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Posted by ブクログ
前著も目から鱗だったが、本書も本当に知っておくべきことが学べた、という衝撃をもって読み終えた。読むのと読まないのとでは、全く人を見る目が変わってしまう著書だ。今後の精神医学にとって、トラウマと発達障害の扱いがメインテーマという著者の主張に深く首肯した。日本の転換期を作る本だ。
・胎盤の重さに関係が認められるのは、母親の年齢ではなく、父親の年齢。
・男性脳と女性脳の明確な違い。自閉症率の違いが。
・自閉症スペクトラム同士の結婚と自閉症スペクトラムと元被虐待児の結婚例が多い。
・虐待的絆。いくら忌避される記憶でも、子どもたちにはそれこそ生きる基盤になっている。
・虐待の脳への影響は、発達障害よりもはるかに甚大で広範囲。
・緘黙に自閉症が併存。入院が奏功する。外来で遊戯療法は無意味。
・人に評価されるには目立つのがよいと、無理をして立候補して、逆に顰蹙を買う。
・二つのことが一度にできない
・整理整頓が出来ない、整理魔も。
・興味の偏りが激しい。興味のないことを完全に無視する。代償はハウツー本の信奉として現れる。
・KYと他者配慮が出来ないはべつもの。
・集団での介入は難しい。親への指導を含んだ個別対応が良い。
・強く叱責された時は周囲の情報が飛んでしまい、叱られたということだけが残る。
Posted by ブクログ
2011年の本なのだけど、紹介されていただけあって、分かりやすかった。
分かりやすい反面、読んでいると、色々苦しいことを思い出したり考えたりしたし、今もそれが考え方や行動に及んでいたりする。
発達障害と虐待は結び付きやすく、愛着形成の阻害とトラウマが加わることで悪化すること。
そして、虐待は親の代から連鎖的に受け継がれていき、親御さん自身が発達障害を抱えている場合も少なくないということ。
自閉症スペクトラム、緘黙、不登校などの背景にはこうした問題が解決されないまま、大人になっていく子どもたちもいる。
私が知っている中でも、やはり親自身も精神的に病んでいたり、兄弟も学校に行けていなかったりという背景を持っている人がいた。
ただ、トラウマや拒食症を治していく話や、発達障害への対応の仕方、また大人の発達障害の話など、筆者が患者さんたちと向き合ってきた姿が見え、希望も感じられる。
学校に行けないとか、会社に行けないという状況に対して、行きたくなければ行かなくていいよ、という言葉を私自身はすんなり言えずにいる。
よく「困り感」という言葉で表されるけれど、その困った部分を取り除けるように様々な場所に頼りながら一緒にやっていく姿勢が、まずは大事だと思う。
Posted by ブクログ
いままで読んだ3冊の発達障害の新書のうち、2冊はいい加減なゴミだったが、こちらの本はとてもよくて、まともな本だった。真摯に臨床にあたった豊富な経験と研鑽、知識から、叙述されているのはこの先生の本だけだった。
・トラウマの解消 EMDRの方法 (P124)
治療者が患者の目の前に指を2本たて(人差し指、中指)、その指を左右にふる。患者は目で指を追う。その眼球運動とともに、トラウマになっている記憶の想起をおこなうと、なぜかその記憶との間に心理的な距離がとれるようになる。
・療育の目標はトラウマを作らないこと。
体罰を避け、大きな声で怒鳴るのは極力避けたい。強く叱責されたときは周囲の情報が飛んでしまい、叱られたということだけが残る。すると、そのときは止めるがまたやるということを繰り返すことになるだけ。
できるはずなのにいまくいかないときには、こちらが気づいていないこだわりや、とくに過敏性が邪魔をしていないか、その目で振り返ってみることが必要。
(P245)
・トラウマによるフラッシュバックに対する薬物療法
神田橋條治 漢方薬
桂枝加芍薬湯(小建中湯or桂枝加竜骨牡蠣湯)と四物湯(or十全大補湯)の組み合わせ
(P248)
*
自閉症、自閉症スペクトラム障害、トラウマなど脳機能のダメージや器質的な原因から、連続的につらなる発達障害。製薬会社による作られた病、と言われているが、その病名があることや投薬(プラシーボ的なのも含め)により、救われる人もいるのだろう。
一方でわかりあえない相手を発達障害だ、と決めつけることでスッキリする人もいるのだろう。
境界を引くだけの、かりそめの平和だとしても。
清潔で規律ある世界のために、出生前診断で発達障碍児を間引く日もくるのだろうか。空気を読めて、チームワークが上手い人間だけが残った、つるっと平坦な素晴らしい世界では皆が同じ方向に向かって、動物に戻ったり、虫みたいになりそうだ。
発達障害、という名の商品が、苦しむ人びとの救いとなるところまでの利用であれば、と思った。
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