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なぜ男女格差はなくならないのか
日本社会に根強く残る男女間の賃金格差。 その背後にあったのは、「男性らしさ/女性らしさ」という呪縛だったーー。 ● 妊娠・出産による「母親ペナルティ」だけでは説明できない格差 ● 労働市場と恋愛市場の「ダブル・スタンダード」に苦しめられる女性たち ●「女性は数学ができない」という偏見が生む悪循環 ● ミシュランの星つきレストランに女性シェフが少ない理由 ● 〇〇専用車両は「差別的」な施策か? 優遇策の予期せぬ「副作用」 ● 韓国、アメリカ、北欧まで……世界中で急増する「女性を憎む」男性 ● 差別につながる「カテゴリー化」の罠 「今とは異なる境遇に、自分が生まれていたなら……。」 「あり得たかもしれない自分への想像力」に始まり、「今を生きる他者への想像力」に終わる、 性別をめぐる社会の理不尽に問いかける一冊。 世界的に起こっているマイノリティや女性の優遇策に対する「バックラッシュ」現象を考えるヒントにも。 -
戦争特派員は見た 知られざる日本軍の現実
「状況芳しくなく、腹は決まっています」 「これが最後の通信になるかもしれません」 「足の悪い者や病人は濁流の中に呑まれて行く」 最前線、爆弾投下、連絡員の死、検閲…… 何が写され、何が写されなかったのか? 兵士からは見えなかった〈もうひとつの戦場〉 「太平洋戦争勃発の際、ハワイでの奇襲攻撃は知っていても、その数時間前に日本軍の銀輪部隊(自転車部隊)がマレー半島を南下し、戦争勃発の引き金となった事実は、少なくとも日本では風化された記憶になっている。 一方で、戦争の被害を被ったマレーシアやシンガポールでは、こうした戦争の記憶は、学校や博物館だけでなく、家庭内でも継承され続けている。戦争に関する記憶のギャップは著しい。 世界で戦争や紛争が続く中、私たちにとって「戦後」とは何なのだろうか。 果たして、戦争の記憶を継承することはできるのか。 特派員たちは現場で何を見たのか。 ひとりひとりの仕事と人生を追うことで、知られざる「戦争の実態」が見えてくる」――「プロローグ」より 【目次】 第一章 戦争は報道を変えたか 第二章 特派員の叫びは新聞社首脳の耳に届いたか 第三章 戦時下中国で記者が取材したこととは? 第四章 帝国日本の周縁で何が起きていたか 第五章 南方で軍と新聞社は何をしていたのか 第六章 「不許可」写真は何を写していたか/写していなかったか -
外国語独習法
教科書選びから単語暗記まで、なぜ私たちは語学に躓いてしまうのか。 スラスラ読めてコツが身につく、「ここまでやればいい」がわかる。 100の言語をあやつる若き天才学者による、外国語学習の決定書! どんな言語にも使える! 挫折知らずの 外国語独習50のルールを大公開! 【本書の主な内容】 ●ウサギではなく意識してカメになる ●机に座る勉強からはもう卒業する ●「和訳だけ、作文だけ」の教科書はNG ●巻末の語彙集と変化表はマスト ●教科書の一周目は「速く浅く」 ●ノートは書き散らすためにある ●文型優先型と活用優先型を知る ●「文の中心は動詞」が鉄則 ●写経は最強の暗記法と心得る ●フレーズ音読で暗記効果アップ ●発音の鍵、「サンディ」を制する 【目次】 はじめに 第1章 世界の言語地図 第2章 外国語習得の心構え 第3章 教材はこうやって選ぶ 第4章 独習の秘訣~文法編~ 第5章 独習の秘訣~読解、暗記編~ 第6章 独習の秘訣~会話・発音、発展編~ 終章 多言語学習のすすめ -
知能とはなにか ヒトとAIのあいだ
チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だからといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除したり、抹殺したりするようになるだろうか。この命題については、著者はそのような恐れはないと主張する。少なくとも、現在の生成AIの延長線上には、人類に匹敵する知能と自我を持つ人工知能が誕生することはない、というのだ。 その理由は、知能という言葉で一括りされているが、人工知能と私たち人類の持つ知能とは似て非なるものであるからだ。 実は、私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えることができずにいる。そこで、本書では、曖昧模糊とした「知能」を再定義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒトの知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮説の妥当性を論じていく。 生成AIをめぐる混沌とした状況を物理学者が鮮やかに読み解く 本書の内容 はじめに 第0章 生成AI狂騒曲 第1章 過去の知能研究 第2章 深層学習から生成AIへ 第3章 脳の機能としての「知能」 第4章 ニューロンの集合体としての脳 第5章 世界のシミュレーターとしての生成A 第6章 なぜ人間の脳は少ないサンプルで学習できるのか? 第7章 古典力学はまがい物? 第8章 知能研究の今後 -
人はどう悩むのか
日本は今、「人生100年」と言われる長寿国になりましたが、その百年間をずっと幸せに生きることは、必ずしも容易ではありません。特に人生の後半、長生きをすればするほど、さまざまな困難が待ち受けています。 長生きとはすなわち老いることで、老いれば身体は弱り、能力は低下し、外見も衰えます。社会的にも経済的にも不遇になりがちで、病気の心配、介護の心配、さらには死の恐怖も迫ってきます。 そのため、最近ではうつ状態に陥る高齢者が増えており、せっかく長生きをしているのに、鬱々とした余生を送っている人が少なくありません。 実にもったいないことだと思います。 その状態を改善するには、どうすればいいのか。 身体を鍛え、機能の低下を防ぐためにあらゆる努力を重ねることでしょうか。 ちがいます。老いに抵抗することは、どんどん数が増える敵と闘うようなものです。それならば老化予防に執着するより、早めの和平、すなわち実現可能な状態で満足するほうが理に適っています。 身体が衰えるのは致し方ないとしても、精神的に健康であれば、日々をよりよく生きられるでしょう。病気や障害があっても、経済的に恵まれていなくても、家族がいてもいなくても、精神的に満たされていれば、幸せを感じることができるはずです。 「幸せな老後」を実現するのに、何より大切なことは、精神的に満たされること、すなわち、「精神の健康」です。 私は精神科医ではありませんが、福祉系の大学で「精神保健学」を昨年(2023年)まで、15年間、学生たちに講義をしてきました。精神保健学とは、文字通り「精神の健康(メンタルヘルス)を保つ」ための学問です。「精神の健康」とは、言い換えれば「毎日を気分よくすごせる状態」です。悩みや不安もなく、社会人、家庭人、個人として、健全な生活をしていることです。すなわちそれは、「幸福」ということで、年齢や地位や財産などに関係なく、生きていく上でもっとも大事なものではないでしょうか。 そこで、本書では、各ライフステージに潜む悩みを年代ごとに解説していきます。ふつうは時系列に沿って、生まれたときからスタートしますが、今回は逆に高齢者の側からたどってみたいと思います。 というのは、今の超高齢社会では、高齢者うつなど、「精神の健康の危機」に直面している人が多いからです。お釈迦さんが唱えた「生老病死」の四苦のうち、「老病死」の三つが襲いかかってくるのが高齢者です。悩みは心に生じるもので、物質や事実のように客観的に存在するものではありません。それなら、事前に悩みのありようを知ることで、実態のない悩みを少しは抑えることができるのではないでしょうか。せっかく手に入れた長生きを、気分よくすごす。それが本書の目的です。 -
ウイルスはそこにいる
ヒトはウイルスと共に生きている。私たちのからだは一見きれいに見えても実はウイルスまみれだった! 免疫学者とウイルス学者がタッグを組んで生命科学最大のフロンティアを一望! ウイルスはつねに悪者というわけではない。われわれの身の回りには病原性を持たないウイルスがいくらでもいる。われわれのからだの表面や気道や消化管の内腔には多くの細菌が存在して常在細菌叢を形成しているが、実はこれらの場所には多種多様なウイルスが同時に存在していて、常在ウイルス叢というものが存在する。 さらに、私たちの遺伝子の中には非常に多くのウイルス由来の配列が散在している。これに加えて、ウイルスそのものまでがゲノムの中に挿入されていることがあり、その一部はなんとヒトの遺伝子として働いていることがわかってきた。つまり、ウイルスは外界からの侵入者ではなくて、一部のものはわれわれの体内に棲みついて、われわれはそれを利用しているのである。われわれのからだという「母屋」がウイルスに「軒を貸した」状態になっていて、まさに「ウイルスはそこにいる」のだ。 ●なぜ感染すると病気に? ●ミクロの世界で繰り広げられる 驚きの攻防戦とは? ●新型コロナウイルスは持続潜伏する可能性が ●巧妙な仕組みで体内に潜伏する肝炎ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス ●子宮頸がんウイルス、麻疹ウイルス、エイズウイルス、EBウイルスなど、体内に潜伏する病原体 【本書の内容】 第1章 新型コロナウイルスでささやかれる持続感染の恐怖 第2章 ウイルスとは何か 第3章 ウイルスに感染すると、なぜ病気になるのか 第4章 ウイルスがからだに潜り込むカラクリ 第5章 厄介な潜伏ウイルスたち 第6章 病原性ウイルスvs.人類 ミクロの世界で繰り広げられる攻防戦 第7章 ヒトのゲノムに入り込んだウイルスたち 第8章 医学でウイルスを克服できるのか -
人はどう老いるのか
老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。 イヤなことばかり書きましたが、これが老いるということ、すなわち長生きということです。 にもかかわらず、長生きを求める人が多いのはなぜなのか。それは生物としての人間の本能であり、長生きをすればいいこともいっぱいあるからでしょう。 世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれています。曰く、「八十歳からの幸福論」「すばらしき九十歳」「人生百年!」「いつまでも元気で自分らしく」「介護いらず医者いらず」等々。 そのことに私は危惧を深めます。そんな絵空事で安心していてよいのかと。 思い浮かぶのが、パスカルの言葉です。 我々は絶壁が見えないようにするため、何か目を遮るものを前方に置いた後、 安心して絶壁のほうに走っているのである。 下手に老いて苦しんでいる人は、だいたい油断している人です。浮かれた情報に乗せられ、現実を見ずに明るく気楽で前向きな言葉を信じた人たちです。 上手に老いて穏やかにすごしている人は、ある種の達観を抱いています。決していつまでも元気を目指して頑張っている人ではありません。いつまでも元気にこだわると、いずれ敗北の憂き目を見るのは明らかです。 老いれば機能が劣化する分、あくせくすることが減ります。あくせくしても仕方がないし、それで得られることもたいしたものではないとわかりますから。そういう智恵が達観に通じるように思います。 多くの高齢者に接してきて、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見ていると、初体験の「老い」を失敗しない方法はあるような気がします。それをみなさんといっしょに見ていきたいと思います。 第一章 老いの不思議世界 第二章 手強い認知症高齢者たち 第三章 認知症にだけはなりたくない人へ 第四章 医療幻想は不幸のもと 第五章 新しいがんの対処法 第六章 「死」を先取りして考える 第七章 甘い誘惑の罠 第八章 これからどう老いればいいのか -
中流危機
かつて「一億総中流社会」と言われた日本。戦後、日本の経済成長を支えたのは、企業で猛烈に働き、消費意欲も旺盛な中間層の人たちだった。しかし、バブル崩壊から30年が経ったいま、その形は大きく崩れている。 2022年7月内閣府が発表したデータでは、1994年に日本の所得中間層の505万円だった中央値が2019年には374万円と、25年間で実に約130万円も減少した。もはや日本はかつてのような「豊かな国」ではなく先進国の平均以下の国になってしまった。なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか。「中流危機」ともいえる閉塞環境を打ち破るために、国、企業、労働者は何ができるのか。その処方箋を探った。 【プロローグ】稼げなくなった中間層 第1部 中流危機の衝撃 第1章 幻想だった中流の生活 第2章 夢を失い始めた若者たち 第3章 追い詰められる日本企業 第4章 非正規雇用 負のスパイラルはなぜ始まったのか 第2部 中流再生のための処方箋 第5章 デジタルイノベーションを生み出せ 第6章 リスキリングのすすめ 第7章 リスキリング先進国ドイツに学ぶ 第8章 試行錯誤 日本のリスキリング最新事情 第9章 同一労働同一賃金 オランダパートタイム経済に学ぶ 【エピローグ】ミドルクラス 150年の課題 -
首都防衛
首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山大噴火…… 過去にも一度起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか? 命を守るために、いま何をやるべきか? 最新データや数々の専門家の知見から明らかになった、 知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」とは――。 【本書のおもな内容】 ●320年ほど前に起きた「前代未聞の大災害」 ●首都直下地震で帰宅困難者453万人、6000人が犠牲に ●朝・昼・夕で被害はどれだけ違うのか? ●南海トラフが富士山噴火と首都直下地震を呼び起こす ●なぜ「足立区」が一番危ないのか? ●「7秒」が生死を分ける、半数は家で亡くなる ●大震災で多くの人が最も必要と感じる情報とは? ●国や都の機能が緊急時に「立川」に移るワケ ●そもそも地震は「予知」できるのか? ●「内陸直下の地震」と「海溝型の地震」は何が違うのか? ●エレベーター乗車前に「すべきこと」 ●半年に1度の家族会議をする地震学者 ●なぜ「耐震改修」が進まないのか? ●弾道ミサイルから逃げられない事情 ●天気はコントロールできるのか……ほか 【目次】 はじめに 最悪のシミュレーション 第1章 首都直下地震の「本当の恐怖」 第2章 南海トラフ巨大地震は想像を超える 第3章 大災害「10の教訓」 第4章 富士山噴火・気象災害・弾道ミサイル -
黎明 日本左翼史 左派の誕生と弾圧・転向 1867ー1945
階級を生んだ松方デフレ、大逆事件の衝撃、白熱のアナ・ボル論争、弾圧と知識人の「転向」。 日本左翼の原点とは何だったのか? シリーズ累計15万部の「左翼史」シリーズ、社会運動の源泉を探る【戦前編】。 【本書の内容】 ・右翼と左翼が未分化だった戦前 ・絶大な存在感を示した大本教 ・資本主義を確立させた「松方デフレ」 ・太宰治が悩まされた「後ろめたさ」の正体 ・近代史上最大の農民蜂起「秩父事件」 ・キリスト者・内村鑑三と足尾鉱毒事件 ・「平民新聞」が打ち出した非戦論 ・無政府主義が日本で「ウケた」理由 ・幸徳秋水と「アナルコ・サンディカリズム」 ・社会主義者に打撃を与えた「赤旗事件」 ・高畠素之が見抜いたロシア革命の本質 ・「22年テーゼ」と第一次共産党弾圧 ・第二次共産党の再建と「福本イズム」 ・エンタメ性抜群のプロレタリア文学 ・佐野・鍋山転向声明の衝撃 ・疑心暗鬼を募らせた共産党と小畑達夫の死 ・転向者が出た講座派、出なかった労農派 ……ほか 【本書の目次】 序章 「戦前左翼史」とは何か 第一章 「松方デフレ」と自由民権運動 第二章 社会主義運動と「大逆事件」 第三章 ロシア革命と「アナ・ボル論争」 第四章 日本共産党の結成と「転向」の問題 -
はじめてのクラシック音楽
どうぞこの本を手に取って、クラシックの世界の中へと踏み込んでみてください。先は急がなくてもいいのです。ゆるゆると散策するつもりで。飛ばし読みでも大丈夫です。そして、気になる作曲家、作品、演奏家がいたら、聴いてみてください。そして、「あなたの美」を見つけてください。 クラシックは縦横の線だか表のようなものだと思ってください。縦線は作曲家や作品、横線は演奏家です。作曲家がいなければ、音楽は生まれません。しかし、演奏家がいなければ、現実の音として聞こえてきません。作曲家と演奏家の絡み合いにこそが、クラシックの楽しさであり、ややこしさであります。どちらに興味をひかれてもいいので、おもしろそうだと思ったら聴いてみる、ただそれだけを考えればいいのです。 (「はじめに」より) -
ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う
年収は300万円以下、本当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70代男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働く……知られざる定年後の「仕事の実態」とは? 漠然とした不安を乗り越え、豊かで自由に生きるにはどうすればいいのか。豊富なデータと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」だった。日本社会を救うのは、「小さな仕事」だ! 【目次】 第1部 定年後の仕事「15の事実」 事実1 年収は300万円以下が大半 事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 事実3 稼ぐべき額は月60万円から月10万円に 事実4 減少する退職金、増加する早期退職 事実5 純貯蓄の中央値は1500万円 事実6 70歳男性就業率は45.7%、働くことは「当たり前」 事実7 高齢化する企業、60代管理職はごく少数 事実8 多数派を占める非正規とフリーランス 事実9 厳しい50代の転職市場、転職しても賃金は減少 事実10 デスクワークから現場仕事へ 事実11 60代から能力の低下を認識する 事実12 仕事の負荷が下がり、ストレスから解放される 事実13 50代で就労観は一変する 事実14 6割が仕事に満足、幸せな定年後の生活 事実15 経済とは「小さな仕事の積み重ね」である 第2部 「小さな仕事」に確かな意義を感じるまで 事例1 再就職先で一プレイヤーとして活躍 事例2 週末勤務で会社を支える 事例3 包丁研ぎ職人を目指して独立 事例4 近所の学校で補助教員として働く 事例5 同僚、患者とのやり取りを楽しむ 事例6 幕僚幹部から看護師寮の管理人に 事例7 仕事に趣味に、人生を謳歌する 第3部 「小さな仕事」の積み上げ経済 1.定年後も働き続ける人に必要なこと 2.高齢社員の人事管理をどう設計するか 3.労働供給制約時代における経済社会のあり方 -
激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972
高揚する学生運動、泥沼化する内ゲバ、あさま山荘事件の衝撃。 左翼の掲げた理想はなぜ「過激化」するのか? 戦後左派の「失敗の本質」。 自分の命を投げ出しても構わない。他人を殺すことも躊躇しない。 これが「思想の力」である。 いま、戦後史から学ぶべき歴史の教訓とは。 「この時代は、左翼運動が最高潮に達しながらその後急速な凋落を辿っていった時代にあたり、左翼史全体を通じても特に歴史の教訓に満ちた時代です。まさに、この時代は「左翼史の核心」と言えるでしょう。」(佐藤優) 「なぜ左翼は失敗したのか。この本では一貫してこの問いに立ち返ることになるでしょう。そして、左翼の顛末を歴史の教訓として総括することは、最も学生運動が盛り上がっていた1968年に大学生になった私の使命でもあります。」(池上彰) 【本書の目次】 序章 「60年代」前史 第1章 60年安保と社会党・共産党の対立(1960~1965年) 第2章 学生運動の高揚(1965~1969年) 第3章 新左翼の理論家たち 第4章 過激化する新左翼(1970年~) 【本書の内容】 ・60年安保は「反米闘争」か「反岸闘争」か ・「敵の出方」論をめぐる共産党・志位和夫の嘘 ・「反スターリニズム」に賭けた新左翼の精神 ・「反米従属」と「愛国」に舵を切る60年代共産党 ・新左翼は「リアリズムを欠いたロマン主義」 ・「第一次羽田事件」山崎博昭の死が時代を動かす ・戦う意志を貫き、代議制を捨てた「全共闘」 ・行動の「中核派」、理論の「革マル派」 ・「ニセ左翼」vs.「権力の泳がせ論」 ・本屋で「火炎瓶製造マニュアル」が買えた時代 ・「日大アウシュヴィッツ」という揶揄の声 ・池上彰青年を「オルグ」しようとしたセクト ・卓越した思想家・黒田寛一と国鉄・松崎明の関係 ・沖縄は「奪還」すべきか、「解放」すべきか ・日本人を「総ノンポリ化」した新左翼運動 ・左翼は「人間の不完全さ」を自覚せよ ……ほか -
ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか
誰も見ない書類をひたすら作成するだけの仕事、無意味な仕事を増やすだけの上司、偉い人の虚栄心を満たすためだけの秘書、嘘を嘘で塗り固めた広告、価値がないとわかっている商品を広める広報……私たちはなぜ「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」に苦しみ続けるのか? なぜブルシット・ジョブは増え続けるのか? なぜブルシット・ジョブは高給で、社会的価値の高い仕事ほど報酬が低いのか? 世界的ベストセラー、デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』の訳者による本格講義! 【目次】 第0講 「クソどうでもいい仕事」の発見 第1講 ブルシット・ジョブの宇宙 第2講 ブルシット・ジョブってなんだろう? 第3講 ブルシット・ジョブはなぜ苦しいのか? 第4講 資本主義と「仕事のための仕事」 第5講 ネオリベラリズムと官僚制 第6講 ブルシット・ジョブが増殖する構造 第7講 「エッセンシャル・ワークの逆説」について 第8講 ブルシット・ジョブとベーシックインカム おわりに わたしたちには「想像力」がある -
院政 天皇と上皇の日本史
125代にわたって続く天皇制。その「天皇」の運用において、最も画期的だったのが「院政」の開始だった「万世一系」とうたわれる血統の再生産は、いかにして維持されてきたのか、それを支えてきた組織や財政の仕組み、社会の構造がどのようなものだったのか。「天皇制」の変遷から、日本の歴史を読み解く。本年4月30日、江戸時代の光格上皇以来、約200年振りに天皇が退位し、「上皇」の名称が復活することになりました。これは憲政史上、および一世一元の制が定められた明治以降初めてのことになります。神話時代は除くとしても、日本の天皇家は少なくとも千数百年にわたって、125代という皇位継承を実現してきました。これが可能だったのは、「天皇」の運用が非常に柔軟だったからでした。天皇不在で皇太子が政務をとった時期もありましたし、女性天皇や幼帝が位につく場合もありました。また天皇は終身の地位ではなく、譲位も頻繁に行われていました。天皇の地位が日本の頂点に置かれていたことは間違いないとしても、時代の政治状況に応じてかなり大きな幅をもって運用することができていたのです。いえむしろその運用のさまは、ほとんど場当たり的といってもよいほどです。その「天皇」の運用において、最も画期的だったのが、おそらく「院政」の開始でした。古代以来の制度である太政官制を保持したまま、速やかな政治的判断と断固たる政治的決断を可能とする回路を作り出し、新しい時代を開いたのが、この院政という方式だったのです。天皇の父であることを根拠に権力を掌握した「院」=上皇のもとに、日本のさまざまな場所で胎動していたエネルギーが引き寄せられ、大きなうねりとなったなり、中世という、新しい時代を開いたのです。本書では、「院政」という政治方式をを通して、「万世一系」とうたわれる血統の再生産がいかにして維持されてきたのか、またそれを支えてきた組織や財政の仕組み、社会の構造がどのようなものであったかを考えていきます。 -
地図から消される街 3.11後の「言ってはいけない真実」
3.11から丸7年。報道が少なくなる中、避難指示解除が進んだ福島第一原子力発電所近隣地域で進む恐るべき事態とは? メディアを通して見せかけの「復興」が叫ばれ、実際には、自治体の「町残し」ばかりが進み、人が消えていく実情──。震災直後から足を運び、取材を続ける唯一の大手紙記者にして、新聞協会賞三度受賞の若手女性ジャーナリストが迫る、大メディアの報じない「不都合な真実」! -
飛行機の戦争 1914-1945 総力戦体制への道
なぜ国民は飛行機に夢を託し、人、金、物を提供したのか――。貧しい人びとの出世の手段としての航空兵。国民一人一人がお金を出しあって飛行機をつくる軍用機献納運動。防空演習ですり込まれる空襲の恐怖と、空中国防の必要性。学校、親への「説得」を通して行われる未成年の航空兵「志願」……。日本軍=大艦巨砲主義という通説をくつがえし、総力戦の象徴としての飛行機に焦点をあて、戦前、戦中の現実を描く。 -
日本人のしつけは衰退したか 「教育する家族」のゆくえ
「パーフェクト・チャイルド」──しかしながら、大正・昭和の新中間層の教育関心を、単に童心主義・厳格主義・学歴主義の三者の相互の対立・矛盾という相でのみとらえるのは、まだ不十分である。第一に、多くの場合、彼らはそれら三者をすべて達成しようとしていた。子供たちを礼儀正しく道徳的にふるまう子供にしようとしながら、同時に、読書や遊びの領域で子供独自の世界を満喫させる。さらに、予習・復習にも注意を払って望ましい進学先に子供たちを送り込もうと努力する──。すなわち、童心主義・厳格主義・学歴主義の3つの目標をすべてわが子に実現しようとして、努力と注意を惜しまず払っていた。それは、「望ましい子供」像をあれもこれもとりこんだ、いわば「完璧な子供=パーフェクト・チャイルド」(perfect child)を作ろうとするものであった。──本書より (講談社現代新書) -
現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義
終末論の地層――イスラーム教の古典的要素にさかのぼることのできる要素の上に、近代に入ってから流入した陰謀史観の要素と、現在に流入したオカルト思想の要素が、いわば地層のように堆積して、現代の終末論は成り立っている。そして、イスラーム教の古典終末論の要素にも、また積み重ねがある。イスラーム教はユダヤ教・キリスト教から続く「セム的一神教」のひとつである。ユダヤ教とキリスト教が発展させた終末論体系を基本的に継承しており、両宗教から受け継いだモチーフがかなり多い。その上に「コーラン」や「ハーディス集」によってイスラーム教独自の修正や潤色が加えられている。――本書より (講談社現代新書) -
関係する女 所有する男
男女の違いという大テーマに斎藤環が挑む! 男と女はどう違うのか? 「性差」とは一体なんなのか? 人気の精神科医が、社会にはびこるトンデモ仮説を排し、この大テーマをさまざまな角度から分析する。(講談社現代新書) -
境界知能の人たち
だから生きづらかったのか! 7人に1人、日本に約1700万人いるとされる「境界知能」の人たち。 言語化が苦手、仕事の段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすい…… 困っているのに気づかれなかった人々の実態とは? 当事者を見てきた第一人者の医師が、 現状から事例、支援策まで、全体像をわかりやすく解説する。 【本書のおもな内容】 ●なぜIQ70~84が境界知能となったのか? ●診断ができない・つかないことの苦悩 ●「境界知能=非行少年」は本当か? ●医療、福祉、保健、心理、教育で見落とされてきた ●発達障害や知的障害との関連性とは? ●愛着障害やうつ病で気づかれなかった事例 ●国内外でどんな支援が行われているのか? ●サポートが必要になる人の「9つの特徴」 「実は、境界知能とは診断名ではありません。だからこそ、周囲から理解されず、境界知能の人は、学校や就労、社会生活において、学習、対人関係、自己管理の困難や生きづらさを抱えていることが少なくありません。そのため、成人期になっても家族のサポートを必要としている当事者も多いのです。 (中略) 境界知能は気づかれないことも多く、周囲の無理解やいじめ、子ども本人の自己肯定感・自尊感情の低下、傷つきから、2次障害として、精神疾患、不適応、非行などの状況を呈してはじめて、医療や福祉、司法の現場で気づかれることもあります」――「はじめに」より -
なぜヒトだけが幸せになれないのか
【シリーズ累計25万部突破! 「幸せに生きる」ための生物学講義】 『生物はなぜ死ぬのか』では死の意味を、『なぜヒトだけが老いるのか』では老いの意味を生物学的に考察してきた著者によるシリーズ最新作。第三弾となる本書のテーマは「幸せ」。 生物の中でも、ヒトは「ある変化」を機に幸せに生きにくくなったという。その理由とはなにか。幸せに生きる方法はないのか。生物学から「ヒトが生きる意味」を考える。 生物学的な価値観から「幸せ」=「死からの距離が保てている状態」と定義してみます。この定義に当てはめて現状を考えると、何がヒトの幸せの妨げになっているのかが見えてきました。意外なことにその原因の一つは、私たちの細胞一つ一つに存在する「遺伝子」にあったのです。ーー「はじめに」より ・ヒトだけに見られる「遺伝子と環境の不適合」 ・幸せは「死からの距離感」で決まる ・進化的に見た生物の「幸せ」とは ・生物学的視点から考える「リーダーの四つの条件」 ・移動をやめて格差が生まれた ・ヒトはテクノロジーの使い方が上手くない ・豊かさと幸せは一致しない ・地方に住むと「幸せ」になれる? ・ため込まないことの幸せ ・「幸せ」は遺伝子に刻まれている ・長生き以外の「幸せ」の要因 ・ヒトは絶滅の危機にある? ……ほか ◆おもな内容 第1章 進化からみた生きものの幸せ 第2章 ヒトの幸せとは一体なにか 第3章 「幸せ」は遺伝子に刻まれている 第4章 なぜヒトは「幸せ」になれないのか? 第5章 テクノロジーはヒトを「幸せ」にするのか 第6章 「幸せ」になるために――生物学的幸福論 -
老化と寿命の謎
ベテラン科学記者が研究の最前線をわかりやすく紹介! 「長い老い」を豊かに過ごすためにこれだけは知っておきたい最新知識! ・400年生きるサメと若返るクラゲ ・老化を引き起こす活性酸素 ・「細胞分裂の回数券」テロメアとは? ・代謝と有害物除去を担う「オートファジー」 ・寿命に関わる遺伝子の発見 ・フレイル予防のポイント ・筋肉が衰えるサルコペニア ・転倒は結果でもあり原因でもある ・認知症と物忘れはどう違う? ・なぜ高齢者は眠りをそれほど必要としていないのか?――。 健康であっても、そうでなくても、老化と向き合うすべての人に贈る処方箋。 信濃毎日新聞の大好評連載を書籍化。 -
AIは短歌をどう詠むか
短歌AIを開発しながら考えた、人間だけにできること、AIにしかできないこと。 「型」と「らしさ」を身につけるには? AIが学んでいく姿から、短歌の面白さも見えてくる! -
王墓の謎
「王墓はなぜ築かれたのか?」 本書のテーマは、この素朴な疑問である。 エジプトのファラオが築いたピラミッド、中国の皇帝たちが造った山稜など、 人類史には王の埋葬のためのモニュメントが数多くある。 それらは、王が自らの権力を誇示するために築造したと考えられている。 したがって、王墓の大きさは権力の大きさに比例する、 王墓は王の権力の象徴にほかならない、という理解が常識とされており、 教科書にもそう書かれている。 しかし、本書ではこの定説に真っ向から反論し、 新たな視野から王墓を理解することを目的とする。 本書では、王墓にまつわる次のような謎に挑む。 ・「王墓=権力の象徴」説は、いかにして定説になったのか ・王墓は、権力者が命じた強制労働の産物なのか ・墓造りのエネルギーを、なぜ農地の拡大や都市整備に投下しなかったのか ・葬られたのは「強い王」か「弱い王」か ・高価な品々が、なぜ一緒に埋められたのか ・なぜ人類は、世界各地で王墓を築いたのか? ・「大洪水伝説」が残る地域と、王墓の誕生した地域が重なるのはなぜか ・王墓は、危機に瀕した社会が生き残るための最終手段か ・王が神格化され強大な権力を持つと、王墓が衰退するのはなぜか この本は、「王墓=権力の象徴」というステレオタイプな理解で停止してしまっている 私たちの思考を根本から問い直すものである。 王墓は、王自らの権力欲のためのものではなく、 人々が自ら進んで社会の存続を王に託した時に、はじめて誕生する。 王墓は、王を神へ捧げるための舞台であり、 権力や富の集中を防ぐために、人類が発明した優れた機構なのだ! 古代史ミステリーの「定説」を覆す、必読の書! -
老いた今だから
伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた名経営者が85歳の老境に入ったからこそ感じる、日々の味わい方と愉しみ方とは 本書のおもな内容 1章 老いの変化を受け入れる こんなに身近にあった「素晴らしい一日」の始め方 思わぬ病に襲われて学んだこと 健康は「まぁまぁ」と思えればベスト 2章 身体はマイナスになる、でも頭はプラスにできる! 脳を生き生きとさせる三つの習慣 読書で心のシワを増やすには 日記はよりよく生きるための道具 3章 最大の悩みーー定年退職後をどう生きるか 財産が少なくても気にしない あえて人間関係を整理する必要もない うまくいかない日は「バカ日記」を書こう 4章 私たちはどう働くのか 定年退職後はマインドリセットが必要 ギグ・ワーカーとしてのシニアの可能性 「オレが、オレが」はやめなさい 5章 人生の価値は最後に決まる いまでも心に残る祖母の言葉 どんな人でも死ぬときは一人 「終活」はどこまで必要か -
テロルの昭和史
青年たちの「義挙」に民衆は拍手したーー。 血盟団事件、五・一五事件、神兵隊事件、死なう団事件、そして二・二六事件……。 なぜ暴力は連鎖し、破局へと至ったのか? 昭和史研究の第一人者による「現代への警世」。 【本書の内容】 ・「安倍晋三銃撃事件」と昭和テロの共通点 ・「正義を守るための暴力」という矛盾 ・現代の特徴は「テロの事務化」 ・ピストルではなく短刀にこだわった将兵 ・「三月事件」と橋本欣五郎 ・「血盟団」井上日召の暗殺哲学 ・五・一五事件の「涙の法廷」 ・昭和テロリズムの「動機至純論」 ・愛郷塾の存在と「西田税襲撃事件」 ・言論人・桐生悠々の怒り ・大規模クーデター計画「神兵隊事件」 ・罪の意識がまったくない相沢一郎 ・血染めの軍服に誓った東條英機 ・「死のう団」のあまりに異様な集団割腹 ・二・二六事件が生んだ「遺族の怒り」 ・一貫してクーデターに反対した昭和天皇 ……ほか 【本書の目次】 序章:昭和テロリズムから見た安倍元首相銃撃事件 第一章:残虐のプロローグ――三月事件から血盟団事件へ 第二章:昭和ファシズムの形成――五・一五事件が歴史を変えた 第三章:暴力の季節への抵抗者たち――ジャーナリスト・桐生悠々と政治家・斎藤隆夫 第四章:「血なまぐさい渇望」のクロニクル――神兵隊事件から永田鉄山刺殺事件まで 第五章:国家暴力というテロリズム――死のう団事件の異観 第六章:テロから戦争への転換――二・二六事件の残虐さが意味すること 不気味な時代の再来を拒むためにーーあとがきにかえて -
未完の天才 南方熊楠
なぜ熊楠は完成を嫌ったのか? 驚くべき才能を多方面に発揮しながら、 その仕事のほとんどが未完に終わった南方熊楠。 最新の研究成果や新発見資料をとりあげながら、 熊楠の生涯を辿り、 その「天才性」と「未完性」の謎に迫る! <熊楠をめぐる13の謎> ・十数年前にとったノートの内容をそらで思い出せる記憶力 ・51篇も論考を発表していた「ネイチャー」への投稿を中止 ・渡英後、熱中していた植物学の研究を停止 ・大英博物館に迎えられてから、何をしていたのか ・語学の天才・熊楠の勉強法とは? ・「エコロジーの先駆者」だが、数年でフェードアウト ・なぜ「希少な生物」だけでなく「ありふれた植物」も守ろうとしたのか ・「人類史上、もっとも文字を書いた男」と呼ばれる理由 ・どうして一度も定職に就かなかったのか ・ともに民俗学の礎を築いた柳田国男と喧嘩別れ ・変形菌(粘菌)の新種は発表したが、キノコの新種は未発表 ・なぜ夢の研究を長年続けたのか ・集大成となるような本を、どうして出版しなかったのか -
NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる
新型コロナ禍で現場に行けなくなったNHKスペシャル取材班が、デジタル調査報道でミャンマー騒乱の「真相」を突き止めるまで――。 19歳少女は軍に銃殺されたのか? ミャンマー軍はなぜ暴走したのか? 報道は激動の世界で何ができるのか? NHKの特別調査チームが「オシント(OSINT:Open Source Intelligence)」を駆使した新しい調査報道に挑戦した奮闘記。インターネット上の様々な情報や、SNSに投稿された動画や画像、地図情報や衛星画像など誰もがアクセスできる「公開情報」を使って、「不都合な真実」を暴くことはできるのか? 【本書のおもな内容】 ●ロシア・ウクライナ報道でも注目される「OSINT(オシント)」 ●現地に入らずに取材をする「新しい手法」 ●1000件以上のデータ分析・検証で見えた「真相」 ●「自撮り」でドキュメンタリーを作る ●新型コロナがヒトに感染したのはいつだったのか ●世界中が注目するネット調査集団「べリングキャット」 ●ダイニング・キッチンから「軍の非道」を暴く ●SNSから投稿が突然消えていった背景 ●「4秒に満たない動画」に映っていたもの ●位置情報や衛星画像という「強力な武器」 ●市民への攻撃に使われた兵器を特定する ●元将校たちが明かした「クーデターの真の理由」 ●誰もが「権力ウォッチャー」であるために 【目次】 ■第1部 コロナ禍で模索する国際報道の現場 第1章 誰も現地に行けない…Nスペ「ミャンマー」に辿り着くまで 第2章 OSINTを駆使するデジタルハンターとの出会い 第3章 クーデター発生!「ダイニング・キッチンでの“闘い”」 ■第2部 デジタル調査団結成! オールドメディアの挑戦 第1章 「OSINTチーム」前途多難の船出 第2章 「エンジェルの死の謎」に挑む ■第3部 総勢30人の取材班が結集・奮闘の記録 第1章 オンラインでOSINT技術を学んだディレクターたち 第2章 ウェブサイトとの連動に挑戦 ■第4部 OSINTで軍暴走の闇を暴け! 第1章 未解明の“バゴー事件”の検証 第2章 軍の暴走の背景に何があったのか? -
裏道を行け ディストピア世界をHACKする
ふつうに生きていたら転落する。 知識社会化が進み、人生の難易度がますます上がっていくーー。 残酷な「無理ゲー社会」を攻略するための たった一つの生存戦略とは? 才能のある者は人生を攻略(HACK)し、 才能のない者はシステムに搾取(HACK)される。 常識やルールの「裏道を行け」! 【本書の目次】 PART1 恋愛をHACKせよーー「モテ格差」という残酷な現実 PART2 金融市場をHACKせよーー効率よく大金持ちになる「究極の方法」 PART3 脳をHACKせよーーあなたも簡単に「依存症」になる PART4 自分をHACKせよーーテクノロジーが実現する「至高の自己啓発」 PART5 世界をHACKせよーーどうしたら「残酷な現実」を生き抜けるか? 【本書の内容】 ・「女性嫌悪」に走るモテない男たち ・ナンパ師が手にし損ねた「ほんとうの愛」 ・道徳的な「モテ戦略」とは ・「寝てるだけでお金を貯めた」天才の極意 ・ブラックジャック必勝法は存在する ・ノーベル経済学賞の先を行け ・ギャンブルは「向精神薬」 ・大学生の50%が「ネット中毒」 ・「ちがう自分」という強迫観念 ・「自己実現した主体」が幸福をもたらす ・トランスヒューマニズムと「優生学2.0」 ・「寝そべり族」はなぜ生まれたか ・自己啓発としての「ミニマリズム」 ・「ストア哲学」は究極のメンタル術 ……ほか -
フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔
21世紀の現代の善と悪の原点こそ、フォン・ノイマンである。彼の破天荒な生涯と哲学を知れば、今の便利な生活やAIの源流がよくわかる! 「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことにしてもだ」 彼は、理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむを得ないと「人間性」を切り捨てた。 <本書の主な内容> 第1章 数学の天才 ――ママ、何を計算しているの? 第2章 ヒルベルト学派の旗手 ――君も僕もワインが好きだ。さて、結婚しようか! 第3章 プリンストン高等研究所 ――朝食前にバスローブを着たまま、五ページの論文で証明したのです! 第4章 私生活 ――そのうち将軍になるかもしれない! 第5章 第二次大戦と原子爆弾 ――我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない! 第6章 コンピュータの父 ――ようやく私の次に計算の早い機械ができた! 第7章 フォン・ノイマン委員会 ――彼は、人間よりも進化した生物ではないか? ******** ノイマンがいかに世界を認識し、どのような価値を重視し、いかなる道徳基準にしたがって行動していたのかについては、必ずしも明らかにされているわけではない。さまざまな専門分野の枠組みの内部において断片的に議論されることはあっても、総合的な「フォン・ノイマンの哲学」については、先行研究もほとんど皆無に等しい状況である。 そこで、ノイマンの生涯と思想を改めて振り返り、「フォン・ノイマンの哲学」に迫るのが、本書の目的である。それも、単に「生涯」を紹介するだけではなく、彼の追究した「学問」と、彼と関係の深かった「人物」に触れながら、時代背景も浮かび上がるように工夫して書き進めていくつもりである。 ――「はじめに」より ******** ノイマンの思想の根底にあるのは、科学で可能なことは徹底的に突き詰めるべきだという「科学優先主義」、目的のためならどんな非人道的兵器でも許されるという「非人道主義」、そして、この世界には普遍的な責任や道徳など存在しないという一種の「虚無主義」である。 ノイマンは、表面的には柔和で人当たりのよい天才科学者でありながら、内面の彼を貫いているのは「人間のフリをした悪魔」そのものの哲学といえる。とはいえ、そのノイマンが、その夜に限っては、ひどく狼狽(うろた)えていたというのである。クララは、彼に睡眠薬とアルコールを勧めた。 ――第5章「第二次大戦と原子爆弾」より ******** 人類史上 最恐の頭脳! -
民主主義とは何か
トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか? それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。 そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。 またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。 民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。 -
証券会社がなくなる日 IFAが「株式投資」を変える
社長表彰の常連社員、労組の委員長経験者 海外修練生に選抜された営業成績優秀者…。 将来を嘱望されていた大手証券会社の エリートたちがいま続々と転身している IFA(独立系ファイナンシャル・ アドバイザー)とはいったい何なのか? 2兆円規模ともされる日本のIFAビジネスを 補助線としながら、ネット専業証券の 明暗を分けた理由、 業界が固執する「儲けのカラクリ」に迫る ととともに、次の時代に存続する証券会社の 姿を考える。 日本の証券業界を代表する「野村」は はたして生き残ることができるのか? 【本書の内容】 序 章 証券ビジネスを変える「IFA」とは何か これまでとは異なる人材流出の動き 相次いで辞めていくエリートたち 米国ではIFA=巨大証券会社の社員に比肩する存在 IFA説明会の実態 ほか 第1章 証券業界が固執する「儲けのカラクリ」 販売手数料無料化の衝撃 「回転売買」と「はめ込み営業」 テーマ型ファンドを保有していない投信会社の元役員 放置されたままの「残骸ファンド」 仕組債「早期償還条項」の罠 ほか 第2章 米国の証券業界で「いま起きていること」 注目すべきはチャールズ・シュワブの「変貌ぶり」 米国で主流の「ゴールベース・アプローチ」とは 常勝軍団「エドワード・ジョーンズ」の独創性 米国では支店長が「どぶ板営業」 激化する買収合戦の中心的存在 あのGSが個人向け無担保ローン事業に進出 ほか 第3章 誰が信頼できる「IFA」なのか むやみに数は追わない…GAIA 中桐啓貴 相場の話をしない… ファイナンシャルスタンダード 福田 猛 投信はやらない… Japan Asset Management 堀江智生 売れる商品でも売らない…いちよし証券 武樋政司 第4章 進化を止めた絶対王者・野村の苦悩 金融業界が色めき立った「野村買収」情報 野村HD前CEOが吐露していた「潰れる恐怖」 ソフトバンクの株式上場時に演じた「厳しい結末」 時代遅れの「日本型総合証券モデル」 野村HD新CEOの考え ほか 終 章 いまの証券会社がなくなる日 IFA転職支援サイトの近況 在宅勤務が助長したIFAへの“民族大移動” SBIと楽天が勝ち、 マネックスと松井が引き離された理由 玉石混交のIFA法人とプラットフォーマー ほか -
動物裁判
法廷に立つブタ、破門されるミミズ、モグラの安全通行権、ネズミに退去命令……13世紀から18世紀にかけてヨーロッパに広くみられた動物裁判とは何だったのか?自然への感受性の変化、法の正義の誕生などに言及しつつ革命的転換点となった中世に迫る「新しい歴史学」の旅。 -
いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか
いじめはなぜ蔓延するのか? 画期的理論をうちたて注目される〈いじめ研究〉の第一人者が、学校でのいじめ問題の本質を平易に語る。第1章 「自分たちなり」の小社会 / 第2章 いじめの秩序のメカニズム / 第3章 「癒し」としてのいじめ / 第4章 利害と全能の政治空間 / 第5章 学校制度がおよぼす効果 / 第6章 あらたな教育制度 / 第7章 中間集団全体主義 逃げ出すことのできない恐怖と絶望と悪意の世界=いじめはなぜ蔓延するのか? 画期的理論をうちたて注目される〈いじめ研究〉の第一人者が、学校でのいじめ問題の本質を平易に語る。 -
文字世界で読む文明論 比較人類史七つの視点
ラテン文字圏、ギリシア・キリル文字圏、アラビア文字圏、梵字圏、漢字圏-- 五つの文字圏を比べてみると、世界の見方が変わる! ・科挙はなぜ中国社会内部の凝集力を高めたのか? ・日本は長子相続、イスラム世界では? ・箸、フォークとナイフ、右手指食、なぜ違う? ・洋装はいかに非西欧世界に受容されたか? ・なぜ音楽は国境、民族を越えるようになったのか? ・古代ローマと現代アメリカの同化力の限界とは? ・「異才」を育てるための条件とは? ・モンゴル帝国などの開放空間型集団が瓦解した理由 ・文明成熟のためのキーワード「フィードバック」とは? 楽しみながら世界史のツボがわかる! -
「自閉症」の時代
近年、「自閉症」について多くの書物が書かれ、論じられるようになっています。これは、21世紀になって突出してきた現象で、20世紀にはなかったものです。しかもこれは、日本に限った話ではないのです。 著者は、21世紀という時代の1つの特徴が、この「自閉的傾向」の突出化には現れているのではないかと考えています。その1例に伊藤若冲のブームがあります。前世紀まで若冲は「奇想の画家」として、美術史においてはアウトサイダー的な存在に過ぎませんでした。ところがその彼が、今では昨今の「日本美術ブーム」を引っ張る存在になっています。あるいは、『君の名は』『天気の子』が立て続けに大ヒットになったアニメ作家の新海誠。彼の作品もその「自閉症的」傾向が初期の段階からしばしば指摘されていました。 この2人に共通するのは、ディテールへの過剰なまでのこだわりです。それゆえに画面は異常なまでに高精密になり、と同時に非常にフラットなものになります。一言で言えば、非常にデジタルな感じがするのです。デジタルとは、完璧なコピーと同一なものの繰り返しが可能になる技術ですが、この「高精密」で「完璧に同一なもの」の繰り返しこそは、まさに自閉症者が大好きなものです。現代アートに革命を起こしたアンディー・ウォーホールを早い例として、「ミニマルアート」と呼ばれるものの現代美術、現代音楽における流行も、この同じ時代の「好み」に即したものなのではないでしょうか。 そしてこの時代精神をもっとも端的に表すのが、コンピュータの存在です。開発の祖に当たるチューリング、ノイマンから始まって、スティーブ・ジョブスやフェイスブックのザッカーバーグなど、IT、AIに関わる科学者、技術者に「自閉症的傾向」が強いことは、つとに指摘されている通りです。というか、そのような人たちの存在があってこそ、コンピュータ的なものは、ここまでの洗練を見たのです。いまや「デジタル的なもの」は、否応もなく21世紀人の感性の基盤になった感があります。とすればその底に自閉症的な美意識が伏在しているのは、むしろ当然ではないでしょうか。 本書は、上記の視点のもと、21世紀という時代そのものの「自閉症的傾向」を明らかにするものです。 -
究極の歩き方
日本人の足を知り尽くしたアシックスの研究部門が、ウォーキングシューズ作りを通して研究分析した日本人のための「究極の歩行術」を初公開。日本人の足は50歳を境に激変する。50歳からの歩き方次第で、100歳まで元気に歩けるかどうかが決まるのです。 -
ソシュールと言語学 コトバはなぜ通じるのか
深く考えてみるまでもなく、音声と概念とはまったく性質が違うものです。音声は波ですから見たり触ったりすることはできないにしても、とにかく物理的な実体であるのに対し、概念は決して物理的な実体とは言えません。それなのに、私たち人間がコトバを使う時には、その似ても似つかない2つのものを対応させています。しかも、その対応のさせ方は、同じ言語を使う人々であればまったく同じなのです。もちろんだからこそコトバを使って意味の伝達ができるようになっているのですが、これほど性質の異なる2つの要素を、同じ言語を使う人々がどうして正しく結びつけることができるのかは、考えてみれば不思議なことです。――〈本書より〉 (講談社現代新書) -
演技と演出
自分を把握し、他人とイメージを共有する、画期的な演劇入門! 現代演劇の旗手が公開する芝居のメカニズム台詞を自然体で話すコツとは? 俳優陣と演出家がイメージを共有する方法とは? 演劇的な感動はどうやって起きるか? 世界に広まる平田メソッドをわかりやすく説く。(講談社現代新書) -
僕たちは伝統とどう生きるか
材料がない、儲からない。 それでも伝統の担い手たちが「つくり続ける」のは、なぜか。 新しさ追うデザイナーから異色の転身、発酵の専門家となった著者が出会ったのは、 土地の〈記憶〉を未来へとつなぎ、自然と隣り合って生きる、 弱い人間の強かな“生存戦略”としての「伝統」だった――。 哲学・文化人類学・民俗学など複数の領域を縦横無尽に行き来する著者が、 ジョージアワインから日本酒、民藝まで、豊かで芳醇なエピソードとともに見せる、 驚くべき「小さな伝統」とものづくりの世界。 「つくるのは私ではない、微生物である」と味噌や酒をつくる醸造家たちは言う。 それは「つくる」を手放すということだ。 ――「第4章 民藝 つくることの伝承」より 伝統が、ひとりの個人としてこの社会に生きることからの逃避になってはいけない。 今僕たちに必要なのは、すぐとなりの誰かを信じるための足がかりとしての伝統だ。 ――「第4章 民藝 つくることの伝承」より ▼内容紹介▼ 〇 歌舞伎だけじゃない! 醸造蔵にもある「襲名制度」 〇 共産主義によって「消滅の危機」に瀕していたジョージアの伝統的ワイン 〇 日本人とクジラの「深い関係」浮かび上がる、佐賀県呼子の松浦漬け 〇 美味しいお酒づくりの極意は「『自分』を殺す」こと 〇 「土の声を聞く」ために技術磨く、沖縄の伝統的焼き物やちむん 〇 ヒトラーは化学肥料を嫌っていた……排外主義と有機農業が「結びつく」瞬間 〇 岡本太郎の民藝批判にみる「オンリーワンうんち野郎」の精神 〇 ぎふ長良川鵜飼の「となり合う」伝統 ▼目次▼ プロローグ あなたにとって、伝統とは何ですか? 第1章 大文字の伝統と小文字の伝統 第2章 「歴史」の誕生、さびしさの地平融合 第3章 発酵 見えないものとつむぐ伝統 第4章 民藝 つくることの伝承 第5章 鵜飼 異なる存在と、風土を旅する エピローグ 向かい合うな、となり合え ブックガイド -
「ふつう」ってなんだろう 病気と健康のあいだ
「ふつう」に違和感があるすべての人へ――。 病気が教えてくれる、新しい「世界の見方」 自分と世界、身体と心、正常と異常…… 目に映る景色をガラリと変える一冊! 【本書で考える問い】 ●病気はどう「発明」されるのか? ●新しい病気が生まれるのは、いいこと? ●ゲームのやりすぎやごみ屋敷は病気のせい? ●生きづらさは連鎖する? ●どこまでが医学で、どこからがビジネス? ●命の優先順位はあるのか?……ほか 「私は以前から、「病や障害はマイナスなもの、できるだけ避けるべきもの」という医学での「ふつう」の考え方に、どこか違和感をもっていました。 しかし、もちろん、医学を否定しているわけではありません。頭が痛いときは薬を飲みますし、必要なワクチンもきちんと受けます。先日も、持病が悪化して入院し、治療を受けました。医学がたくさんの命を救っていることも、よく知っています。 医学は、病や障害をなくすことを目指しています。それは悪いことではありません。 でも、人間は生き物ですから、死を完全に避けることはできませんし、同じように、病や障害を完全になくすこともできません。病や障害とともに生きていくことを肯定することも必要です。そのときには、「ふつう」を見直す文系の考え方が、大きなヒントになると思うのです」――「はじめに」より -
日本のインフラ危機
なぜ全国各地で次々に事故が起きるのか? お金も人も足りない……打つ手はあるのか? 見て見ぬフリはもうできない! 道路、鉄道、水道、インフラ、橋…… この国は崩れ去ってしまうのか? 全国民当事者! 私たちの暮らしを揺るがす「大問題の正体」を 豊富なデータと事例から解き明かす! 「インフラは、どのように造るかだけでなく、どう維持していくかが非常に大事なのです。言葉にするとシンプルですが、簡単なことではありません。 そのことを端的に示しているのが、40年ほど前にベストセラーになった『荒廃するアメリカ』の内容です。アメリカでは1930年代に集中整備されたインフラに対し、その後のメンテナンスに十分な予算を割かなかった。その結果、老朽化が進行し、50年後の1980年代の経済に大きなダメージを与えました。 景気がいい時代に大量のインフラを建設して、多くの人の生活を便利にしたのはいいものの、うまくメンテナンスをしないと、朽ち果ててしまう、あるいは八潮の事故のように崩壊してしまう。 これがインフラの抱える“危機の本質”なのです」――「はじめに」より 【目次】 第1章 日本のインフラはどうなっているのか? 第2章 インフラはどのように劣化するのか? 第3章 「良いインフラ」をどう造るか? 第4章 「今あるインフラ」を長持ちさせるには? 第5章 地域のインフラはみんなで守る 第6章 インフラの「残された課題」 -
秀吉を天下人にした男 羽柴秀長 大大名との外交と領国統治
この一冊で、大河ドラマ『豊臣兄弟!』がもっと面白くなる! もし、この弟がいなかったら? 旧織田勢力と外様大大名を統合し、羽柴政権の中核を担った「補佐役」。 2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』の時代考証が明かす、おどろきの政治手腕とは? 秀吉唯一の実弟にして名代。 秀長は、外様大大名をどのように「指南」し、首都大坂近郊の領国をいかに統治したか。 徹底的に蒐集した史料をもとに、これまでほとんど知られていなかった、その実像に迫る! 【本書より】 あらためて秀長が果たした役割をみてみると、その大きさに驚かざるをえない。まさに秀長がいたからこそ、秀吉の「天下一統」は実現されたとしか思えなくなる。秀吉も一代で天下人に成り上がるほど有能な人物であったとみなされるが、それを支えた秀長も、相当に有能な人物であったことが認識される。何よりも秀吉の指示・意向を、見事に実現する能力は、他に取って代わることのできないものといえ、秀長がいたからこそ、秀吉は一代で「天下一統」を遂げ得た、と思わざるをえない。 それだけに秀長の死去は、政権にとって惜しまれる事態であったに違いない。よく一般的に、秀長が早くに死去しなかったなら、羽柴政権の行く末も変わったであろう、といわれることがあるが、いま秀長が政権において果たしてきた役割の大きさとその内容を把握できたうえでみてみると、それはその通りであったと思わざるをえない。秀長の死後、その代わりを担った存在はみられていない。なかでも、外様大大名への「指南」、奉行衆に対する調停、秀吉への意見、といった内容について、秀長のようにすべてを担った存在はみられていない。――「おわりに」より -
物語化批判の哲学 〈わたしの人生〉を遊びなおすために
物語はなぜ苦しいのか?「物語」が過剰に要求される現代社会で、「人生とはかくあるべきだ」という押しつけに抗う。 新進気鋭の美学者による「次世代の哲学」。 【推薦の声、続々!】 〇永井玲衣氏(哲学者・『水中の哲学者たち』『世界の適切な保存』) わたしたちは何のために哲学するのか。 それは、もっと世界に出会うため、もっと広々とした場所に行くため、もっと可能性にめまいをおぼえるためなのかもしれない。難波さんは、考えれば考えるほど、自由になっていくみたいだ。 〇田村正資氏(哲学者・『問いが世界をつくりだす』「あいまいな世界の愛し方」『群像』) ずっと、アイデンティンティを見つけなければと思っていた。 でも、アイデンティティという名の物語に囚われていただけだったのかもしれない。難波さんの本はそんな僕に「世界を見くびるな。そこから出てこい!」と語りかけてくれる。 【抜粋】 清涼飲料水の広告の少女はいつもドラマティックな青春を謳歌しているし、「推し」はファンの期待した筋書きどおりに振る舞うし、就活面接では挫折経験を「美談」として語らねばならない。 私は端的にこう思う。何かがおかしい、と。 人々はあまりにも強い物語の引力に引き寄せられて、もはや物語に支配されつつあるのではないか、と私は危惧し始めた。 だから、私はこれから、物語に対抗したいと思う。何かしらの物語が私たちの幸福を奪うのだとしたら、もはやそんな物語は廃棄されるべきだろう。私はよき物語を愛している。それゆえ、物語を批判したいと思う。愛するということは、支配されるわけでもなく、支配するわけでもなく、独特のバランスのなかで惹かれ合い、反発し合うことなのだと考えている。 第一部の「物語篇」では、物語化の持つ魔力と危うさを論じていく。第二部の「探究篇」では、物語の危険を避け、物語を相対化できるような思考を「遊び」を手がかりに探索していこう。その中で、改めて物語との向き合い方がみえてくるはずだ。 物語化批判、そして、遊びの哲学を始めよう。 【内容紹介】 〇 誤解を生む「自分語り」(第1章 物語批判の哲学) 〇「感情的だ!」という批判をする人こそ、実はもっとも「感情的」(同上) 〇 アイデンティティは服のように「着替えられる」(同上) 〇 人生を「攻略」しようとする人が陥る「視野狭窄」(第2章 ゲーム批判の哲学) 〇 なぜ人は「考察」と「陰謀論」にハマってしまうのか(第3章 パズル批判の哲学) 〇 真のギャンブラーが欲しいのは「お金」ではない(第4章 ギャンブル批判の哲学) 〇 残酷だけど創造的な「おもちゃ的生き方」(第5章 おもちゃ批判の哲学) -
出世と恋愛 近代文学で読む男と女
「青春とは何か」とは男女ともに簡単には定義できない命題だが、前提として必要なのは「精神的親離れ」である。しかし青春期は、自分の将来への不安に迷い、徐々に自分の世界を見つけるが、同時に好きな人ができる時期でもある。 日本の近代文学の主人公である青年たちは、恋を告白できず片思いで終わるケースが多い。たまに恋が成就しても、ヒロインは難病や事故などで、なぜか死ぬのだ。日本の男性作家には恋愛、あるいは大人の女性を書く力がないのではと著者は喝破する。 たかが文学の話ではないかと思うなかれ、近代文学が我が国ニッポンの精神風土に落としている影は思いのほか深い。 明治期の立身出世物語が青年たちの思想に与えた時代背景は見逃せない。同時に戦争が文学に与えた強い影響も。 しかし夏目漱石『三四郎』から20年、女性作家の宮本百合子『伸子』で、「新しい女性」が恋愛や結婚に縛られない「生きる価値」を見つける時代が近代にも到来する。男女ともに時代の変遷とともに成長するのだ。 近代文学で描かれた男女の生き方は、現代日本の「人生の成功と恋愛」にかける人々の思いを読み解く大いなる鍵となる。 -
発達障害と人間関係 カサンドラ症候群にならないために
■■■発達障害の夫や妻、子どもとの関係が よくなるコツとは?■■■ ■■■発達障害の職場の上司・部下とは、どうすれば うまくコミュニケーションがとれるのか?■■■ □ 発達障害は親の育て方やしつけが原因? □ その場の話題に合わせるのが苦手? □ 同時に二つのことができない? □ 突然の予定変更に順応できず、混乱する? ■■■発達障害の人との人間関係が原因で起こる 「カサンドラ症候群」とは?■■■ 第一人者が発達障害にまつわる 「疑問」と「不安」にお答えした、 発達障害の当事者と周囲の人々の 「生きづらさ」「しんどさ」をなくすための本! ・・・・・・・・・・ 私は、発達障害の人と周囲の人たちとが お互いに「なんだか違う」と思いながらも、 わかりあって幸せになってほしいと願い、 臨床を続けてきました。 世間には、子どもの発達障害に関する本、 大人の発達障害に関する本がたくさん刊行されていますが、 本書は発達障害の知識そのものにとどまらず、 「カサンドラ症候群」を補助線としながら、 発達障害の人と周囲の人との関係性や コミュニケーションに着目しているのが、大きな特長です。 ASDの人たちはふだんどのような悩みを抱えているのか。 最近増加している「大人の発達障害」が、 日常生活を送るうえで周囲に どのような影響を与えているか。 具体的な臨床例を参考にしながら、 一緒に考えていきたいと思います。 家庭でも職場でも、お互いにわかりあいながら、 違っていても、違っているからこそ、 一緒になって生きていこう――。 そうした社会の実現に向けて、 少しでも前に進むことができたら幸いです。 ・・・・・・・・・・ ■■本書のおもな内容■■ 第1章 発達障害とカサンドラ症候群 1 発達障害の基礎知識 2 いま増加中の「カサンドラ症候群」とは 第2章 職場と人間関係――上司や部下がASDの場合 第3章 家庭と人間関係――家族の誰かがASDの場合 1 夫(父親)がASDのケース 2 子どもがASDのケース 3 妻(母親)がASDのケース 第4章 発達障害と夫婦関係 第5章 発達障害と親子関係 第6章 どうすればラクになれるのか -
生物はなぜ死ぬのか
【死生観が一変する〈現代人のための生物学入門〉!】 生命の死には、重要な意味がある。 遺伝子に組み込まれた「死のプログラム」とは? なぜ、私たちは“死ななければならない”のでしょうか? 年を重ねるにつれて体力は少しずつ衰え、肉体や心が徐々に変化していきます。 やむを得ないことだとわかっていても、老化は死へ一歩ずつ近づいているサインであり、私たちにとって「死」は、絶対的な恐るべきものとして存在しています。 しかし、生物学の視点から見ると、すべての生き物、つまり私たち人間が死ぬことにも「重要な意味」があるのです。 その意味とはいったい何なのか――「死」に意味があるならば、老化に抗うことは自然の摂理に反する冒涜となるのでしょうか。 そして、人類が生み出した“死なないAI”と“死ぬべき人類”は、これからどのように付き合っていくべきなのでしょうか。 ■主な内容 ・恐竜が絶滅してくれたおかげで、哺乳類の時代が訪れた ・宇宙人から見た「地球の素晴らしさ」とは ・地球上で最も進化した生物は昆虫である ・遺伝物質DNAとRNAの絶妙な関係 ・「死」も、進化が作った仕組みである ・ヒトだけが死を恐れる理由 ・“若返る”ベニクラゲの不思議 ・超長寿のハダカデバネズミは、なぜがんにならないか ・ヒトの老化スピードが遅くなっている理由とは? ・「若返り薬」の実現性 ・少なめの食事で長生きできる理由 ・老化細胞は“毒”をばらまく ・テロメアの長さと老化は関係ない? ・生物学的に見ると、子供が親よりも「優秀」なワケ ・ヒトが生きる目的は、子孫を残すことだけではない ・“死なないAI”を生み出してしまったヒトの未来 ・有限の命を持つからこそ、「生きる価値」を共有できる ・私たちは、次の世代のために死ななければならない ――すべての生き物は「死ぬため」に生まれてくる。 第1章 そもそも生物はなぜ誕生したのか 第2章 そもそも生物はなぜ絶滅するのか 第3章 そもそも生物はどのように死ぬのか 第4章 そもそもヒトはどのように死ぬのか 第5章 そもそも生物はなぜ死ぬのか -
絶望の裁判所
裁判官というと、少し冷たいけれども公正、中立、優秀といった印象があるかもしれない。しかし、残念ながら、そのような裁判官は、今日では絶滅危惧種。近年、最高裁幹部による、思想統制が徹底し、良識派まで排除されつつある。 三三年間裁判官を務めた著名が著者が、知られざる、裁判所腐敗の実態を告発する。情実人事に権力闘争、思想統制、セクハラ・・・、もはや裁判所に正義を求めても、得られるものは「絶望」だけだ。(講談社現代新書)
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