ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世

ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世

ビジネス・実用
1,012円 (税込)

5pt

4.0

現在のドイツの源流になった神聖ローマ帝国。その初代皇帝・オットー1世の人生は戦いにまみれたものだった。身内からの反乱にイタリア遠征、そして強敵ハンガリーとの戦争。オットー1世の生涯を辿ることで、中世ヨーロッパが見えてくる。

【本書の内容】
●五賢帝時代からハインリヒ一世の登場まで
●父ハインリヒの遺産
●兄と弟の反乱
●第一次イタリア遠征
●息子リウドルフの反乱
●レヒフェルトの戦い
●第二次イタリア遠征
●皇帝戴冠
●束の間の帰郷
●第三次イタリア遠征
●ビザンツ帝国との対立
●帰郷、そして死

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世
  • タイトルID
    :
    1252079
  • ページ数
    :
    236ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年11月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    現在のドイツやイタリア、更にフランスやスペインも少し入るような欧州の“中世”、日本史で言えば平安時代の半ばに相当するような10世紀の様子を背景に、合戦や謀略や政治的駆け引き、近親者間での愛憎や争い迄と、実に色々と在る群像のドラマが展開するような物語であった。壮大な大河ドラマが展開するという内容で非常に面白かった。
    オットー1世(912‐973)が本書で語られる物語の主人公に据えられている。「ローマ教皇による戴冠で即位する“皇帝”」という概念はカール大帝(742?‐814)が創ったとされる。そのカール大帝が開いた帝位の伝統が途切れ、約40年ぶりにオットー1世は「ローマ教皇による戴冠で即位する“皇帝”」となった。そして後に<神聖ローマ帝国>と号することになる“帝国”を拓いたとされる。(同時代の、また御本人の認識としては「カール大帝の後継」であって、<神聖ローマ帝国>と号する存在が確立するのはもっと後、13世紀頃のようだ。)
    本書はこのオットー1世の事績と時代を語る内容だ。そして御本人や同時代人が然程意識していなかったにせよ、現在の“ドイツ”という概念、そういうように呼ばれる版図の礎を築いた側面も在る。故に本書の題名に「ドイツ誕生」と在るのだ。
    カール大帝が築いたフランク王国は、当時の「財産」としての領土や王権に関する理解、加えて相続の慣行により「分国」になって行った。大雑把に、現在のフランス辺りの西フランク王国、ローマ以北のイタリア辺りの中フランク王国、ドイツ辺りの東フランク王国に別れた。そして各王国内に色々と事情が在った。各王国は有力な大公の公国の連合体のような様相も呈した。
    オットー1世はこれらの中、東フランク王国の王家の出である。父の代迄に東フランク王国は集権的な体制の礎を築き、「分国」になって行くような相続方式を改め、オットー1世が東フランク王国の王位を単独で引き継ぐというような体制を造った。そういう条件下、オットー1世は大公の公国の連合体のような様相を、「王に一定の権利を認められた伯爵が集まる封建制度の王国」という様相に替えて行き、更に当時の学識者で、文書作成等に通じた聖職者を行政官、官吏とするような体制を築いて行った。そういう動きの他方、異母兄、弟、息子と近親者が反乱の旗頭になるというような事態が繰り返し発生する。加えて、子女が次々に夭逝するという不運も相次いでいた。
    それでも、オットー1世は東フランク王国で強力な権勢を有する体制を築いて君臨し、ハンガリーやスラブ系の諸族との争いでも優位に立つようになり、西フランク王国にも影響を行使するようになり、イベリア半島のイスラム勢力やビザンツ帝国との外交等も展開して行く。加えてイタリアに関しても、長きに亘っての争いを制し、やがて「ローマ教皇による戴冠で即位する“皇帝”」となって行くのだ。
    オットー1世が軍勢を率いてイタリア方面に何度も押し出した経過の中、「“民衆語”とやらを話す連中が…」とイタリアの人達が彼らを他称した訳だが、それが「ドイツ」という概念の起こりと見受けられるらしい。「ドイツ」という語の基礎となるのは「民衆の」という表現であるという。そういう意味で、オットー1世は「ドイツ」という概念を産み出すような動きを起こしたと言い得る訳だ。
    オットー1世の時代の後、ドイツの有力な王が「ローマ教皇による戴冠で即位する“皇帝”」となることが繰り返された。そしてイタリアに遠征するというようなことが重ねられた。他方、遠征に従軍するドイツ各地の伯爵達の伯爵領での権益が従軍の見返りに強化されて行く。こうしてドイツ語圏の色々な様子が何世紀にも亘って作り上げられることになる。その「起こり」はオットー1世の時代と言い得る。そういう意味でもオットー1世は「ドイツ誕生」の鍵となっているのかもしれない。
    個人的には、嘗て自在に列車に乗降可能な“レイルパス”を手に欧州諸国の各地を巡った中で、ドイツを東西南北に様々に動き回った思い出が在る。そういう時期に通り過ぎた記憶が在る地名が沢山出て来るのが本書だ。当然、オットー1世の時代に鉄道は通っていないが、本書に在る地名で思い出して、「東へ進んだ…南へ進んだ…そして北側…」と位置関係を思い出していた。現在に迄、その地名が伝わる辺りや、地域間を結ぶ街道のようなモノや街の様子も想像し悪いような時代に、愛憎、謀略、野心に溢れる人達が展開したドラマを思い浮かべながら、少し引き込まれながら本書を愉しんだ。
    高校2年の時に履修した世界史で、「オットー1世」という名は在ったような気もする。が、本書のような「凄いドラマ」の主人公とは思わなかった。自身が高校生だった頃の世界史は、何となく「極々大雑把な経過」と「極めて知名度が高い用語」とに終始する感じだった。そういう意味で、もう少し「人々のドラマ」というのか、判り易い形で「産業や文化活動の変遷」というような事柄が入り込む余地が大きい気がした日本史がより面白いと思い、高校2年の時の2科目と違って1科目を択ぶことになった高校3年の時は、日本史を択んで履修した。序でながら、大学受験の選択科目も日本史にしたのだった。ということで、本書のような本に時々出くわし、世界史を復習または「改めて学ぶ」というようなことをして何年も過ごしている気がする。
    こうした「世界史関係の話題」というのも、時には凄く興味深いモノだ。

    0
    2023年02月26日

    Posted by ブクログ

    主にオットー1世に関して伝記的に記述しており、オットー1世のローマ帝国=一つのヨーロッパを志向する国際意識が逆に「ドイツ」という国家意識を醸成することとなった、その過程を書いています。

    歴史的事実を淡々と書き連ねていくというより、著者による推測や余談が合間に挟むことで、人を選ぶとは思うが、私は飽きることなく読み進めることができました。
    著者が繰り返し述べているように、同名の人物が多数出てくるので、読み始めの時はわけがわからなくなるのではと思ったものの、こうした余談やユーモア溢れる人物描写によって人物を具体的に想像することができ、読み終わる頃には何となく漠然とした人物相関図が頭の中に出来上がり、とても助かりました。

    印象に残った内容は次の通り。
    ・公爵、伯爵、辺境伯などの違い
    ・日本の戦国時代のような東フランク内戦
    ・ベレンガーリオ2世のしぶとさ
    ・巡回王権
    ・オットーの国際意識が国家意識を醸成させたという逆説
    ・やたら行われる摘眼刑

    大変面白い本でした。
    中世ヨーロッパ史を全然知らなくても楽しめる一冊です。

    0
    2023年02月18日

    Posted by ブクログ

    通史は本当に面白い。今回はオットーという王の生涯を通して東フランクから神聖ローマ帝国の創立までをたどっている。相変わらず魑魅魍魎なドロドロな中世ヨーロッパで、しかも同じ名前のオンパレードで読むのが大変だが、オットーの生き様は興味深い。
    今回、公候伯子男の爵位の成り立ちを知ったのは収穫だった。

    0
    2023年04月09日

    Posted by ブクログ

    日本の歴史であれば、学校の授業で習うほかにも本を読んだりTVで見たりしてそれなりの知識を得ることができるが、外国の歴史になると、努めて知ろうとしないと高校世界史レベルの知識で終わってしまっている。例えば、本書で取り上げられる神聖ローマ帝国であれば、初代皇帝のオットー1世の名前くらいは覚えているが、それ以上の詳しいことは??である。
     本書は、オットー大帝の生涯とその事績をたどりつつ、当時のヨーロッパ情勢、そしてドイツ誕生の経緯を説明していく。
     本書で新たに学んだこと数点。
    〇ドイツの祖型となったのは、ライン川以東の領地を継承した東フランク王国であったが、同国は、10世紀初頭、フランケン大公領、ザクセン大公領、シュヴァーベン大公領、バイエルン大公領、ロートリンゲン大公領が割拠する状態になっていた。
    〇オットー1世の父であるハインリヒ1世は、ゲルマンの慣習であった分割相続を均一相続に改め、王国非分割原理を導入した。これにより王国の統一は図られるが、相続から外れたオットーの兄弟の反乱を招くこととなった。
    〇当時、マジャール人、ハンガリーの侵入が繰り返されていたが、955年のレヒフェルトの戦いに大勝し、東の国境地帯の平和を取り戻した。以後ハンガリーは徐々に遊牧生活から定住農耕生活に移行し、またキリスト教を受け入れるようになった。
    〇オットーは3次にわたるイタリア遠征を行った。この遠征により、ドイツ人意識が醸成されていった。
    〇オットーは中央集権化政策を進めていったのだが、度重なるイタリア遠征によりそれに相反する状況が生じてしまった。イタリア遠征に従軍する家臣たちはその褒章として領地の支配権ー関税権、裁判権、市場権、鉱業権等ーの強化を求める。これらの領は世襲となり土着勢力となっていく。こうした世俗領主を牽制するために司教領にも特権を授与する。こうして中央集権とはベクトルが逆に働き、ドイツは聖俗諸侯の割拠する乱立状態となっていく。

     良く知らない時代についての歴史であるので、大掴みで概要の説明がされるのはありがたいし、文章も平易でとても読みやすい。
     本当に戦いに明け暮れた人生だったし、兄弟や子どもたちにも多く先立たれた彼に、心の休まるときはあったのだろうか、そんなことを考えてしまった。
     

    0
    2024年08月27日

    Posted by ブクログ

    神聖ローマ帝国の設立とそれが「ドイツ」というアイデンティティやナショナリズムにどのようにつながっていったのかをタイトルの通りオットー1世の事績をたどり人物像を推測しながら記述していく。各人物の事績が織りなすヨーロッパ中世のカオスな雰囲気はよくわかったが、その時々の社会状況や歴史的経緯からの影響した判断など大きなつながりや流れはつかめなかったかな。いや、掴みにくいからこそカオスと言われるのか。中世はどこも難しいなぁ。

    0
    2023年12月10日

ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    ドイツ誕生 神聖ローマ帝国初代皇帝オットー1世
  • タイトルID
    :
    1252079
  • ページ数
    :
    236ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年11月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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