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天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。ニュートンの時間概念はどうなるか。聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
聖書が語る歴史と、教科書的な世界史が矛盾していることについてずっと気になっていた。なにしろ世界的なベストセラーである聖書に記載された歴史なのだから、矛盾をどのようにこれまで理解、解消されてきたのか知りたかった。 結果として解消は諦められたのですね。中国やエジプトが説明のつかないほどとんでもなく古い歴...続きを読む史を有していることを発見し聖書に取り込むことを諦め、歴史家の解釈によって年表がずれてしまう創世記起源の年号を諦め… これが18世紀のことだということは、19世紀に「神は死んだ」と言われる前に神は瀕死の重傷を負っていたのかもしれません。その前後に地動説の市民権獲得もあるわけですし…
著者は現さいたま大学名誉教授。本書は古代ローマ時代に発した聖書を絶対視する史観(「普遍史」)が、伝統的西欧世界がその外部の受容を余儀なくされた中世以降、中国史やエジプト史などの聖書と不整合な史実からチャレンジを受け変容していく過程を詳述したもの。 ホップス、スピノザ、シモンらの文献批判による聖...続きを読む書記述の相対化、ニュートンが発展させた理神論による時間・空間の「無意味化」などの〈外からの圧力〉だけでなく、著者の専門である18世紀ドイツ・ゲッティンゲン学派が展開したカトリック/プロテスタントの対立を巻き込んでの〈内からの圧力〉により普遍史観が自己崩壊した、というのは中々説得力があって面白かった。 中世以前の普遍史観による異郷の生物や文化(中国・日本も当然ここに含まれる)の想像力たくましい描写がいかにもエキセントリックで、ここを読むだけでも結構楽しめる。なお本書が執筆された90年代は、記紀などの神話を義務教育に取り入れようという保守的機運が高まった時代であり、本書終章で神代の記述が歴史学から排除されずに残っていた19世紀日本の状況に触れるのはこういった背景もあってのことと推察。
[ 内容 ] 天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。 では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。 聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。 [ 目次 ] 第1章 普遍史の成立 第2章 中世における普遍史の展開 第3章 普遍史の危機の時代 第4章...続きを読む 普遍史から世界史へ 第5章 普遍史と万国史 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
神様が七日で世界、そしてアダムとイブを作った。 そこから始まる聖書の中の「歴史」観がどのように広がり小さくなっていったか。そんな本。 だいたいの流れ ↓ キリスト教の黎明期、キリスト教の正当化のために 聖書より(古い)エジプトやメソポタミアの歴史をこねくり回しながら聖書に入れる そんな教...続きを読む父たち。 ↓ 「海の向こうには何があるの?」「アジアの向こうはどうなってるの?」 アジア人は首無しふたなり人間なのぉ!←(やや語弊あり)という世界観を 最近の欧州人の心に植えつけた偉大なる聖書ベースの地図の話 ↓ 大航海以後、欧州人の「世界」が広まった。新大陸を聖書的にはどうみなすか? 中国の歴史ってめっちゃ古!という矛盾を解決してきた人たち。それに納得できなかった人たち。 宗教改革やルネサンスを経た欧州に!聖書的歴史観の危機が訪れる!!!! パスカル、ホッブス、モンテーニュ!あなたの歴史観きかせてね! ニュートン「エジプトの歴史長すぎ、大して何もしてない王様は省く。異論は認めない。」 ↓ エジプトのこととか聖書のバージョンによって年代違う。マジで泣きそう。 聖書は聖書、歴史は歴史。そんなアウトな考えをし始めた時から、「世界史」のはじまりはじまり 聖書ってどれだけ西洋人の思想を支配してきたんだろう。凄いと思う
天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。
普遍史から世界史への移り変わりを話題にした本。普遍史ってのは聖書を基準にして歴史を構成する分野。中国やエジプト、カルデアの歴史の長さに次第に圧倒されていくのが寂しい。まあ、それが西洋人一般に大好きな進歩ってやつでしょう。 年号の計算はややこしい。理解不可。まあ、脳みその血の巡りがいい人にはわかるので...続きを読むしょう。私には無理だ。
聖書の記述に基づいて書かれた「普遍史(Universal History)」はいつから「世界史(World History)」となったのか。年代学そのものの歴史を辿る。それは、ヨーロッパの人々が世界をどう理解してきたかを辿るということ。 ローマ期には、"人類史6,000年間"の観...続きを読む念が定着し、年代には創成紀元が使われるようになる。 キリスト紀元は、もとは復活祭の日を決めるという教会行事上の必要から、525年に発生した。 聖書の記述と矛盾するエジプトや中国の歴史の古さの問題は、やがて年代学論争に繋がった。 18世紀頃には普遍史の息の根は止められ、世界史の叙述がなされるようになる。
テーマは、誰でも一度はふっと興味が湧く事柄です。 でも読み物としてはちょっと退屈でした。 中国の歴史が聖書よりも古いので西欧の人たちは困り果てた、というあたりの話が面白かった。
なぜこの本を買ったのか、読みながら不思議になってしまった。思い返してみると「キリスト教史」「神学史」を知りたくて数冊買ったうちの一冊だった。しかし、自分の目論見と別に、キリスト教がどういうふうに聖書に基づいて世界史を取り込んだか、のようなことが書かれていて、正直「別に」という感じだった。この書自体の...続きを読む質の可不可ではなく、私の興味という点ではハズレ。 11/12/13
聖書の出来事がいつ起こったかをつきとめる年代学についての話。ヨーロッパの人々がこんなに必死になって解釈しようとする聖書という存在に驚いた。
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