文春文庫 - 泣ける作品一覧

  • 巡礼の家
    5.0
    生きづらさを抱えた人々への〈希望の灯火〉を描く感動作 いにしえより行き場を失った数多の人々を迎えてきた遍路宿「さぎのや」で、家出した少女・雛歩は自らの生き方と幸せを見つけていく。 解説・青木千恵 ※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • だるまちゃんの思い出 遊びの四季 ふるさとの伝承遊戯考
    5.0
    〈第23回日本エッセイスト・クラブ賞〉〈第15回久留島武彦文化賞〉受賞。 生誕92周年に記念復刊した名エッセイの文庫化。 1926年に福井県の小さな町で生まれ7歳まで過ごした。自然豊かな地でのびのびと自由に遊んだ経験をもとに、ごく平凡な子供の遊びを綴った本。 とはいえ、ただ昔を懐かしむものではなく、子供自身が何を考え、どう感じ、様々な思考と準備を経て、生活や人間関係の悩みや葛藤も抱えながら「遊んでいた」のか――。大人の目ではなく、子供の心になって遊びを見つめてきたエッセイ集。 本人による「あとがき」「新あとがき」付き。 文庫版には、「月刊文藝春秋・巻頭随筆エッセイ」(2014.7月号)を追加。また巻頭に〈子供の季節の遊び〉を描いた貴重なカット絵を中心とした16pのカラーページを挿入。 文庫解説・辻惟雄(美術史家)
  • 犬心
    5.0
    十四年間をともに過ごした愛犬、ジャーマン・シェパードのタケ。最後の数年、その一挙手一投足に、死は、生は、と考えた。浮かび上がってくるのは、遠距離介護を続けた父の姿――。 パピヨンのルイ、ニコにも囲まれた生活の中で、詩人は思索を深める。 これは、いのちのものがたり。
  • 再生の島
    5.0
    都会っ子が離島で変身!? 奇跡の1000日間の記録 沖縄の離島でのゲームなし、テレビなし、消灯十時の共同生活が都会からやってきた中学生たちを変えた。実際にあった、現代の変身譚。
  • 螢火
    5.0
    明治から大正に移り変わる小樽。活気に満ちた北の街の片隅に、つるの染み抜き屋があった。女の細腕1本で店の切り盛りをするつるのもとには、今日も訳ありの染みが舞い込んでくる。様々な染みに宿る人生と向き合うつる。たまの息抜きは、長屋の住人たちが通う「ちぎり屋」の暖簾をくぐること。消せない過去を抱えた人々が織りなす人間模様。そしてつるにも、決して消えない心の染みが……。心に染み入る連作短篇全5篇。
  • 北朝鮮に消えた友と私の物語
    5.0
    1972年「赤旗」平壌特派員となった私は、大阪の定時制高校で席を並べた親友の尹元一(ユンウォニル)を訪ねた。友は「地上の楽園」で幸せに暮らしているはずだった──なぜ金日成は帰国運動を必要としたのか。書かれざる日本共産党と在日朝鮮人運動の関係とは。「突出する力作」(深田祐介氏)、「人を動かす力をそなえた作品」(立花隆氏)。明らかにされる重大事実とともに理想を信じて北へ帰った人々の悲劇を描き、満票で第30回大宅壮一ノンフィクション賞に輝いた記念碑的名作。
  • 容疑者Xの献身
    無料あり
    4.8
    累計290万部突破。直木賞を受賞した大ベストセラー! 天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。 福山雅治主演で2008年に映画化され、堤真一、松雪泰子の熱演も話題になった。 ※この電子書籍は2008年8月に文藝春秋より刊行された文庫を底本としています
  • エキストラ・イニングス 僕の野球論
    4.8
    プロ野球日本シリーズと、MLBのワールドシリーズ両方でMVPを獲得した唯一の選手、松井秀喜。 これまで出会った素晴らしき野球人への思い、みずからの野球論を率直に語った。 恩師・長嶋茂雄とのエピソード、落合博満から受けた大きな影響、唯一のライバル高橋由伸への思い、イチローとの思い出、ヤンキースで出会ったジーター、リベラなどの選手論。指導者論、好投手の攻略法、スランプの脱出法などが明かされる。
  • 戴天
    4.7
    天に臆せず胸を張って生きる男たちを描く 唐・玄宗皇帝の時代。絶対的権力者に抗おうとする若者と、人に人らしからぬ生き方を強いる体制を糺そうとする若僧の、心熱き戦い。 時は玄宗皇帝下の唐、陽物を欠いた名家の貴公子・崔子龍(さいしりゅう)は、辺境民族の征伐に赴く唐軍に従軍し、宦官・辺令誠(へんれいせい)の策略にはまる。心酔する上官・高仙芝(こうせんし)を陥れた辺への復讐を誓う崔の前に現れた僧侶・真智(しんち)。権力闘争に翻弄される男達と、虐げられても強かに生きる女達が安史の乱を機に躍動する歴史大河小説。解説・瀧井朝世 ※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ラーゲリより愛を込めて
    4.7
    二宮和也主演映画『ラーゲリより愛を込めて』(2022年12月9日公開)、究極の愛を描く感動巨編映画、その見どころを余すところなく伝えるノベライズ版。 原作は講談社ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞した『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(辺見じゅん・著)。 第二次世界大戦で劣悪な環境のシベリア強制収容所に、捕虜として抑留された山本幡男一等兵。 妻やまだ幼い4人の子供とは離れ離れになったまま、消息もつかめない。 栄養失調や過酷な労働作業で命を落とす者、自ら命を断つ者が出るなか、 常に帰国する日を待ち、人間としての尊厳、生きる希望を持ち続けた山本。 絶望の状況において、収容所のひとすじの希望の光でありつづけた山本幡男を二宮和也が、 夫の帰国を心から信じ11年間待ちつづけた妻モジミを北川景子が演じる。 メガホンをとるのは『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64―ロクヨン― 前編/後編』の 瀬々敬久監督、脚本は『永遠の0』『糸』の林民夫。 涙なくしては読み進めることができない、驚きと感動で心が震わされる、究極の愛の実話。
  • 盲導犬クイールの一生
    4.7
    「人間らしい歩き方を思い出させてくれた」との言葉を残して、パートナー(使用者)はこの世を去った。盲導犬クイールの生まれた瞬間から、暖かい夫婦のもと息をひきとるまでをモノクロームの優しい写真と文章で綴る。映画化、ドラマ化もされた感動の記録。文庫新装版の秋元良平氏の「出版から十五年過ぎて」も収録。
  • 燃えよ剣(上)
    4.7
    新選組副長、土方歳三を描いた司馬遼太郎の代表作が、ついに電子書籍で登場。無類の面白さが貴方を待ち受ける。これぞ小説だ! 不世出の小説家、司馬遼太郎さんには幕末に材を求めた作品がいくつもあります。そのなかで『竜馬がゆく』とともに特別な支持を集めてきたのがこの『燃えよ剣』。武州から出てきた土くさい田舎剣士、土方歳三。天然理心流四代目の剣豪、近藤勇と出会ったとき、歳三の人生、そして幕末史は回転し始める。近藤局長、土方副長の体制で本格始動した京都守護職配下の新選組。沖田総司、永倉新八、斎藤一ら凄腕の剣客が京都の街を震撼させる。池田屋事件などを経て、新選組とともに歳三の名もあがっていくが――。激動する時代のさなかで剣のみを信じ、史上類例を見ない強力な軍事組織をつくりあげた男の生涯を、練達の筆で熱く描きます。
  • アンネの日記 増補新訂版
    4.7
    「アンネは、死んでも私たちの心の中に生き続けているのです。そして、世界の歴史を変える存在になりました」(池上彰『世界を変えた10冊の本』より) ユダヤ系ドイツ人の少女アンネが、ナチスの「ユダヤ人狩り」から逃れるため家族と共に二年間潜んだアムステルダムの“隠れ家”。彼女はそこで、架空の友人キティーに宛てて日記を綴りました。戦後、残された父オットー・フランクにより編集・公表されたこの「アンネの日記」は各言語に翻訳され、2009年にはユネスコ世界記憶遺産にも登録されました。わが国も同様で、1952年に「光ほのかに」のタイトルで文藝春秋より刊行されて以来、綿々と読み継がれています。 実は、アンネの綴った日記は二種類あります。アンネが自分のためだけに書いたものと、後の公開を期して清書したもの。そのふたつを編集し直した〈完全版〉をもとに、さらに1998年に発見された5ページ分を加えたのが本書〈増補新訂版〉です。尋常ではない環境の中で、13歳から15歳という思春期を過ごした少女の夢と悩みが、より瑞々しく蘇り、私たちの胸を打ちます。平和を愛し、誰かを愛するすべての人に改めて贈る、永遠不滅の一冊です。
  • そして、バトンは渡された
    無料あり
    4.6
    1巻0~800円 (税込)
    幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。 その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。 血の繋がらない親の間をリレーされながらも、 出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。 大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。 解説・上白石萌音 ※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
    4.5
    第3回斎藤茂太賞受賞! 選考委員の椎名誠氏に「新しい旅文学の誕生」と絶賛された名作紀行文。 飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、5日間の夏休み、何かに背中を押されるように一人キューバへと旅立った。クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青いカリブ海……「日本と逆のシステム」の風景と、そこに生きる人々との交流に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。特別書下ろし3編「モンゴル」「アイスランド」「コロナ後の東京」収録。解説・Creepy Nuts DJ松永。 いざキューバへ! ぼくは今から5日間だけ、 灰色の街と無関係になる。 ロングセラー傑作紀行文 書下ろし新章 モンゴル/アイスランド/コロナ後の東京 俺は誓いました。 あなたのように 生々しく生きていこうと。 (Creepy Nuts DJ松永「解説」より)
  • うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間
    4.5
    「ふざけんな、ふざけんな、みんないい思いをしやがって」 藤井フィーバーに沸く将棋界で、突然、羽生世代の有名棋士の休場が発表されました。 様々な憶測が流れましたが、その人、先崎九段は「うつ病」と闘っていたのです。 孤独の苦しみ、将棋が指せなくなるという恐怖、そして復帰への焦り……。 体験した者でなければなかなか理解されにくいこの病について、エッセイの名手でもある先崎さんが、発症から回復までを細やかに、淡々と綴ります。 心揺さぶられること、必至! 解説:佐藤優 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 家族の歌 河野裕子の死を見つめて
    4.5
    「歌なら本音がいえるから」。乳がんの再発した妻・河野裕子の発案ではじめた夫・永田和宏と子どもたちとのリレーエッセー。我が家の糠床のこと。息子の子どもたちのこと、長く飼った老猫の失踪、娘の結婚。そして最後の言葉……。愛おしい毎日、思い出を短歌とともに綴りながら、家族はいつか必ず来るその日を見つめ続けた。 母の死をはさんで二年にわたって続けられた、歌人家族によるリレーエッセー。孫たち、娘の結婚、思い出……。そのすべてが胸をうつ。
  • 殺意のまつり
    4.5
    二十年前に起きた殺人事件の真犯人が突然名のりをあげた。しかし、別に捕えられた男は無実を叫びながら十五年の刑期を終え、事件もすでに時効を迎えている。真相を追う弁護士の前に過去の殺意がつぎつぎ露呈する──。冤罪を巧みに利用しようとした悪意なのか、それともまことの罪悪感からのがれたい人間の善性を信じるべきか。元犯人、真犯人を幾重にもとりかこむ思惑と愛憎がベールをさらに厚くする。人間模様を見事に捉えた表題作をはじめトリックメーカーが織りなす傑作推理七篇。
  • 黒パン俘虜記
    4.5
    「軍隊は運隊だ」という言葉どおり、運悪く、敗戦と同時に送りこまれたモンゴルの収容所は、まさにこの世の地獄だった。軍律の崩壊した集団に君臨するやくざあがりの大ボス・小ボス。食糧といえば、黒パンとわずかなスープ、それも搾取され、強制労働にかり出される毎日。栄養失調、疾病、私刑で、つぎつぎと失われる生命。襲いくる不条理に耐えながら、帰国を待ち侘びる日々を支えてくれたのは、小説と映画と流行歌への熱い思いだった。死んでいった戦友たちへの祈りをこめた第89回直木賞受賞作。
  • 極道の妻たち
    4.5
    「どうか今日一日、無事でありますように」。仏壇を前に夫の安否を気遣う女たち。血なまぐさい抗争に明け暮れた山口組・一和会をはじめ広域七団体といわれる極道(ヤクザ)組織。男の世界と言われる非情な裏社会も妻や母や恋人として女たちが支えている。子分らの食事からこづかいまでを配慮し、短気をきわめた闘争心の強い男と渡り合う「姐さん」の暮らしぶりとはいったいどんなものなのか――その赤裸々な実態を、気鋭の作家が二年にわたる体当り取材で捉えた衝撃のドキュメント力作。
  • その日のまえに
    4.5
    1巻652円 (税込)
    余命の告知を受けた妻と、新婚時代のアパートを訪ねる僕たち…「その日のまえに」。妻の最期を、二人の息子とともに見届ける「その日」。妻が亡くなった病院の看護師さんから、ある日、お目にかかりたい、と連絡がきた…「その日のあとで」。消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか──。死と向かいあう人々の切なくもけなげな姿を描き、幸せの意味をみつめる連作短篇集。“王様のブランチ”で「BOOK大賞」を受賞した涙の感動作!
  • 少年と犬
    4.4
    1巻850円 (税込)
    第163回直木賞受賞作! 犬を愛するすべての人に捧げる感涙作 傷つき、悩み惑う人々に寄り添う一匹の犬は、なぜかいつも南の方角に顔を向けていた。 2011年秋、仙台。震災で職を失い、家族のため犯罪に手を染めた男。偶然拾った犬が男の守り神になった(男と犬)。壊れかけた夫婦は、その犬をそれぞれ別の名前で呼んでいた(夫婦と犬)。人と犬の種を超えた深い絆を描く感涙作。解説・北方謙三 「少女と犬」を文庫で初収録。 ※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • カラフル
    4.4
    1巻750円 (税込)
    老若男女に読み継がれる、不朽の名作。 生前の罪により輪廻のサイクルから外されたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。 真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになる……。 実写映画、アニメにもなった、累計100万部突破の青春小説! 解説・阿川佐和子 ※この電子書籍は1997年7月に理論社より刊行された単行本を、文春文庫より文庫化したものを底本としています。
  • 朝が来る
    4.4
    第147回直木賞、第15回本屋大賞の受賞作家が到達した新境地! 長く辛い不妊治療の末、栗原清和・佐都子夫婦は、民間団体の仲介で男の子を授かる。朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、夫妻のもとに電話が。それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった――。 自分たちの子供を産めずに、特別養子縁組という手段を選んだ夫婦。 中学生で妊娠し、断腸の思いで子供を手放すことになった幼い母。 それぞれの葛藤、人生を丹念に描いた、胸に迫る長編。 河瀬直美監督も推薦! 「このラストシーンはとてつもなく強いリアリティがある。」(解説より)
  • 真夏の犬
    4.4
    1巻774円 (税込)
    宮本輝が紡ぐ、青春へのメッセージ 野良犬に囲まれた夏の日の恐怖、転校してきた美少女をめぐる争い、アル中の母と住んだ古アパート、奇妙な香具師が売っていた粉薬、同級生の女の子の危険なささやき……。歳月のへだたりを突き抜けてよみがえる記憶を鮮烈に刻みつけ、苦悩と慰めの交錯する人生への深い思いを浮かびあがらせた、9つの短篇。解説・森絵都 【収録作品】 真夏の犬 暑い道 駅 ホット・コーラ 階段 力道山の弟 チョコレートを盗め 赤ん坊はいつ来るか 香炉
  • 裁判百年史ものがたり
    4.4
    裁判はこんなに面白いのか! 時代を変えた12の法廷ドラマを、夏樹静子が迫真のノンフィクションノベルに。帝銀事件、チャタレイ裁判、永山則夫事件など有名事件から、翼賛選挙に無効判決を下した裁判長の苦悩、犯罪被害者になった弁護士の闘いまで、資料を駆使した人間ドラマとして描く。判決の裏にあった人々の苦闘と勇気に胸が熱くなる傑作。裁判員制度により、法廷が他人事ではなくなった現代の必読の書。
  • クライマーズ・ハイ
    4.4
    1985年、御巣鷹山で日航機が墜落。その日、北関東新聞の古参記者・悠木は同僚の元クライマー・安西に誘われ、谷川岳に屹立する衝立岩に挑むはずだった。未曾有の事故。全権デスクを命じられ、約束を違えた悠木だが、ひとり出発したはずの安西はなぜか山と無関係の歓楽街で倒れ、意識が戻らない。「下りるために登るんさ」という謎の言葉を残して――。若き日、新聞記者として現場を取材した著者みずからの実体験を昇華しきった、感動あふれる壮大な長編小説。
  • はじめは駄馬のごとく ナンバー2の人間学
    4.3
    歴史エッセイの名手が紡ぐ「わが愛する男たちの肖像」 SNSで話題。累計15万部の伝説の名著が、緊急復刊! 『炎環』『雲と風と』『北条政子』『つわものの賦』……多くの歴史小説を著した著者が、歴史上はほとんど無名・英雄の陰に隠れながらも実力を持ったしたたかな仕事師、〈ナンバー2の男〉の生き方を描きます。 『鎌倉殿の13人』ですっかり有名になった北条義時は、永遠のナンバー2.根っからの権力・政治好きにもかかわらず、あえて表には立たず、したたかに、ナンバー2の生涯を全うした。 源義経。同じくナンバー2でありながら、組織のなかの自分の位置づけが出来ず。華やかなスタンドプレーを繰り広げ、ナンバー1が霞むなど数々の致命的失敗をおかした。 徳川秀忠。家康と三代家光の陰にかくれた秀忠こそが、徳川家の最大の功労者。大名の転封、改易、人員の配置転換など重要な施策を行い、幕府の基礎を固めた。メシよりイロより政治が好き。 他、平家政権の仕掛人「平時忠」、途中入社ゆえに栄光と挫折を味わった「明智光秀」、など。 巻末の城山三郎氏との対談には、2024年大河ドラマ『光る君へ』で注目の関白・藤原道長も登場。「この世をば」と詠った彼はナンバー1志向と思いきや、意外にも……。 歴史好きはもちろんのこと、今を生きるビジネスパーソンも必読! 「組織論」本としても読める名エッセイです。
  • 女たちのシベリア抑留
    4.3
    大きな反響を呼んだ「戦争と女性」に迫るノンフィクション。 シベリア抑留者の中に女性捕虜が存在したことは、長く歴史の影に埋もれてきた。戦後七十年以上沈黙してきた女性たちの貴重な証言集。 終戦直後、満洲や樺太などにいた軍人や民間人など60万人近い日本人がソ連によって連行された「シベリア抑留」。その中に数百人から千人近い女性捕虜が存在したことは、長く歴史の影に埋もれていた。関東軍の陸軍病院で勤務していた従軍看護婦や軍属として働いていたタイピスト、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者たちが、極北の地シベリアに送られていたのである。その中には「女囚」として10年を超える抑留生活を送った女性や、日本に帰る場所もなく異国の地で人生を全うした者もいる。帰国を果たした女性たちにとっても、故国の人々のまなざしは決して温かいものではなかった。 戦後70年以上、長く沈黙を守ってきた女性たちをインタビューすることに成功し、2014年にNHK・BS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「女たちのシベリア抑留」は、文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞奨励賞、ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、NHK放送総局長特賞など、その年のドキュメンタリー部門の賞を総なめにした。その番組を担当した女性ディレクターが綴る本格ノンフィクション。ロシア側から初めて提出された女性抑留者の記録「登録簿」の内容も明らかになる。 ※この電子書籍は2019年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 奇跡のチーム ラグビー日本代表、南アフリカに勝つ
    4.3
    2019年、ラグビーW杯日本開催に必読の一冊。 世界が震えたあの勝利は、こうして生まれた! 2015年ラグビーワールドカップ。エディー・ジョーンズ率いる日本代表は、強豪南アフリカを相手に劇的な逆転勝ちを収め、世界を震撼させた。エディー・ジャパンはなぜ日本ラグビーの歴史を変えることができたのか? 選手・関係者40人近くへの徹底取材を通して、その秘密を解き明かした傑作ノンフィクション。 解説・畠山健介 ※この電子書籍は、2016年3月に文藝春秋から刊行された『エディー・ウォーズ』を改題し、新章を加筆した文庫を底本としています。
  • 半分、青い。 上
    4.3
    1~2巻968~1,018円 (税込)
    心は、空を飛ぶ。 片耳を失聴したヒロイン、スズメの愛と勇気の物語――。 高度成長期の終わり、岐阜県の小さな食堂に生まれたスズメ。 小学生の時に病気で左耳を失聴してしまうが、我が子を愛してやまない両親と、 同じ日に同じ病院で生まれた幼馴染のリツに支えられ健やかに成長する。 高校を卒業したスズメは少女漫画家を目指し上京し、 人気漫画家・秋風羽織のもとで仲間と修業に打ち込むが……。 最注目の「連続テレビ小説」を小説でお楽しみ下さい
  • 弱法師
    4.3
    叶わぬ恋こそ、うつくしい――能の演目に材をとり、繊細なまでに張りつめた愛の悲しみをとらえる作品集。 雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。 編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。 父と母、伯母の不可思議な関係に胸ふるわせる少女(「浮舟」)。 能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の3篇。
  • 池袋ウエストゲートパーク
    4.2
    1~19巻640~800円 (税込)
    ミステリーの「今」を読みたければ、池袋を読め。刺す少年、消える少女、マル暴に過激ジャーナリスト、カリスマダンサー……駅西口公園、通称ウエストゲートパークを根城にする少年少女たちが、発熱する都会のストリートを軽やかに疾走する。若者たちの現在をクールに、そして鮮烈に描く大人気シリーズの第一作。青春小説の爽快感とクライムノヴェルの危険な味わいを洗練させ、新しい世代から絶大な支持を得て話題となった連続ドラマの原作。
  • 父の声
    4.2
    地元を離れ、東京で暮らす娘ののぞみが婚約者の本間を連れて帰省した。 父親の順治は、二人を明るく迎えたが、娘のある変化に不審を抱く。 心配になった順治は、娘を追って上京することに。 どうやらのぞみは、男に騙されて覚醒剤に手を染めているらしい。 娘を救うため順治はある行動に出るのだが……。 感動のミステリー長編。
  • トオリヌケ キンシ
    4.2
    人生の途中、はからずも厄介ごとを抱えることになった人々。 でも、「たとえ行き止まりの袋小路に見えたとしても。根気よく探せば、どこかへ抜け道があったりする。」(「トオリヌケ キンシ」より) 他人にはなかなかわかってもらえない困難に直面した人々にも、思いもよらぬ奇跡が起きる時がある――。 短編の名手・加納朋子が贈る六つの物語。 (収録作品) ・高校に入ってから不登校・引きこもりになってしまったある少年。ある日彼の家に、一人の少女がやってきた。少女はかつて少年に助けてもらってもらったことがあるという――。『トオリヌケ キンシ』 ・「ある形」を見つけてしまう能力以外はごくごく平凡な女子高生。そのふしぎな力を生物の先生は「共感覚」と分析した……。『平穏で平凡で、幸運な人生』 ・やさしかった母がある日豹変、家の中でいじめられるようになってしまったタクミ。つらい日々の救いは、イマジナリーフレンド(想像のお友達)の存在だった。『空蝉』 ・人の顔が識別できない――「相貌失認」の「僕」は、高校入学を機にそのことをカミングアウトする。あろうことかその後「僕」はある女の子から「好きです」と告白される。不思議な始まりの恋の行方は? 『フー・アー・ユー』 ・長く連れ添った夫人を突然に亡くし、気落ちする亀井のおじいちゃん。家の中でひとりのはずが、ある日「座敷童がいる」と言い出した!『座敷童と兎と亀と』 ・前日に高熱を出して受験に失敗した「俺」は、ある場所に引きこもり、自分でコントロール可能な「明晰夢」を見る日々を過ごしている。そんな中で出会った女の子「ミナノ」、彼女は夢だったのか、それとも?『この出口の無い、閉ざされた部屋で』
  • はなちゃんのみそ汁
    4.2
    小学3年生のはなちゃんは毎朝みそ汁をつくる。5歳の誕生日からの日課だ。「食べることは生きること。1人でも生きられる力を身につけて」。33歳で亡くなった母・千恵さんと約束したから──。20代で乳がん、結婚・出産をへて肺がんに転移という過酷な運命のなか、千恵さんがあかるい博多弁で綴った人気ブログと、夫の手記で綴る感動作。
  • 芙蓉の人
    4.2
    日々の暮らしに欠かせない天気予報。明治期に、この予測をより正確なものにするべく命を懸けた夫妻がいた。野中到(いたる)・千代子夫妻――到は私財を投じて富士山頂に気象観測所をたて、前人未到の冬期観測を実施。「一人であれば、夫は必ず死ぬであろう」と考えた千代子は、夫を支えるため後を追って山頂に登るが……。世界遺産に登録された霊峰・富士山を舞台に、日本の未来のために初めて富士登山に挑んだ、実在の夫婦の感動物語! 2014年7月26日からNHK総合で連続ドラマ化(全6回)。
  • ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年
    4.2
    2013年カンヌ国際映画祭審査員賞に輝いた『そして父になる』(是枝裕和監督)の参考書籍である本作は、昭和52年、沖縄で起きた赤ちゃんの取り違え事件を克明に追ったノンフィクションです。小学校にあがる際の血液検査で、出生時の取り違えがわかった二人の少女。他人としか思えない実の親との対面、そして交換。「お家に帰りたいよう」子どもたちの悲痛な叫び――。当時、女性誌の記者としてこの事件を取材した著者は、その後十七年にわたって二人の少女と家族を追いつづけ、この驚くべき作品を書き上げました。「家族の絆」とは何かを深く考えさせる傑作です。
  • 鬼平犯科帳(一)
    4.2
    斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
  • 満月珈琲店の星詠み
    4.1
    1~7巻730~790円 (税込)
    ツイッターで話題のイラストにインスパイアされた新シリーズ 満月の夜にだけ開く不思議な珈琲店。優しい猫のマスターと星遣いの猫たちが、極上のスイーツと占星術で、人生に迷える人々をおもてなしする。
  • あの子の殺人計画
    4.1
    「あたしって虐待されてるの?」 アリバイトリックに新境地!あなたは絶対に見破れない。 椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に 親から〈水責めの刑〉で厳しく躾けられていた。 ある時、保健室の遊馬先生や転校生の翔太らに指摘され、 自分が虐待されているのではないかと気づき始める……。 一方、JR川崎駅近くの路上で、大手風俗店のオーナー・遠山が 刺し殺された。県警本部捜査一課の真壁は所轄の捜査員・宝生と組んで 聞き込みに当たり、かつて遠山の店で働いていた椎名綺羅に疑念を抱く。だが事件当夜、彼女は娘のきさらと一緒に自宅にいたという アリバイがあった。真壁は生活安全課に所属しながら数々の事件を 解決に導いた女性捜査員・仲田蛍の力を借りて、椎名母娘の実像に迫る。 前作『希望が死んだ夜に』の「こどもの貧困」に続き、 「こどもの虐待」をテーマに〈仲田・真壁コンビ〉の活躍を描く 社会派と本格が融合した傑作ミステリー。 芦沢央 推薦! 「構造的であるからこそ、そこにおさまらないものが浮かび上がる 衝撃の先にあるものを描こうとしている小説だと思った」 ※この電子書籍は2020年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 御鑓拝借 酔いどれ小籐次(一)決定版
    4.1
    傑作時代小説シリーズの決定版! 身の丈五尺一寸、風采の上がらない五十男。しかし実は来島水軍流の凄まじい遣い手――。赤目小籐次、たった一人の闘いが幕を開ける!
  • ムーンナイト・ダイバー
    4.1
    慟哭の夜から救済の光さす海へ。 3・11後のフクシマを舞台に、鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作。 ダイビングのインストラクターをつとめる舟作は、秘密の依頼者グループの命をうけて、亡父の親友である文平とともに立入禁止の海域で引き揚げを行っていた。 光源は月光だけ――ふたりが《光のエリア》と呼ぶ、建屋周辺地域を抜けた先の海底には「あの日」がまだそのまま残されていた。 依頼者グループの会が決めたルールにそむき、直接舟作とコンタクトをとった眞部透子は、行方不明者である夫のしていた指輪を探さないでほしいと告げるのだが……。 巻末に著者によるエッセイ、「失われた命への誠実な祈り(文庫版あとがきに代えて)」を収録。
  • 督促OL 修行日記
    4.1
    「今度電話してきたら、ぶっ殺す!!」。1時間60本ノルマの電話をすれば、怒鳴られ、脅され、泣き落とされ・・・。人見知りで話しベタで気弱なOLが、年間2000億円の債権を回収するまで。日本一つらい職場で生き抜く技術。自分に向いてない仕事やストレスフルな仕事をする全ての方に読んでほしい本。
  • 長嶋少年
    4.1
    時は昭和40年代、長嶋にひたすら憧れた野球少年・ノブオの物語。小学五年生のノブオは、長嶋に心底憧れている、誰もが一目おく野球少年。詩人の父は行方不明、母は子供にも仕事にも無関心、友との別れや理不尽に負った怪我、出生の秘密……。次々と苦難は襲いかかってくるけれど、「長嶋」を心の支えにぜんぶ乗り切るのです! すべての野球少年に捧げる、著者渾身の成長物語。
  • シャイロックの子供たち
    4.1
    「半沢直樹」シリーズのドラマ化で大ブレイクした著者が、「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と語る本作。とある銀行の支店で起きた現金紛失事件。女子行員に疑いがかかるが、別の男が失踪!? “叩き上げ”の誇り、格差のある社内恋愛、家族への思い、上がらない成績……事件の裏に透ける行員たちの人間的葛藤。銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた傑作群像劇。
  • 生きとし生けるもの
    4.0
    テレビ東京で2024年5月6日ドラマ放送! 主演:妻夫木聡 渡辺謙 独り身の作家・成瀬翔は転移性肝臓がんによる余命宣告を受ける。 オペに抗がん剤、つらいだけの治療……。 一方、ある事情で外科から内科に移り、妻子とも別れた主治医の佐倉陸は、成瀬の苦しみを丸ごと受けとめる。 人は生きて死んで最後に何が残るのか。二人の人生をかけた最後の旅が始まる。 誰しもの胸を熱くする感動傑作!
  • しのぶ恋 浮世七景
    4.0
    浮世絵からうまれた7つの名篇 近松に描かれスターとなった遊女・梅川に憧れ、端女郎・小梅は心中未遂を試みるが。時に滑稽に時に切なく、江戸に生きた男女を描く。 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 乱都
    4.0
    応仁の乱にはじまる《仁義なき戦い》!! 応仁の乱から室町幕府の終焉まで、裏切りと戦乱の坩堝と化した京に魅入られ、争いに明け暮れた男たちの生き様を描く連作集。 ※この電子書籍は2020年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ジョイランド
    4.0
    巨匠が放つノスタルジックで切ない青春ミステリー 遊園地でアルバイトを始めた大学生のぼくは、幽霊屋敷に出没する殺人鬼と対決する…… もう戻れない青春時代を美しく描く巨匠の新作。
  • 百花
    4.0
    「あなたは誰?」 徐々に息子の泉を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく泉。 ふたりで生きてきた親子には、忘れることのできない“事件”があった。 泉は思い出す。かつて「母を一度、失った」ことを。 母の記憶が消えゆく中、泉は封印された過去に手を伸ばす──。 記憶という謎<ミステリー>に挑む新たな傑作の誕生。 「あなたはきっと忘れるわ。 だけどそれでいいと私は思う」 「また母が、遠くに行ってしまいそうな気がした。 あの時のように」 ……あの一年間のことは、決して誰にも知られてはいけなかった。 『君の名は。』『天気の子』を生んだ稀代の名プロデューサーにして、 小説『四月になれば彼女は』『世界から猫が消えたなら』で 作家としても大きな衝撃を与えてきた川村元気。 各界からも反響が続々! ◆息子と母の切ない思いに、胸が熱くなりました。──吉永小百合 ◆深い感動のうちに読了した。  ぼく自身の母親の思い出と重なり、他人事ではなかったのだ。──山田洋次 涙が止まらない──現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。 解説は『長いお別れ』の中島京子さんです。 ※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 任務の終わり 上
    4.0
    ミステリーとホラーを最高レベルで融合させた、巨匠渾身の三部作・完結編! あいつの悪意がふたたび動き出す――。 相棒のホリーとともに探偵社を営むホッジスのもとに、現役時代にコンビを組んでいたハントリー刑事から 現場にきてほしいとの連絡が入った。事件は無理心中。6年前に起きた暴走車による大量殺傷事件で 重篤な後遺症を負った娘を、母親が殺害後に自殺したものとみられた。だがホッジスとホリーは 現場に違和感を抱き、少し前にも6年前の事件の生存者が心中していたことを突き止める。 一方、6年前の事件の犯人が入院する脳神経科クリニックでは、怪事が頻々と発生していた――。 エドガー賞受賞の傑作『ミスター・メルセデス』でホッジスと死闘を演じた「メルセデス・キラー」が静かに動き出す。 底知れぬ悪意が不気味な胎動をはじめる前半戦が、ここに開始される。 ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 美しい距離
    4.0
    芥川賞候補作 島清恋愛文学賞受賞作 死ぬなら、がんがいいな。 がん大国日本で、医者との付き合い方を考える病院小説! ある日、サンドウィッチ屋を営む妻が末期がんと診断された。 夫は仕事をしながら、看護のため病院へ通い詰めている。 病室を訪れるのは、妻の両親、仕事仲間、医療従事者たち。 医者が用意した人生ではなく、妻自身の人生をまっとうしてほしい―― がん患者が最期まで社会人でいられるのかを問う、新しい病院小説。 解説・豊崎由美 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 銀河の森、オーロラの合唱
    4.0
    優しい愛があふれる天体系日常ミステリー 地球へとやってきた愛にあふれる宇宙人モーンガータと、北海道陸別町でともに暮らす少年少女が出会うちょっとだけ不思議な日常の謎。 オーロラの見える町、北海道陸別町へやってきた宇宙人アウロラ。 自らに向けられる愛情を「糧」に生きるモーンガータ星人は、同じ星の仲間だけでなく、地球人にも優しい。 そんなアウロラは事情を抱える子どもの母代わりとなっている。 日常で出会う謎を、科学の力と「愛」で解きながら成長していく子どもたちを描く青春小説。
  • ちょっと徳右衛門 幕府役人事情
    4.0
    八十石取りの与力・浜野徳右衛門32歳。日々のお役目は無難にこなし、偉くなるより家庭円満の暮らしを愛していたが、ある日、息子の慎之介が上役の息子にイジメられていることを知り……出世を望む妻、上司や同僚の視線、人情が呼ぶ意外な事件。右往左往の徳右衛門、ささやかな幸せを守れるか!? 剣の腕は確かで上司の信頼も厚い、マイホーム侍、見参。新感覚時代シリーズ初登場!
  • 秋山久蔵御用控 花見酒
    4.0
    言い交した娘を襲おうとした浪人を殺した丈吉は、久蔵の情状酌量もあって遠島ですみ、さらに赦免で江戸に戻ってきた。丈吉はその娘・おふみの行方を探すが、おふみは今は長屋の隣人の浪人で、一人で娘を育てる夏目佐内と互いを思いあっていた。そんな折、丈吉に弟を殺された博奕打ちの清蔵が、丈吉に賞金を懸けたという。それを知った左内は意外な行動をとる。さらにおふみの気持ちを知った丈吉は、身を引こうとするが……。 好評シリーズ第29弾!
  • 深海の夜景
    4.0
    大都会で居場所を見失った者を導く一筋の光 妻を、父を理不尽にも殺され、犯人に復讐を企てる男たち。都市の深層に生き再起を窺う人間たちを棟居刑事が優しく見守る社会派短編。
  • 沈黙のひと
    4.0
    吉川英治文学賞受賞、小池文学の最高峰! 亡き父が遺した日記には娘への愛、家族との不仲、そして恋人との心の交流が記されていた。生と死、家族を問い直す魂を揺さぶる傑作!
  • 背負い富士
    4.0
    NHKでドラマ化もされた一力版次郎長! これまで何度も小説や映画の題材になった永遠のアンチヒーロー「清水の次郎長」に、“義理と人情”の山本一力が新たな命を吹き込んだ。実の両親と別れ養子に出された少年・長五郎は、激動の幕末に己の才覚と運で人生を切り開いていく。命がけで次郎長に従う森の石松や、大政、小政ら、おなじみの次郎長一家も大活躍。
  • マルガリータ
    4.0
    第17回松本清張賞に輝いた本作の主人公は、戦国末期、天正遣欧少年使節団の1人としてローマに派遣された千々石ミゲル。8年後、帰国した彼らを待ち受けていたのはキリスト教の禁教と厳しい弾圧。信仰に殉じた他の3人に対し、ミゲルは棄教という選択をする。なぜ彼は信仰を捨て、生き抜こうとしたのか? その生涯をミゲルの妻、珠の視点から描く。「物語を押しすすめる筆力は素晴らしいものがあるし、後半に四人の使者が交わす会話などは作者の熱気が伝わってきた。生身の人間が見えた気がした」(伊集院静氏の松本賞選評より)。新人離れした練達の筆が冴える、傑作歴史小説。
  • 充ち足りた悪漢たち
    4.0
    つぶらな瞳、あどけない顔、私に似て美人の娘、俺に似た頭のいい息子、可愛くて無邪気な子供たち。しかし、彼らには大人に見せないコワイ素顔が……。高利貸を始める小学生、隠し撮りをする少年、イタズラ電話の愉快犯など、屈託なく事件を起こす子供たちの悪辣ぶりを描く傑作全6編。子供の“悪”を通して大人の世界に隠されている“悪”を暴き出す、ちびっ子版ロマン・ピカレスク!
  • 月島慕情
    4.0
    「あたし、あんたのおかげで、やっとこさ人間になれたよ」吉原の年増女郎・ミノにふってわいた結婚話。しかし、身に余る幸せに浸る間もなく、思いもかけない真実が叩きつけられる。ミノが選んだ道とは…。過去をかかえた女の、哀切あふれる恋を描いた表題作「月島慕情」。ワンマン社長とガード下の靴磨きの老人の生き様を描いた、傑作「シューシャインボーイ」。ほか、市井の人々の優しさ、矜持を描いた珠玉の短篇集。著者自身が創作秘話を語る「自作解説」も収録。
  • BKBショートショート小説集 電話をしてるふり
    3.9
    たった5分で見えていた景色が変わる! よくナンパをされる私は、スマホで父親と話すふりをして避けていると……(「世にも奇妙な物語」でドラマ化された表題作)、老夫婦が営む喫茶店で話の上手な友が(「いつも悪いな」)など、ブラックジョークに笑い、思わず涙し、展開に驚く。 たった5分で見えていた世界がガラリとかわる、極上のショートショート、たっぷり50編! BiSHのモモコグミカンパニーとの特別対談も収録。
  • 納棺夫日記 増補改訂版
    3.9
    〈納棺夫〉とは、永らく冠婚葬祭会社で死者を棺に納める仕事に従事した著者の造語である。「生」と「死」を静かに語る、読み継がれるべき刮目の書。 序文・吉村昭 解説・高史明
  • 六月の雪
    3.9
    1巻1,100円 (税込)
    夢破れた30代の将来への不安、認知症がはじまった本人と周囲の驚愕。 いまの日本の現代的なテーマと、台湾と日本との現代史がからみ合う、乃南アサ台湾ものの決定版! 30代前半、独身の杉山未來は、声優になるという夢に破れ、父母、妹、弟と離れ、祖母・朋子と東京でおだやかな二人暮らし。 ある日、祖母の骨折・入院を機に、未來は祖母が台湾うまれであることを知る。 彼女を元気づけるため、未來は祖母ゆかりの地を訪ねようと台湾へと旅立つ。 ところが戦前の祖母の記憶はあいまいで手掛かりが見つからない。 そこで出合ったのはひと癖もふた癖もある台湾の人たち。 台湾が日本の植民地であったこともぼんやりとしか知らない未來は、中国国民党に蹂躙された台湾の人々の涙を初めて知る。 いっぽう、朋子は認知症を発病し、みずからの衰えに言いようのない恐怖を覚えていた。 それに追い打ちをかける、朋子の遺産目当ての実の娘、真純(ますみ)の突然の出現……。 未來は祖母のふるさとに辿りつくことができるのか。 朋子の衰えに、未來は間に合うのか。そして長い旅路の果てに、未來が下した重大な決断とは……。 『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』と続く著者の台湾ものの、決定版とも言うべき感動巨篇。 ※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 平成くん、さようなら
    3.9
    社会学者・古市憲寿、初小説。 安楽死が合法化された現代日本のパラレルワールドを舞台に、平成という時代と、いまを生きることの意味を問い直す、意欲作! 平成を象徴する人物としてメディアに取り上げられ、現代的な生活を送る「平成くん」は合理的でクール、性的な接触を好まない。だがある日突然、平成の終わりと共に安楽死をしたいと恋人の愛に告げる。 愛はそれを受け入れられないまま、二人は日常の営みを通して、いまの時代に生きていること、死ぬことの意味を問い直していく。 なぜ平成くんは死にたいと思ったのか。そして、時代の終わりと共に、平成くんが出した答えとは――。 『絶望の国の幸福な若者たち』『保育園義務教育化』などで若者の視点から現代日本について考えてきた著者が、軽やかに、鋭く「平成」を抉る! ※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ガラスの城壁
    3.9
    友との誓いを胸に、少年はいま立ちあがる。 父がネット犯罪に巻き込まれて逮捕された。真犯人を捕まえるため、悠馬は友人の暁斗と調べ始めるが――。真相にたどり着けるのか!? ※この電子書籍は2019年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 強父論
    3.9
    「俺が死んでも讃える追悼記など書くな」という父・阿川弘之の遺言に、「お父ちゃんがいかに無茶苦茶な人であったか。周囲がどれほどひどい目に遭わされたか。思い出すかぎり、精根込めて書いてみる」とエッセイストの娘が綴る、前代未聞の追悼記。 94歳で大往生した破天荒な父の「強父語録」を挙げてみると──。 ・老人ホームに入れたら自殺してやる! ・のたれ死のうが女郎屋に行こうが勝手にしろ ・勉強なんかするな。学校へ行くな ・結論から言え、結論から ・今後、誕生日会を禁止する! ・大学でサムシングを学んでこい ・戦後教育が悪いからバカが育つ ・お前の名前はお墓から取った ・知ったかぶりをした文章を書くな ・朝日の手先になりやがって ・お前は俺にそっくりだ あまりの暴言に震え、時折のユーモアに笑いつつ、いつしか父と娘の不思議な情愛に胸が熱くなる。 解説・倉本聰
  • 湯を沸かすほどの熱い愛
    3.9
    宮沢りえ、杉咲花ら出演の感動映画。監督自ら書下ろし 銭湯「幸の湯」の女将さん・双葉に余命宣告が。幸野家には双葉が亡くなる前に絶対にかたをつけておかなくてはならない秘密があった。
  • 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話
    3.9
    超人気シリーズが、書き下ろし長編小説に! 髪結いの伊三次と芸者のお文。仲のよい夫婦をめぐる騒動を、江戸の夜空にかかる月が見守っている。大河ロマン的な人情時代小説です。
  • フラミンゴの家
    3.9
    町の下半身と揶揄される「さかえ通り商店街」で実家のスナックを手伝うバツイチ男・正人。元妻が入院したため、幼い頃に別れた反抗期の娘と暮らすことになり、同棲中の恋人も追い出したのだが、簡単に親子の距離は縮まらない――。家族の再生に悪戦苦闘するヘタレ男が涙と笑いを誘う、芥川賞作家の傑作長篇。
  • 安土城の幽霊 「信長の棺」異聞録
    3.9
    秀吉の秘技、家康の妄執、天下人たちの意外な素顔を巧みに描く、「本能寺3部作」外伝! 信長の命により息子の信康を自刃させてしまった家康。日々鬱々として過ごす家康は、ある日名案を思いつき、臣下の服部半蔵を安土城に派遣する。果たしてその結果は? 表題作「安土城の幽霊」ほか、信長、秀吉、家康と持ち主の運命を左右する器の物語など、著者初めての中篇歴史小説集。
  • 星々の悲しみ
    3.9
    1巻550円 (税込)
    喫茶店に掛けてあった絵を盗み出す予備校生たち、アルバイトで西瓜を売る高校生、蝶の標本をコレクションする散髪屋──。若さ故の熱気と闇に突き動かされながら、生きることの理由を求め続ける青年たち。永遠に変らぬ青春の美しさ、悲しさ、残酷さを、みごとな物語と透徹したまなざしで描く傑作短篇集。
  • 季節風 冬
    3.9
    1~4巻565~691円 (税込)
    出産のために離れて暮らす母親のことを想う5歳の女の子の素敵なクリスマスを描いた「サンタ・エクスプレス」ほか、<ひとの“想い”を信じていなければ小説は書けない気がする>という著者が、普通の人々の小さくて大きな世界を季節ごとに描き出す短篇集「季節風」シリーズの冬篇。寒い季節を暖かくしてくれる、冬の物語12篇を収録。
  • 虚無のオペラ
    3.9
    セックスを抜きにしては考えられない恋だった。あなたはずっと、私の身体でピアノを弾いてた。私には淫蕩の血が流れているのか……。舞台は冬の京都。高名な日本画家の裸婦モデルをつとめる結子は、8歳年下のピアニスト島津正臣との恋を断ち切るため、ふたりきりで、雪に閉ざされた小さな宿に籠もる。この後は二度と会うことはない。別れのためだけにある4日間の逢瀬に、女と男の恋情と性愛の極みを艶やかに奏であげる、かくも美しき恋愛小説!
  • こいわすれ
    3.8
    NHKドラマ化もされた大人気「まんまこと」シリーズ第3弾! 江戸町名主の跡取り息子・麻之助は、親友とともに様々な謎と揉め事の解決に立ち向かう。ふわりとした筆致で描かれた、6つのあたたかな短編集。 「私は父親になるのかい?」妻のお寿ずから懐妊を知らされ、驚きつつ大喜びする麻之助には、思いもよらぬ運命が待ち受けており――江戸情緒とともに、切ない幕切れが心にしみる1冊。 解説・小谷真理 ※この電子書籍は2011年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ラストレター
    3.8
    「Love Letter」から24年――映画「ラストレター」原作小説。 「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」 「君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?」亡くなった姉の未咲の代わりに同窓会に出た裕里は、初恋相手の鏡史郎と再会し、姉のふりをして文通を始める。 手紙は姉妹の娘たちをも巻き込み、二つの世代の時間を動かし始める――。 不朽の名作『ラヴレター』から24年の時を経て贈られる、岩井美学の到達点。 映画「ラストレター」(出演:松たか子、広瀬すず、神木隆之介、福山雅治ほか)の原作小説。 解説・西崎憲 ※この電子書籍は2018年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 起き姫 口入れ屋のおんな
    3.8
    江戸のおんなの心意気を描く名人芸 江戸のおんなを描いて「不世出の名人」と評された杉本章子、最後の傑作。 夫が浮気相手と子まで生したことに嫌気が差して、おこうは婚家を離れた。 実家に戻っても安息は訪れない。 奉公人の周旋や仲介をする口入れ屋の女主人に雇ってほしいと必死で頼んだのだが……。 大店の若新造から転身した人生の機微を描いて、泣かせます。 単行本未収録の「ふたたびの浮き世」も掲載。 解説・諸田玲子
  • リーシーの物語(上)
    3.8
    巨匠キングが自身のベストと呼ぶ感動大作 夫の死後、悲しみに暮れるリーシー。夫の過去に秘められたあまりに痛ましい出来事とは? 永遠の愛と悲しみからの再生を描く傑作。
  • 夕暮れをすぎて
    3.8
    巨匠キングが贈る不思議と感動の物語 ごく普通の人々の人生に訪れる不思議。切ない悲しみの待つ結末、あるいは血の凍るような恐怖。巨匠の才能を堪能できる最新短篇集
  • 暗色コメディ
    3.8
    著者の処女長篇にして本格ミステリの古典的傑作 別々の場所で起きた四つの不可思議な謎が互いにからみ合い、やがて驚愕のトリックと意外な真相が明らかになる。名作待望の復刊!
  • 女の家庭
    3.8
    弱電会社の社員の夫とともに、娘を連れてパリから日本に戻った永子。同居する姑や小姑とのトラブル、娘の教育問題……外交官の両親をもち海外暮らしが長かった永子は、想像を絶する日本的な気苦労のまっただ中におかれる。忍従の先の幸せが、はたしてあるのか? そんな中、陰ながら永子を支えるひとりの男の存在で心は揺れ動く。“家庭”という迷宮の光と影を描き出す、傑作人間ドラマ。
  • ジュージュー
    3.8
    下町の小さなステーキ&ハンバーグのお店「ジュージュー」を舞台に繰り広げられる、おかしくも切ない物語。美津子は両親から受け継いだお店を、遠縁で元恋人でもある進一と共に切り盛りしている。常連のお客さんたちは、みんなどこかに欠落を抱えながらも、精一杯今日を生きている人ばかり。世の中はどうにもならないことばかり。でも、おいしいハンバーグを食べれば、つらいことがあっても元気を取り戻せる! 生きることの喜びをギュッと閉じ込めた傑作。
  • きみ去りしのち
    3.8
    1巻691円 (税込)
    満1歳の息子を喪った「私」は、休職届を出し、旅に出た。前妻のもとに残してきた娘とともに。かつて「私」が愛した妻もまた、命の尽きる日を迎えようとしていたのだ。恐山、奥尻、オホーツク、ハワイ、与那国島、島原……“この世の彼岸”の圧倒的な風景に向き合い、包まれて、父と娘の巡礼の旅はつづく。決して消えることのない傷を抱えた時、いかにして人は人生を再開させるのか。鎮魂と再生への祈りを込めた、熱い傑作の誕生。
  • 手のひら、ひらひら 江戸吉原七色彩
    3.8
    江戸吉原には、娘を花魁(おいらん)へと染めかえる裏稼業があった。その名も、うぶな時分に性技を仕込む「上ゲ屋(あげや)」、年季を重ねた妓(おんな)に活を入れハリを蘇らせる「保チ屋(もちや)」、常に女心を探り間夫(まぶ)を絶つ「目付(めつけ)」。吉原の架空の設定を軸に、これら男衆と、磨きぬかれたオンナ達が織りなす色と欲、恋と情けを描いた連作7編。秘められし真心が静かに胸をうつ、期待の新人のデビュー作!
  • 元刑務官が明かす死刑のすべて
    3.8
    死刑囚といちばん長い時間を過ごすのは刑務官。起案書に何十もの印鑑が押され、最後に法務大臣が執行命令をくだすまで、死刑囚はどんな特別処遇を受けるのか? 遺族が呆れる極悪人の素顔とは? なぜ死刑執行は処刑の後に告知されるのか。死刑執行を担当する者の苦悩……劇画「死刑執行」(緒方りる・画)やドキュメントノベル「死刑囚監房物語」など、多彩な切り口で死刑について紹介。刑務所の腐敗が報道される昨今、現場にいなければ判らない、死刑のすべて!
  • 子盗(と)り
    3.8
    京都の旧家に嫁いだ榊原美津子は、子供に恵まれずに十数年。本家の跡取りの出産を期待される重圧に耐えかね、妊娠していると言ってしまった美津子は、産院から新生児を連れ去ろうとして看護師・潤子に見咎められる。その後まもなく、榊原家では幸せそうな夫妻と赤ん坊を囲んで、盛大な祝宴が開かれていたが…。子に恵まれない女、子を奪われた女、子を望まない女──女たちの暗い情念を描いた傑作。第19回サントリーミステリー大賞・読者賞ダブル受賞作!
  • その霊、幻覚です。 視える臨床心理士・泉宮一華の噓
    3.7
    1~6巻740~800円 (税込)
    視える臨床心理士×心霊探偵コンビによる新シリーズ! 臨床心理士の泉宮一華(いずみや・いちか)は、霊が視えることを隠しながら、渋谷の宮益坂メンタルクリニックで働いている。そんな一華の平穏な日常は、彼女の秘密を握る謎の青年・翠(すい)の登場によって崩壊の危機に! 半ば脅される形で、一華は翠に同行し、心霊スポットの「調査」をすることになる。渋谷のスクランブル交差点に、山奥のトンネル、閉鎖した診療所……。キジトラ猫の式神・タマを従えて、二人の怖くて賑やかな幽霊退治がスタートする。 『丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。』『大正幽霊アパート鳳銘館の新米管理人』著者による、書き下ろし新シリーズが開幕!
  • 夜に星を放つ
    3.7
    1巻770円 (税込)
    直木賞受賞! やさしく煌めく傑作短編集 コロナ禍のさなか、閉塞感と、婚活アプリで出会った恋人との進展しない関係に悩む綾。 月に一度、綾の早世した双子の妹の恋人だった村瀬と話すことで気持ちを保っている。 重い喪失感を共有する二人が、夜空を見上げた先には――(真夜中のアボカド) どうしようもないことに対面した時、 人は呆然と夜空を見上げる。 いつか再び、誰かと心を通わせることができるだろうか――。 5つの優しい物語が光を紡ぐ 第167回直木賞受賞作。 【目次】 真夜中のアボカド 銀紙色のアンタレス 真珠星スピカ 湿りの海 星の随に 解説・ カツセマサヒコ 単行本 2022年5月 文藝春秋刊 文庫版 2025年2月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
  • 死者は嘘をつかない
    3.7
    作家デビュー50周年記念刊行、文庫オリジナル長篇! この小説は、「ぼく」ことジェイミーの回想記であり、そしてこれはホラーストーリーだ。 そう、だってぼくには死者が見える――。 「死人の霊が見える」という、古典的とさえ言える設定。 それがキング流に調理されると、他の何者とも違うユニークな物語が立ち上がる。 ジェイミー少年は、ものごころついた頃から死者が見えていた。死者の世界にはいくつかの決まりがあるようだった。 死者は死ぬとすぐ、死を迎えた場所の近くに、死んだときの姿で現れる。 長くても数日で、だんだん薄れていって消える。 普通の生者にはぼんやり存在が感知される程度だが、ジェイミーだけは会話を交わせる。 そして、死者は嘘をつけない。 文芸エージェントの母。若年性認知症を発症した伯父。 母の親友のタフな女性刑事。同じアパートの引退した名誉教授。 母のクライアントの売れっ子作家。警察をあざ笑う連続爆弾魔……。 ジェイミーはその能力ゆえに周囲の人々の思惑にたびたび振り回され、奇妙な目にあいながら、どうにか成長していく。 しかしある事件をきっかけに、いよいよ奇怪な事象が彼本人の身に降りかかってくるのだった――。 少年の成長物語を書かせれば天下一品、そして言わずもがなのホラーの帝王が、両者を組み合わせた「青春ホラーストーリー」。これが面白くないはずがない。 最後の最後まで驚きを仕込んできて読者を油断させてくれず、自身の代表作のある「ネタ」をからめてくるファンサービスも怠りなし。 どこを切ってもキングという円熟の筆で心おきなく楽しませてくれる、記念刊行にふさわしい逸品!
  • 悼む人 上
    3.7
    1~2巻621~642円 (税込)
    善と悪、愛と憎しみ、生と死が交錯する直木賞受賞作! 著者が切望した、「いま世界に一番いて欲しい人」とは? 不慮の死を遂げた人々を“悼む”ため、全国を放浪する若者・坂築静人。静人の行動に戸惑いと疑念を覚え、その身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒され、家族とともに最後の時間を過ごしながら、静人を案じる母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・奈義倖世。 静人の姿が3つの視線から描かれ、その3つのドラマが、やがて1つの大きな物語の奔流となる。「この方は生前、誰を愛し、誰に愛され、どんなことで人から感謝されてでしょう?」静人の問いかけは、彼を巡る人々の心を、少しずつ動かしていく。 家族との確執、死別の悲しみ、自らを縛りつける呪縛との対決。そして避けられぬ死の傍らで、新たな命が――。静かな感動が心に満ちる感動の巨編!
  • ゾーンにて
    3.7
    福島第一原発から半径20キロ圏内は、警戒区域となった。人が立ち入ることのできない場所〈ゾーン〉に棲むものたち。 現代の巫女・田口ランディが、極限に生きる命の輝きを描く「魂身の」中篇集。
  • ここがおかしい日本の社会保障
    3.7
    生活保護より低い最低賃金額から、祖父母が孫の年金保険料を支払う実態まで、でたらめすぎる日本の社会保障制度を一刀両断! 「パラサイト・シングル」や「希望格差社会」といったキーワードを創出してきた気鋭の社会学者・山田昌弘さんがずばり問題の本質に迫ります。
  • 扉守 潮ノ道の旅人
    3.7
    古い井戸から溢れだす水は≪雁木亭≫前の小路を水路に変え、月光に照らされ小舟が漕ぎ来る。この町に戻れなかった魂は懐かしき町と人を巡り夜明けに浄土へ旅立つ(「帰去来の井戸」)。瀬戸の海と山に囲まれた町でおこる小さな奇跡。著者の故郷・尾道をモデルとし、柔らかな方言や日本の情景に心温まる、ファンタジックな連作短篇集。広島の魅力を描いた本を、地元書店員が中心になって選ぶ賞として立ち上げた広島本大賞、第1回受賞作。
  • 口笛吹いて
    3.7
    1巻639円 (税込)
    偶然再会した少年の頃のヒーローは、その後、負けつづけの人生を歩んでいた。もう一度、口笛の吹き方を教えてくれたあの頃のように胸を張って笑って欲しい……。家庭に職場に重荷を抱え、もう若くない日々を必死に生きる人々を描く。さり気ない日常の中に人生の苦さをにじませる、著者会心の作品集。
  • 風少女
    3.7
    義父の死をきいて故郷前橋に帰ってきたぼくは、駅前でかわいい女子高校生から声をかけられた。ぼくの初恋のひと、川村麗子の妹だという。クールで誰もが振り返るほど美人の麗子は今どうしているのか。ラブレターを出して、しっかり振られた思い出しかないが……。回想にふけるぼくに、彼女の妹はこう告げる。姉の麗子がアパートの浴槽でおぼれて死んだ、と。彼女にふさわしくない、格好わるい死に方だ。事故死とは思えないぼくたちは事件を探ることにした。さわやか青春ミステリー。
  • Close to You
    3.7
    派閥抗争に敗れて会社を辞めた草薙雄大、三十三歳。オヤジ狩りにあった翌日、妻・鮎美が思い詰めた表情で囁いた。「お願い、専業主夫になって」。戸惑う雄大を襲う更なる災難。ついに鮎美が誘拐・監禁され……。東京郊外のマンション暮らしの中で、些細な事から深く憎悪されていたことを知らない二人に正体不明の悪意が牙を剥く! 地域社会との関わり、夫婦とは、仕事とは、そして男と女とは──決して他人事に思えなくなる「ネクスト・ドア」サスペンス!
  • 潮待ちの宿
    3.6
    1巻850円 (税込)
    幕末から明治へ、海辺の町で少女は決断する 備中の港町・笠岡の宿に九歳から奉公する志鶴。薄幸な少女は、おかみに見守られ逞しく成長する。歴史小説の名手、初の人情話連作集。 ※この電子書籍は2019年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 静人日記 悼む人II
    3.6
    直木賞受賞作『悼む人』の感動ふたたび! 新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪する坂築静人。死者の周辺の人々から疎んじられ、罵声を浴びせられることもあるが、時には、あなたの行為で救われたと感謝されることもある――。 さまざまな死者や生者との、出会いと別れを繰り返す静人。やがて一人の女性との邂逅が、今度は静人の心にも波紋を生む……。 前書きに、「できるだけ一日に一度、就寝前の時間に〈静人〉となり、空と向き合う。〈静人〉として、星を、星を隠す雲を見上げ、心にわきたつものを書きとめる。」とある通り、直木賞受賞作『悼む人』の主人公の日記という体裁をとった異色の小説は、『悼む人』を読んだ方はもちろん、未読の方にもこの素晴らしい作品世界への格好のイントロダクションになるだろう。
  • 肝っ玉かあさん
    3.6
    昭和ホームドラマの原点・復刊! 東京・原宿にある蕎麦屋「大正庵」の女主人・大正五三子は、太っ腹で、世話好きで、涙もろいお人好し。 くわえて体重もずっしり横綱級で、ひと呼んで「肝っ玉かあさん」。 この原宿の三大名物の一つともいわれる「肝っ玉かあさん」を主人公に、大正庵をめぐる人間模様を軽妙に描きつつ、ほろりとくる作品。 1968年4月から1972年1月まで全117回、3シリーズにわたって放送されたテレビドラマ「肝っ玉かあさん」。 視聴率30%を誇り、その後「ありがとう」へと続く人気路線の先駆けとなった。 その脚本を担当した平岩弓枝が、ドラマを小説に書き直したのではなく、同じテーマで作者の思いを込めて小説にした。 それが本書、『肝っ玉かあさん』である。 巻末の「四十六年後のあとがき」に、ドラマ「肝っ玉かあさん」役の京塚昌子との思い出が綴られている。 【目次】 序章 雨の日曜日 幼馴染 三三子の縁談 夫婦 邪魔っけ 夏の日 運動会 女盛り ちいさな秋 あとがき 四十六年後のあとがき

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