死にさせることに身勝手な居心地の悪さぐらいは感じているから、“死ぬまで働け”の玉砕精神を -
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本書は入営から戦死まで軍隊という社会がどのようなものであったのかが書かれている。著者は軍隊は平等社会ではなく、学歴(学力)、貧富の差、階級の差などによる不公平があったという。
本書を読んで初めて知った事がある。著者は不公平の一つに挙げているが大企業では応召者に対し、手当を出して月給を保証していたそうである。(対して中小企業や自営業、農業者には保証が無かった)
本書では、これも含めいくつかの点について「不公平」という言葉を使っている。私は全てを不公平だとは思わないが是正すべき格差ではあると思う。
大企業の手当の件については、長引く戦争に伴う負担増に喘ぐ経営者側が、社会的公正の名の元に低 -
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一ノ瀬さんの本は『戦場に舞ったビラ』のように、モノに語らせるという特徴がある。
そのためのエネルギーとお金はばかにならないのだが、よく集めている。この本でも、赤紙をはじめ、兵士にかかわる文書をこつこつ集め、一人の人間がどうやって兵士になり、戦い、そして最後には戦死記録としてもどってくるかをモノをからませ書いている。本書では、これまで兵士となれば、それまでどんな身分であっても平準化されるという通説に疑問を呈し、そうでなかった事例を具体的にあげる。戦死者に対する墓にしても、貧しいのにもかかわらずその大きさにこだわった遺族の気持ちが痛々しい。