フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

ビジネス・実用
1,034円 (税込)

5pt

21世紀の現代の善と悪の原点こそ、フォン・ノイマンである。彼の破天荒な生涯と哲学を知れば、今の便利な生活やAIの源流がよくわかる!

「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことにしてもだ」

彼は、理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむを得ないと「人間性」を切り捨てた。

<本書の主な内容>

第1章 数学の天才
――ママ、何を計算しているの?
第2章 ヒルベルト学派の旗手
――君も僕もワインが好きだ。さて、結婚しようか!
第3章 プリンストン高等研究所
――朝食前にバスローブを着たまま、五ページの論文で証明したのです!
第4章 私生活
――そのうち将軍になるかもしれない!
第5章 第二次大戦と原子爆弾
――我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない!
第6章 コンピュータの父
――ようやく私の次に計算の早い機械ができた!
第7章 フォン・ノイマン委員会
――彼は、人間よりも進化した生物ではないか?

********

ノイマンがいかに世界を認識し、どのような価値を重視し、いかなる道徳基準にしたがって行動していたのかについては、必ずしも明らかにされているわけではない。さまざまな専門分野の枠組みの内部において断片的に議論されることはあっても、総合的な「フォン・ノイマンの哲学」については、先行研究もほとんど皆無に等しい状況である。

そこで、ノイマンの生涯と思想を改めて振り返り、「フォン・ノイマンの哲学」に迫るのが、本書の目的である。それも、単に「生涯」を紹介するだけではなく、彼の追究した「学問」と、彼と関係の深かった「人物」に触れながら、時代背景も浮かび上がるように工夫して書き進めていくつもりである。
――「はじめに」より

********

ノイマンの思想の根底にあるのは、科学で可能なことは徹底的に突き詰めるべきだという「科学優先主義」、目的のためならどんな非人道的兵器でも許されるという「非人道主義」、そして、この世界には普遍的な責任や道徳など存在しないという一種の「虚無主義」である。

ノイマンは、表面的には柔和で人当たりのよい天才科学者でありながら、内面の彼を貫いているのは「人間のフリをした悪魔」そのものの哲学といえる。とはいえ、そのノイマンが、その夜に限っては、ひどく狼狽(うろた)えていたというのである。クララは、彼に睡眠薬とアルコールを勧めた。
――第5章「第二次大戦と原子爆弾」より

********

人類史上 最恐の頭脳!

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    量子力学、原子爆弾、コンピュータ、ゲーム理論、エルゴード理論など、科学的内容でノイマンの影響を受けていないものはない。
    その哲学は悪魔的であるけれど、本当の天才のみが持ちうる全能感からなのかも。
    とにかくノイマンの世界に深く触れるのは、きっと深い沼を感じさせられるのでは、と避けてきた。
    この本はそんなノイマンの世界の表面をサラッと見せてくれる。
    それでも、ものすごく刺激的だった。
    次はチューリングだな。

    0
    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    人間のフリをした悪魔とも言われたノイマンは天才的頭脳でコンピュータ、ゲーム理論、天気予報など生活に欠かせない技術の基礎を作り上げた。世界を一変させた原子爆弾の製造にも深く関与する。様々なエピソードからは人間的な姿が見える一方、禁断の道に進んだ姿も覗く。

    0
    2026年08月05日

    Posted by ブクログ

    数学や化学、物理、天文学に関する知識が浅くても、フォン・ノイマンのあまりに超人的なエピソード話でめちゃくちゃ面白い。
    幼少期から生涯を通してすごい話ばかりなんだけど、特に第二次世界大戦前後には陸軍、ホワイトハウス、戦争省に直結する3つの機関の顧問を兼任して、海軍兵器局常勤顧問としてイギリスにも出張し、帰国後は「マンハッタン計画」の中心的指導者となり、その傍らで専門研究も続けていて、後世に大変な影響を与える成果をあげ続けていたという話、もうすごすぎて意味が分からなくなってくる。

    一方で、決して完璧超人というわけではない、むしろ頭が良すぎるが故の短所とも言えるエピソードがまた面白い。
    学生時代、実験中にしょっちゅう別の事を考えてフラスコを割りまくっていたり、
    車の運転が下手で、彼が何度も車の事故を起こした交差点が「フォン・ノイマン・コーナー」と呼ばれるようになったり等々。
    あと、また違う話ではあるけど大戦中ドイツ軍の機雷への対処法をイギリス海軍に示した際、将校らから「大西洋海岸で大仕事をした、アメリカに渡ったドイツ野郎」と呼ばれていたという、たくさんの船舶を救った人物に対してとは思えないひどい物言いに、思わず吹き出してしまった。

    あとノイマンだけでなく、彼の周りにいた数学者や科学者達も、皆とんでもない天才ばかりで、彼等の話もすごく興味深くて面白い。

    0
    2026年07月06日

    Posted by ブクログ

    (audibleで聴く)
    コンピューターの基礎作ったノイマンの生涯を描いた内容になっています。
    これを聴いて感じたことは以下の通りです。
    ・天才は天才のいるところに集まる。
    (ノイマンとチューリング、アインシュタイン、オッペンハイマー)
    ・過酷な人生を送っている。
    ・リベラルな環境でなければ、優秀な科学者やイノベーションも生まれない。
    ・自分の軸を通している。
    ・幼少期の行動や教育がすごい
    ・とんでもなく忙しい。

    あらためて天才とは、環境や運によって生まれると実感した。

    0
    2026年02月11日

    Posted by ブクログ

    天才が時代を創ったのか。時代が天才を呼んだのか。どちらにせよ、世界が平和であったなら、彼はその知性を一体何に使っただろうかとふと考えた。そうすれば今はもっと違う世の中になっただろうかと。

    0
    2026年01月18日

    Posted by ブクログ

    なぜ、ハンガリーのブダペストにはこの時期、幾人の天才が出現したのだろう。1944年のチャーチルがルーズベルトのハイドパークの自宅を訪れて、日本に原爆を落とすことが決まった事や、東京に原爆を落とす事、日本の11都市に順繰りに原爆を落として行くなんて話は、全然知らなかった。

    0
    2026年01月19日

    Posted by ブクログ

    人類史上最も頭脳明晰との評判が高いノイマンの生涯を追う。こういった特異な人のエピソードはとても面白く、まさに事実は小説より奇なり。フォン(貴族)の称号は父の時代に得られた、ノイマンが示す通り「〜マン」ユダヤ系であることが名前で分かる。「最恐」と表現されているのは、ノイマン哲学は科学至上主義で、どんな人道上の問題があっても科学が優先されるため。朝鮮戦争でも、ソ連に対する予防戦争でも核兵器の使用をためらってはならないとの恐ろしい主張であったが、実際にアメリカが主導で軍事的な裏付けのある国際機関が実現できていたら一時的に戦争は無くなったかもしれない。しかし、アメリカの価値観で押さえつけられることに世界は反発し、争いの種はやはり無くならなかったであろう。被爆国の日本にとっても非常に考えさせられるところだが、日独伊三国同盟が崩壊した状態で徹底抗戦を進めようとした軍部の姿勢がなければ原爆投下もなかったのではないかとの指摘は正しく思う。著者の指摘では、故郷ハンガリーをナチス、ソ連に蹂躙され、またマンハッタン計画でも協働したドイツ出身の共産党員でソ連に原爆情報を売ったフックスの存在が、ノイマンの強硬な姿勢の背景にあるのではないかとの分析がある。
    ノイマンと同世代で、もう1人の天才とされる不確定性原理のハイゼンベルクはナチス体制下で核分裂の研究を進めていたことになり、ここでの対比も興味深い。シュレディンガーの波動とハイゼンベルクの行列を統一して考える偉業はノイマンによる。そしてヒルベルト学派の旗手でありながら、不完全性定理をゲーデルに先に気づかれたことは大きな挫折の経験となり、ゲーデルこそ天才だと度々公言し、数学基礎論の論文はその後出さなくなったエピソードもある。同じ情報理論の父とされ、天才と名高いクロード・シャノンについては本書では触れられていない。

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    フォン・ノイマンが科学の色んな分野に驚異的な進展をもたらした天才であったことはなんとなく知っていたが、その残した功績の大きさは、最初の「はじめに」を読むだけでおよそ普通の脳構造の人間1人ができる芸当ではないことを思い知らされる。これでコミュ力あってジョークも言えて、お茶目さもあるとか普通じゃない。ただ運動はできず、運転も下手くそで事故りまくって、ゲーム理論作ったのになぜかカジノは負けまくってた模様でかわいい。程度の差こそあれ天才は現代もいるだろうが、そういう人が、自分が悩んでいる研究を見てその場で瞬時に暗算で解いたりしたらすごい絶望を味わいそう。ノイマンといえど第二不完全性定理の証明について、ゲーデルに先を越されたという敗北経験がある。徹底的な科学主義・非人道主義。

    0
    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    AI関係の本を読んだ時に名前が出てきたので興味はあったがここまで凄い人とは知らなかった。生い立ちから死後まで網羅してある。凡夫からすると天才としか思えない数学者達が本書には登場してくるがそれを上回るノイマンの超天才ぶり。孤高ではなく社交性もある人で悪魔には思えない。戦争における考え方をどう評価するかだが合理的思考に基づく判断としては間違いでもないと思う(日本人からしたらたまったものではないが)。
    彼の業績については本書を読むと分かるが自分の知能が低すぎて本当に凄さが理解できたか怪しい。それでも今この文章を入力しているスマホの源流もノイマン型コンピュータにあるので全人類に影響を及ぼした人という認識はできた。あと天才のくせにギャンブルで負けたりと人間臭さもあるし悪魔だとしても魅力的な人物といえよう。
    本書を読むでいてこの人の美点に思ったのは他の天才を排斥しない事。チューリングをスカウトしようとしたり文字通り本物は本物を知るという事をしている。こういう素晴らしさは見習いたい。
    20世紀最大の天才というか21世紀にも影響を及ぼしているということで本書も改めて購入したい本。

    0
    2025年03月23日

    Posted by ブクログ

    1人の科学者の生涯が書かれた本を初めて読んだ。彼の残してきた功績の華々しさに惹かれたことがきっかけだった。信じられないほど多岐にわたる分野での活躍に彼の脳内を覗きたくなった。大学で化学を学んできた者にとっては、聞き慣れた人物や理論が続出し、科学者の繋がりや心情の一部を知れたこともこの本の醍醐味であると感じた。数学出身の人は尚更であろう。
    科学に対する考え方が人それぞれであり、特に原爆に関しては大きく意見が分かれ、派閥があったことなどは如何にも人間らしいと思った。その中で、ノイマンはタイトルにも書かれているように、「人間のフリをした悪魔」と表現されていたが、彼の人当たりの良さや癖や意外な一面も多数あり、ノイマンという人物に非常に好感が持てた。
    もっと有名になっても然るべきだと思える人物であり、私がこの本を通して、ジョン・フォン・ノイマンを知れたことは幸運な事だと思った。

    0
    2024年09月30日

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社現代新書 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

高橋昌一郎 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す