Posted by ブクログ
2018年04月10日
高橋克彦らしい、東北を舞台にした怪談短編集。
フリーのカメラマンを志していた男が、身を固めようと決心した所、同性愛手の女性が失踪する。女性を説得しようと出身の村にたどり着くが、その村に入った人間で帰ってきたものはいないと言う…。
他の作品にもあったような、叙情的に不思議なまま終わらせてしまうよう...続きを読むな作品はほぼ無く、全体に激しいものばかりだが、短編集なのだから、これくらいでよいのだと思う。また、導入から最後まで、上記あらすじの「花嫁」以外は丁寧に書かれているため、えっ?と読み返すこともほとんど無いだろう。
高橋克彦の真骨頂の東北民話を骨に置いているため、途中の引用がちょっと読みにくかったりするが、かなり現代語訳されているため、違和感もほとんどなかった。
まあでも、全体に救いは無いし、かなりひどい結末ばかりなわけで、東北の人からすると、これは大丈夫なんでしょうかね?と心配になる。
1編1編のボリューム的にも、電子書籍の入門用(読んでみる)にもおすすめの1冊だ。