理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性

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我々が信じる合理的選択、科学的認識、論理的思考は、絶対的なものではない! 世界の根源に関わる事象と密接に関連する人間の「理性の限界」と可能性をディベート形式で平易に描く論理学入門書。

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    Posted by ブクログ

    理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性
    著:高橋 昌一郎
    出版社:講談社
    講談社現代新書 1948

    おもしろかった。数式などの解説がなく、実例を提示して掘り下げていることが分かりやすいと思いました。

    科学は、矛盾を内包していて、多々の限界、認識の地平線を有しています。

    本書は、ゲーム理論、数学基礎論、量子論をベースとしたパラドックスなどの解説をしています。

    いまや、科学とは、一つの宗教であり、観測と仮説・検証をふくめた合理性によってなりたっていますが、論理的に不完全であることがすでに明らかになっています。

    分け方には、違和感がありますが、選択の限界、科学の限界、知識の限界として、それらの解説をしています。ゲーム理論を学んだことのあるかたであれば、違和感がないとおもいます。

    いわゆる、乾いた科学である、数学、物理学をベースとした解説書です。

    用語として提示しているものは、以下です。しられているものばかりなので、深堀りも楽かと思います。

    ■選択の限界

    ・合理的な意思決定
    ・多数決の原理
    ・アロウの不可能性定理
    ・複数記名方式と、順位評点方式
    ・完全な民主主義的な社会的決定方法はない
    ・選考の連結律

    ・独裁政治:1人できめる、貴族政治:数名できめる、民主政治:だれも決められない

    ・民主主義に必要な4つの条件
     ①個人選好の無制約性
     ②市民の主権性
     ③無関係対象からの独立性
     ④非独裁制

    ・囚人のジレンマ
    ・繰り返し囚人のジレンマ
    ・集団的合理性
    ・ミニマックス理論
    ・ナッシュ均衡
    ・もっとも有効なのは、しっぺ返し戦略
    ・核戦争の報復戦略
    ・チキンゲーム:正面衝突する暴走族の度胸試し

    ■科学の限界

    ・天動説と地動説 教会に反する教理の公表
    ・科学こそが宗教
    ・ラプラスの悪魔
    ・ハレー彗星の軌道
    ・ハイゼンベルクの不確定性原理
    ・光速度不変の原理
    ・相対性理論と、ニュートン力学
    ・コペンハーゲン解釈
    ・素粒子、電子の補完性、波でもあり、粒子でもある
    ・神はサイコロをふるのか、シュレディンガーの猫
    ・素粒子の揺らぎ、観測精度の限界

    ■知識の限界

    ・形式科学
    ・ぬきうちテストのパラドックス
    ・クワインの分析
    ・ゲーゲルの不完全性定理
    ・真理の対応理論
    ・ペアノ公理
    ・ゲーデル命題
    ・認知論理
    ・神の非存在論
    ・チューリング・マシン コンピュータへの道

    目次

    序章  理性の限界とは何か

    第1章 選択の限界
         投票のパラドックス/アロウの不可能性定理
         囚人のジレンマ/合理的選択の限界と可能性
    第2章 科学の限界
         科学とは何か/ハイゼンベルクの不確定性原理
         EPRパラドックス/科学的認識の限界と可能性
    第3章 知識の限界
         ぬきうちテストのパラドックス/ゲーテルの不完全性定理
         認知論理システム/論理的思考の限界と可能性

    ISBN:9784062879484
    判型:新書
    ページ数:280ページ
    定価:1000円(本体)
    2008年06月20日 第1刷発行

    0
    2026年07月25日

    Posted by ブクログ

    論理、科学、数学それぞれに存在する「不」の定理。
    その共通点を、架空のシンポジウムを通して探るなんとも不思議な味わいの一冊。

    このシンポジウム形式が実に巧妙なギミックで、本筋とは関係ないが必要な補足を対話の「脱線」という形で実現している。

    読み物として面白いし、多角的に限界をつきつけられた理性へ想いを馳せる端緒ともなる。

    0
    2019年09月09日

    Posted by ブクログ

    知性を刺激する見事な傑作。
    これは本棚の一番上手前に置かれ何度も開かれることになるマスターピースになる。
    つまり一読して理解していない。

    理解していないため、書評する資格があるかは疑問であるが、本書は見事な帰結を見せる。生きることの素晴らしさ、いや感情豊かに素晴らしく生きることの大切さを教えてくれた。

    0
    2017年01月13日

    Posted by ブクログ

    様々な点で刺激的だった。そもそもトピックとして扱われている「限界」という点が興味深い事はもちろん、いろんな学問領域のアプローチの取り方、特徴が垣間見えた。また脱線した話題もどれも刺激的。またなにより、様々な立場の人が言い合う中、司会者がなんとか話をコントロールし、最終的にひとつの着地点を見いだして行く様が、サンデル教授の授業のようで、ファシリテートの実践としても参考になった。

    0
    2026年06月25日

    Posted by ブクログ

    この内容で740円とは、知の獲得手段としての書物は実に経済的なものである。アロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理、これを三つ並べて「選択」「科学」「知識」の限界の3題話とするとは、実に面白い。

    0
    2018年10月14日

    Posted by ブクログ

    アロウの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理を題材に対話形式で、理性の限界を表出させていく。
    とにかく読みやすく、難解なはずのこれらの定理をわかりやすく説明してくれている。
    選択における限界、科学における限界、知識における限界は、人間側にあるのではなく、そのものの中に内包されている。
    生成AIの急速な社会浸透と課題表出が感じられる昨今、限界を見極めることで、人の存在への希望を感じさせてくれる本であった。

    0
    2026年08月05日

    Posted by ブクログ

    選挙は真に民主主義的にはなり得ないし、科学は全ての真実を導き出せず、人間理性も不完全性定理から逃れられない。「人間は常に進歩し続ける生き物で、科学の発展によりいつかはこの世の全てが解明される」という幻想が気持ちよく打ち砕かれる面白さがあった。難解な理論の話をしているのだけど、対話形式なので私でもなんとかついていけた(でも第三章「知識の限界」は頭が混乱して2回読んだ)。近年はAIがほとんど人間と同じことができるようになり「人間=機械」論も現実味を帯びてきたけど、やはり人間は機械を超える何かであって欲しいな。

    0
    2025年12月22日

    Posted by ブクログ

    難解な部分もあり、なんとか呼んだが、内容は面白かった。論理学、量子力学の観点での限界をわかりやすく説明してくれた。論理学とか読んでいるときは、ライアーゲームとかは論理学が使われてるのかなと思った。

    0
    2023年07月08日

    Posted by ブクログ

    「物事に絶対はない」ことを、議論形式で論理的に導いていく本。哲学に詳しくない一般人も巻き込んで議論が行われるため、難しい話題が出ても楽しんで読めた。

    0
    2022年07月17日

    Posted by ブクログ

    途中で読むのをやめてしまい、ようやく読み終わった。
    少し難しいところもあったけれど、シンポジウム形式の内容なので難しいと思ってもシンポジウムに参加している会社員や運動選手、大学生が突っ込んで聞いてくれる。
    読み終わるまで時間がかかってしまったけれど、人に勧めたい新書の一つです。
    スマリヤン教授の抜き打ちテストのパラドックスが面白かったです。

    0
    2022年03月23日

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