講談社現代新書作品一覧

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  • 進化する形 進化発生学入門
    -
    なぜ生物は、多様な形をしているのか? その一方で、ペガサスやキングギドラのような、通常の形から逸脱した「怪物」は、なぜ現実には存在しないのか? その謎を解く鍵はゲノムにある。現代科学の最もホットな分野の1つである進化発生学の世界を、最先端の研究者がわかりやすく解説する。生物進化のメカニズムがわかる!!
  • なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える
    4.1
    私たちが学校や学校以外のさまざまな機会を通じて学習しなければならないのは、頭をよくするためでもなければ、成績を上げてよい学校に進学するためでもなければ、豊かな生活をするためでもありません。「教育」や「学習」には、進化学的で生物学的な理由があるんです。人間にとって「学ぶ」とはどういう意味があるのでしょうか?最新の進化学・遺伝学・脳科学の知見を参考にしながら、一緒に考えていきましょう。
  • 大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済
    4.3
    海外の研究者が「世界初の先物取引市場」と評価する江戸時代、大坂堂島の米市場。米を証券化した「米切手」が、現在の証券市場と同じように、「米切手」の先物取引という、まったくヴァーチャルな売り買いとして、まさに生き馬の目を抜くかのごとき大坂商人たちの手で行われていた。このしばしば暴走を繰り返すマーケットに江戸幕府はいかに対処したのか? 大坂堂島を舞台にした江戸時代の「資本主義」の実体を始めて本格的に活写
  • 新・日本の階級社会
    3.8
    新自由主義の台頭で日本社会に格差が定着した。非正規労働者層が誕生し、人口の三割が経済的理由から家庭を持つことができないという、膨大な貧困層を形成した。人々は格差の存在をはっきりと感じ、豊かな人々は豊かさを、貧しい人々は貧しさをそれぞれに自覚しながら日々を送る。豊かさの程度によって日本はすでに分断され、「新しい階級社会」が成立しているのだ。最新の調査データが物語る、現代日本の恐るべき現実!!
  • はじめてのラテン語
    4.3
    あのローマ帝国を統べた共通語・ラテン語は、今なお欧米諸語の中にこんなにも生きている。ABC(アーベーケー)から文法まで、やさしく明快な入門・決定版!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 縄文の思想
    4.5
    縄文人のリアルな思想、彼らの他界観や世界観など生き方を律した思想が、海辺や北海道、南島という日本列島の周縁に生きた人びとの、弥生時代以降の歴史に光を当てることで明らかに。縄文は単なる失われた過去ではなく、周縁の人びとの生を律する思想として、上記の人びとのなかに脈々と生き続けてきた。考古学、神話学、民俗学を綜合し、もうひとつの日本列島人の歴史を描くこれまでにない縄文論。
  • タロットの秘密
    3.8
    タロットカードは、なぜ謎めいた存在になったのか。最新の研究成果を盛り込み、タロットカードが占いのために使われるようになった歴史や背景を解明する。また、絵の図像の文化的背景から、「鏡リュウジ流」解釈までを丁寧に解説し、具体的な占い方までを紹介。これ一冊で、タロットのすべてがわかる。タロットはもちろんのこと、西洋魔術やオカルト、ユング心理学に興味を持つすべての人、必携の本格的入門書。
  • 人生に意味はあるか
    3.7
    本気で考え始めると、抜け出られなくなってしまいそうで、何となく、怖い。そんな気がして、あまり考えないようにしてきた、という方も、少なくないようです。……そんなあなたがこの問題について真剣に考え抜き、そして、心の底から納得できる「人生のほんとうの意味と目的」を探し求める旅に出るための、ガイドブックのような本です。――<本文より>
  • 入門 東南アジア近現代史
    4.0
    6億4000万人の巨大市場の「いま」がわかる決定版!土着国家から欧米の植民地へ、日本による占領統治、戦後の経済発展、ASEAN経済共同体の誕生――。ホー・チミン、スカルノなど独立指導者のドラマ。ベトナム戦争、カンボジア内戦の悲劇。シンガポール、マレーシアの経済発展の光と影。フィリピン、タイ、ミャンマーの民主化運動――、ASEAN地域の過去・現在・未来を読む。
  • 日米開戦と情報戦
    4.3
    真珠湾攻撃から75年。戦争に至る不毛な現実を描く、決定版!1日に20通以上の外交暗号を解読しあう熾烈な日米英インテリジェンス戦争。ローズヴェルト、チャーチルら指導者が生の情報に触れることで強まる対日対決姿勢。松岡洋右外相に翻弄され、陸軍・海軍内の組織利害対立で指導力を発揮できない日本の中枢部――。エリートたちはなぜ最悪の決定を選んだのか?
  • 皇軍兵士の日常生活
    3.6
    戦争は本当に日本社会を公平化したのか? 昇進につきまとう学歴という壁。食糧をめぐる将校と兵の違い。兵士への応召手当をめぐる格差――。戦時下、不公平を強いられた「皇軍」兵士と家族の群像を描く。 第1章 「皇軍」兵士はこうして作られる / 第2章 軍隊での生き方 / 第3章 兵士と家族――戦争の「不公平」 / 第4章 「戦死の伝えられ方」をめぐって
  • 漢字と日本語
    4.0
    「外来語」はいつからあるのか?「復原」と「復元」、「降伏」と「降服」のちがいは?「空巣」の意味は、年寄りだけの家!?「健康」「積極」「場合」は中国が日本から取り入れた外来語だった。俗字、異体字、略字の由来は?読んだその日からつい誰かに話したくなる漢字雑学の数々。中国文学者が漢字と日本語の面白さを洒脱に書き下ろしたPR誌「本」の人気連載、新書化第二弾!
  • 世界史とヨーロッパ ヘロドトスからウォーラーステインまで
    4.1
    キリスト教の呪縛、オリエンタリズム、国民主義的歴史、世界システム論……「歴史」はどう書き変えられたか!? 「世界史」はどのように創られたのか。キリスト教的歴史観の成立と変遷、国民主義的歴史の誕生など、西欧的世界観・歴史観を根本から考える。(講談社現代新書)
  • 警察捜査の正体
    3.8
    「このままでは警察国家が復活しかねない、市民はとにかく自衛するしかない」北海道警の方面本部長を務め、2004年に「警察幹部の裏金」を告発した著者が危惧するのは、警察の捜査権限が拡大しつつあること。治安維持という錦の御旗のもと、刑事訴訟法改正で司法取引の導入、通信傍受対象の拡大が進み、新しい科学捜査が次々導入される。だが法律に照らすと、あまりにも「グレーゾーン」が多いのが警察捜査の正体だ。
  • 日本のロック名盤ベスト100
    3.3
    本邦初!これが真のオールタイム・ベストだ!日本のロック「オールタイム・ベスト」1位~100位を、著者独自の「五つの指標」と「レコードじゃんけん」で完全ランキング。5位は矢沢永吉『ゴールドラッシュ』、4位はイエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』、3位はザ・ブルーハーツ『ザ・ブルーハーツ』、2位はRCサクセション『ラプソディー』・・・・・・栄光の1位に輝いた名盤とは!? (講談社現代新書)
  • 商店街はいま必要なのか 「日本型流通」の近現代史
    3.9
    「安くて便利で消費者のため」のその先は? 百貨店、地方と都会、戦前の通販の黄金時代、商店街と地域、スーパーと消費者革命、家族経営が基本の、日本型コンビニの誕生と進化。1900年代から現代まで、日本人の買い物の歴史から考える。(講談社現代新書)
  • ヒトラーとナチ・ドイツ
    4.4
    ヒトラーは、どのようにして大衆の支持を得て独裁者となったのか。安楽死殺害やホロコーストはいかにして行われたのか。その歴史を知るための入門書であり、決定版の書。ナチ体制は、単なる暴力的な専制統治ではなく、多くの国民を受益者・担い手とする「合意独裁」をめざした。最新研究をふまえて、未曾有の悪夢の時代を描く。(講談社現代新書)
  • 昭和陸軍全史 1 満州事変
    4.1
    1~3巻1,045~1,265円 (税込)
    日本を破滅へと導くことになった陸軍の独断専行という事態はなぜおこったのか? 彼らはいかなる思想の元に行動していたのか? 日本陸軍という日本の歴史においても特異な性質を持った組織がいかに形成され、そしてついには日本を敗戦という破滅に引きずり込みながら自らも崩壊に至ったかのプロセスを描く3部作の第1巻。少壮エリート軍人層による組織内での下克上、その結果としての満州事変から政党政治の終焉までを描く。(講談社現代新書)
  • アイヌ学入門
    4.1
    海を渡り北方世界と日本を繋ぐ大交易民族としてのアイヌ。中国王朝と戦うアイヌ。従来のステレオタイプを覆し、ダイナミックに外の世界と繋がった「海のノマド」としてのアイヌ像を様々なトピックから提示する。(講談社現代新書)
  • ニッポンの裁判
    3.9
    冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)! 日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた・・・。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然! (講談社現代新書)
  • 闘うための哲学書
    4.0
    プラトン、アリストテレス、デカルト、ルソー、ヘーゲル、ウェーバー、ハイデッガー、アーレント、サルトル、ストロース、ロールズ、福澤諭吉、西田幾多郎……。古今東西の古典をどう読むか。1970年生まれの行動する哲学者ふたりが、22冊の古典を前に、そのおもしろさ、奥深さを語り尽くす。知的興奮必至の知の入門書。
  • 愛と暴力の戦後とその後
    4.1
    なぜ、私たちはこんなに歴史と切れているのか? あの敗戦、新憲法、安保闘争、バブル、オウム事件、そして3・11……。〈知っているつもり〉をやめて、虚心に問うてみたら、次から次へと驚きの発見が噴出! 『東京プリズン』の作家が、自らの実体験と戦後日本史を接続させて、この国の〈語りえないもの〉を語る。(講談社現代新書)
  • フルーツひとつばなし おいしい果実たちの「秘密」
    3.8
    単に空腹を満たす食べ物としてだけでなく、健康を守るふしぎな力を宿しているフルーツ。しかし、現代人の多くは、その効用や魅力については無知である。本書は、何気なく口にしているフルーツの品種、効用、果実生成のしくみ、品種改良など広範な知識を網羅した、現代人のための『フルーツの教科書』というべき作品。「ミスター植物学」として知られる田中修・甲南大教授が、フルーツの面白知識を軽妙な文章で巧みに解説する。(講談社現代新書)
  • 中国の大盗賊・完全版
    4.3
    秘かに待望されてきた幻の完全版ついに刊行。名著のほまれ高い『中国の大盗賊』で割愛されていた150枚を完全収録。陳勝や高祖から毛沢東まで、縦横無尽に活躍する「盗賊」の姿を活写する中国史の決定版! (講談社現代新書)
  • 分類思考の世界 なぜヒトは万物を「種」に分けるのか
    3.4
    生物の「種」って何? それは実在するか? 生物分類学の歴史は2000年に及ぶ。その知的格闘を平易に跡づけ、「種」をめぐる最も素朴で根本的な疑問を考える。前作『系統樹思考の世界』と対をなす怪著! (講談社現代新書)
  • 系統樹思考の世界 すべてはツリーとともに
    3.8
    多様なものをいかに整理し、体系づけるか? 進化するのは生物だけじゃない。言語、車、蕎麦屋……系譜・系図はあまねく広がっている。祖先-子孫の由来をどう推定するか。その方法論と考え方を平易に解説! (講談社現代新書)
  • 中国文明の歴史
    3.6
    もっとも平易でコンパクトな中国史の入門書。中国とはどんな意味か、そしていつ誕生したのか? 民族の変遷、王朝の栄枯盛衰や領土拡大を軸に、中国の歴史をわかりやすく教える。まったく新しい中国史の登場。(講談社現代新書)
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    4.0
    日本はなぜ太平洋戦争に突入していったのか。為政者はどんな理屈で戦争への道筋をつくり、国民はどんな感覚で参戦を納得し支持したのか。気鋭の学者が日清戦争以降の「戦争の論理」を解明した画期的日本論! (講談社現代新書)
  • はじめての言語ゲーム
    3.8
    もっともわかりやすいヴィトゲンシュタイン入門書。世界のあらゆるふるまいを説明しつくそうとしたヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論はいかに生まれ、どんな思想か? 『はじめての構造主義』著者による、きわめて平易な哲学入門です。(講談社現代新書)
  • 今こそマルクスを読み返す
    3.5
    マルクスは人間や社会や歴史をどうとらえ、『資本論』で何を語り、近代資本主義の未来をどのように予見したのか? 今やマルクス主義は本当にもう無効になってしまったのだろうか? 20世紀世界の根幹的思想を、独自の視点と平明な言葉で掘り返し、脱近代への発展的継承を試みる。(講談社現代新書)
  • 聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か
    3.7
    天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。ニュートンの時間概念はどうなるか。聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。(講談社現代新書)
  • 弁証法はどういう科学か
    3.7
    弁証法は、社会の原理を鋭利にそして的確に解明していく。矛盾とは? 否定の否定とは? ……難解といわれがちな唯物弁証法。本書では、科学的研究の武器として弁証法を捉え、かつ、身近な話題を例にとりながら、平易に解説し、その核心をつく。(講談社現代新書)
  • ラカンの精神分析
    4.0
    フロイトを再発見した独自の思想を読み解く対象aは黄金数である――ラカン晩年の言葉を手がかりに辿る構造主義精神分析の本質とその人生の軌跡。ある数式に象徴される主体と言語の存在構造を鮮やかに描く。(講談社現代新書)
  • 感性の限界 不合理性・不自由性・不条理性
    4.2
    人間の愛は「不合理」なもの? 自由だと勝手に信じている人間が実際には「不自由」? なぜ人間は生まれて死ななければならないという「不条理」に遭遇しているのか? そもそも、人間とは何か……? 「行為」「意志」「存在」の限界をテーマに、行動経済学者や認知科学者、進化論者、実存主義者など多様な分野の学者にカント主義者や急進的フェミニスト、会社員、運動選手、大学生も加わり、楽しく深く広い議論を繰り広げる。
  • 自由とは何か 「自己責任論」から「理由なき殺人」まで
    4.2
    「自由に倦んだ」時代に問う、渾身の論考! 自己責任や援助交際、殺人を巡る議論など、自由にまつわる問題に様々な角度から切り込み、現代社会・思想が陥っている「自由のジレンマ」を乗り越える方法を探る。(講談社現代新書)
  • 科学する麻雀
    3.9
    従来の麻雀観を根底から覆す数理的戦術書。「状況」や「流れ」を根拠にした曖昧な打ち方は思考停止にすぎなかった。膨大なデータを解析し「ここではこう打つ」という解に可能な限り近づく史上初の試み。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。 (講談社現代新書)
  • 理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性
    4.0
    我々が信じる合理的選択、科学的認識、論理的思考は、絶対的なものではない! 世界の根源に関わる事象と密接に関連する人間の「理性の限界」と可能性をディベート形式で平易に描く論理学入門書。
  • ふしぎなキリスト教
    4.2
    【新書大賞2012大賞】 キリスト教がわからないと、現代日本社会もわからない――。キリスト教のすべてがわかる決定版入門書! なぜ神が一つなのか? 預言者とは何者か? イエスは神なのか人なのか? 聖書は誰が書いたか? 知っているつもりで実は知らないキリスト教の謎を解く。日本を代表する二人の社会学者が徹底対論! (講談社現代新書)
  • 「神道」の虚像と実像
    3.8
    太古からの民族の信仰? それは幻想にすぎない。律令国家の形成、中世の動乱、西欧の衝撃……。危機に直面するたび「太古からおのずからある」ものとしてつくられた「こころの形」。現代の日本人をも捕らえて放さない幻想を打ち砕く。
  • ケインズとハイエク―貨幣と市場への問い
    4.0
    30年代の「世界恐慌」。その原因や対処法をめぐりケインズとハイエクは論争を繰り返した。リーマンショック後の「世界的経済危機」の核心を探るため、経済学史に偉大な足跡を残した知の巨人の共通認識と対立点を徹底比較する。資本主義に社会主義的な計画経済を導入したケインズ、自由主義経済の擁護者ハイエク。「貨幣・価格・生産」「慣行と模倣」「便宜と法」などの論争は現代的示唆に富む。
  • 太平洋戦争と銀行 なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか
    NEW
    5.0
    【読み始めたら止まらない!誰も知らない「戦争経済史」】 植民地経営から戦費調達、敗戦後の「清算」まで―― 満洲、台湾、朝鮮、樺太、本土を、バンカーたちは決死の覚悟で駆けめぐっていた! 驚きのエピソード満載! お金から「戦争のからくり」を解き明かす。 国破れてバランスシートあり…… 銀行員たちの血と汗と涙の奮闘記! 「本書では戦時銀行体制の中でも少し視点を変えて、「舞台裏」に焦点を当てる。 この「舞台裏」は多岐にわたる。地理的な場合もあれば、制度的、さらには業務的な周辺部分もある。具体的には植民地や占領地での銀行業、硬貨の造幣や紙幣の印刷、また現金の確保や輸送、銀行店舗の閉鎖・避難などだ。道草として、戦後の占領軍経費負担にも目を向けてみたい。 銀行員たちは勝利を信じて軍を支え、敵に追われながら軍の金庫番も務め上げた。そして終戦を迎えると、戦争で途方もなく膨らんだ有形・無形の負債の清算を余儀なくされる。彼らは敗北が明らかになっても、「信用維持」という銀行業に携わる者としての矜持を手放さなかった。さすがのアインチヒも、そこまでは思いもよらなかったであろう。 あちらこちらに散在する断片的な物語を繋ぎ合わせると、戦時に「国力の水増し」を担った銀行体制の新しい輪郭が浮かび上がる。この姿を辿りながら八〇年前の戦争、そして戦後を振り返ってみることにする」――「まえがき――国力水増しの舞台裏」より 【目次】 序章 風雲高まる 第一章 戦時の外地銀行――昭和一九年まで 第二章 本土決戦と金融機関――昭和二〇年七月まで 第三章 長い夏が始まる――昭和二〇年八月 第四章 日本の一番長い日――昭和二〇年八月一五日 第五章 戦争の後始末 終章 諸行無常と万古不易
  • 「あの戦争」は何だったのか
    4.0
    日本はどこで間違えたのか? 掲げた理想はすべて誤りだったのか? 「大東亜」は日本をどう見ていたか? 戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。 『「戦前」の正体』の著者が、右でも左でもない「われわれの物語」を編みなおす 現代人のための新・日本近現代史! 「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。 本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」  ――「はじめに」より 【本書の構成】 はじめに 第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき? 第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か 第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える 第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる 第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する おわりに 【本書の内容】 ●日中戦争を「支那事変」と呼んだ背景 ●「ペリーこそ戦犯」と主張した石原莞爾 ●「アジア・太平洋戦争」か、それとも「大東亜戦争」か ●米英との「協調外交」は可能だったのか ●近衛文麿の「知られざる慧眼」 ●東条英機による「史上初の外遊」 ●「パレンバン奇襲作戦」の真実 ●南京大虐殺記念館の「意外な実態」      ……ほか
  • 知ってはいけない 合本版
    値引きあり
    5.0
    第二次大戦のあと、日本と同じくアメリカとの軍事同盟のもとで主権を失っていたドイツやイタリア、台湾、フィリピン、タイ、パキスタン、多くの中南米諸国、そしていま、ついに韓国までもがそのくびきから脱し、正常な主権国家への道を歩み始めているにもかかわらず、日本の「戦後」だけがいつまでも続く理由とは? 10万部を突破したベストセラー『知ってはいけない』の著者が、「戦後日本の"最後の謎"」に挑む!※この電子書籍は、2017年8月に講談社現代新書として刊行されました『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』、2018年11月に講談社現代新書として刊行されました『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた 』を合本とし、電子書籍化したものです。この電子書籍とは別に『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』、『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』もそれぞれ電子書籍で配信中です。
  • コナン・ドイル伝 ホームズよりも事件を呼ぶ男
    NEW
    -
    科学的な推理を身上とする名探偵シャーロック・ホームズを生んだのは、心霊と愛国に没頭するお騒がせ男だった! コナン・ドイルの数奇な人生を、現地で識者に取材した最新証言を交え、作品とともに解説する。 ・40歳で突然「軍隊に入る」宣言 ・「切り裂きジャック事件」の犯人説 ・世間を騒がせた「妖精事件」 ・アガサ・クリスティ失踪で勝手に「心霊捜査」 ・タイタニック号事件をめぐり大論争 ・政治家を目指して二度落選 「科学」と「非科学」の間で揺れ動きながら 名探偵シャーロック・ホームズを生んだ不思議 本書で解ける謎 ・ホームズのモデルとなった恩師・ベル博士はどんな人物か? ・「ワトソン」を発明したドイル。どんな効果を狙っていた? ・19世紀のロンドン近郊で、ホームズが爆発的人気を呼んだ理由 ・ホームズの推理が現代人から見ると時々「かなり雑」なのは? ・ダーウィンの進化論で、英国人が心霊主義に走ったのはなぜ? ・「切り裂きジャック事件」で「医師犯人説」が否定される根拠 ・医師としても成功していたドイルが作家専業を決意したきっかけ ・ロンドン留学中の夏目漱石とドイルが出会っていた可能性は? ・妻が病死し、失意のどん底にあったドイルを元気にした「事件」 ・人気絶頂のホームズをなぜ『最後の事件』で葬ろうとしたのか? 怪しい事象に突き進む、危うい男……なのに なぜ、誰もがドイルを愛したか? ★(巻末付録)世界一短いホームズのブックガイド……ホームズ全60作品を解説・評価
  • 古墳時代の歴史
    4.0
    古墳時代の歴史は日本列島とその周辺だけで完結するものではなく、世界史ないしは人類史の一部であることを強く意識したい。古墳時代が始まって終わる紀元後一千年紀は、古墳時代の地球規模の気候環境の変動にも影響され、(中略)人びとを束ねる枠組みとシステムとが大きく組み替えられた段階である。ユーラシア大陸の東の端の沖合に浮かぶ日本の島々に巨大な古墳が現れて、王や有力者の政治組織が台頭したのは、この世界史的組み換えの一環とみなされる。歴史の動きをグローバルにとらえるこのような視点は、近年、国際的に盛んになってきた。また、グローバルな歴史の動きを導いた一因とみられる気候変動が、ここ十年来の高精度古気候復元の研究の進展により、一年ごとの乾湿や寒暖の変化として、具体的に把握されつつある。こうした視点や成果を取り込んで、世界史の一部としての古墳時代史を叙述することを、この本の第三の目標にかかげる。社会全体や世界の動きを視野に入れ、文献史学の成果も取り込んだ、考古学による古墳時代の編年史の総合的叙述。この本でしたいことは、それである。
  • 宗教の本質
    4.5
    人間にとって 宗教とは何なのか? 浄土真宗の僧侶にして宗教学者の釈徹宗氏。 批評家・随筆家にしてキリスト者の若松英輔氏。 「信仰」に造詣の深い当代きっての論客二人が、 3年半にわたって交わした珠玉の往復書簡。 〈本書の内容〉 第一章  信じる 第二章  発声する 第三章  歩く 第四章  読む 第五章  施す 第六章  名づける 第七章  塔と像 第八章  境界 第九章  笑い 第十章  共同体 第十一章 死者 宗教には、心身をなげうって跳ばねば見えない領域がある ――釈 聖と俗の境界は「聖なるもの」のなかに存在する ――若松 「イエス・キリストは決して笑わなかった」というのは本当か? ――釈 必要なのは、根源的な認識とそれに基づく真の意味での共同体ではないか ――若松 先立っていった人の人生は、縁のある人の人生に混在して、血肉化していく ――釈 死者の実在は、生者の記憶や生者の存在に依存しない ――若松
  • 世界は知財でできている
    4.3
    我々はこれまでとはまったく別の世界に生きている。 文章、画像、動画、音楽など、これまで人間しか作ることができないと考えられていたものを、簡単な指示を出すだけでAI(人工知能)が易々と作り出すようになった。実際に、インターネットはいつの間にかたくさんのAI生成物であふれている。 AI生成物について「そのまま使っても大丈夫なのか?」「他人の権利を侵害しないだろうか?」と不安になっている方も少なくないだろう。そう考えてしまうのは、AIが何かを作り出す際、人間が生み出したものをいわゆる「元ネタ」として利用していることを理解しているからに他ならない。本書のテーマである「知財」とは、ひっきりなしに目に飛び込んでくる文字、映像、なにげなく耳に入ってくる音楽など、AIの学習対象となり得る「元ネタ」の情報を含むものである。 そのほか、ふだん使用している服や靴、机やいす、テレビやスマホはもちろん、街中にあるビルやモニュメントなども「知財」に関係している。このように日常には「知財」があふれているが、そもそも「知財」とは何であろうか? 本書は「知財」を巡る現状と今後の方向性に関する最新知識を楽しく学んでいただくことで、一般の読者の皆さんの「知財」のリテラシーをアップグレードしてもらうことを目指したものである。様々な「知財」について網羅的に取り上げながら、我々が新しい時代にどう備えていくべきかについても解き明かしていきたい。 「 知財トラブル 」の地雷を 踏まないための基礎知識 あなたはわかりますか? ●AI 生成物に著作権はあるのか ●無制限にAI に学習をさせてもよいのか ●「○○風画像」はクリエイターの権利を侵害するのか ●『鬼滅の刃』の着物の柄の模倣は許されるのか ●流行語は商標登録できるのか ●「声」に権利はあるのか ●Vチューバーにはどんな権利があるのか
  • 「書くこと」の哲学 ことばの再履修
    3.7
    読み終えると、なぜか「書ける自分」に変わっている! 37年間、書くことで生きてきた著者が明かす、技術よりも大事な思考と実践。 書くことは考えることーーあなたはなぜ「書けない」のか? 千葉雅也氏、推薦! 「より自由に書くための基礎理論がここにある。  僕も何度も読み返すことになるだろう。  何かを書こうとするすべての人にお薦めする」 <本書の内容> 第一部 「書けなさ」から脱出するためのマインドセット/マインドハック 第一講 日本語を「外国語」として学びなおすこと 第二講 「ことばにできないもの」はどこにあるのか? 第三講 書いてはならない? 第四講 上手な文章、下手な文章 第五講 ことばの多様性 第六講 ロジックとレトリック 第七講 話し言葉と書き言葉 第八講 反射神経について 第九講 スローライティング 第十講 ことばと思考 第二部 書き終えるまで 第十一講 書き始めるまえに 第十二講 書き始めるために 第十三講 書き進めるために 第十四講 書き続けるために 第十五講 書き終えるために 第十六講 書き終えたあとに 補講一 人称について 補講二 外国語について 「書くこと」の倫理について──あとがきを兼ねた補講三
  • 宮内庁長官 象徴天皇の盾として
    4.3
    戦後の日本国憲法下では天皇は政治的権能を失い、側近が政治的影響力を及ぼすことはなくなった。内大臣は廃止され、侍従長も純粋な天皇の秘書役となる。侍従職は御璽・国璽を管理するが、天皇の国事行為に関与することはありえなくなった。オクはまさしく政治の舞台から退場し、宮中の奥に収まったのだ。  (中略)  敗戦後しばらくは天皇に反発する国民も少なくなかったが、世論の大多数は天皇制を支持した。政治的権能は失ったが、精神的権威としての天皇は存続した。天皇は戦後の日本社会でも大きな存在でありつづけた。昭和の戦前戦中期に軍などの勢力にその権威が利用されたように、日本国憲法の下でも内閣その他の政治勢力によって天皇の権力(形式的ではあるが)と権威が利用される危険性は残ったのだ。  昭和の亡国の歴史をくりかえさないためにも、天皇の政治利用は絶対に阻止しなければならない。ある特定の政治勢力に利用されていると国民が受け止めれば、国民統合の象徴としての信頼と権威は瓦解し、天皇制の存続も危うくなる。  そのための「盾」として、重要な役割を担うことになったのがオモテを仕切る宮内庁長官である。宮内庁は内閣の下にある官庁だが、天皇を政治的、恣意的に利用しようとする動きがあれば、内閣といえどもその指示に抵抗しなければならない。ある局面では政府から超然とする必要があり、その気概が求められる。宮内庁長官はむずかしい職務である。  (中略)  象徴天皇制での宮内庁長官は2025(令和7)年初めの時点で歴代10人を数える。  (中略)  象徴天皇制が実施されておおよそ80年。この間に生じたさまざまな課題にたいして、各時代の長官はどう対処してきたのか。それを俯瞰することで、象徴天皇の形成過程とあるべき姿が浮かび上がってくると思う。(プロローグより)
  • ゼロから始める 無敵のレポート・論文術
    3.7
    誰も教えてくれなかった「超基本のはなし」 なぜつまづくのか、書けないのか……これでぜんぶわかる! ●テーマをどう選べばいいか? ●論文・レポートには型がある? ●なぜ文章が書き出せないのか? ●資料集めの達人になるには? ●良い論文と悪い論文の決定的な違いとは? ●絶対やっちゃダメなこととは? 30年以上指導してきた大学教授が 「極意」を書き尽くした決定版!
  • 科学的思考入門
    4.4
    「ふだん使いの科学」で、思考の土台を強くする! 自分の頭で考え、ファクトチェックするためにーー科学という営みの本質を楽しく学べる、最良の入門書。 有害な情報から身を守り、無意識のバイアスを避けるには? 情報過剰社会を生きる私たちに必須の「免疫」 ーー日常・仕事で威力を発揮する「科学的思考」 <本書の内容> 第1章 科学的思考をスケッチする 第2章 因果関係を考える 第3章 科学的思考を阻むものーー心理は真理を保証しない 第4章 実験という方法 第5章 科学的に説明するとはどういうことか 第6章 科学的に推論し、評価する 第7章 みんなで科学的に思考する 因果関係の正しい理解から、認知バイアス、アブダクションまで 豊富な例や問題でわかりやすく解説
  • 持続不可能な財政 再建のための選択肢
    4.0
    世界最悪の借金大国 この国はもうダメなのか? 私たちが迫られる「究極の選択」 現役世代へのツケ回しはもう限界。「破綻」を避けるために何ができるのか そろそろ本当の話をしよう 我が国の財政運営は、このままではこの先、何かのきっかけで、いつ何どき、行き詰まってもおかしくない状態にすでに陥っています。まさに「持続不可能」なのです。しかも、「これまでに国として積み上げてきてしまった借金、国債残高の大きさ」と、「厳しい人口減少傾向に象徴されるように国力が足許、疑いようのないほどに低下傾向をたどっていること」を合わせれば、ついに「行き詰まった」ときに起こる事態は、我が国自身が第二次世界大戦の敗戦直後に経験した苛烈な国内債務調整に匹敵するものにならざるを得ないことは容易に想像がつきます。 では、どうすればよいのでしょうか。どうすれば、私たちのこの国の財政運営を立て直せるのでしょうか。私たちの後に続く世代のことを考えれば、「どうせ無理だから」などと投げ出すことは決して許されません。本書を手に取ってくださったお一人おひとりに、ぜひともご一緒に考えていただきたいと思います。 本書の内容 まえがき 第1部 「財政再建から逃げ続ける国」の行き着く先 第2部 シミュレーション日本の財政はどうなるか 第3部 聖域なき歳出削減何をどう減らすのか 第4部 公平・公正な税制と納得できる税負担を考える 第5部財政再建アラカルトあなたは何を選びますか? あとがき
  • 異次元緩和の罪と罰
    3.9
    2024年3月、日本銀行はついに「異次元緩和」に終止符を打った。前総裁氏の就任直後に導入して以来、11年近くもの歳月が流れていた。いま振り返って気づくのは、日本経済が世界に例をみない異形の姿となったことだ。日銀が保有する国債残高は約590兆円に上り、普通国債の発行残高の56%に達する(24年3月末時点)。中央銀行が政府の資金繰りの面倒をみることは、財政規律を維持するための人類の知恵として、世界的に禁じられてきた。市場経済を掲げる国の中央銀行として異例の事態である。 財政規律の後退も著しい。IMF(国債通貨基金)の世界経済見通し(2024年4月)によれば、政府の財政状態を示す「一般政府の債務残高対GDP比率(22年見込み)」は257%と、世界約190ヵ国・地域中第2位の高さにある。国と通貨に対する信認は先人たちの努力の積み重ねによって築き上げられてきたものだが、このような財政状態を続けていて、いつまで信認を保ち続けることができるだろうか。 外国為替市場では、2024年4月、円・ドル相場が34年ぶりの1ドル=160円まで下落した。24年春の時点の実行実質為替レートは、1971年8月のニクソンショック時よりもさらに円安の水準、すなわち当時の1ドル=360円をさらに下回るレベルまで下落している。多くの日本人にとって、円相場はいまや未知の世界に突入している。これらすべてが日銀のせいというわけではないが、異次元緩和が果たした役割は大きい。にもかかわらず、日銀や政府からはあまり危機感が聞こえてこない。 異次元緩和の総括なしにこれからの金融政策を進めていけば、将来再び物価上昇率が低下した際に同じ道を辿る危険性がある。あるいは、物価目標2%にこだわるあまり、さらなる円安など、インフレ圧力への対処が遅れるリスクも否定できない。 本書は、異次元緩和の成果を検証するとともに、歴史に残る野心的な経済実験が生み出したものと、それが日本経済と私たち日本人にもたらす痛みと困難、そして、そこからの再生を考えるための試みである。
  • 世界史の中の戦国大名
    3.6
    ポルトガルインド総督に使節を派遣した大友氏。アユタヤ国王との接触を図る松浦氏。カンボジアとの「国交」樹立を目論む島津氏。さらには天正遣欧使節や伊達政宗による慶長遣欧使節。あるいは、その本拠地で花開いた国際色豊かな「コスモポリタンシティー」ーー国の「王」として、狭い冊封体制の枠組みを越え、東南アジアから南アジアへ、そしてヨーロッパへと、対外活動を地球を俯瞰する広範囲へと拡大してゆく戦国大名たち。日本史の文脈を越え、世界史のコンテクストの中から見えてくる、戦国大名のこれまでとはまったく異なった新たな姿を提示する。
  • 新・哲学入門
    3.7
    本書の主な内容 第1章 哲学の本質 第2章 本体論的転回と認識論の解明 第3章 欲望論哲学の開始 第4章 世界認識の一般構成 第5章 幻想的身体論 第6章 無意識と深層文法 第7章 価値審級の発生 第8章 「善と悪」 第9章 「きれい-きたない」審級 第10章 美醜 第11章 芸術美 第12章 芸術の本質学 終章 芸術の普遍性について
  • 農協の闇
    3.7
    JAは、「農業協同組合」本来の理念や目的を忘れてしまったのではないか? 共済(保険)事業と信用(銀行)事業に依存し、職員に過大なノルマを課した結果、 いまや多くのJAで「不正販売」と「自爆営業」が蔓延っている。 元「日本農業新聞」記者である著者が、農協を愛するがゆえに書かざるをえなかった、 渾身の告発ルポ! 全国津々浦々に拠点を持ち、1000万人以上の組合員を抱える巨大組織の闇を撃つ。 <本書の内容> ・JA職員が自爆営業を強いられている決定的証拠 ・損するだけの共済商品に切り替えを勧める職員たち ・介護状態にならずに死ぬと1円も戻ってこない「介護共済」 ・受け取り開始が90歳設定の「年金共済」に意味はあるのか ・高齢者や認知症の人に営業、半ば強引に契約 ・ノルマ地獄を逃れるため、職員は続々と転職 ・存続のためだけの、理念なき合併に突き進む地域のJA ・権力闘争に明け暮れる経営者たち ・史上稀に見る76億円の巨額損失を計上した「JA秋田おばこ」 ・津軽と南部の対立で役員不在となった「JA青森中央会」 ・梅農家の苦境を放置し、業者と結託する「JA紀南」「JA紀州」 ・組織の論理に搦め捕られた「JA全中」会長 腐敗の構造を徹底取材! <目次> 第一章 不正販売と自爆営業 1 顧客を食い物にする職員たち 2 不正販売を引き起こす過大なノルマ 3 JAの職員が自爆営業を強いられている決定的証拠 4 自爆の金額は80万~200万円 LA職員の嘆き 5 自爆営業の実態を分析した内部資料 6 共済を悪用して私腹を肥やす職員たち 7 弁護士が断罪「JAの不祥事の元凶は過大なノルマにある」 第二章 金融依存の弊害 1 JA共済連に共済商品を売る資格はあるのか 2 投資信託は「第二の共済」にならないか 3 理念なき合併に突き進むJA秋田中央会 4 「准組合員制度」がもたらす矛盾と弊害 第三章 裏切りの経営者たち 1 史上稀に見る76億円という巨額損失の裏側 2 前代未聞! 津軽と南部の対立で役員不在となったJA青森中央会 3 梅農家の苦境を放置して、加工業者と結託する二つのJA 4 組織の論理に搦め捕られてしまったJA全中会長 第四章 JAはなぜ変われないのか 1 不正を追及しない、なれ合いの組織 2 「身内の監査」は終わったのか 3 なぜJAは民間の保険を扱わないのか 4 経済事業の立て直しとJAのこれから
  • 詩とは何か
    3.5
    現代における「詩」の本質とは? 世界最高峰の詩人の1人、吉増剛造が60年の詩業の果てに辿り着いた境地を縦横無尽に語り尽くす。 現代最高の詩人による究極の詩論、ついに登場! 世界大戦、原爆、そして3.11。数多の「傷」を閲した現代における詩の意味を問う。いわゆる詩人の範疇を超え、カフカ、ベケット、石牟礼道子などの「書いたもの(エクリチュール)」へ。さらには文学さえも越え、ジョナス・メカスの映画、ゴッホの絵画、そして音楽にまで。縦横無尽に芸術ジャンルを横断し、あらゆる芸術行為の中に「詩」の真髄を見出す。詩の根源、すなわち「芸術」の根源へと肉迫する稀有の作品。
  • 倭国 古代国家への道
    4.0
    「万世一系」の天皇を頂くとされる「日本」の起源はどこに求めるべきなのか。複数の王統が大王位を目指し競合していた時代が終わり、唯一の系統が大王の地位を独占するに至るプロセスを、これまであまり注目されていなかった史料から読み解く、スリリングな「倭国形成史」。
  • 民事裁判入門 裁判官は何を見ているのか
    4.3
    この一冊で裁判の奥義と核心がわかる!学生、ビジネスパースン、実務家、訴訟当事者・関係者必携の一冊! 多くの日本人にとって、訴訟は「何だかよくわからない、あまり関係したくないもの」である。しかし、インターネットの書き込み一つで民事訴訟を提起されたり、企業でも海外取引を行えば渉外紛争に巻き込まれたりするのが現代社会である。あなたが民事訴訟に関わるとする。弁護士がその時々で何をやっているのか、当事者の供述や証人の証言を聞くときに、あなたの発言はどのような意味を持っているのか。提示された和解案にしたがうべきなのか。訴訟の流れ、各場面で何が行われているかといった知識が不足しているために、思ったような結果を得られず、後になって不満を抱く人は少なくない。本書は、元裁判官である著者が、33年におよぶ裁判官経験がなければ得られなかったリアルな司法の実態を踏まえ、訴えの提起から判決まで裁判はどのように進んでゆくのか、裁判官、弁護士が行っていることについての理解を助けようとする画期的な入門書である。信頼できる弁護士の選び方とは? 裁判官はどのように争点を整理しているのか?効果的な主張のポイントとは? 反対尋問のコツは? 新しい判例はどのように作られるか? 和解の弊害は?高裁、最高裁は機能しているか?……裁判の基礎知識から訴訟の高等戦術まで、元裁判官の城山三郎賞受賞作家が民事訴訟のノウハウを伝授する。衝撃の話題作『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』につづく強力第3弾!
  • 楽しく学べる「知財」入門
    4.3
    知的財産権には主なものだけで、著作権、商標権、特許権、実用新案権、意匠権という5つの権利がある。しかし日本人は、そんな様々な知的財産権が、頭の中できちんと整理できていない。本書は、5つの権利の違いやその関わり合い方を正しく理解してもらうこと、さらに、「その行為は権利侵害なのか?」という判断についても、ある程度正しくできるスキルを自然と身につけてもらうことを目指したものである。
  • 東京裁判
    4.1
    「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ」――保坂正康(ノンフィクション作家) 東京裁判は「国際政治」の産物以上のものではない。イデオロギーを排し、「文明の裁き」と「勝者の報復」をめぐっての不毛な論争に終止符を打つ。第30回サントリー学芸賞<思想・歴史部門>受賞作。
  • 我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ!
    3.8
    根源なる「歌」をもとめて。現代日本を代表する詩人が語る魂の軌跡!戦時下に多感な幼年期を過ごした「非常時の子供」が、傷を抱いたまま詩人となるまで。詩壇へのデビュー。アメリカ、ブラジルなどの海外体験。内外の芸術家、哲学者、小説家たちとの交流。そして、言葉の限界を極限まで突き詰めた詩作活動の根源に至るまで。世界的評価も高い現代日本最高の詩人が、自ら内面の軌跡を縦横無尽に語り尽くした驚きの「詩的自伝」!!
  • 人が集まる建築 環境×デザイン×こどもの研究
    3.7
    こどもから大人まで、ひとが集まり、楽しめ、学べ、また来たくなる建築空間は、どんな発想と理論から生まれるのか。設計で人は集められるのか。こどもが元気に育つ空間の条件とは何か。数多くの有名な幼稚園、保育園、子供向けの公園、施設を手掛け、近年は新・広島市民球場、国際教養大学図書館などでも注目を集める環境建築家のシンプルかつ深遠な、建築論、デザイン論。
  • 枢密院議長の日記
    3.3
    一読茫然。日記に生涯を捧げた男 その名は倉富勇三郎! 幕末に生まれ、明治、大正、昭和を生き、三代の天皇に仕えた倉富は、時代の変遷をどう見つめ、年月の足音をどう聞いて、記録にとどめたのか? いざ、前人未到の倉富ワールドへ!
  • 鉄道ひとつばなし合本版
    値引きあり
    -
    日本人の時間意識と時刻表の関係、痴漢発生の条件、鉄道から見た「隣県の壁」、東大合格上位校と鉄道の関係、日本の駅百選、海の見える車窓十選、そして抱腹絶倒の「全線シンポジウム」と「廃線シンポジウム」……。車窓に目をこらし、歴史に耳を澄ませ、鉄道から日本を読み解く「鉄」学者・原武史の大人気シリーズ「鉄道ひとつばなし」全3巻を完全収録。
  • 新しい階級社会 最新データが明かす<格差拡大の果て>
    3.6
    「中流幻想」ははるか彼方の過去の夢。1980年前後に始まった日本社会の格差拡大は、もはや後戻りができないまでに固定化され、いまや「新しい階級社会」が成立した。前著『新・日本の階級社会』により、日本社会の実態を客観的な調査データに基づいて明らかにしてみせた著者が、2022年の新たな調査を元に提示する衝撃の第2弾。
  • はじめての大乗仏教
    3.0
    日本の仏教を理解するために知っておきたい! 縁起、生死輪廻、一切法空などキーワードから見えてくる人間観・世界観を平易に解説!
  • 超解読! はじめてのフッサール『イデーン』
    3.0
    難解な哲学書をわかりやすく解説する「超解読!」シリーズ最新刊! ヨーロッパ哲学の最大の難問=認識論の謎を解明した二十世紀哲学の最高峰をわかりやすくかみ砕いて解説。 「普通認識は可能か」。ギリシャ哲学以来続く認識問題の難問。なぜフッサールは、この認識問題を解明するためには根本的な「視線の逆転」が欠かせないと主張したのか? ヨーロッパ哲学にパラダイム転換をもたらし、人間と社会についての新しい「本質学」の道を開くこととなった現象学の核心に迫る! フッサール現象学は、存在論哲学のハイデガー、言語哲学のヴィトゲンシュタインとならんで二十世紀哲学の三つの最高峰をなす。しかし現象学の根本動機、根本理念、根本方法は、ここまで大きな誤解に晒さらされ続けており、それは現在にまでいたっている。フッサール現象学の最大の功績は、ヨーロッパ哲学の最大の難問といえる認識論の謎、哲学的な普遍認識の可能性についての謎を完全に解明した点にある。にもかかわらず、ここまでのところ、フッサール現象学のこの根本動機が明確に指摘されたことはなく、したがって、その解明の方法のエッセンスが明示されたこともない。――「序論」より
  • 江戸の犯罪録 長崎奉行「犯科帳」を読む
    4.4
    江戸時代の「大都会」長崎。200年、全145冊の記録が明らかにする時代の素顔! 抜荷発覚を恐れて自害した犯人の死体を塩漬けで保存。死骸を磔/心中相手を刺殺するも自分は死にきれず、自首して斬首に/奉行所から障子を盗み出したところを見つかり死罪/漁師のはえ縄が引き上げた銀子から抜荷が発覚。犯人は全員死罪/偽銀作りで親が死罪・獄門。子どもは縁座で遠島/遠島先で人を殺して死罪/1人の女が3人の男と密通。女を巡って刃傷沙汰を起こした男2人は刎首獄門、もう1人の男は陰茎切、女は鼻そぎ/密通相手の男を斬殺した夫はお咎めなし。密通した妻は死罪。
  • 意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く
    3.6
    驚愕の研究、最前線! 脳からコンピュータに意識を移す!! 意識はどのように生まれるのか? 生命科学最大の謎を解く、切り札がここに! 意識のアップロードを可能にする秘策とは? 永遠の命を得た意識は、何を感じ、何を思うのか? 科学者人生を懸けた渾身の書! 【本書の内容】 ・なぜニューロンの塊にすぎない脳に「意識」がわくのか ・「意識の解明」と「不老不死の実現」一石二鳥の妙案 ・右脳と左脳を切り離すと、二つの意識が現れる ・新型ブレイン・マシン・インターフェースで、脳半球と機械半球をつなぐ ・人工神経回路網に意識を移し替えることで、意識を解き明かす ・意識のアップロード後には、現実世界と見紛うばかりの世界が待つ ・アップロードされた「わたし」は「わたし」であり続けるか 【目次】 1章   死は怖くないか 2章   アップロード後の世界はどうなるか 3章   死を介さない意識のアップロードは可能か 4章   侵襲ブレイン・マシン・インターフェース 5章   いざ、意識のアップロード! 6章   「わたし」は「わたし」であり続けるか 7章   アップロードされた「わたし」は自由意志をもつか 8章   そもそも意識とは 9章   意識を解き明かすには 10章 意識の自然則の「客観側の対象」 11章 意識は情報か 神経アルゴリズムか 12章 意識の「生成プロセス仮説」 13章 意識の自然則の実験的検証に向けて 14章 AIに意識は宿るか 15章 意識のアップロードに向けての課題 16章 20年後のデジタル不老不死
  • 学び直し高校物理 挫折者のための超入門
    4.0
    プロローグより 物理に挫折したあなたに この本は、高校物理の挫折者や、履修はしなかったが、あらためて学び直したいという初学者を想定して書かれたものだ。 基本コンセプトは天下りにしない、ということに尽きる。高校の物理の教科書はややもすると「世界はこうなってる」という法則や公式が「どん!」と与えられて「信じる者は救われる」とばかりに話が進んでいく。疑問を提示すると「じゃあ、実験で実際にそうなっていることを確認しなさい」といなされてしまう。しかし、実際に実験で確認できたからといって納得感があるかというとそれは別問題だろう(実際のところ、高校物理の教科書の立て付けでは実験をすることが推奨されているが、現実は教育の現場で実験が多用されることは稀である)。(中略) 「こうなりました。昔の人が考えた結果です!」じゃなく、「改めて一から考えたら今の公式や法則って自然な考え方ですよね」と納得できたら、物理に対する苦手意識が払拭できるのではないだろうか。 「なぜそのように考えるか?」の「理由」を説明することができれば、よいレシピを学ぶことで自作の料理を考案できるように、目の前の現実に対して「自分で考えて答えを出す」ことができるようになるかもしれない(中略)。 教科書というよりは楽しんで読めるように、たとえ話や歴史的なエピソードを交えて、随分とかみ砕いて解説した。高校物理の教科書にお馴染みの数式や無味乾燥な記述も極力控えた。 本書が想定しているのは、高校物理の挫折者や物理に対する憧憬を捨てきれない文系物理ファン、そして高校物理の無味乾燥で天下り的な記述に違和感を覚えている読者である。数式や計算式などをがっつり盛り込んだ本格的な高校物理の解説書を期待される方には、「思っていたのと違う」となってしまうので、別の成書をご覧になることをお勧めしたい。
  • ローマ帝国の誕生
    4.0
    小都市ローマは、どのように帝国となったのか。共和政の誕生、ハンニバルとの戦争、皇帝の出現。グローバル化と人々の有り様を描く。
  • 古代アメリカ文明 マヤ・アステカ・ナスカ・インカの実像
    3.7
    マヤのピラミッド、ナスカの地上絵、マチュピチュの祭祀、湖上都市テノチティトラン。最新知見から実像を描き、文明の見方を覆す!
  • 老いと創造 朦朧人生相談
    4.0
    異次元なのに腑に落ちる、唯一無二の人生相談! 「定年後、居場所がなくなるのが不安です」 「子どもの頃から死ぬのが怖いのですが」 「友だちは必要ですか?」 「絵の見方が分かりません」…… などの質問に、文と絵で回答。 横尾忠則の人生観をあらわす50作品をオールカラーで収録! <本書の内容> ――定年後、居場所がなくなるのが怖いのですが。 生きている限り、今、自分の立っている場所が居場所です。 ――衰えていく親を、どこまでケアすべきでしょうか? 僕は、母が家を売って得たわずかなお金を持ってヨーロッパ旅行をし、有り金全部を使い果たして帰ってきたら、 母はがんで入院していました。この質問に答える資格は僕にはありません。 ――孤独が怖いです。どうすればよいでしょうか? 孤独は創造の原点です。孤独を恐れるもの、避けるべきものと決めつけた人は、孤独の何たるかを知らない人です。 孤独の前には、巨大な光り輝く太陽があるのです。 ――絵やイラストを上手く描くコツを教えてください。 インファンテリズム(幼児性)をいつまでも失わなかったのがピカソです。 ピカソに言わせれば、子どものような下手な絵こそ上手い、ということになります。 ――仏教をどのように学びましたか? 僕は毎週、週刊誌を何冊か読みます。 そこには「因果応報」「自業自得」の実例が、スキャンダル記事となって満載されているからです。
  • ダーウィンの呪い
    4.1
    ダーウィンを祖とする進化学は、ゲノム科学の進歩と相まって、生物とその進化の理解に多大な貢献した。一方で、ダーウィンが提唱した「進化論」は自然科学に革命を起こすにとどまらず、政治・経済・文化・社会・思想に多大な影響をもたらした。そして、悲劇的なことに、進化論を曲解した彼の後継者たちが「優生思想」という怪物を生み出した。〈一流の進化学者〉たちによって権威づけられた優生学は、欧米の科学者や文化人、政治家を魅了し、ついにはナチスの反ユダヤ思想とつながり「ホロコースト」という悲劇を生み出すことになる。 第一線の進化学者の進化学の歴史に詳しい著者は、ダーウィンが独創した進化論は、期せずして3つの「呪い」を生み出したと分析する。「進歩せよ」を意味する〈進化せよ〉、「生き残りたければ、努力して闘いに勝て」を意味する〈生存闘争と適者生存〉、そして「この規範は人間社会も支配する自然の法則だから、不満を言ったり逆らったりしても無駄だ」を意味する、〈ダーウィンもそう言っている〉である。順に、「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」である。 本来、方向性がなく、中立的な進化が、なぜひたすら「進歩」が続くと信じられるようになったのか。ダーウィンとその理解者、そしてその志を継いだ後継者たちが、いかにして3つの呪いにかけられていったのか。稀代の書き手として注目される著者が、進化論が生み出した「迷宮」の謎に挑む。 第一章 進化と進歩 第二章 美しい推論と醜い 第三章 灰色人 第四章 強い者ではなく助け合う者 第五章 実験の進化学 第六章 われても末に 第七章 人類の輝かしい進歩 第八章 人間改良 第九章 やさしい科学 第十章 悪魔の目覚め 第十一章 自由と正義のパラドクス 第十二章 無限の姿
  • 紫式部と藤原道長
    4.1
    『源氏物語』がなければ道長の栄華もなかった!  無官で貧しい学者の娘が、なぜ世界最高峰の文学作品を執筆できたのか? 後宮で、道長が紫式部に期待したこととは?  古記録で読み解く、平安時代のリアル ・紫式部は早くに生母と死別、父は後妻のもとに通う日々 ・道長の権力獲得に欠かせなかった姉・詮子 ・道長最大の政敵が失脚した「長徳の変」 ・紫式部と夫宣孝の「痴話喧嘩」 ・一条天皇は『源氏物語』の愛読者 ・華やかな定子サロンと地味な彰子サロン ・「御物怪が……」彰子出産の記録『紫式部日記』 ・三条天皇と道長の確執 ・彰子と実資の間を取り次ぐ紫式部 ・「この世をば……」が詠まれたとき 24年大河ドラマ「光る君へ」時代考証担当の第一人者が描く、平安宮廷の世界と、交差した二人の生涯!
  • 教育勅語と御真影 近代天皇制と教育
    -
    教育勅語・御真影から「日の丸・君が代」、元号法まで。明治維新から令和に至る、日本の近代教育と天皇制の関係性を考察する。 「御真影」を救うため火中に飛びこみ「殉職」した校長――単なる「紙切れ」は、いかにして「神聖」とされるに至ったのか? 「教育勅語」と「御真影」が当初の目的を逸脱し、「絶対視」されてゆく戦前の過程を丹念にたどる。また、敗戦によりいったん無効と公的に宣言された「教育勅語」が、にもかかわらず、既成事実の積み重ねにより復権を果たしてゆく戦後の過程も客観的に叙述する。教育への国家介入の危険性に警鐘を鳴らす力作。
  • 枢密院 近代日本の「奥の院」
    4.0
    「仮普請」の近代国家=明治日本。未熟な政党政治の混乱から「国体」を護るための「保険」として、枢密院は創られた。しかし「制度」は、制度独自の論理により歩みはじめる。そしてついにはようやく成熟し始めた政党政治と対立し、政治争点化する。伊藤博文による創設から第二次世界大戦敗北、新憲法成立による消滅まで、その全課程を描く、新書初の試み。
  • 基礎からわかる 論文の書き方
    4.5
    学問の「型」を理解すれば、勉強はもっと楽しくなる。 社会人にも役立つ、大学の双方向授業をもとにした「論文入門」の決定版! 「この型式に沿って書かないと、評価されません。」 学生の興味・関心を的確に導く。 圧倒的な筆力を持つ社会学者・小熊英二による論文作法。 「人間は不完全だから進歩するし、努力する。 そして、人間が一人でやれることには限界がある。 だから書いて、公表し、他人と対話する。 そのように、私は考えています。」(本文より) ◆アリストテレス『弁論術』に学ぶ説得の技法 ◆「結論を先に言え」は古代からあった ◆人文・社会科学はなぜ「科学」なのか ◆「霊魂」「意志」「社会」という不確かな前提 ◆「主題」と「対象」を混同しない ◆画期的な研究を行うためのヒント ◆論文における「よい文章」とは? ◆方法論は「料理のレシピ」 ◆「パラグラフ・ライティング」のコツ ……ほか 【本書の構成】 はじめに 第1章 論文とは何か 第2章 論文と科学 第3章 主題と対象 第4章 はじめての調べ方 第5章 方法論(調査設計) 第6章 先行研究と学問体系(ディシプリン) 第7章 方法(メソッド) 第8章 研究計画書とプレゼンテーション 第9章 構成と文章 第10章 注記と要約 第11章 校正と仕上げ おわりに
  • スピノザ 人間の自由の哲学
    4.0
    「本当に存在するのは神のみであり、人間を含め、その他のものはすべて神の<様態>に過ぎない」――一見、もっとも「自由」からはほど遠いように見えるスピノザ哲学が、自由こそは人間の「本性」と考えるのはなぜなのか? 政治的閉塞に被われた現代社会に風穴を開ける、もっともラディカルな思想の魅力を平易な文体で綴る。まったく新しいスピノザ哲学の入門書。 ・「自然の権利や決まりとは、わたしの理解では、個物それぞれに備わった自然の規則に他ならない。あらゆる個物は、こうした規則にしたがって特定の仕方で存在し活動するよう、自然と決められているのである」(スピノザ『神学・政治論』第16章2節)。 ・「スピノザが『神学・政治論』後半部で提示した政治哲学は、恐らくそれまでの西洋哲学史上類を見ないほどの徹底性をもって、わたしたち一人一人の「哲学する自由」つまり思想・言論・表現の自由のかけがえのなさを強調しています。しかもただ闇雲に大事だと叫びたてるのではなく、大事なものである理由を人間の自然権という、存在論的な基盤にまでさかのぼって徹底的に根拠づけようとしているのです」(本書第8回 自由は国を滅ぼすか――スピノザの思想<四>より)
  • 長崎丸山遊廓 江戸時代のワンダーランド
    4.3
    10両程の身代金(約100万円)を背負って商売をはじめ、運と実力があれば揚代だけで年間1000万円を超え、プレゼントに至っては一度に数百万円単位で得た。その収入は本人の貯蓄のみならず家族や親戚、出身の地域社会まで潤すことができた。娘たちだけが持っている可能性を生かしたサクセスストーリーが丸山遊女にはついてまわったのである。 長崎は対外貿易港であったが、そこで取引される製品に長崎で生産されたものはなく、また貿易に携わる商人も、先の西鶴の作品にもあったようにもっぱら京大坂の大商人であった。言うなれば長崎は「場所」を提供し、貿易の事務手続きを請け負いその手数料を得るだけで、「商売」の主役ではなかった。手をこまねいているだけでは貿易の「上がり」は長崎住民の頭の上を通りすぎていくだけだった。対外貿易の「上がり」をできるだけ長崎に落とさせる、そこに他の都市の遊廓とは異なった長崎丸山遊廓の存在意義はあった。長崎において遊女が特別な存在とされたのは、なによりもまず、都市長崎があまりにも小さく、あまりにも貧しかったからだった。地場の生産力の不足を補うために都市に貿易の利益を還流させるという重要な役目を担っていたのが遊女たちであった。つまり、遊女は長崎の第一の「商品」だったのだ。 丸山遊女の多くは長崎市中や近郷の貧しい家庭の出身であった。「籠の鳥」として、親元からは切り離され、孤独な生を営むことを余儀なくされていた吉原をはじめとする他の遊廓とは異なって、長崎の場合、ほとんどの遊女は実家と密に連絡をとり、遊女となった後も地域社会の構成員としての意識をもちつづけていた。また奉行所をはじめ、都市をあげて遊女を保護し、嫌な仕事は拒むことも可能だった。長崎の街は一つの運命共同体であり、住民の生活が成り立つようにするためには、他所から訪れた商人が長崎で得た貿易の利益を丸山で揚代や贈物として吸い上げ、そのようにして得た利益を回して貧しい借家人まで潤してゆかなければならなかった。そのような「トリクルダウン」の手段として、丸山遊女の果たす役割はすこぶる大きかった。それゆえ、現代の価値にして数千万円の収入を得る可能性もある遊女は、むしろかならず、長崎市中の出身者でなければならなかったのだ。 本書では、このような視点のもと、丸山遊女が当時の人々からどのように見られていたかについては今日的な視点から早急に判断を下すことを避け、当時の人々の気持ちが想像できる資料をもとにして論じていきたい。
  • ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略
    4.0
    戦争は戦場だけではない! いかに低コストで最大限のダメージを敵国に与えるか。執拗なサイバー攻撃、SNSを利用したプロパガンダ、暗躍する民間軍事会社――世界を脅かすプーチン流「現代戦」と日本の安全保障のリスクとは? ウクライナ、シリアでの民間軍事会社の暗躍、米大統領選でのプロパガンダ工作、ジョージアとの情報戦、アフリカ発のロシア製フェイクニュース、そして東京五輪へのサイバー攻撃――、正規と非正規を組み合わせた21世紀型戦争の実態と、ロシアの外交・軍事戦略の全貌に迫る決定版!
  • 教育は変えられる
    3.7
    「みな同じ」の一斉教育から、「みな違う」を前提とした、子ども一人一人にカスタマイズされた、「みんなを伸ばす」教育へ。明治以来の教育システムを根本から変える、本当の意味での「これからの教育」。その基本的な考え方と、具体的な実現方法を、著者による東京都杉並区の取り組みを通じて提案する。 「教育は、変えられる」――今、私は、そう確信しています。 「そんなこと、できるわけがない」 こう言うと、すぐにそのような反応が返ってくることが予想できます。 けれど、考えてもみてください。 広がる学力格差。増加するいじめ。減らない不登校。拡大する特別な教育ニーズ。そうしたことの総体として機能せずに荒れる学級……。教員の過酷な労働の原因にもなっているこうした教育の問題がいまや限界に達していることは、誰にも否定できないはずです。 では、どうすればよいのか。 私は、杉並区教育委員会のスタッフの一人として、ある、「そもそも」を問い直すことから始めました。 「そもそも、教育は何のためにあるのか」 その答えは、とてもシンプルなものです。 「自らの道を拓く『自立』と、誰もが共に生きる『共生』のため」 「自立と共生のための『学び』を、『すべての人』に届けるため」 自立と共生は、「支え合い」の関係にあります。誰もが共に生きられる世界があればこそ、すべての人が自分の道を拓くことができます。自分の道が拓かれていく実感の中でこそ、すべての人が共に生きることのできる世界の大切さが分かります。 そう、教育には、公的な機関が携わることで、すべての人が学びの機会を確実に得られるようにし、一人一人が自らの道を拓けるようにする意味と、みんなが共に生きられるようにする意味があります。この二つの意味を、分かつことなく支え合うようにして満たすこと。それが、教育の目指すところなのです。 (「はじめに」より)
  • 超解読! はじめてのヘーゲル『法の哲学』
    3.3
    『精神現象学』と並ぶヘーゲルの代表作、超解読ついに完成。難解な「ヘーゲル語」をかみ砕き、近代社会の「原理」の書として読み直す。 予備知識なしに、重要哲学書がわかる「超解読」シリーズ! 所有、契約、責任、犯罪と刑罰――社会の基礎をなすさまざまなルールは、どのような根拠があれば「正しい」と言えるのか? そして「よき」社会、「よき」国家とは? まさにわたしたちが今生きている世界の「原理」を考える。 ヨーロッパ哲学史上、最も重要にして最も難解なヘーゲルの主著を、おなじみのコンビがわかりやすく読み砕く。
  • ペルシア帝国
    4.0
    なぜイラン高原の辺境から、世界史上に輝く二つの帝国が生まれたのか?  ハカーマニシュ(アケメネス)朝とサーサーン朝、気鋭の研究者がその興亡を描く、世界史ファン待望の一冊! ペルシア悲劇、ペルシア絨毯を生んだ、哀調を帯びた神秘的な桃源郷。 しかし、古代オリエント期のペルシアは、リアリズムの極致というべき世界だった! 急激な都市化、海のシルクロードの掌握がもたらす経済的繁栄。 西アジアからエジプトまで支配するに及んだ壮大な組織力と軍事力。 くりかえされる宮廷クーデターと兄弟間の殺戮……。 そしてリアリズムの塗料が剥げ落ちた時、古代ペルシアに衰亡が忍び寄る――。
  • クオリアと人工意識
    4.0
    「意識」は「コピー」できるか? 人工知能に「意識」は生まれるか? 茂木健一郎が、自身のメインテーマである「意識」と「クオリア」について、 16年の沈黙を破って書き下ろした、新たな代表作にして問題作! 人工知能の研究の進展が目覚ましい。 だが、人間は、なぜ人工知能を生み出すのだろうか? その根底にあるのは、自分の「似姿」をつくろうとする本能である気がしてならない。 人間は、その知性を通して、「万物の霊長」たる地位を確立してきた。 そのような人間の知性の一つの究極の応用として、人工知能の研究、開発がある。人工知能の研究には、もちろん、実用的な意義も大きいが、それに加えて人間が自分自身の成り立ちを理解するという意義もある。 人工知能は、私たちの「鏡」なのだ。 その「鏡」の中には、果たして、「クオリア」に満ちた私たちの「意識」もまた、映っているのだろうか? 人工知能をつくることは、「人工意識」を生み出すことにつながっていくのだろうか。                                              <本文より> ☆本書で考察するテーマの一部 〇眠る前の「私」と、目覚めた後の「私」はなぜ同じなのか? 〇私たちは、「ホモサピエンス」(知性を持つ人間)である以上に「ホモコンシャス」(意識を持つ人間)である。 〇物質に過ぎない脳から、「意識」や「クオリア」が生まれてくる不思議。 〇「意識」は「コピー」できるか? 〇「人工意識」をつくることは可能か?  〇人工知能が生成した文章は、「どこにもたどり着かない」? 〇統計的アプローチでは、「意識の謎」の解明はできない。 〇人工知能をめぐる議論に、ときに驚くほど終末感が漂うのはどうしてなのか? 〇記憶を「外套」だとすると、脳は、その外套を引っ掛けておくための壁に打たれた「釘」に過ぎないという考え方。 〇「私」という「意識」は、この宇宙の全歴史の中で一回だけのものであり、一度死んでしまえば二度と戻らないという「セントラルドグマ」は正しいのか?
  • 空海の哲学
    4.0
    日本仏教の最高峰・空海。日本文化に大きな影響を与えた空海思想の核心である即身成仏に注目し、その思想の今日性を描く決定版!
  • 縄文時代の歴史
    3.8
    われわれの中にも縄文人は生きている!? 近年の発掘調査、および科学的な分析技術の飛躍的な発展により、旧来の縄文像は次々に塗り替えられることになった。最新の知見を元に、最も新しい縄文時代像を明らかにする。縄文ブームの今こそ必読。
  • 日露近代史 戦争と平和の百年
    4.3
    幕末期以来、米英協調を基軸とする主流派に対し、ロシアに眼を向ける一つの潮流があった。ロシア王室との信頼関係を樹立しようとした伊藤博文。満洲経営のため日ソ国交樹立に腐心する後藤新平。満洲国建国後、孤立を深めるなか独ソとの提携に望みを託す松岡洋右……。日露戦争、シベリア出兵、ノモンハン事件、そして1945年の日ソ戦。幕末から敗戦までの遠い隣国との知られざる関係史。
  • 田中角栄 昭和の光と闇
    4.5
    東京一極集中の是正、「限定的改憲論」、「日中裏安保」、石油・エネルギーをめぐる資源外交、北方領土問題の解決…角栄が夢見ていた「日本の未来」
  • タモリと戦後ニッポン
    3.8
    終戦直後に生まれ古希を迎えた稀代の司会者の半生と、敗戦から70年が経過した日本。双方を重ね合わせることで、あらためて戦後ニッポンの歩みを検証・考察した、新感覚現代史! タモリが各時代ごとにすごした場所をたどり、そこでの人間関係をひもときながら、戦後という時代を描き出してみると……タモリとは「日本の戦後」そのものだった! (講談社現代新書)
  • 女装と日本人
    3.8
    ヤマトタケルの神話、中世の女装稚児、歌舞伎の女形、江戸の陰間、現代のニューハーフ……。 なぜ私たちは性別を越えたものに心ときめくのか? "女装"を軸に日本文化史を読み直す。(講談社現代新書)
  • ヴァロワ朝 フランス王朝史2
    4.2
    カペー、ヴァロワ、ブルボンと続くフランス王朝の歴史を描けるのは、この人しかいない!ヴァロワ朝の歴史を描く待望の第2弾。イングランドとの百年戦争、イタリアへの夢、皇帝との確執、そして血みどろの宗教戦争……。相次ぐ戦争と金策の日々。歴代王の心労絶えない260年間は、後に続くブルボンの輝く絶対王政への長き助走期間だったか。(講談社現代新書)
  • 都市計画の世界史
    4.0
    都市の歴史は人類の叡智の歴史そのものだ! 「自然は神が造り、都市は人が造った」。権力者の思想、宗教、軍事上の理由、そしてあるときは衛生上の観点から、時代とともに変化する都市の姿を描き出す。(講談社現代新書)
  • 世界史の中のパレスチナ問題
    3.9
    なぜ解決できないのか?難問の構造を歴史から読み解く15講。この一冊で中東問題のすべてがわかる!第1部パレスチナという場所、第2部列強の対立に翻弄されるユダヤ人とパレスチナ人、第3部「アメリカの平和」の終わりと始まり、という3部構成。パレスチナが2012年11月に国連総会で「国家」として承認されたが、イスラエルとアメリカという紛争当事国と関係国が認めていない以上、これ以上の進展は見込めないのが現状。(講談社現代新書)
  • 華族総覧
    5.0
    故郷の華族さまはどんな人物だったのか? 明治国家の建設と発展に貢献した「皇室の藩屏」たちの授爵、陞爵のプロセスとさまざまな挿話、追随を許さぬ詳細データで綴る近代日本人国記。 ●薩摩と長州、華族の数はどっちが多い? ●いちばんお金持ちになった大名華族は? ●爵位は一代限りと主張したのはだれ? ●華族が1人もいない県がある。それはどこ? ●東北諸藩出身者、旧幕臣の授爵はどんなものだったか?
  • 高層建築物の世界史
    3.5
    高層建築物は、時の為政者の権力や自己顕示欲、富を象徴する一方で、ランドマークとして人々に親しまれる存在でありました。同時に、その都市のスカイラインや景観をつくってきました。高層建築物は、いわば人類が歩んできた軌跡を象徴するモニュメントと言えるのではないでしょうか。世界で、日本で、どんな高層建築物が、どのように建てられてきたのか。そして、なぜ人類は高層建築物を希求してきたのかを探ります。
  • 進化という迷宮 隠れた「調律者」を追え
    3.6
    「進化は再現不可能な一度限りの現象なのか? それとも同じような環境条件では同じような適応が繰り返し発生するのか?」進化のあり方をめぐって、進化生物学者の間で20世紀から大論争を繰り広げられてきた命題をめぐるサイエンスミステリー。圧倒的なまでの筆力で進化生物学の醍醐味を伝える。『歌うカタツムリ』(第71回毎日出版文化賞)『ダーウィンの呪い』(2024年新書大賞10位)で注目される進化学者による書き下ろし最新作です。 第一章 生命史の動画 太陽系外惑星に人類はいるか/ワンダフル・ライフ/自然の実験と調律者 第二章 旅のはじまり 赤い海岸/悪夢のような世界/偶然の連鎖/とっておきの研究/子供に見える大人/進化古生物学と形の科学/美しい研究計画/白い砂丘 第三章 自然の実験 コンコルド効果/過去へ/失われた世界/隠れた多様性/表と裏 第四章 シュタインハイムの奇跡 師には見えぬ世界/化石で描いた初めての系統樹/消えた先住者/外を見て内を知る/進化ではない変化とDNA配列が変化しない進化 第五章 進化の速度と様式 新人類/古生物学の革命/ぺダンティックな仮説/適応の景色/大巧は拙なるが若し 第六章 湖底の財宝 我とともに来たり、我とともに滅ぶべし/誰もやってないから/湖で起きる種分化/魔法形質/異型精子/進化の規則 第七章 生命の樹を探す魔法 真犯人は誰だ/手段は目的になりうる/ディスプレイの向こう側/小は大を兼ねるか 第八章 ホビットと巨人 206 巨大化の謎/学園に潜む巨大生物/島嶼の規則/庭の探検/醜い者たちの神/巨鳥モア/古生代の覇者/トンボのサイズ理論/ユニークで一般的 第九章 妖精と怪物 キウイの卵/スパンドレル/制約と進化可能性/恐竜の親指/白い妖精/森の怪物/ウスリーの森 第十章 火山島 カミと進化/ジェネラリストとスペシャリスト/伝説の島/霧の中/天界の森 第十一章 緑のドラゴン 鉄人とマイマイ/魔の島/新世界での進化/殻のトレードオフ 第十二章 貝と魔物 孤独な存在/未来の創始者/受け継がれた遺産/魔物の進化/調律者の正体 第十三章 未来への旅 引き継いでいくもの/進化ふたたび/緑の未来
  • 新書 昭和史  短い戦争と長い平和
    3.8
    短い戦争が長い平和に影を落とす。従来の戦前=ファシズム、戦後=平和と民主主義という図式を相対化し、近現代日本百年をふりかえる
  • モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち
    3.8
    近年、モンゴル帝国に関する研究が文献、考古学ともに長足の進歩を遂げ、従来の「野蛮、残虐」といったイメージは大きく修正が迫られています。とくに遊牧民によってユーラシア世界が統一された結果、情報の伝達と交易が飛躍的拡大、それによってはじめて「世界史」が生まれたとみる考えかたは常識となりつつあります。 また、遊牧民の世界は定住農耕とはまったく別の論理に基づく社会システムであって、そこに優劣はありえないことを多くの人が理解しはじめており、なかでも女性の役割がきわめて大きかったことが注目されています。たとえば2010年に刊行されたアメリカの文化人類学者ジャック・ウェザフォードによるThe Secret History of the Mongol Queensは欧米人のモンゴルやユーラシアの遊牧民に対する偏見、ヨーロッパ中心主義を打破するために書かれ、ベストセラーとなりました。。 本書も同様にチンギス・ハーンの征服とその子どもたちによる勢力拡大がどのようになされていったか、武力だけに頼らない婚姻政策の実態、また権力闘争の舞台裏を描き出します。

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