フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔

979円 (税込)

4pt

21世紀の現代の善と悪の原点こそ、フォン・ノイマンである。彼の破天荒な生涯と哲学を知れば、今の便利な生活やAIの源流がよくわかる!

「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことにしてもだ」

彼は、理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむを得ないと「人間性」を切り捨てた。

<本書の主な内容>

第1章 数学の天才
――ママ、何を計算しているの?
第2章 ヒルベルト学派の旗手
――君も僕もワインが好きだ。さて、結婚しようか!
第3章 プリンストン高等研究所
――朝食前にバスローブを着たまま、五ページの論文で証明したのです!
第4章 私生活
――そのうち将軍になるかもしれない!
第5章 第二次大戦と原子爆弾
――我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない!
第6章 コンピュータの父
――ようやく私の次に計算の早い機械ができた!
第7章 フォン・ノイマン委員会
――彼は、人間よりも進化した生物ではないか?

********

ノイマンがいかに世界を認識し、どのような価値を重視し、いかなる道徳基準にしたがって行動していたのかについては、必ずしも明らかにされているわけではない。さまざまな専門分野の枠組みの内部において断片的に議論されることはあっても、総合的な「フォン・ノイマンの哲学」については、先行研究もほとんど皆無に等しい状況である。

そこで、ノイマンの生涯と思想を改めて振り返り、「フォン・ノイマンの哲学」に迫るのが、本書の目的である。それも、単に「生涯」を紹介するだけではなく、彼の追究した「学問」と、彼と関係の深かった「人物」に触れながら、時代背景も浮かび上がるように工夫して書き進めていくつもりである。
――「はじめに」より

********

ノイマンの思想の根底にあるのは、科学で可能なことは徹底的に突き詰めるべきだという「科学優先主義」、目的のためならどんな非人道的兵器でも許されるという「非人道主義」、そして、この世界には普遍的な責任や道徳など存在しないという一種の「虚無主義」である。

ノイマンは、表面的には柔和で人当たりのよい天才科学者でありながら、内面の彼を貫いているのは「人間のフリをした悪魔」そのものの哲学といえる。とはいえ、そのノイマンが、その夜に限っては、ひどく狼狽(うろた)えていたというのである。クララは、彼に睡眠薬とアルコールを勧めた。
――第5章「第二次大戦と原子爆弾」より

********

人類史上 最恐の頭脳!

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フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    人類史上最も頭脳明晰との評判が高いノイマンの生涯を追う。こういった特異な人のエピソードはとても面白く、まさに事実は小説より奇なり。フォン(貴族)の称号は父の時代に得られた、ノイマンが示す通り「〜マン」ユダヤ系であることが名前で分かる。「最恐」と表現されているのは、ノイマン哲学は科学至上主義で、どんな

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    フォン・ノイマンが科学の色んな分野に驚異的な進展をもたらした天才であったことはなんとなく知っていたが、その残した功績の大きさは、最初の「はじめに」を読むだけでおよそ普通の脳構造の人間1人ができる芸当ではないことを思い知らされる。これでコミュ力あってジョークも言えて、お茶目さもあるとか普通じゃない。た

    0
    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    AI関係の本を読んだ時に名前が出てきたので興味はあったがここまで凄い人とは知らなかった。生い立ちから死後まで網羅してある。凡夫からすると天才としか思えない数学者達が本書には登場してくるがそれを上回るノイマンの超天才ぶり。孤高ではなく社交性もある人で悪魔には思えない。戦争における考え方をどう評価するか

    0
    2025年03月23日

    Posted by ブクログ

    1人の科学者の生涯が書かれた本を初めて読んだ。彼の残してきた功績の華々しさに惹かれたことがきっかけだった。信じられないほど多岐にわたる分野での活躍に彼の脳内を覗きたくなった。大学で化学を学んできた者にとっては、聞き慣れた人物や理論が続出し、科学者の繋がりや心情の一部を知れたこともこの本の醍醐味である

    0
    2024年09月30日

    Posted by ブクログ

    名レビュアー渡辺由佳里氏が運営するサイト「洋書ファンクラブ」を閲覧していた時のこと。
    天才数学者フォン・ノイマンをテーマにした小説“The Maniac”のレビューにあった一説に目が行った。

    「歴史に詳しい(映画『オッペンハイマー』の)視聴者の中からは『なぜNeumann(ノイマン)のことが描かれ

    0
    2024年04月17日

    Posted by ブクログ

    この現代で、改めてノイマンの功績について考えると、深読みし過ぎて胸がいたい。
    悪魔かどうかは、解釈次第だと思いたい。

    0
    2023年01月11日

    Posted by ブクログ

    天才と呼ばれる科学者の天才っぷりは、想像をはるかに超える。
    天才はなろうとしてなっているのではなく、生きているだけで自然にもう天才なのだなぁ。

    一般の人が自分を聡いかどうかなんて考えるのも愚かしいと思うくらい本当の天才はぶっちぎっててすごい。



    今も名前が知られている著名な天才たちの繋がりが興

    0
    2022年02月20日

    Posted by ブクログ

    『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』(高橋昌一郎)

    ノイマンの頭の中の回路はどうなっているのか知りたい…そしてこんな人を知らなかった自分の教養のなさを恥じたい。。

    0
    2022年01月14日

    Posted by ブクログ

    目的のためには手段を選ばない非人道主義、科学の発展を優先する科学優先主義、虚無主義(過度な相対主義)なところが悪魔と言われるゆえんなんやけど、死ぬ前にはカトリックの司祭と話したがり、ハンドルを握っては事故を起こし、スカートをのぞく悪癖があった。原爆は皇居への落下に反対、京都に落として日本人の戦意を徹

    0
    2025年06月02日

    Posted by ブクログ

    前半はエピソードトークに近い。後半は哲学というか信念/思想の話。経験に基づく因果な話で普通な印象だが、それがとてつもなく幅広い分野のとてつもない天才によるものなので影響力が大きい。終始、天才ぶりが凄いのだが、天才でも奇人・変人要素が少ないのも稀有な方。
    ノイマンの話はともかく、戦時/戦後の周辺の状況

    0
    2025年02月23日

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